世界観警察

架空の世界を護るために

サウンズオブアースの音楽トークを解析する① - 『ウマ娘』考察

 おはようございます、茅野です。

4月から、色々とご縁がありまして、音楽を再開。教会スラヴ語の聖歌や、ロシア語の歌曲を歌うことになりました(?)。自分でも未だに何が何だか状態なのですが……(一応言っておくと、無論ウクライナ侵攻には反対の立場です)

更に音楽への理解を深めるべく、邁進して参ります。生暖かい目でお見守りくださいませ! ムジカの時間だ!

 

 さて、そんなわけで、わたしです。ロシアオペラの鑑賞が三度の飯よりも好きなテイエムオペラオー君専属トレーナーこと、茅野であります。

待っていた方はお待たせしました。少しお久しぶりの『ウマ娘』です。

↑ でたわね!! ピックアップ期間中に解説書くの間に合わなくてごめんよ!

 第二の担当候補、サウンズオブアースちゃんが実装されました。というわけで、早速お迎えに!!

↑ 愛されている……?(うぬぼれ)

Benvenuta, signorina! 

 

 テイエムオペラオー君が超絶マニアックなオペラの話をしてくることに度肝を抜かれてから早3年(!?)。最早オペラ解説員と化しております。

↑ 盛大にバズった、最初のオペラオー君のオペラトーク解説はこちらから。

↑ これまでの『ウマ娘』の記事はこちらから。

 

 オペラとクラシック音楽は、切っても切り離せない関係性。勿論、守備範囲内です!

というわけで、今回は、サウンズオブアースちゃんの音楽トークを解説致します。

サウンズオブアースちゃんは、音楽用語とイタリア語を多用するので、出番と心得ました。

 音楽用語からイタリア語、誤植や文法の間違いまで、全てを網羅します!

 

 対象となるのは、恒常衣装 [ リトモ・デッラ・テッラ ] と、サポートカード [ 大地と我らのアンサンブル ] になります。

 

 今回は、知識が無くても理解しやすいワードが比較的多いですし、既に色々な人が纏めていると思うので、書くかどうか迷いましたが、「意味を知る」ではなく「理解する」を目標として、いつも通り「クラシック音楽超入門者でもきちんと理解できる解説」をコンセプトに書きました。

 

 その分、これもいつものことですが、記事が大層長いです。お時間がある時に読んでください。

書いている途中で4万字を越え、動作が重たくなってどうしようもなくなったので、今回は記事を分割することにしました。前後編になります。

ご理解のほど、宜しくお願いします。

 

 今回は、辞典風に、アルファベット順に纏めてみました。前編となる今回は、A~L から始まる語を纏めています。

是非「Ctrl + F」や「このページ内を検索」などを活用して、アースちゃんの発言への理解を深めていってくださいね。

 

【注意書き】

・考察・解説記事ですので、当たり前にネタバレを含みます。

・考察なので、必ずしも正しいとは限りません。深読みもします。

・漏れ・抜けがあったらすみません。

 

 それでは早速、お付き合いの程、宜しくお願い致します!

↑ \顔が良い/

 

 

最初に押さえておきたいこと

 辞典に入る前に、必要な基礎知識を確認します。はやる気持ちはわかりますが、この辺りを把握しておいた方が理解しやすいと思うので、お目通しください。

 

演奏記号の分類

 アースちゃんは、多量の音楽用語を使います。クラシック音楽では、楽譜上に記される記号のことを、全てひっくるめて「演奏記号」といいます。

ここでは、その演奏記号の大まかな分類について述べます。

 

 この記事を読み進めるにあたって、以下のことを覚えておいてください。

強弱記号……音の大きさ、「大きく」「小さく」などを指定する記号。

速度記号……テンポ、「速く」「遅く」などを指定する記号。

反復記号……「ここを繰り返す」など、反復を指定する記号。

発想記号……「楽しそうに」「悲しそうに」など、少し抽象的な指示のこと。「発想標語」と呼ばれることもありますが、ここでは「発想記号」で表現を統一します。

 

 他にも幾つかありますが、今のところ、アースちゃんのセリフで出てくるのは、この4種類がメインです。

 強弱記号や反復記号は、元から数が少ないのもあって、今回解説を入れる大半が「発想記号」になります。

また、特に速度記号と発想記号では、厳密に区別できず、どちらにも分類されうるものもあります。

 

 これらの演奏記号の名称は、基本的には、一般的にも使われるイタリア語の副詞や形容詞がそのまま使われています

だからこそ、アースちゃんのセリフは、「演奏記号を多く引用している」とも、「イタリア語を多く引用している」とも捉えることができるのです。

 

イタリア語基礎知識

 わたしはオペラが好きなくせに、イタリア語とドイツ語を専門的に学習したことがない異端なのですが(フランス・ロシア担当)クラシック音楽やオペラが好きだと、この二つの言語の知識は自ずと入ってきますし、フランス語を学ぶとイタリア語は近いのでなんとなくわかるようになってきます

逆に言うと、それくらいイタリア語と音楽は密接な関係にある、ということです。

 

 それでは一から一緒にイタリア語を勉強しましょう! ……と言いたいところですが、忙しい我々にそれは難しい相談です。

ここでは、少なくともアースちゃんの発言を理解する上で役立つ、イタリア語文法の基礎的な解説をします。 

 

性数一致

 イタリア語には、多くのヨーロッパの言語と同じように、「性数一致」という概念があります。

これは、文字通り、単語の「性別」と「数」を一致させることを意味します。

 

 イタリア語の名詞・形容詞・冠詞には、「女性」と「男性」という性別があります(ドイツ語やロシア語と違って中性形はありません、やったね)

日本語話者には全然ピンと来ない概念ですが、もうそういうもんだと思って受け入れるしかありません。

 全ての名詞は、「女性」か「男性」という属性を持っています。例えば、「馬(Cavallo)」は男性名詞。「音楽(Musica)」は女性名詞です。

これは「女性っぽい・男性っぽい」という偏見に基づくものではなく、一般的なイメージに反するものも多いので、注意が必要です。

 

