世界観警察

架空の世界を護るために

サウンズオブアースの音楽トークを解析する② - 『ウマ娘』考察

 こんばんは、茅野です。

皆様は GW は如何お過ごしでしょうか。わたしは GW 返上でこの記事を書いていますよ、ええ。前編と併せて4日掛かってますからねこの記事。オペラオー君の記事書いた時の倍以上だからね。もう音楽ライター名乗れるで。

何かしらの形で報われるといいんですけど!

 

 さて、今月は、『ウマ娘』の劇場版が2つも公開され、特に盛り上がりを見せる月となりそうですね!

↑ 我らがオペラオー君がライバル枠として出演する『RttT』。このアニメに於けるオペラトークの解説はこちらから。

↑ こちらの新作では、どうにもオペラオー君がラスボス枠らしい。

 わたしにとって最重要の事項は、オペラオー君がオペラネタを発するか否か、それに尽きます。映画だと巻き戻したりとかダイアログ確認したりとかできないし、記憶力勝負だなあ……、不安だ……。

東京のかた、良かったら一緒にオペラネタ掘りに行きませんか。気軽にお誘いください。

 

 そんなわけで、今回も『ウマ娘』の記事。「サウンズオブアースちゃんの音楽トークを解析する後編となります。

↑ 前編はこちらからどうぞ!

↑ これまでの『ウマ娘』関連の記事はこちらから。

 もうね、解説員枠が板に付いてきましたからね、何でも来いみたいな気持ちになっています(長時間の執筆による深夜テンション特有の強気)。

 

 このシリーズでは、「クラシック音楽超入門者でもきちんと理解できる解説」をコンセプトに、サウンズオブアースちゃんの発言に含まれる音楽用語やイタリア語を解説していくものとなります。

 単語や表現は、辞典風に、アルファベット順に纏めてあります。後編となる今回は、M~W から始まる語を纏めています。

 書き手として、一度は通読して欲しいですが、育成中にわからない語が出てきたら、「Ctrl + F」や「このページ内を検索」などを活用して、アースちゃんの発言への理解を深めていってくださいね。

 

【注意書き】

・考察・解説記事ですので、当たり前にネタバレを含みます。

・考察なので、必ずしも正しいとは限りません。深読みもします。

・漏れ・抜けがあったらすみません。

 

 それでは、今回もお付き合いの程、宜しくお願い致します!

↑ 前編が赤系だったので、今回は青系の照明で。ト音記号の耳カバー可愛すぎる~。お揃っちしたい(ウマ耳生えてないけど……)。

 

 

前提知識のおさらい

 詳しくは前編を確認して欲しいのですが、一応こちらでも簡単に「最初に押さえておきたいこと」を復習します。

 

 まず、「演奏記号」の分類を思い出してください。アースちゃんが用いるのは、主に以下の4種類です。

強弱記号……音の大きさ、「大きく」「小さく」などを指定する記号。

速度記号……テンポ、「速く」「遅く」などを指定する記号。

反復記号……「ここを繰り返す」など、反復を指定する記号。

発想記号……「楽しそうに」「悲しそうに」など、少し抽象的な指示のこと。

 

 イタリア語についても簡単に。

イタリア語のでは、多くの場合、職業などは男性向けの表現と女性向けの表現があります(例:「指揮者」は、男性は Direttore / 女性は Direttrice)。

これらは、自分や相手の実際の性別に基づいて使い分ける必要があります。

 

 また、イタリア語の名詞・冠詞・形容詞には、「性(男性形・女性形)」と「数(単数形・複数形)」があり、名詞に冠詞と形容詞を付ける場合は、名詞に合わせて、「性数一致」を行う必要があります。

 

 

 復習は問題なさそうですか?

それでは進めて参りましょう!

 

音楽用語・イタリア語辞典

Maestra / Maestro マエストラ / マエストロ

さぁ、手をとっておくれ。マエストラ。

(レース勝利!)

 イタリア語で「教師」「マスター」の意味だが、音楽に於いては「偉大な指揮者」を指す。男性が「マエストロ」、女性が「マエストラ」。

新春オペラオー君が「円弧のマエストロ」を引っ提げてきたときに、一度紹介済み

 

Maggiore マッジオーレ

であれば、ミノーレはマッジオーレへと変えないとね。

(今度こそ負けない!)

 比較級。「より大きい」。音楽では、「長調の」を意味することも。

長調」とは、英語では「メジャー」ともいい、簡単に言うと明るい雰囲気の曲調を指す。

対になるのが「ミノーレ(minore)」で、こちらは「短調の」。

 

Magnifica マニーフィカ

煌びやか(マニーフィカ)なドレスを着た嬉しさ、

(Suonare in duo)

 形容詞の女性形。「素晴らしい」「立派な」「素敵な」。英語でいう magnificent。

「ドレス」に掛かっているのは間違いないが、イタリア語で「ドレス」に相当する語 vestito や abito は両方男性名詞なので名詞の性ってマジでそういうとこある、何故女性形になっているのかは不明。

男性形では「マニーフィコ(Magnifico)」。

 

Malinconia マリンコニア

激しくもマリンコニアなメロディーアに酔いしれた、連弾のひと時―――

(ホーム会話)

 女性名詞。ごく稀に発想記号としても。「憂鬱」「哀愁」。英語でいう melancholy。

 

Mamma mia マンマミーア

マンマミーア! 知っててきていたのかと思ったよ!

(ストーリー第6話)

 イタリア語の慣用表現。直訳すると「私のお母さん」だが、通常は「なんてこった!」というような意味。

ちなみに、「私のお父さん」という有名なオペラ・アリアが存在する。いつかオペラオー君に歌って欲しい。O mio babbino caro~

 アースちゃんの台詞は、基本 mia を「ミア」と長音記号なしで表記されるのに、ここでは「ミーア」と長音記号ありになっているのが気になる。どちらかで統一して欲しい。アクセントがあるので、原則的には長音記号はあった方がよいと思う。

 

Marcia マルチャ

整然と、されど勇ましいマルチャがねっ!

(ホーム会話)

 女性名詞。「行進」「前進」などの意味だが、音楽用語としては、曲の一種「行進曲」。英語でいう「マーチ」。

 ここでアースちゃんが口ずさんでいるのは、みんな大好きヨハン・シュトラウスの『ラデツキー行進曲』。

最も有名なマーチの一つで、ウィーン・フィルニューイヤーコンサートの定番としてお馴染み。

↑ クラオタ(クラシック音楽オタク)は、年末年始は紅白歌合戦でもガキ使でもなく、オペレッタ『こうもり』とニューイヤーコンサートを観ます。皆様も、今年は一緒に如何?

 

Mariage マリアージュ

生命のマリアージュ

(生命のマリアージュ

 フランス語。「結婚」。イタリア語では「マトリモーニオ(matrimonio)」。

 

Martellato マルテラート

曲が展開するにつれ混ざる、楽しげなマルテラートはきらめく陽光。

(バレンタイン)

 弦楽器の奏法。鋭いスタッカートを付けて、歯切れよく力強く弾くこと。直訳すると「ハンマーで打たれた」の意。

 

Meccanico メッカニ

舞台を整える整備士(メッカニコ)、

(Suonare in duo)

 形容詞或いは男性名詞。後者では「整備工」。

 

Melodia メロディーア

今日もメロディーアを重ね合おう!

(自己紹介)

 女性名詞。「メロディ」「旋律」。アースちゃん語録の最頻出単語のひとつ。

英語で「メロディ(Melody)」と言うことも。

 余談ですが、前編で登場したバレエ『ボレロ』で、真ん中の赤い円卓の上で踊る役も「メロディ」といいます。メロディ役は、絶大なカリスマ性を備えた、熟達したバレエダンサーしか担うことができなません(ちなみに、男性も女性も担当することができます)。

 

Meno mosso メノ・モッソ

重要なパートだ。メノ・モッソを心掛けなければ。

(ストーリー第4話)

 速度記号。「今までより遅く」。

 

Meraviglioso メラヴィリオーソ

メラヴィリオーソな凱旋曲を君に贈るよ!