 また、これはすんなりご理解頂けるかと思いますが、これらには「単数形」「複数形」があります。複数形の英語だったら語尾に -s をつける、アレです。勿論、イタリア語にもあります。

 

 名詞に冠詞と形容詞を付ける場合、この「性」と「数」に従って、語尾を変化させなければいけません。これを「性数一致」と呼びます。

 例として、「美しい女性」と「美しい男性」の単数と複数を見比べてみましょう。

La bella donna その美しい女性  Le belle donne その美しい女性たち

Il bello uomo   その美しい男性   I belli uomoni  その美しい男性たち

 donna(女性名詞)、uomo(男性名詞)、そしてそのそれぞれの複数形に対応して、冠詞と形容詞が格変化しているのがおわかり頂けるでしょうか。

 

 イタリア語では、書いたり話したりするときに、毎回この性数一致を行わなければなりません。

アースちゃんは、イタリア語を使うときに、基本的にはこの性数一致を行っているのですが、間違えていることもあるので、その都度指摘を入れます。

 

接尾辞

 皆さんは、学校の英語で「接尾辞」という概念を習ったことを覚えているでしょうか。単語の語尾に、-able とか、-ful とかをつけるという、アレです。

 イタリア語にもこの概念があります。アースちゃんが使うイタリア語には、接尾辞を付けたり外したりするものが多いので、最初に押さえておきましょう!

 

 ここでは、代表的なものをいくつか簡単に説明します。

・男性形 -issimo(~イッシモ)/ 女性形 -issima(~イッシマ)……最上級接尾辞。英語でいう -est。この語尾が単語につくと、「最大の~」「最高の~」という意味が付与される。

-one (~オーネ)……指大辞。語尾にこれがつくと、「大きな~」「たくさんの~」という意味が付与される。

・男性形 -ino (~イーノ)/ 女性形 -ina(~イーナ)……指小辞。語尾にこれがつくと、「小さな~」「少しの~」という意味が付与される。

 語尾にこれらがでてきたら、「接尾辞だ!」と思い出してくださいね。

 

音写

 この記事では、「音写」という言葉をよく使いますが、これは、外国語で書かれたスペルをカタカナにすることを言います。

先ほどの例でいうなら、La bella donna を「ラ・ベッラ・ドーンナ」と書くことが「音写」です。

 イタリア語からの音写は、比較的表記揺れが少ないですがおい聞いてんのかデンマーク、それでもズレが生じます。

イタリア語の場合は主に、アクセント(「ー」や「ッ」など)を入れるかどうかが焦点となりますが、単にイタリア語の本来の発音からズレて音写をしている場合もあります。

 アースちゃんは、あまり正確ではない音写をすることがあるので、その点も指摘します。

 

 

 さて、前置きが長くなってきてしまいました。これらを念頭に、そろそろ本編、辞典に入ることに致しましょう!

使用例として、毎回1つ引用を載せますが、そこ以外でも使われていることがあります。ご留意ください。

 それではどうぞ!

 

音楽用語・イタリア語辞典

Abbandono アッバンドーノ

アッバンドーノな答えだ!

(ストーリー第5話)

 男性名詞。「放置」「遺棄」などの意味。英語でいう abandon。

発想記号としては、基本的にこちらよりも Abbandone(アッバンドーネ)を用いる。こちらは、「心のままに」「感情の赴くままに」などの意味。

実際、イベント「新年の抱負」に「心のままに」のルビとして登場する。

 

A cappella アカペラ

アカペラにしても、少し曇っているね。

(神社でお祈り!)

 器楽の伴奏なしに歌うこと。本来は、直訳すると「教会で」。教会音楽からの派生。

 

Accelerando アッチェレランド

まだ、アッチェレランドではないよ。

(ストーリー第4話)

 頻出の速度記号。「だんだん速く」。略して書くときは「accel.」。

ここからもわかるように、「アクセル」と語幹が同じ。

 

Accompagnamento アコンパニャメント

街の喧噪(アコンパニャメント)さえ煩わしくなるほど、強く鳴り響いているだろう……!

(クリスマス)

 男性名詞。「伴奏」。街の喧騒=伴奏としているここは、かなりの意訳。

略して書くときは「accomp.」。

 派生として、「コンパーニ(compani)」も登場。「共演者たち」のルビになっているが、男性名詞 conpano の複数形で、「仲間」の意味。

 

Accordo アッコルド

波や夏虫の調べと手を取り合い、息の揃ったアッコルドを奏でるのさ

(育成)

 男性名詞。「一致」などの意味だが、音楽に於いては「和音」の意味。

 

Acqua アクア

ア……アクア……水を……

(口の中がテンペスタ)

 女性名詞。「水」。

 

Adagio アダージョ

アダージョでいいんだ。

(ストーリー第1話)

 頻出の速度記号。「緩やかに」「ゆっくりと」。

 

Ad libitum アド・リビトゥム

休むも励むもアド・リビトゥム。思うがまま進もう

(リトモ・デッラ・テッラ / 育成)

 発想記号。ラテン語。所謂「アドリブ」の語源。そこからもわかるように、「演奏者の自由に任す」というような意味。略して書くときは「ad lib.」。

 クラシック音楽に於いては、「アドリブ」ではなく「カデンツァ(Cadenza)」と呼ばれることの方が多い。ほぼ同義。

 コンチェルト(ソロ奏者+オーケストラ編成の楽曲)に於いては、大まかに、古典派後期~初期ロマン派辺りから、カデンツァでも楽譜が書かれるようになるが、それ以前はソリストの自由に任されていた。

 例を見てみましょう。メンデルスゾーンの『ヴァイオリン協奏曲』第1楽章のカデンツァです。下の楽譜に、Cadenza ad libitum という表記があり、そこからソロになるのがおわかり頂けるかとおもいます。

↑ 所謂「メンコン」。カデンツァの終わり頃から始まる木管のメロディ(9:13~)は、きっと聞いたことがあるはず! 名曲です。

 

Adornamente アドルナメンテ

なんてアドルナメンテなフルオーケストラだ!

(美食のメロディー)

 形容詞。「華やかな」「飾られた」。

 

A due ア・ドゥエ

いざ、ア・ドゥエ!