(武者震い)

 形容詞。「素晴らしい」「見事な」。英語でいうところの「マーベラース☆★☆」。

音写は正確には「メラヴィリオー」。なぜかイベント「名指導」の時のみ「メラヴィリオーゾ」になっていて、こちらが正しい。こちらで統一して欲しい。

 

Mezzo forte メッゾ・フォルテ

この四小節目のメッゾ・フォルテをフォルテッシモにしたいんだ。

(ストーリー第4話)

 頻出の強弱記号。「少し強く」。略して書くときは「mf」。

「メッゾ」は「メゾ」になっているところもあり、表記揺れしている。

 

Mezzo piano メッゾピアノ

メッゾピアノ……。……ごめんね。

(福引チャンス!)

 頻出の強弱記号。「少し弱く」。略して書くときは「mp」。

前述の「メッゾ・フォルテ」と、中黒の有無が表記揺れしているのが気になる。

 

Minacciso ミナッチョーソ

破壊的な(ミナッチョーソ)な音は怖かったろう。

(Intonare)

 発想記号。「脅かすように」。

 

Minore ミノーレ

であれば、ミノーレはマッジオーレへと変えないとね。

(今度こそ負けない!)

 比較級。「より小さい」。音楽で使うときは、「短調の」を意味することもある。

短調」とは、英語では「マイナー」ともいい、簡単に言うと悲しげな雰囲気の曲調を指す。

対になるのが「マッジオーレ(maggiore)」で、こちらは「長調の」。

 

Misterioso ミステリオーソ

光の届かない深海で、神秘(ミステリオーソ)の波音を吟じる。

(クリスマス)

 発想記号。「神秘的に」。音写は「ミステリオー」が正しい。

 

Moderato モデラー

最初はモデラートで構わないかい?
(ストーリー第4話)

 頻出の速度記号。「中くらいの速さで」。

 

Molto interessante モルト・インテレッサンテ

おお、モルト・インテレッサンテ! 音楽家として、是非ともお相手願いたい。

(未知とのコンチェルト)

 イタリア語の慣用表現。「とても興味深い」。

 

Mormorando モルモランド

まだ目覚めたばかりの初々しいささやき(モルモランド)を感じるだろう?
(バレンタイン)

 発想記号「ささやくように」。英語の murmur と語幹は同じ。

 

Morendo モレンド

―――モレンド。まだ緊張が解けないと見える

(ストーリー第1話)

 発想記号。「絶え入りそうに」「だんだん弱く、遅く」などの意。

語幹は「死ぬ(morire)」という動詞から来ている。

 

Muse ミューズ

ターフに立つ君は、まさにミューズの再来だった……!

(コン・フオーコなアモーレを君に)

 ギリシア神話の女神。詩や音楽、舞踏などを司る。

イタリア語では「ムーザ(Musa)」。

 

Musica ムジカ

湧き上がるムジカへの情熱は客席へと広がり、歓喜の音で満たされるだろうさ!

(育成)

 女性名詞。「音楽」。アースちゃんの最頻出語の一つ。

 

Musicista ムジチスタ

おお、我が愛するムジチスタたちよ!

(自己紹介)

 「演奏家」。複数形にするなら「ムジチスティ(musicisti)」。アースちゃん語録の頻出語の一つ。

 派生として、イベント名「Musicisti brillanti(ムジチスティ・ブリッランティ)」は、「素晴らしい演奏家たち」。

 

Nocturne ノクターン

君をイメージした、真昼のノクターンを!

(友情のアンサンブル)

 英語。日本語では「夜想曲」とも。イタリア語では「ノットゥールノ(notturno)」。

「夜の」を意味する語から来ているので、「真昼のノクターン」はめちゃくちゃ矛盾しているのだが大丈夫なんだろうか。

 例として、我らがチャイコフスキーの酷く官能的な『ノクターン』をお届け!

↑ 弊ブログの読者さんには、バレエ版『オネーギン』のオネーギンの Va. としてお馴染み。稀代のチェリスト、ミッシャ・マイスキー御大の演奏で。

 

Nota ノータ

なんて愉快なノータとの出会い!

(ホーム画面)

 女性名詞。「メモ」などの意味もあるが、ここでは「音」「音符」。複数形では「ノーテ(note)」。

 

Novelette ノヴェレッテ

バラード、スケルツォ、ノヴェレッテ―――。

(いずれグランディオーソなセッションへ)

 曲の種類を表す。主に小品、短い曲を指す。小説を指す「ノベル」と語源は同じ。

わたしの一番好きなノヴェレッテは、ダントツでグラズノフ作曲の四重奏のもの。とっても可愛らしい曲集です!

↑ 全曲好きですが、特に4番のワルツ(14:15~)大好きで、自分で弾きたいあまりピアノ編曲譜を書いたことまである。気に入って貰えたら嬉しいです。

 

Nuove cantanti ヌオーヴェ・カンタンティ

 イベント名。

女性複数形なので、イタリア語で、「新しい女性歌手たち」。

 

Obbligato オブリガート

私もオブリガートで盛り上げよう!

(クレーンゲームに挑戦)

 音楽用語。ひとつは「欠かせない声部」という意味、もう一つは「主旋律と同時に奏でられる、伴奏以外の別の旋律」のこと。現在では後者の意味で使われることが多く、ここでもそちらの意味で用いられている。

 

Oddio オッディーオ

オッディーオ! 楽しい時間というのは何故こうも早く過ぎてしまうんだ!?

(クリスマス)

 イタリア語の慣用表現。絶望したときに等に用いる。「おお、神よ!」。英語でいう Oh, my god。

 

Ombra オンブラ

姿の見えぬ、オンブラなピアニスタ。

(ホーム会話)

 女性名詞。「日陰」「影」。

オペラで ombra といえば、勿論ヘンデル作曲のオペラ『セルセ』より、名アリア『オンブラ・マイ・フ(Ombra mai fu)』。

↑ 動画の字幕はフランス語なので注意。歌詞はイタリア語。

Ombra mai fu かつてないほどの
di vegetabile, 木陰だ
cara ed amabile, 優しくて、愛らしくて
soave più 心地良いことこの上ない

拙訳書いたけど、シンプルすぎて訳しづらさの極みで笑った。というか、これほど言ってしまえば中身のない歌詞で名アリアになるの、怖いまである。

 

 'O sole mio オー・ソレ・ミオ

オー・ソレ・ミオ!!! ああ、今日はなんて素晴らしい―――

(ストーリー第4話)

 有名なナポリ民謡のタイトル。日本語にするなら「私の太陽」。

オペラオー君の恒常衣装の名前が、こちらをもじった「オー・ソレ・スーオ!(彼の太陽!)」であることはあまりにも有名。

個人的には、「ミオ」と「スーオ」で長音記号の表記揺れがあるのが気になる。

 ちなみに、こんな曲。

↑ 'O sole mio に於いて、パヴァロッティ御大の右に出る者はいないので仕方ない。

 

Ottava オッターヴァ

ふむ、確かにオッターヴァ……。

(クインディチェージマからローコ……でも)

 指示記号。「8度」、つまり「1オクターヴ」。略して書く時は「8va」。

ここでの使い方的に、「1オクターヴ下げて」という意味だと介せるが、上に書くと「1オクターヴ上げて」の意味。

前編でも掲載した図解を再び掲載。

 ちなみに、オクターヴ」とはそもそも「数字の8」を意味する。わかりやすく言うと、「ドレミファソラシド」で8音なので。

(弊ブログの読者さんにはお馴染みの小説『アルマンス』の主人公の名前も「オクターヴ」。勿論、同じようにこの数字の「8」から来ています。『アルマンス』はいいぞ。)

 

Ottimo オッティモ

なんてオッティモ!

(並び立つアニマ)

 形容詞、または男性名詞。「最上(の)」「最高(の)」。

 

Overture オーバーチュア

もうオーバーチュアは鳴っているよ!

(ストーリー第2話)

 英語。日本語では「序曲」とも。オペラなどで最初に演奏される曲を言う。

 折角なので何か一つ序曲を聴いてみましょう。有名な序曲ということで、ロシアオペラ(※筆者はオペラの中でもロシア語のオペラを偏愛するオタクである)から、グリンカ作曲『ルスランとリュドミラ』序曲をチョイスしてみました。どうぞ!

↑ いつもマイナー枠扱いされるロシアオペラの中では有名なので、聞いたことある人もいるかも? 一時期は洗剤の CM などでも使われていたようですね。爪楊枝おじさんことゲルギー親分の指揮です。ね、マジで爪楊枝でしょ?

 

Palcoscenico パルコシェーニコ

最高の舞台(パルコシェーニコ)で、君をもてなすとしよう。

(クリスマス)

 男性名詞。「舞台」「ステージ」。

 

Papagena, Papageno パパゲーナ、パパゲーノ

おや、興味津々のパパゲーナ(パパゲーノ)。

(いずれグランディオーソなセッションへ)

 モーツァルトのオペラ『魔笛』の登場人物。

過去にオペラオー君が何度か発言しており、解説済みなので、そちらを参照のこと。

↑ 該当部の解説にすぐに飛べるようにリンクしてあります。

 

Parte di me パルテ・ディ・メ

愛しい私の一部(パルテ・ディ・メ)。

(バレンタイン)

 一般的なイタリア語の表現。英語にするなら part of me。

 

Passionato パッショナート

さすがは胸に情熱的(パッショナート)な旋律(メロディーア)を秘める我がディレットリチェ!!

(新年の抱負)

 発想記号。「情熱的に」。

派生として、「力強い決意( passione / パッショーネ」や、「ケ・パッショーネ(Che passione / なんて情熱だ)」なども登場。 passione は女性名詞。

 

Pasto パスト

パストの面影もなく、ただ静謐に並ぶさまはオーケストラ!

(ホーム会話)

 男性名詞。「食事」。

一般的には、「朝食」「昼食」などと言い分けるので、意外にも実はそこまで頻出でもない単語。

 

Pausa パウザ

ここはパウザに従って休むとしよう。

(お大事に!)

 一般名詞としても、音楽用語としても、「休止」を意味する。英語でいう pause。

 尚、オーケストラなどで、全ての楽器が揃って休符になることを「ゲネラルパウゼ(Generalpause)」と呼ぶ(これはドイツ語)。これが綺麗に決まると超カッコイイ。

 

Per la musica di domani ペル・ラ・ムジカ・ディ・ドマーニ

 イベント名。

イタリア語で「明日の音楽のために」。英語にするなら for the music of tomorrow。

 

Perfetto ペルフェット

宇宙一のゾンビだ! ペルフェット!

(貴方も! そして君も!)

 頻出のイタリア語表現。形容詞「完璧な」。

宇宙一のゾンビってなんやねん

 

Pesante ペザンテ

今日の音色はまた一段とヴァーゴでそれでいてペザンテな……?

(ダイエット成功!)

 形容詞。「重い」。

 

Pescatore ペスカトーレ

お願いだよ、かわいいペスカトーレ

(君は、テンポ・ジュストなアンダンテ)

 パスタの味付けでお馴染みの男性名詞。「漁師」「釣り人」。ペスカトーレ美味しいよね

こちらは男性形なので、シュヴァルグランちゃんに使うときは女性形の「ペスカトリーチェ(pescatrice)」が正しい。

 

Piacere ピアチェーレ

まさかこれほどの喜び(ピアチェーレ)があるとは!

(バレンタイン)

 男性名詞。「喜び」。英語にするなら pleasure。

 

Pianissimo ピアニッシモ

ピアニッシモを感じた。

(ストーリー第1話)

 頻出の強弱記号。「とても弱く」。piano(弱く)+最上級接尾辞 -issimo。略して書くときは「pp」。

よく勘違いされているが、ピアニッシモ=陰気な、ではないので、この台詞はちょっと解釈違い。

 更に、「ピアニッシッシモ(pianississimo)」という表現も。「ppよりも更に弱く」。略して書く時は「ppp」。チャイコフスキーなんかが書きがちでお馴染み。

↓ これはピアニッシッシモの更に上の pppp。チャイコフスキーバレエ音楽『くるみ割人形』から、「アラビアの踊り」のピアノ譜。

チャイコフスキーはマジでそういう所ある(好きだけど)。いっぱい増やせばいいってもんじゃないっての。これなに? ピアニッシッシッシモ?? テイオーちゃんかよ。

 

Pianista ピアニスタ

姿の見えぬ、オンブラなピアニスタ。

(ホーム会話)

 女性名詞。「ピアニスト」。

ちなみに、楽器の「ピアノ」と強弱記号の「ピアノ(p)」は勿論語源が同じ

 

Pietoso ピエトー

エトーソ……残念だったね。

(クレーンゲーム失敗……)

 発想記号。「哀れんで」「情深く」。本来は「ピエトー」。

ちなみに、この女性名詞形の「ピエタ(pieta)」はイタリア語としても超頻出。オペラでもよく出てきますし、キリスト教美術の表現の一つとしても有名ですね。

 

Pizzicato ピッツィカート

……その旋律は、どこか水の香りがするピッツィカートから始まった。

(バレンタイン)

 弦楽器の奏法のひとつ。弓ではなく、指で弦を弾くことによって音を出す。略して書くときは「pizz.」と書く。

ちなみに、逆に弓で弾くことを「アルコ(arco)」という。

 ピッツィカート奏法が特徴的な曲の中で、個人的に好きなラヴェル弦楽四重奏の第2楽章を参考として出しておきます。

↑ 最初は四人ともピッツィカートから始まります。ちなみに、ピッツィカートは慣れていないと泣けるくらい指先痛くなります。まずはなんとか耐えられるくらいに指の皮を厚くするところから。アースちゃんの指先は、相当鍛えられているんだろうな。

 

Poco a poco ポコ・ア・ポコ

ポコ・ア・ポコ……それまでにさらなるレッスンを積んでおくと……!

(福引チャンス!)

 音楽用語。「少しずつ」。この後に少しずつ何をするのかの指定を入れる。例)poco a poco crescendo. 少しずつ強く。

恒常衣装「リトモ・デッラ・テッラ」の育成台詞では、「ア・ポコ(a poco)」と省略した形でも登場する。

 

Possibilita ポッシビリタ

 イベント名。

女性名詞。「可能性」。英語の possibility

 

Pratica プラティカ

それからは毎日のように、プラティカに明け暮れたよ。

(ストーリー第6話)

 女性名詞「実行」「訓練」「練習」などの意。英語でいう practice。

 

Prego プレーゴ

プレーゴ! お礼を言うのはこちらのほうさ。

(新年の抱負)

 イタリア語の慣用表現。「どうぞ」「どういたしまして」などの意。

 

Prelude プレリュード

プレリュードは、始まったばかりさ!

(ストーリー第4話)

 なぜか英語。「前奏曲」。オペラなどで一番最初に演奏される曲のこと。

イタリア語では「Preludio(プレリューディオ)」。

 

Presto プレスト

やや強い足取りになって、急速(プレスト)に!

(デビュー戦に向けて)

 頻出の速度記号。「速く」。

 尚、ストーリー第4話などで登場する「プレスティッシモ(Prestissimo)」も速度記号で、「極めて速く」を意味する。Presto(速く)+最上級接尾辞 -issimo。「バレンタイン」の中では、「瞬く間に」のルビになっている。

 

Primo violino プリモ・ヴィオリーノ

プリモ・ヴィオリーノとして浴びる喝采は格別だね!