(クインディチェージマからローコ……でも)

 演奏記号。「二人で一緒に」。略して書く時は「a2」。

 

Affrettando アフレッタンド

であれば、私もアフレッタンドでっ……!!!!!

(ストーリー第3話)

 速度記号。「急いで」。略して書く時は「affret.」。

 

Afflizione アッフリツィオーネ

アッフリツィオーネな音色は響かせないと約束しよう。

(今度こそ!)

 女性名詞。「苦悩」「悲しみ」「苦痛」。文脈的に、形容詞形の方が合う。

 

Agiatamente アジアタメンテ

温泉があるというのもまたアジアタメンテ。

(温泉旅行)

 発想記号。「気楽に」「のんびりと」。

 

Agilmente アジルメンテ

アジルメンテ……そんな想いを私に抱いてくれるとは!

(Suonare in duo)

 副詞。「軽快に」「機敏に」。

 

Agnellino アニェッリノ

かわいいアニェッリノだ。

(ストーリー第1話)

 男性名詞。「子羊ちゃん」の意味。agnello(羊)+指小辞 -ino。

 

Allegro アレグロ

テンポは……アレグロ

(レース入着)

 頻出の速度記号。元々は「快活に」という意味だが、速度記号としては「速く」というニュアンスで使われている。

派生として、「アレグリッシモ(Allegrissimo)」も登場する。こちらは、最上級接尾辞 -issimo がついた形で、「最も快活に」「最も速く」。

 

Andante アンダンテ

テンポは、アンダンテで構わないよ。

(ストーリー第1話)

 頻出の速度記号。「中くらいの速さで、規則正しく」というようなニュアンス。

丁度先日、わたしのタイムライン(Twitter)では、「アンダンテはよく『歩くような速さで』と訳されているけど、これって誤訳だよね」という話で盛り上がっていました。詳しくは大井先生の記事をご覧ください。

 

Angeli アンジェリ

アンジェリたちがターフで奏でる、至高のアルモニア――――

(ストーリー第2話)

 天使「アンジェロ(Angelo)」の複数形。

尚、アースちゃんの母は娘を指して「アンジェロ」と言うが、女性なので「アンジェラ(Angela)」が正しい。

 

Ambizione アンビツィオーネ

 イベント名。

女性名詞。「野心」「大望」。

 

Amica / Amico アミーカ / アミーコ

ついておいで、アミーカ(アミーコ)!

(ストーリー第2話)

 イタリア語で「友」。女性に対しては「アミーカ」、男性に対しては「アミーコ」。

男性を含む複数人で「アミーチ(Amici)」、女性のみの複数人で「アミーケ(Amiche)」。

 派生として、イベント「友情のアンサンブル」では、「アミーケ・ミーエ(Amiche mie)」が出てくる。「私の女友だち(複数)」。長音記号の表記揺れが気になる。

 

Amore アモーレ

お気に召したかい、アモーレ?

(トレーナーノート)

 男性名詞。「愛」。アースちゃんの使用例のように、愛しい人に呼びかける時にも使われる。複数形は「アモーリ(Amori)」で、こちらも登場する。

ちなみに、発想記号としては「Con amore(コン・アモーレ / 愛情をもって)」というものもあり、こちらも登場する。

 

Amoroso アモローソ

ああ、ますますアモローソ……!

(ストーリー第2話)

 発想記号。「愛情を込めて」「愛らしく」。

イタリア語では、母音に挟まれた s は有声化するので、音写は「アモロー」が正しい。

 

Animato アニマート

この調子で、私の躍動する音をアニマートに響かせよう!

(育成)

 発想記号。「元気に」「生き生きと」。

 

Apertura アペルトゥーラ

 イベントのタイトル。

 女性名詞。「開くこと」「開封」などの意味があるが、ここでは「開幕」が相応しい。英語でいう opening。

 

Appassionato アパッシオナート

この胸にある熱情(アパッシオナート)も、時計の針を止めることすらできないなんて。

(バレンタイン)

 発想記号。「熱情的に」。

 

Apollōn アポロン

調律に励めば、アポロンは微笑む。

(リトモ・デッラ・テッラ / 育成)

 ギリシア神話の神。主に「光明の神」とされるが、詩や音楽も司る。

アニメ 『Road to the Top』では、オペラオー君がアポロン神のアポロン神がアポロン神に言及した(!)ことでお馴染み。

 

Aria アリア

ああ、かわいらしいアリアが聞こえてくると思ったら―――。

(クレーンゲームに挑戦!)

 音楽用語。オペラの中で歌われる、叙情的な(メロディがハッキリしている)独唱のこと。ソロでの見せ場。

 それではここで、最愛のオペラ『エヴゲーニー・オネーギン』から、最高のアリアをご紹介。レンスキーのアリア『青春は遠く過ぎ去り』です。どうぞ。

↑ フランスの新星、バンジャマン・ベルナイムはいいぞ。今わたしもイチオシのテノール

 

Armonia アルモニア

君と奏でたアルモニア、深く心に刻んだよ

(リトモ・デッラ・テッラ / 育成)

 女性名詞。「調和」。英語でいう harmony。

 「デビュー戦に向けて」などで登場する「アルモニオーソ(Armonioso)」は発想記号で、「協調して」「調和が取れた」の意味。ここも、本来は音写は「アルモニオー」が正しい。

 

Arrivederci アリーヴェデルチ

……アリーヴェデルチ。遙か彼方の音楽家(ムジチスタ)よ。

(未知とのコンチェルト)

 イタリア語で「また会うときまで」。

 

Artista アルティスタ

昔からみんな、素敵なアルティスタでね。

(ストーリー第6話)

 イタリア語。「芸術家」。複数形では Artesti(アルティスティ)。

派生として、「アルテ(Arte / 芸術)」も登場。

 

Astronauta アストロナウタ

しかし諦めることはないよ、アストロナウタ。

(クインディチェージマからローコ……でも)

 名詞。「宇宙飛行士」の意味。男性・女性、どちらにも使える。

 

a tempo ア・テンポ

ア・テンポを意識しよう。

(ストーリー第4話)

 速度記号。一時的に他の速度記号で遅くなったり速くなったりしていたテンポを、元の速さに戻す時に使う。

「元の速さに戻すこと」を意味するのに、アースちゃんは「一定の速度で」という意味で使っていることがあり、時折用法として違和感がある。

 

Attacca アタッカ

アタッカ! 言葉の届かない場所へ!

(ストーリー第2話)

 音楽用語。楽章の間を切れ目なく演奏することを言う。

「楽章」というのは、大規模な楽曲(交響曲など)で、曲を分ける時の言葉。これらの曲は、一曲が45分程度あることが多いので、それを大体3~4楽章くらいに分割している。

 先ほどの「メンコン」ことメンデルスゾーンの『ヴァイオリン協奏曲』は、アタッカで演奏される曲のひとつ。

 

Bacchetta バケッタ

指揮者がバケッタを振るように、私を導いてくれるかい?
(育成)

 女性名詞。ここでは「指揮棒」の意。英語でいうバトン。

ちなみに、指揮棒は皆さんが想像するあの白くて長い棒を使わないといけないというルールは存在せず(勿論、あれが一番一般的ですが)、素手や、爪楊枝、焼き鳥串を使う変なひと指揮者も実在する。

↑ 爪楊枝で指揮するゲルギエフ親分の図。爪楊枝や焼き鳥串ユーザーのくせに(?)、才能豊かで、現代を代表する指揮者の一人。

 

Ballade バラード

バラード、スケルツォ、ノヴェレッテ―――。

(いずれグランディオーソなセッションへ)

 英語、或いはフランス語。曲の一種。主にゆったりしたテンポの曲。時代によって意味が異なり、明確な定義が存在しなくなった。

例として、有名なショパンのバラードを載せておきます。

↑ バレエ『椿姫』の「黒のPDD」でもお馴染み。自分でも弾いたことがあります。名曲。

 

Bellissima ベリッシマ

―――ベリッシマ……! 美しい朝焼けだとは思わないかい、トレーナー……!

(新年の抱負)

 イタリア語。「最高に美しい」という意味。bello(美しい)+ 最上級接尾辞・女性単数形 -issima。

ここで女性単数形になっているのは、女性単数形の単語「朝焼け(alba)」に掛かっているからだと思われる。

 ちなみにこの alba という語は、オペラオー君シナリオ内での頻出アリア『誰も寝てはならぬ』でも特徴的に登場するので、オペラオー君+アースちゃんトレーナーは是非とも覚えておきたい。All'alba vincerò!(夜明けと共にボクは勝つ!)

 

Bene ベネ

う~ん、ベネ! 勇ましい大合奏が聞こえるよ!
(育成)

 イタリア語の慣用表現。「良く」「上手く」などの意味の副詞。

こちらも頻出の「モルト・ベネ(Molto bene)」は、「とても(molto)」がくっついた形で、「とても良い」「素晴らしい」。

 

Benissimo ベニッシモ

ベニッシモ!

(自己紹介など)

 イタリア語の慣用表現。「最高に良い」。先ほどの bene (良い)+最上級接尾辞 -issimo。

 

Benvenuti ベンヴェヌーティ

Benvenuti! ムジカを愛する全ての者たち!

(ファン感謝際)

 イタリア語の慣用表現。男性を含む複数人数を相手に「ようこそ」「いらっしゃいませ」などの意。

女性単数形の「ベンヴェヌータ(Benvenuta)」も登場する。

 

Bis ビス

ビス……アンコールだ!

(Provare)

 副詞。「再び」「もう一度」。「アンコール」の意味も。

 

Boléro ボレロ

―――『ボレロ』だね。

(君は、テンポ・ジュストなアンダンテ)

 モーリス・ラヴェル作曲の有名な曲。クレッシェンドしていくスネアドラムのリズムを背景に、「ソロ回し(一人ずつソロを弾くこと)」をする、唯一無二の非常に特徴的な曲。

バレエ音楽だが、実はオーケストラを見るのも同じかそれ以上に面白いことで有名。

 ちなみに、普段はソロなんか担当しないような楽器でも、容赦なく一人ずつソロを弾いていくというその構成上、緊張感がハンパなく、「『ボレロ』を演奏するのが一番緊張する」と語る楽団員多数。

↑ 誰もが知る名曲だが、弾く方が嫌がる曲ランキング No.1。見ている分にはめちゃくちゃ面白いので、機会があれば是非一度は生で観て欲しい!

 ちなみに、バレエの舞台はこちらはこちらで面白いので、是非。舞台上も面白いし、演奏する姿も面白いという、なんとも贅沢な作品である。

↑ 半裸の男達を従え、赤い円卓にソリストが一人で乗って踊る様は、なんだか得体の知れない宗教のようで、クセになる。ハマると色々な意味でヤバいので気をつけてください。

 

Bongiorno ボンジョルノ

―――ボンジョルノ、ユニヴァースさん!

(大地と宙と、夜と、星と、君たちと)

 イタリア語の慣用表現。「こんにちは」。

 

Brava ブラーヴァ

ブラーヴァ! おめでとう!

(ホーム画面)

 イタリア語の頻出感嘆詞。「素晴らしい!」とか「上手!」というようなニュアンス。

 男性に対しては「Bravo(ブラーヴォ)」、女性に対しては「Brava(ブラーヴァ)」、男性が一人でもいる複数人に対しては「Bravi(ブラーヴィ)」、女性のみの複数人に対しては「ブラーヴェ(Brave)」、と格変化する。

 過去には、ワンダーアキュートちゃんのシナリオに於いて、オペラオー君が格変化のミスをしている。普通に修正して欲しい。

 

Bravissimo ブラヴィッシモ

ブラヴィーーーーッッッシモ!!!

(ストーリー第2話)

 先ほどの Bravo + 最上級接尾辞 -issimo。「最高!」というようなニュアンス。

 

Brillante  ブリッランテ

そうすればブリッッッランテ!