(レース勝利!)

 オーケストラに於ける、第1ヴァイオリンの第1奏者のこと。基本的には、コンサートマスター、或いはコンサートミストレスを兼任する。

 個人的に好きなコンマス(プリモ・ヴィオリーノ)は、シンフォニック・カペラのアンドレイ・クドリャフツェフさん。クール系の細身のイケオジさんなんですが、いつも指揮者ポリャンスキー先生の無茶ぶりに付き合わされて頭掻いてるの可愛いんだよな(そこ)

 

Principessa プリンチペッサ

繊細なお姫様(プリンチペッサ)だからね。

(Intonare)

 女性名詞。「お姫様」「王女様」。

ちなみに、オペラオー君の大好きなアリア『誰も寝てはならぬ』の冒頭の歌詞は、

Nessun dorma! 誰も寝てはならぬ
Nessun dorma! 誰も寝てはならぬ
Tu pure, o Principessa, あなたもですよ、お姫様

から始まる。

↑ 是非耳で確認してみてください。

 (ちなみに、弊ブログで普段「お姫様」と言ったら勿論この方を指します。推しの愛したお姫様が一番可愛いに決まっているんだよな(オタク特有の強火)。)

 

Provare プロヴァーレ

 イベント名。他動詞「試す」「テストする」の不定詞(動詞の原形)。

 

Purezza プレッツァ

プレッツァ……? そんなふうに想ってくれていたのか!

(Suonare in duo)

 女性名詞。「清らかさ」「純粋」。

 

Quindicesima クインディチェージマ

いや、クインディチェージマからローコのよう。

(クインディチェージマからローコ……でも)

 指示記号。「15度」、つまり「2オクターヴ」(ドレミファソラシドレミファソラシドで15音あるので)。略して書く時は「15ma」。

ここでの使い方的に、「2オクターヴ下げて」という意味だと介せるが、音符の上側に書くと「2オクターヴ上げて」の意味。

殆ど出て来ないレアキャラ指示である。

 

Reed リード

まるでリードの先端のよう。

(君は、テンポ・ジュストなアンダンテ)

 リードとは、木管楽器の、口にくわえる部分を指す。リードを使う楽器を、「リード楽器」とも言う。

 代表的なものはオーボエ。「ダブルリード」と呼ばれるリードを用い、特に扱いが難しいことで有名。

オーボエのリードを作る様子。一瞬血が出るので注意。大変な作業である。オーボエ奏者は凄い(演奏自体も特に難しいし……)。

 

Religioso レリジオーソ

エネルジコでなくともレリジオーソな誠実さがそこにある。

(君は、テンポ・ジュストなアンダンテ)

 発想記号。「敬虔な」「宗教的な」。英語の Religion と語幹が同じ。

音写は「レリジオー」が正しい。

 

Ricercare l'eccellenza リチェルカーレ・レチェレンツァ

 イベント名。イタリア語で、「卓越性を求めて」。

 

Ricordi リコルディ

ディレットリチェとの思い出(リコルディ)。

(名指導)

 男性名詞「Ricordo(リッコルド)」の複数形。「思い出」。

 

Rinforzareto リンフォルツァート

ピアニッシッシモからリンフォルツァートまで―――

(いずれグランディオーソなセッションへ)

 指示記号。「特にその音を強く」。リンフォルツァンド(rinforzando)とも。略して書く時は「rfz」。

 

Risoluto リゾルート

春(プリマヴェーラ)まで引き続き決然とした歩み(リゾルート)でいこう……!

(新年の抱負)

 発想記号。「決然とした」。

イベント「初詣」でも「決然とした」のルビになっている。

Primavera は文字通り「春」の意。

 

Ritenuto リテヌート

悲しいときにはリテヌート。

(ストーリー第2話)

 強弱記号。「ただちに遅くして」。略して書かれるときは「riten.」。

リタルダンド(rit.)と混同しないように注意。こちらは「だんだん遅く」。

 

Ritmo リトモ

行くよ! ずっと信じてきた、愛すべきリトモ!

(夏合宿(2年目)にて)

 英語でいう「リズム」。恒常衣装の「リトモ・デッラ・テッラ(Ritmo della terra)」 は、「地球のリズム」になる(英語にするなら「リズムオブアース」か)。

「テッラ」単体では、クリスマスイベントなどでも登場。

 英語で「リズム(Rhythm)」と言うことも。

 

Rivali リヴァーリ

私たちは同じレースを走る者であり、レースで競い合う者(リヴァーリ)だからね。

(目標達せの後に・A mini unite)

 名詞。「ライバル」。

オペラオー君はフランス語で「リヴァル」と言っていましたが、アースちゃんはイタリア語で「リヴァーリ」。

 

Rubato ルバート

他のアンジェリたちと比べるとルバートで、扱いにくいだろう?

(ストーリー第4話)

 演奏記号。速度を速めたり遅くしたり、テンポを揺らすことを意味する。合奏でやると大変なことになるので、ソロの時に行うのが普通。

オペラオー君も発言している。

 複数形の「アンジェリたち」だと、意味上は「天使たちたち」と重複してしまっているので、「アンジェラたち」とするか、「アンジェリと~」にするとよい。

 

Rumore ルモーレ

音量を下げても雑音(ルモーレ)は消えないよ!

(Provare)

 男性名詞。「物音」「騒音」「雑音」。

 

Sacrificio サクリフィチョ

自己犠牲(サクリフィチョ)と愛を間違えてはいけないよ。

(Provare)

 男性名詞。「生け贄」「捧げ物」「犠牲」「献身」など。英語でいう sacrifice。

 

Salute サルーテ

楽しいサルーテはお預けだね。

(夏合宿(2年目)にて)

 女性名詞で「健康」。イタリアでは、乾杯の時のかけ声になる。

 

Santa Lucia サンタ・ルチア

Barchetta mia, Santa Lucia, Santa Lucia ♪

(ストーリー第1話)

 ナポリ民謡「サンタ・ルチア(Santa Lucia)」。サンタとは「聖女」という意味。つまり、「聖女ルチア」という歌。

 歌詞としては、本来はその前の Venite all’agile barchetta mia, からでひとまとまり。ここの意味は「私の機敏な小舟においでよ、聖女ルチア、聖女ルチア」というところ。

イタリア語歌詞表示付きの動画を出しておきます。動画では、0:51~が該当部。音程もこの通り。

↑ (特にイタリア出身の)オペラ歌手がアンコールなどで選ぶことも多い一曲。

 

Scherzo スケルツォ

バラード、スケルツォ、ノヴェレッテ―――。

(いずれグランディオーソなセッションへ)

 曲の一種。日本語では「諧謔曲」とも。主に3拍子の軽快なリズムの曲が多いが、逸脱することも。

恐らく最も有名なのは、ショパンの第2番。どうぞ↓。出しておきます。

↑ この後の3番も有名なので、聴いたことがある人も多いかも。

 

Scherzando スケルツァンド

全体はスケルツァンドでありながら、

(福引チャンス!)

 発想記号。「諧謔的に」「軽快に」。

 

Serenade セレナーデ

登場を待つ間に、セレナーデでも……。

(未知とのコンチェルト)

 音楽用語で、曲の一種。夜に恋人の家のバルコニーの下で歌う愛の歌を指す。

典型的なセレナーデの例として、ロッシーニ作曲のオペラ『セヴィリアの理髪師』から、アルマヴィーヴァ伯爵の歌うセレナーデ『東の空が微笑み』をどうぞ↓。

↑ 楽器隊を連れて行くのもイタリアのセレナーデの伝統。

 

Score スコア

あらゆるスコア……超絶技巧練習曲でさえも奏でてみせよう!

(育成)

 英語。「楽譜」を意味するが、単に「スコア」といえば、普通は「フル・スコア」、つまり日本語でいう「総譜」を指す。

 合奏(デュオからフルオーケストラまでなんでも)の場合、「パート譜」と「スコア譜」と呼ばれるものに分かれる。

 パート譜」とは、そのパート≒楽器のみの楽譜が書かれたもので、「スコア譜」とは、合奏に参加する全てのパート≒楽器の楽譜が記されたもの

たとえば、第1ヴァイオリンの人は第1ヴァイオリンのパート譜を見ながら弾き、一方で指揮者はスコア譜を見ながら指揮する。

 例を見てみましょう。こちらはヨアヒム・ラフ作曲の『弦楽四重奏 第1番』第1楽章のスコア譜です。四重奏なので、上から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの譜面が全て記されています。

↑ 序盤はヴィオラが忙しく、第1ヴァイオリンはお休み。

 スコア譜は、全ての楽器のパートを記す関係上、ページ数が膨大になる傾向があります。オペラのスコアだと、片面に2小節しか書いてない、なんてこともザラにあります。

 一方、こちらがパート譜です。同じ曲の第1ヴァイオリンのものを見てみます。

↑ 最初の7小節はお休み。

 パート譜では、自分のパートのみが記されているため、弾く人にとっては見やすく、ページ数も短く収まります。先ほどのスコア譜では、1ページに4小節しか書いていなかったのに対し、パート譜では1ページに50小節以上記されていることがおわかり頂けるでしょうか。

 ちなみに、このラフの四重奏1番は、個人的にわたしの大のお気に入りなので、よかったら聴いてください。スコア譜付きの動画を出しておきます。

↑ 個人的に好きな四重奏曲ランキングで常に最上位争いしている曲。この緊迫感がクセになるんじゃ。アースちゃん、弾いてくれ~。

 

Scorta スコルタ

スコルタ、何が何でも伴わせてもらうよ。

(Provare)

 女性名詞。「付添人」「護衛」「ボディーガード」。

 

Seiren セイレーン

グルメのセイレーンたちがあまりにも甘く歌うものだから、うっかり心を奪われていたみたいだ。

(美食のメロディー)

 ギリシア神話に登場する怪物。人を惑わす歌を歌うとされている。

過去にオペラオー君も言及しているので、そちらで紹介済み。

 

Sembra buono センブラ・ブオノ

そして―――センブラ・ブオノ!!

(福引チャンス!)

 イタリア語の慣用表現で「美味しそう」。Sembra = ~のように見える、buono = 美味しい。

Buono 単体でも登場することがあるが、こちらは何故か「ブオーノ」と表記揺れしている。

 

Session セッション

なるほど、彼女はレースのこともセッションと言うのか。

(ストーリー第2話)

 何故か英語。音楽としては「合奏」のこと。

イタリア語では女性名詞で「セッシオーネ(sessione)」という。

 

Si certo シー・チェルト

シー・チェルト! このメニューをこなせば、成長に繋がると言ってくれただろう?
(ストーリー第7話)

 イタリア語の表現。「はい、勿論」というような意味。Certo 単体で使われることも。 

Si は、育成時には「シー」ではなく「スィ」と記されており、表記揺れしている。

 

Signorina シニョリーナ

お嬢さん(シニョリーナ)、私と1曲いかがかな?

(突発アンサンブル)

 女性名詞。未婚の女性を指す。「お嬢さん」。

一般的なイタリア語なので、無論オペラでも沢山登場します。例↓。

↑ 一度見たら忘れない(?)極太眉毛ハイテンションテノールヴィラゾンさんだよ。

Aspetti, signorina,  待って、お嬢さん、
le dirò con due parole 少しお話しさせてください。
chi son, e che faccio, 僕が何者で、何をしていて、
come vivo. Vuole? どうやって生きているのか。いくよ?

 また、派生として「シニョーレ(Signore)」も登場。こちらは男性向け。英語でいう「ミスター」。

 

Sinfonia シンフォニア

歌と楽器のシンフォニアで捧げよう!

(ファン感謝祭)

 英語では「Symphony(シンフォニー)」。日本語では「交響曲」とも。管弦楽(=オーケストラ)によって奏でられる大規模な楽曲のこと。

「コンチェルト」との違いは、ソリストがいるかどうか。

 通常、交響曲管弦楽のみで演奏され、歌は入りません。しかし、数少ない例外に、非常に有名な曲があるので例として出しておきます。

↑ クラオタはこれを聴かないと年を越せないことでお馴染みのベートーヴェン交響曲第9番第4楽章、通称「第九」、「歓喜の歌」。

 

Soliste ソリスト

今日の私は比類なきソリストさ!

(育成)

 フランス語。「独奏者」のこと。英語では soloist(ソロイスト)、イタリア語では solista(ソリスタ)。

音楽に置いては、主にコンチェルト(協奏曲)に於いて、全楽章にわたってソロを演奏する人を指す。コンチェルトのソリストは、指揮者の斜め前に立ち(ピアノやチェロの場合は座り)、弾く。

↑ 図解。

 また、派生として「ソリスティ(Solisti)」も登場。これは「独奏者たち」という意味で、複数形だからといって合奏になるわけではない。

 

Sono commossa ソーノコンモッサ

信じられない、わざわざ私のために学んでくれたのかい? ソーノコンモッサ!

サウンズオブアース登場!)

 イタリア語。「私は感動した」という意味。

 

Sovrana ソヴラーナ

それはお互い様さ、ソヴラーナ!

(並び立つアニマ)

 我らがオペラオー君に対して。女性名詞「女性の権力者」、つまり「女王」「女帝」などのこと。英語でいう sovereign の女性形(英語の方がスペルややこしい……)

 オペラオー君を表すのに、 Regina(女王)ではなく Sovrana(女権力者)を使っているのはめちゃくちゃ解釈一致する。好き。

 

Spettatore スペッタトーレ

たった1人のスペッタトーレからのリクエストを聞き入れてはくれないかい?
(ストーリー第7話)

 男性名詞。「観客」。女性は「Spettatrice(スペッタトリーチェ)」になるため、アースちゃんが自身を指して言うときはこちらの方が望ましい。

また、複数形で「Spettatori(スペッタトーリ)」という表現も登場する(イベント「衣装もまた奏でる」など)。

 

Spiritoso スピリトーソ

嬉しいときにはスピリトーソ。

(ストーリー第2話)

 発想記号。「元気に」。「生き生きと」。音写は「スピリトー」が正確。

イベント「新年の抱負」では、「元気に」のルビとして出てくる。

 

Stella ステッラ

その生まれなどで早くから注目を集める新星(ステッラ)も存在している……。

(目標達成の後に・A mini unite)

 女性名詞。「星」。「一等星」のルビになっていることも。

複数形では「ステッレ(stelle)」で、イベント名「Stelle, a me(ステッレ・ア・メ)」は「星々は、私にとって」。

 ちなみに、最も有名なオペラアリアの一つ、プッチーニ作曲『トスカ』の名アリア『星は光りぬ』の原題(イタリア語)は E lucevan le stelle

↑ イタリア語と英語の字幕付き。歌唱はパヴァロッティ御大。「ステッレ」、聞き取れましたか?

 

Storia ストーリア

奏でるスオーノ、背負う背景(ストーリア)、その全てが多種多様―――。

ジャパンカップに向けて)

 女性名詞。「歴史」「物語」。

 

Stretta ストレッタ

聴こえたかい? 彼はストレッタ。

(ストーリー第2話)

 音楽用語。「緊迫した」などの意。

 楽曲の形式「フーガ」に於ける「追迫部」の意味もある。こちらは対位法など音楽理論のややこしい話になってくるので(一応簡単に説明すると、提示部と嬉遊部を幾度か繰り返した後に置かれるもので、主唱の途中から応唱を入れる部分のこと)、割愛。

 ちなみに、「聴」という漢字には「耳を澄まして聞き入る」という意味があるので(英語でいう listen)、「きこえる」に「聴」という漢字を充てるのは誤用で、「聞」を用いる(英語でいう hear)。

 

Strumento ストルメント

ストルメントの円熟味は増したはずだ。

(夏合宿(2年目)にて)

 男性名詞。「道具」など多様な意味があるが、ここでは「楽器」。実際、「楽器」のルビになっていることも。

ここでの台詞は、主に弦楽器を寝かせる(原材料となる木材を長年乾かして水分を抜くと、よりよい音になると言われている)ことを意味するか。

 

Stupendo ストゥペンド

―――ストゥペンドッ!!!!