(ストーリー第1話)

 発想記号。「輝かしく」。英語でいう brilliant。

 

Buona sera ボナセーラ

―――ボナセーラ、シオンさん。

(初詣)

 イタリア語で「こんばんは」。Buona = 良い、sera = 夕方。英語にするなら Good evening。

使用例↓。ジャコモ・プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』第1幕。

パヴァロッティ御大×フレー二御大とかいう伝説の歌手コンビの上演。約2分後から、オペラの中でも最も有名なアリアの一つ、ロドルフォのアリア『冷たい手を』が聴けます。

 

Buon San Valentino ブオン・サン・バレンティー

Buon San Valentino.(ブオン・サン・バレンティーノ)。

(バレンタイン)

 定型句「ハッピー・ヴァレンタイン」。Buon  = 良い、San  = 聖。直訳するなら、「よい聖ヴァレンタインの日を」。

 

Cacofonia カコフォニア

かすかに不協和音(カコフォニア)がする。

(Provare)

 女性名詞。「不愉快な音」「不協和音」。

 

Calmato カルマート

どこまでもカルマート……。

(夏合宿(2年目)にて)

 発想記号。「静かに」。

派生として、「ルマンド(Calmando)」も登場。同義。

 

Capriccio カプリッチョ

生ハムが自由に奏でるカプリッチョ……。

(美食のメロディー)

 曲の種類の一種。「奇想曲」とも。

語源は「気まぐれ」「いたずら」から。そこからもわかるように、軽快で深刻ではない曲が多い。

 ここでは、最も有名な奇想曲の一つ、チャイコフスキーの『イタリア奇想曲』をご紹介。

チャイコフスキーは言わずもがなロシアの作曲家ですが、イタリア民謡の引用がちりばめられたこの曲は、きっとアースちゃんも気に入るはず! ……っていうかこの演奏、冒頭のトランペット上手すぎんか?

 

Cantabile カンタービレ

カンタービレに調子がいい!

(今度こそ!)

 某人気漫画でお馴染みの発想記号。割と頻出。「歌うように」。

 

Canzone カンツォーネ

己の走りをもって、内なるカンツォーネを。

(Musicisti brillanti)

 女性名詞。「歌」。

 

Carotine カロティー

チャオ、愛らしいカロティーネ!

(福引チャンス!)

 女性名詞「カロテン(Carotina)」の複数形か、或いは「にんじん(Carota)」+指小辞・女性複数形 -ine 。この場合は「小さなにんじんちゃんたち」といったところか。

 

Celestiale セレスティアーレ

ムジカ・セレスティアーーーーーレッ!!
(君は、テンポ・ジュストなアンダンテ)

 形容詞。「天国の」。つまりこれは、「天上の音楽」の意。

 

Cenerentola チェネレントラ

君をチェネレントラにする1足は必ずある!

(Provare)

 イタリア語読みで「シンデレラ」。オペラオー君もそれらしい発言何度かしていますが、「チェネレントラ」といえば、同題のイタリアオペラがありますからね!

 ロッシーニ作曲の喜劇です。ヒロイン・アンジェリーナ(=シンデレラ)のアリア「苦しみと涙のもとに生まれて」をどうぞ!

ロッシーニらしいアジリタ満載。歌唱は容姿端麗なディーヴァ、イザベル・レナード様。彼女は『サンドリヨン』でもタイトルロールが似合うんですよね~。お陰様で、オペラのシンデレラといえばレナード様! というイメージが定着してしまいました。

 

Che bello ケ・ベロ

なんて美しい(ケ・ベロ)!

(バレンタイン)

 イタリア語の定型句。英語にするなら What a beautiful。

 

Ciao チャオ

チャオ、サウンズオブアースだよ

(ストーリー)

 頻出イタリア語表現。「やあ」とか「じゃあね」などの挨拶。

主に親称(≒タメ口)の間柄で用いる。

 

Claire クレール

次こそはクレールな演奏をしてみせよう!

(今度こそ負けない!)

 何故かフランス語。「明るい」「輝く」。英語でいう clear。

イタリア語では「キアーロ(chiaro)」。

 

Compimento コンピメント

 イベント名。

 男性名詞。「完遂」「完成」。

 

Comodo コモード

もっとコモードに。

(ストーリー第1話)

 発想記号。「気楽に」。

「コモド」と表記揺れしていることがある。

 

Commozione コッモツィオーネ

万雷の拍手を送っても、胸に宿るコッモツィオーネのひとかけらにもならない!

(ストーリー第6話)

 女性名詞。「感動」「感激」。

 

Con anima コン・アニマ

タンホイザさん、もっとコン・アニマで!

(ファン感謝祭)

 発想記号。「魂をもって」「生き生きと」。

派生として、「アニマ」単体でも登場。女性名詞で、「魂」。

 

Con brio コン・ブリオ

これはコン・ブリオに騒ぐ私の心臓!

(夏合宿(2年目)にて)

 発想記号。「気迫をもって」「活気を持って」。

派生として、「ブリオーソ(brioso)」も登場。こちらも発想記号で、「生き生きと」。音写は「ブリオー」が正しい。

 

Concertina コンサーティーナ

見た目にも愉快なコンサーティーナ

(クリスマス)

 アコーディオンに似た蛇腹形の楽器。あまり知名度はないが、魅力的な楽器。

ちなみに、こんな音。アイルランド民謡などで使われることが多い。

↑ ちなみにわたしは昔からコンサーティーナに関心があり、本気で購入を検討していたくらい好きなので、アースちゃんがコンサーティーナを持って登場したときは度肝を抜かれた。マジでわたしのこと狙い撃ちにしているのかとおもった(オペラオー君ぶり2回目)。

 

Concerto コンチェルト

さあコンチェルトを奏でよう!