(目標達成の後に・A mani unite)

 形容詞。「素晴らしい」。

 

Suoniamo スオニアーモ

スオニアーモッ!! 先生の衣装が届くまで、私の演奏でしのぎましょう!

(衣装もまた奏でる)

 イタリア語で「遊ぼう」だが、ここでは「弾こう」の意味。英語でいう play に相当。

派生として、イベント名「Suonare in duo(スオナーレ・イン・デューオ)」がある。こちらは「二人で演奏する」という意味。

 

Suono スオーノ

いいスオーノを聞かせたいのに……。

(育成)

 男性名詞。「音」「響き」。複数形は suoni(スオーニ)。アースちゃん語録頻出単語の一つ。

 

Syncopation シンコペーション

リズムが乱れたりする(シンコペーション)のがないといいな。

菊花賞に向けて)

 英語。イタリア語では「シーンコペ(sincope)」。音楽用語としては、拍節の強迫と弱拍を入れ替えることを言う。

わかりやすく言うと、基本的には、3拍子や4拍子では小節の頭にアクセントが来るのですが、シンコペーションでは、それ以外のところにアクセントを置きます。

 

Tacet タセット

……ふふ、タセットになるのも無理はない。

(ストーリー第2話)

 音楽用語。合奏において、そのパート≒楽器が「長い間休みで弾かない」ことを指示する。楽譜においては「Tacet」と記されるか、横棒が太字になったアルファベットの「H」のような記号で小節を潰すようにして記される。

 管楽器、特にトランペットでとても多い。酷いときは50小節以上タセット指定のことも……。

「弾いていない時間が長いの、楽じゃん!」と思われるかもしれませんが、指揮を見ながら小節数を真剣に数えていないと出を間違えて詰むので、ある意味とても大変。

↑ 最愛のオペラ、チャイコフスキー作曲『エヴゲーニー・オネーギン』から3幕序曲ポロネーズのトランペットのパート譜

 楽譜を見ながら、冒頭だけでも是非聴いてみてください。トランペットはファンファーレの後は少しだけお休み。

↑ 控えめに言っても最高。19世紀のペテルブルクの社交界を描いたシーンでの曲です。荒ぶるアバド御大(指揮者)にも注目。

 

Tamburino タンバリーノ

おっと、好奇心旺盛なタンバリーノ。

(ファンレター)

 楽器。タンバリン。

 

Tema テーマ

―――さあ、そろそろ主題(テーマ)を語り合おうとしよう。

(新年の抱負)

 男性名詞。音楽用語としては、「主題」「モティーフ」の意味。英語でいう theme。

 音楽に於いては、その曲のメインの旋律となるものを「主題」や「モティーフ」と呼ぶ。

 わかりやすい例として、モーツァルトの『きらきら星の主題による12の変奏曲(正確には 『「ああ、お母さん聞いて」による12の変奏曲)』を見てみます。

この楽曲に於いては、最初に演奏される、我々のよく知るあの『きらきら星』が「主題」に相当します。そして、この旋律を元に、どんどん変化させて12種類の変奏曲にしているのです。あの簡素な曲をこんなにヴァリエーション豊かにできるモーツァルトはやはり天才である。

↑ 割と真面目にピアノを習っている子ども向けの定番課題曲でもあり、わたしも小学2年生の時に発表会で弾いた思い出。皆様は何番が好きですか? 弾いていて楽しいのは10番かな。

 ちなみに、似た概念に「ライトモティーフ(動機)」というものがあります。こちらは主にオペラで使われる用語で、主にワーグナー以降の作品でよく使われます。

たとえば、「このキャラクターが登場したときは必ずこの和音や旋律が鳴る」みたいな形で、音楽でキャラクターや事象を表すことをいいます。

 

Tempestoso テンペストーソ

自分でも整理がつかない瞬間には、テンペストーソ。

(ストーリー第2話)

 発想記号。「嵐のように」。音写は「テンペスト」が正しい。

また、派生として「テンペスタ(Tempesta)」も登場。こちらは女性名詞で、「嵐」を意味する。

 

Tempo giusto テンポ・ジュスト

ふふっ、それが君のテンポ・ジュストか。

(ストーリー第3話)

 速度記号。「正確な速さで」。レースに於いても重要な指示かも。

 

Teneramente テネラメンテ

なんて優しい(テネラメンテ)んだ!
(Intonare)

 発想記号。「愛情を込めて」「優しく」。

 

Tesoro mio テゾーロ・ミオ

さ、行こう、私の宝物(テゾーロ・ミオ)。

(バレンタイン)

 一般的なイタリア語の表現。英語にするなら my treasure

ここでは s がきちんと有声化されている。何故。それでいいんだよ。

 

Ti amo ティ・アーモ

グラッツィエ。ティ・アーモ……!

(クリスマス)

 イタリア語の慣用表現。英語にするなら I love you。ド直球である。

 

Toni トーニ

どこかふくよかなトーニ……。

(ダイエット成功!)

 「tono(トーノ)」の複数形。「トーン」「調子」など。

 

Tranquillo  トランクィッロ

レーニングのしがいがある、静かな(トランクィッロ)な夜だね。

(初詣)

 発想記号。「静かに」。

 

Tramonto トラモント

夕焼け(トラモント)の空に君の音楽を響かせるんだ!

(Provare)

 男性名詞。「日没」「夕焼け」。

誰も寝てはならぬ』の 「Tramontate, stelle!(星よ、沈んでしまえ!)」と語幹は同じ。

Dilegua, o notte! Tramontate, stelle! 過ぎ去れ、夜よ! 沈め、星よ!
Tramontate, stelle! All'alba vincerò! 星よ、沈んでしまえ! 夜明けと共に、私は勝つ!
Vincerò! Vincerò! 勝利だ! 勝利するのだ!

 聞き取れましたか?

 

Tremolo トレモロ

ふふ、ただの気まぐれなトレモロさ。

(福引チャンス!)

 演奏技法の一つ。同じ高さの音を連続して演奏する奏法。

ギターなどに多い。わかりやすい例↓。

↑ 日本が誇るフラメンコギタリスト・沖仁先生はいいぞ。長年のファン。LFJ でも聴きに行きます!

 

Triad トライアド

私がトライアドになるためには……!?

(ダンスレッスン)

 英語。音楽用語で、「三和音」。イタリア語では、「トリーアデ(Triade)」。

たとえば、「ドミソ」など。

 

Triplet トリプレット

ミスマッチの、トリプレット……

(連続出走で……)

 英語。音楽用語としては、「三連符」。イタリア語では「トリプレッタ(tripletta)」。

三連符とは、一拍を3つの音に分割し、それを等間隔で弾く指示のこと。以下、図解。

↑ 自分で書いた楽譜から。上が「ター / タ・タ」というリズムなのに対し、下の三連符だと「タタタ / タタタ」になる。

 ちなみに、「三連符」が最頻出であり、有名なものの、何も連符は「3」に限らない。

↑ これも自分で書いた楽譜から。食らえっ、怒濤の12連符!! ちなみに、左側に見える「To coda」とあるのが、アルコーダで使う記号ですよ。

 

Una cosa sola ウーナ・コーザ・ソーラ

 イベント名。「一つのこと」。英語にするなら one thing。

 

Uno, due, tre, quattro ウノ、ドゥエ、トレ、クアットロ

ウノ、ドゥエ、トレ、クアットロ!