(トレーナーノート)

 楽曲の形態の一種。日本語では「協奏曲」という。

ピアノやヴァイオリンなどのソリストと、大規模な管弦楽が共に演奏する楽曲を指して言う。

「シンフォニー(交響曲)」との違いは、ソリストという、謂わば一人の「主役」がいるかどうか、ということ。

 ここでは、例として「チャイコン」ことチャイコフスキーの『ヴァイオリン協奏曲』を出しておきます。文字通り、ヴァイオリン・ソロが主役となった楽曲です。

↑ ヴァイオリンのヴィルティオーゾといえばこの人、イツァーク・パールマン

 

Concertomaster コンマス

楽団の名前に聞き覚えがあるような気がしていたのだが、サウンズオブアースの母親がコンマスを務めるところだったようだ。

(ストーリー第6話)

 英語。「コンサートマスター」。オーケストラに於いて、基本的には第1ヴァイオリンの第1奏者が務める。指揮者に次ぐ立場として、オーケストラを牽引する役割を持つ。

 ここでは、アースちゃんのお母さんを指すため、女性形の「コンサートミストレス(Concertomistress)」が正しい。基本的に、女性形がある職業では、女性は女性形で記す方が好ましい。

 近年では、このように性別によって職業名を言い分けないことが多い言語圏に於いて、性で表現が違うのは性差別ではないか、と感じる人が多い。たとえば、日本で「女優」「女医」などと言うと、そのことを嫌がる「俳優」「医師」が多い。

 一方で、フランス語など、殆どの職業を男女で言い分ける言語圏に於いては、その場合に起こる「統一」は一般的に「男性形への統一」であり、女性話者はこのことを嫌がる傾向があるため、文化による感じ方の差異に注意が必要である。要は、彼女たちは、自分たちが「俳優」ではなく、「男優」と呼ばれているように感じている、ということ。特にフランスでは、この傾向は顕著である。(無論感じ方は人それぞれで、全員が全員、ではないことにも注意)。

 「マスター(Master)」は、学位としての「修士」などでも用いるが、一般的には「男性の主人」「男性の先生」を意味する。じゃあわたしたちは「ポケモンマスター」じゃなくて「ポケモンミストレス」か……

 ちなみに、イタリア語では、男性は「コンチェルタトーレ(Concertatore)」、女性は「コンチェルタトリーチェ(Concertatrice)」という。

 

Concitato コンチタート

緊張感と興奮(コンチタート)の織りなす響き!

(Suonare in duo)

 形容詞。「興奮した」。

 

Con fuoco コン・フオーコ

君の本心が奏でるコン・フオーコなムジカに。

(心は奏でる)

 発想記号。「火のように」「情熱的に」。

 

Confusione コンフズィオーネ

君がコンフズィオーネを漏らしていたからさ。

(ストーリー第5話)

 女性名詞。「混乱」「困惑」。英語でいう confuse。

 

Coraggio コラッジョ

背中を押してくれるコラッジョをもらいにくるよ!

(ストーリー第6話)

 男性名詞。「勇気」「元気」。

実際、イベントでは「勇気」のルビになっていることも。

個人的には、『ドン・カルロ』の「友情のデュエット」ロドリーゴが言う台詞、というイメージ。

 

Coro コーロ

夜風に揺れる木々のコーロを、ゆっくり楽しもうじゃないか。

(ホーム画面)

 男性名詞。「合唱」。

 

Corno, Ottavino コルノ、オッタヴィーノ

照れ屋のコルノ。もしくは恥ずかしがり屋のオッタヴィーノ。

(君は、テンポ・ジュストなアンダンテ)

 男性名詞。一般には「角」という意味だが、ここでは楽器の「ホルン」のこと。また、「オッタヴィーノ」は楽器の「チェレスタ」のこと。

前述の『ボレロ』の文脈で出てくるので、『ボレロ』の中のホルン奏者、チェレスタ奏者を指すと想定される。

 ホルンという楽器は、オーケストラの楽器の中でも特に難しいことで有名で、音がひっくり返りやすい。従って、ホルンのパートは、『ボレロ』中でも特に緊張感が走る瞬間の一つである。

 また、ここでは、ホルンとチェレスタのみならず、ピッコロが同時に参加する。ピッコロは音が高くて鋭く、目立つため、ホルンとチェレスタはあまり前面には出て来ない。そのことを指していると考えられる。

 『ボレロ』のソロ回しのオーケストレーションを知らないと理解できない、難解な台詞。

 改めて『ボレロ』のピッコロ、ホルン、チェレスタパートを聴いてみましょう↓。

↑ 不協和音になっているのが特徴。これで合っています。

 

Con spirito  コン・スピリト

コン・スピリト! ああ、なんて胸躍るメロディーア!

(ストーリー第2話)

 発想記号。「元気に」「生気に満ちて」。

 

Contrabass コントラバス

なんともコントラバスのような頼もしさっ!

(かけがえのないセッション)

 弦楽器の一つ。ヴァイオリンを2m級のサイズにした、巨大な楽器。オーケストラにも参加し、最低音を担う。縁の下の力持ち。

そんなコントラバスが主役になる曲を超絶ステキな曲をご紹介↓。

↑ 幾らマイナーと言われても、わたしはピアソラの曲は『コントラバジェアンド』が圧倒的に一番好きなんだ! 特に小編成(コンバス+ピアノだけ)のものが大好きなんだ! 好きすぎて昔ピアノで弾いた

 

Couplets du toréador 闘牛士の歌

(さあ、構えにつけ! 早く、早く! 闘牛士、気を引き締めろ! 闘牛士!)

(中略) これは、闘牛士の歌!!(中略)

『恋……! 恋……! 恋……! 闘牛士、恋がおまえを待っている!』♪

(夏合宿(2年目)にて)

 アースちゃんからもオペラネタが! ビゼー作曲のオペラ『カルメン』より、「闘牛士の歌」!

カルメン』は、初心者にも勧め易い人気オペラですが、今まで言及がありませんでした。比較的フランス志向でもあるオペラオー君ではなく、イタリア勢のアースちゃんからフランスオペラネタが出てくるとは。そこはヴェルディプッチーニじゃないんか。

 「闘牛士の歌」は、闘牛士エスカミーリョが歌うクプレ(ソロ歌唱の一種)。非常に有名なので、皆さん聞いたことがあるはずです。

 アースちゃんの引用は Wikipedia 日本語版のコピペな気がするのだが。わたしは Wikipedia 編集者でもあるので、複雑な気持ちだ

 アースちゃんが引用しているのは、言うなれば「1番サビ」の部分。歌詞を拙訳で出しておきます。動画と一緒にどうぞ。該当部は、 1:37- ですが、短い歌なので是非とも全部聞いて欲しい!

Allons! en garde! Allons! Allons! Ah! 行くぞ! 構えろ! 行くぞ! 行くぞ! ああ!
Toreador, en garde! Toreador, Toreador! 闘牛士よ、気をつけろ! 闘牛士よ、闘牛士よ!
Et songe bien, oui, songe en combattant そして、戦いの最中に考えるんだ
Qu'un oeil noir te regarde, ある黒い瞳がお前を見ているんだと
Et que l'amour t'attend, そして恋がお前を待っているんだと
Toreador, L'amour t'attend! 闘牛士よ、恋がお前を待っているんだ!

↑ 男主人公ドン・ホセや観客を圧倒する、「コイツには絶対敵わない!」と思わせるような美声と美貌と力強さとカリスマ性が出ていればエスカミーリョ役として最高です。是非フランス語字幕にして観てみて!

 

Crescendo クレッシェンド

少しずつ……私の走りを重ねていく! じょじょに力強く(クレッシェンド)……!
(デビュー戦に向けて)

 強弱記号。「徐々に強く」。略して書くときは「cresc.」、記号で書くときは「<」。

 

Cuore mio クオーレ・ミオ

どうだろう、楽しんで貰えたかな? 私の心臓(クオーレ・ミオ)よ。

(バレンタイン)

 イタリア語の一般的な表現。英語にするなら my heart。

 

Da capo ダ・カーポ

迷える時こそ、ダ・カーポというわけだね?

(今度こそ負けない!)

 頻出の反復記号。「ここ(ダ・カーポと書いてあるところ)まで演奏したら、楽譜の最初に戻る」。

略して書く時は「D. C.」。

 

Dal Segno al Coda ダルセーニョ・アルコーダ

ダルセーニョ・アルコーダ……君とのアンサンブルもまた、私にとってインポルタンテだよ。

(いずれグランディオーソなセッションへ)

 頻出の反復記号。「ダル・セーニョ」は、楽譜上の「記号のあるところへ戻る」。こちらが単体で言及されることも。

 「アルコーダ」は、「To Coda」という指示があるところから、コーダまで飛ぶ。

とてもややこしいので、説明が難しいのですが、楽譜作成ソフト Finale のページのマニュアルがわかりやすいので、参考にしてみてください。

↑ D. S. al Coda は、自分で楽譜を書くときも使ったことがあります。ややこしいですが、使いこなせると便利。

 

Danza ダンツァ

素晴らしいダンツァを踊るパフォーマーがいるだろう?
(ストーリー第2話)

 女性名詞。「舞踏」「踊り」。

ちなみに舞踊手・ダンサーは、イタリア語だと、男性は「ダンツァトーレ(Danzatore)」、女性は「ダンツァトリーチェ(Danzatrice)」。

 

Delicato デリカート

繊細(デリカート)なお姫様だからね。

(Intonare)

 形容詞。「繊細な」「華奢な」。デリケート。

 

Delizioso デリツィオーソ

君は魅惑的(デリツィオーソ)だ、

(Suonare in duo)

 形容詞。「楽しい」「嬉しい」「魅力的な」。

音写は「デリツィオー」が正しい。

 

Destino デスティー

彼女の奏でるスオーノに、運命的な心地よさ(デスティーノ)を感じてしまう―――。

(デビュー戦の後に・Apertura)

 男性名詞。「運命」。

ヴェルディのオペラ『運命の力』は、イタリア語(原語)で La Forza del Destino という。(実は先日観てきたばかり)。

 

Difficile ディフィーチェレ

君はどんな気難しい子(ディフィーチェレ)とでも歩みをともにするつもりなんだね?
(Provare)

 形容詞。「難しい」「困難な」。英語でいう difficult。

 

Dinamico ディナミコ

ああ、ディナミコに駆け上がってみせるよ!

(夏合宿(2年目)にて)

 形容詞。「ダイナミックに」「躍動的に」。

 

Dissonanza ディソナンツァ

舌を刺す、この不協和音(ディソナンツァ)は……!!

(口の中がテンペスタ)

 女性名詞。そのまま「不協和音」。

 

Diminuendo ディミヌエンド

ディミヌエンドなアルモニア。

(ストーリー第2話)

 頻出の強弱標語。「だんだん弱く」。記号で書くときは「>」。

 

Direttore / Direttrice ディレットレ / ディレットリチェ

今日から君は、私のディレットレ / ディレットリチェだ!

(ストーリー第4話)

 アースちゃんはトレーナーをこう呼ぶ。男性は「ディレットーレ」、女性は「ディレットリーチェ」。

イタリア語で「指導者」「管理者」などの意味で、ここでは「指揮者」の意味。英語でいう director。

 

Diva ディーヴァ

さあ君たちも、愛しのディーヴァ~~♪

(並び立つアニマ)

 女性名詞。「歌姫」。ただし、ここでは「君たちも」と複数形になっているので、「ディーヴェ(Dive)」が正しい。

 ちなみに、ベッリーニ作曲のオペラ『ノルマ』の中の名アリア、「清らかな女神」の原題(イタリア語)は Casta diva

 折角なので載せておきます。平和を希求する、静かながら熱烈な想いを感じる美しい一曲です。

↑ 現代を代表する絶対的ディーヴァの一人、ラドヴァノフスキー様で。持ち前の地声が際だってよい、というような美声タイプではないのですが、超・超絶技巧の持ち主で、明るい人柄も最高。大好きです。

 

Divertimento ディヴェルティメント

このまま連敗が続くと……唯一無二のディヴェルティメントとなるかもしれないな。

(今度こそ負けない!)

 曲のジャンルの一種。日本語では「嬉遊曲」とも。

フランス語、及びバレエ用語の「ディヴェルティスマン」のイタリア語版。ここからもわかるように、「気晴らし」を意味し、軽い曲調の曲を指す。

 だからこそ、ここでアースちゃんが「ディヴェルティメント」と言うのはよくわからない。「道化」というニュアンスか……?