(ストーリー第4話)

 イタリア語で「1, 2, 3, 4」。

 余談ですが、イタリア語ではこのまま uno, due, tre, quattro でよいものの、ロシア語だと、本来は один, два, три, четыре(アディン、ドヴァ、トリ、チェティーリ)と数えるのに、このような体操などの掛け声的な数え方の時のみ、 раз, два, три, четыре (ラス、ドヴァ、トリ、チェティーリ)に変化します。マジでロシア語はそういうところある

 

Un nuovo battito ウン・ヌオーヴォ・バーッティト

 イベント名。

イタリア語で「新たなる鼓動」。

 

Vago ヴァーゴ

今日の音色はまた一段とヴァーゴでそれでいてペザンテな……?

(ダイエット成功!)

 形容詞男性形。「曖昧な」「漠然とした」。

 

Vai ヴァーイ

お気になさらず!! さぁ、行って(ヴァーイ)!!

(Un nuova battito)

 イタリア語の「行く」の二人称単数形。直説法現在(つまり現在形)、または命令形。つまり「(君は)行って」。

ここでは、キタサンブラックサトノダイヤモンド二人に対して言っているので、単数だと間違い。複数形は「アンダーテ(Andate)」。

 ちなみに、オペラオー君も引用している合唱曲『行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って』は、原語(イタリア語)だと Va, pensiero, sull'ali dorate。

 

Venne, e vide e vinse ヴェンネ、エ・ヴィーデ・エ・ヴィーンセ

『来た♪ 見た♪ 勝った♪』

(並び立つアニマ)

 オペラオー君参戦。夢のコラボレーションです。

「来た、見た、勝った」は有名なカエサルの台詞ですが、それをオペラ化したのがヘンデル作曲『ジュリオ・チェーザレ』(ユリウス・カエサルのイタリア語読み)。

イタリア語のオペラなので、ここではイタリア語で venne, e vide e vinse と歌われます。

 かなり序盤に出てくる発言です、そこだけ聴いてみましょう。序盤から、「Curio, Cesare venne, e vide e vinse; クーリオ(キャラクターの名前)チェーザレは来て、見て、勝った」です。どうぞ。

↑ 元はカストラート、今はカウンターテナーが歌うバロックオペラは、好き嫌いが分かれがちですが、皆様はどうですか?

 

Verso la vetta ヴェルソ・ラ・ヴェッタ

 イベント名。

イタリア語で、「頂上に向かって」。

 

Vibra Slap ビブラスラップ

この音は―――ビブラスラップッッッッ!!!! ―――ではないようだね、ふふっ。

(福引チャンス!)

 打楽器の一種。動画参照。

↑ 言われてみれば……割と音が似ている……!?

 

Vibraphone ビブラフォン

昨夜の月は、さながらビブラフォン

(寝不足で……)

 打楽器の一つ。鉄琴の一種。

 V の音が「ビ」と「ヴィ」で表記揺れしているのが気になる。ここは「ヴィブラフォン」でもよいのでは。

 歴史が浅い楽器なので、クラシック音楽では、現代以前には使用されない。

……ものの、ここで「月」という指定を貰ったので、ドビュッシーの『月の光』をヴィブラフォンで演奏した動画を載せておきます。どうぞ↓。

↑ 相性抜群すぎ!! さてはアースちゃん、この動画観たことあるな!?

 

Vibrato ヴィブラート

興奮で掠れたヴィブラート!

(ストーリー第3話)

 音楽用語。声楽や弦楽器などで、長く伸ばす音を細かく揺らす技法。

この間、オペラの公演評で「イタリアオペラとロシアオペラではヴィブラートのかけ方が違うんだ!」みたいな面倒くさい話を延々と書いたので、もしご関心あれば。

↑ 普段はこういう記事を書いています。わたしをお手本にするのはよろしくないと思いますが、オペラの公演評はこういう感じです。ベルナイムのレンスキーは最高。

 

Venus ヴィーナス

ヴィーナスも、この可憐な滑らかさには嫉妬をするだろうさ。

(ホーム会話)

 ローマ神話の「愛と美の女神」。ギリシア神話では「アプロディーテー」という。

オペラで「ヴィーナス」といえば勿論、ワーグナー作曲の楽劇『タンホイザー』に登場するヴェーヌス(ドイツ語読み)。

ワーグナーの楽劇は切れ目がないから布教するのも大変なんですけど、この辺りとか。愛と快楽の都ヴェーヌスベルクを出て行こうとする主人公タンホイザーを引き留めようとしたり脅したりする女神ヴェーヌス。

 いい加減おマチちゃんはオペラオー君と『タンホイザー』ネタやろう。

 

Virtuoso ヴィルトゥオーソ

彼女たちはいわば稀代の演奏家(ヴィルトゥオーソ)。

(新年の抱負)

 音楽用語。超絶技巧を極めきった天才、「音楽の達人」を指す。オタク的に言えば、「(ピアノ / ヴァイオリンなどその分野の)神」という感じ。演奏家に対する褒め言葉として、最大の賛辞の一つ。

どちらかというと、「情感豊かな演奏が魅力的な人」よりも、「圧倒的な技術力で魅せる人」に贈られる賛辞。

また、毎度ながら、音写は「ヴィルトゥオー」が正しい。

 前編で登場したフランツ・リストなんかは、代表的なピアノのヴィルトゥオーゾで有名でした。現代の演奏家で誰を「ヴィルトゥオーゾ」と呼ぶか論争は、音楽評論家の間で戦争が起きるのでタブー

 

Vivace ヴィヴァーチェ

ジョコーソ、ヴィヴァーチェ、グラツィオーソ……
(ストーリー第6話)

 速度記号、或いは発想記号。「快活に」「活発に」。

他の二つの発想記号については前述。音写気をつけて~。

 

Vivo ヴィーヴォ

ほら向かおう! ヴィーヴォ、ヴィーヴォ!

(ホーム画面)

 発想記号。「生き生きと」。一般的には、形容詞として用いる他、直説法現在・一人称単数形で、「私は生きている」という意味になる。

使用例↓。『ラ・ボエーム』から『冷たい手を』の一部。イタリア語字幕付き。

Chi son? Sono un poeta. 僕は何者か? 僕は詩人です。
Che cosa faccio? Scrivo. 何をしているか? 書いています。
E come vivo? Vivo. そしてどんな生活か? 生きているんです!

↑ 『冷たい手を』は最強の名アリアの一つですが、実は歌詞は自己紹介なんです。しかしプッチーニの旋律に乗せられると、それはもう熱烈な自己紹介になっちゃうんですよ。お陰様でロドルフォは世界で一番自己紹介が上手い男になったのだった。

 

Volti subito ヴォルティ・スービト

だからこそ、ヴォルティ・スービト。あらん限りの演奏で、私を示せ!

(ストーリー第3話)

 音楽用語。「急いで譜面をめくれ」という指示。略して書かれるときは「V. S.」(ヴァーサスではないので注意)。

親切なんだか不親切なんだかよくわからない指示である。

 

Volume ヴォルーメ

音量(ヴォルーメ)を下げても雑音は消えないよ!

(Provare)

 男性名詞。「体積」「総量」「ヴォリューム」「音量」。

 

Waltz ワルツ

ああ~~悲しきワルツ~~ ♪

(かけがえのないセッション)

 英語。曲の種類の一種。日本語では「円舞曲」とも。主に三拍子で書かれる舞曲。

イタリア語では「Valzer(ヴァルツェル)」。

悲しいワルツの例↓。チャイコフスキーの『感傷的なワルツ』。

バレエ版『オネーギン』2幕1場で、オネーギンが登場する時に使用されることでお馴染みの『感傷的なワルツ』。彼によく合っていると思います。

 

その他

 辞典編の通読、お疲れ様でした!

続きまして、ここでは、セリフ以外で表される音楽ネタについて触れます。

 

固有の動作

 覚醒時、レース時などにアースちゃんがする動きは、「指揮を始める時の動き」と、「4拍子の指揮」です。

素手で行っていますね爪楊枝持つ?

 小・中・高校の音楽の授業で習った人が多いかと思いますが、今一度振り方を確認してみましょう!

↑ 指揮者レナード・スラットキン先生の指揮講座! 贅沢!!

 

 最も一般的なのが4拍子、というのもありますが、アースちゃんの中では、レースは4拍子なんだろうか。

 

お衣装の柄

 アースちゃんの恒常衣装、「リトモ・デッラ・テッラ」には、楽譜の柄がついています。どんな曲なのか、確認してみましょう。

↑ 愛用の楽譜作成ソフト「Finale」で打ち込んでみました。Finale はいいぞ。

 ここからもわかるように、表面が『うまぴょい伝説』の「キミの愛バが! ずきゅんどきゅん走り出し~」のところで、裏面が『Girls' Legend U』の「やっとみんな会えたね」の部分であることがわかります。

 

 アースちゃんはホーム画面で、「ターフに立つときは、いつだってこのスコアと同じ気分さ。」と言って、「やっとみんな会えたね」の部分を口ずさみますが、これはお衣装の裏面にも記されていたわけですね。

 

総括

 さて、纏めに入ります。

 

 サウンズオブアースちゃんのセリフには、音楽用語や、イタリア語が多用されています。

数え方にもよりますが、使用されるこれらのワードは、300は軽く越えているようです(この記事前後編の目次だけでその数を超えるので)。

 

 概ね、形容詞は形容詞的的用法で、名詞は名詞的用法で用いられているので、「ルー大柴さんイタリア語版」としても、あまり違和感なく聞くことができると思います。

特徴的な話し方をするウマ娘のなかでも、アースちゃんのセリフはかなりわかりやすい部類なのではないでしょうか。この記事で、解像度を上げるお手伝いができたら幸いですね。

 

 一方で、性別・単数/複数の使い分けが間違っているケースもあり、今後の修正が待たれます。(しかしまあ、このようなゲームなどの中では極めて正確な部類なのは間違いありません)

「性数一致」は、イタリック語派の言語を使う上では絶対に避けては通れない項目なので、しっかりと押さえておきましょう。

 

 また、音写が不正確なケースがあります。基本的には問題ないのですが、常に間違いが発生しているのが、母音に挟まれた s の音。イタリア語では、原則的に、母音に挟まれた s は有声化し、 /z/ の発音になります

 ……実は、わたしも昔ここを間違えていて、イタリア歌曲を歌う友人に指摘されて直したことがあるので( arioso を「アリオーソ」と発音していた。正確には「アリオーゾ」)、なんというか、思い出深いんですよね。「ああ、アースちゃんもわたしと同じミスしてる……」と、変な共感をしてしまいました。

 

 但し、ここまで書いてきてなんですが、イタリアの南部の方言では、この場合の s も清音のまま発音するので、もしアースちゃんのイタリア語が南部方言をモデルとしている場合、これは問題ない、ということになります。

 イタリアという国は、全国統一が遅く、達成されたのは1861年です近代オタクの感覚で言うと超最近。推し17-8歳だし……

従って、所謂「方言」の差が大きく、統一時は「標準語」を作り上げるのに苦労した、と言われています。

 従って、捉えようによっては、言語的多様性、と言えるのかもしれません。

 

 とはいえ、所謂「標準語」ではありませんし、イタリアの中でも音楽が盛んな都市(有名なミラノ・スカラ座も北イタリアにあります)は、殆ど全てが北部に存在することもあり、やはり音写のミスと捉える方が自然かな、というような気もします。

わたしも正解が知りたい。教えてください。

 

 また、単に誤植や表記揺れ、というのもかなりあります。わたしは最近校閲業務を担当することもあるので、余計に気になってしまってとか言いつつ、自分で書く時は結構誤字脱字してたりする。すんません

 

 ストーリーやイベントの内容に関して。

特にサポートカード「大地と我らのアンサンブル」と、「お出かけ」時の3連イベントは、音楽についてかなり突っ込んだ話が展開されており、きちんとリサーチされているか、音楽に造詣の深いライターさんが書いたんだな、と感じますこの二つについては、恒常・新春オペラオー君とライターさん一緒な気がする

 『ウマ娘』のそういうところ好き。オペラオー君やアースちゃんなどは、常にこのクオリティで出してくれたら大好きになっちゃいますね。助かる。推せるよ!

 

 サウンズオブアースちゃんというキャラクターとしては、ウマ娘にしては珍しく「勝ちにこだわらない」という姿勢が興味深い造形です。

ステレオタイプ的な「イタリア系」のイメージそのままに、歯の浮くようなセリフを連発しますが、うわべだけではなく本当に気遣ってくれているんだな、ということがよくわかる発言が多くて、癒やされます。

こちらが僅かでもメンタルダメージを負わないように、色々気を遣ってくれるできすぎた中等部です(オペラオー君といい、トレセン学園の中等部どうなってんだよ)

 「才能あるヴァイオリニスト」という設定で、音楽に対する知識も愛も深く、クラオタ・オペラファン層としても、嬉しくなってしまいますね。一緒に劇場行こうな!!! あとわたしもアースちゃんにヴァイオリン習いたい!! 羨ましい!!

 とても良い子で、普通に担当増やすか……という気持ちになりました。またサポートカードや別衣装が実装されたら、積極的に狙いに行きたいと思います。

 

 イタリア語にしているだけで、表現が直裁的なアースちゃんと、オペラを引用することによって、含意が多く、婉曲な言い回しになるオペラオー君では、セリフを理解するのが難しいのは断然後者です。

今後、アースちゃんの出番が増えれば、この辺りについても書いていきたいですね。

 

 こんなところでしょうか。今回もたっぷり遊ばせてもらいました。この分野で『ウマ娘』を一番楽しんでいるのはわたしだという自負が芽生えてきたまである。

カッコイイ別衣装を期待します! おしまい!

 

最後に

 通読ありがとうございました。2万5000字です。前編と併せて、まさかの5万1000字である。速筆に自信のある長文書きのわたしが4日掛けたんだ、これくらいにはなろうて。

いつもながら、長々とお付き合いをありがとうございます。

 

 役に立てていれば、↓の投げ銭箱を利用して貰えると、別衣装実装時に助かります。宜しくお願いします。

 

 また、感想やコメントなども随時お待ちしております。ブログのコメント欄か、Twitter のリプや DM、マシュマロなどで対応しています。

誤字・脱字・漏れ・抜け・認識違い・誤りなどの指摘も歓迎しますが、どうかお手柔らかに。質問や、行ったコンサートやオペラの感想などもお気軽にどうぞ。

↑ 匿名が好きな人向け。

 

 尚、わたしのウマ娘のアカウントはこちらです。ID: 957024677。

↑ プレイングはガチ勢ではありませんが、よかったら。

 

 ここ最近は、一気に新ウマ娘が発表されましたね!(アースちゃん自身新しい部類なんだが)。

 新キャラの中では、ウインバリアシオンちゃんをお迎えしたいと思っています!

↑ オペラオー君、アースちゃん、シオンちゃんで、クラシック音楽舞台芸術キャラ並べるのが楽しみだぜ。へへへ。

 読者さんはご存じだと思いますが、わたしは普段バレエの批評も書いているので……。

↑ これまで書いてきたバレエ関係の記事たち。

 また多量のバレエネタを期待しています。バレエネタなら対応できる(はずな)ので。

 ストーリーの内容によっては、また解説記事でお目にかかれることと思います。

 

 それでは、長くなりましたので、今回はここでお開きと致します。また別の記事でお目にかかれれば幸いです!