↑ ディヴェルティメントの例。このような明るく軽快な曲が多い。

 

Dolce sapore dell'amore ドルチェ・サポーレ・デッラモレ

君の手ずから、この愛の甘い味(ドルチェ・サポーレ・デッラモレ)を―――

(バレンタイン)

 イタリア語の慣用表現。dolce = 甘い、sapore = 味、 dell'amore = 愛の。

ちなみに、「dolce(甘く、優しく)」は音楽の発想記号でもあり、アースちゃんのイベント内にも単体で登場する。

 

Doloroso ドロローソ

君の内から、ドロローソなメロディーアがあふれているところをね。

(ストーリー第1話)

 発想記号。「悲痛に」「悲しげに」。

例によって s が有声化するので、音写は「ドロロー」が正しい。

 

Dominant seventh ドミナント・セブンス

―――!!! ドミナント・セブンス……!

(ダンスレッスン)

 音楽用語。所謂「属七(ぞくしち)の和音」。ポップスでもよく使われます。

 属七について理解するには、音楽理論を学ばないといけないので、ここでは細かい説明は割愛しますが、ごくごく簡単にいうと、例えば、「ドミソ」という和音があったら、更にその上にシ♭を追加すると、これがドミナント・セブンスになります。

ドを基本としたとき、シは数えて七個目の音になりますよね(ドレミファソラ)。だから、ここではシ(♭)が「セブンス(7番目)」と呼ばれるわけです。

 ドミナント・セブンスは、不協和音ではありませんが、少し「浮いている」とも言えるので、ここではアースちゃんが例えとして使っているのだと思われます。

 

Duo デューオ

今日はデューオだ。

(ストーリー第2話)

 男性名詞。「二重唱」「二重奏」「二人組」などの意味。

「デュオ」と表記揺れしていることも多々。

某語学学習アプリの緑の鳥の名前ではないけど、やっている人がいたらフレンドになりましょう。

↑ わたしです。主に英語版でデンマーク語、ロシア語版でフランス語などをやっています。一緒にイタリア語やる!?

 

Duramente ドゥラメンテ

―――荒々しく(ドゥラメンテ)。

(Un nuovo battito)

 競走馬及びウマ娘の名前にもなっている発想記号。「荒々しく」「大胆に」。

 

E divertente エ・ディヴェルテンテ

だが……エ・ディヴェルテンテ!! 歓喜のメロディーアが止まらない!

(友情のアンサンブル)

 イタリア語で「そして楽しい」。接続詞 e (そして)+ divertente(楽しい)。

接続詞が2個並んでいるので、違和感がある。

 

Elegante エレガンテ

私がエレガンテでいる限り、音は微笑んでくれるからね。

(ホーム画面)

 発想記号。「優雅に」。英語でいう elegant。

 

Elegiaco エレジーアコ

―――エレジーアコ!!

(ダンスレッスン)

 発想記号。「悲しげに」。

派生として、「エレジー(elegy)」も登場。こちらは英語で、「哀歌」の意味。イタリア語では、「エレジーア(elegia)」。

 

Emozioni エモツィオーニ

あふれる感情(エモツィオーニ)でどうにかなってしまう!

(初詣)

 女性名詞「emozione(エモツィオーネ)」の複数形。「感情」。

 

Energico エネルジコ

だから是非とも、私がエネルジコにしてあげたくてね。

(ストーリー第1話)

 発想記号。「力強く」。「活力」のルビとして登場することも。

派生として、「エネルジーア / energia」=英語でいう「エネルギー」も登場。

 正月オペラオー君も口にしている。

 

Ensemble アンサンブル

ご近所さんも巻き込んで、日が暮れるまでアンサンブルさ!

(ホーム画面)

 フランス語、または英語。音楽用語としては合奏(二人以上で同時に演奏する)のこと。

イタリア語では「インシエーメ(insieme)」という。

 

Entusiasmo エンテゥシアスモ

でないと私の熱い想い(エンテゥシアスモ)が、大切な贈り物を溶かしてしまうだろうから。

(バレンタイン)

 男性名詞「熱狂」。英語では enthusiasm。

 

Eroica エロイカ

―――いかがだったかな? 交響曲第3番(エロイカ)、第4楽章。

(友情のアンサンブル)

 ベートーヴェン交響曲第3番のこと。ちなみに、この「英雄」とは、ナポレオンのこと。

↓ こんな曲です。

↑ アースちゃん、ヴァイオリンソロでこれ弾いたんか……?

 

Eroicamente エローイカメンテ

では、英雄的な歩み(エローイカメンテ)で堂々と挑むとしよう!

(目標達成の後に・A mani unite)

 発想記号。「英雄的に」。

 

Esectore エゼクトーレ

同じ時を奏でる演奏者(エゼクトーレ)として力になりたいな。

(新年の抱負)

 男性名詞。「演奏家」のルビになっていることもある。

女性に対しては「esecutrice(エゼクトリーチェ)」になるので、アースちゃんが自分を指して言うときはこちらを使った方がよい。

 

Esplosione エスプロズィオーネ

全てを解き放つ時だ! エスプロズィオーネ!!

(ストーリー第5話)

 女性名詞。「爆発」。英語でいう explosion。

こうやって叫ばれると、必殺技みたい。

 

Espressivo  エスプレッシーヴォ

吐き出せないエスプレッシーヴォがあるときは、それをメロディーアにするのさ!

(ストーリー第2話)

 発想記号。「表情豊かに」。

これは形容詞なので、このアースちゃんの台詞は文法的には非文(「吐き出せない『表情豊かな』があるときは~」になっている)。

名詞形は「エスプレッシオーネ(espressione)」だが、この文脈に合わせるなら、前述の「エモツィオーネ」などの方が合う。

 

Esattamente エザッタメンテ

エザッタメンテ! このロルケストラは、私のもう一つの家族さ!

(ストーリー第6話)

 イタリア語の慣用表現、副詞。「正に」「その通り」という意味。英語でいう exactly。

 

Esultazione エズルタツィオーネ

このムジカに! 相応しいエズルタツィオーネをっ!

(ストーリー第3話)

 発想記号。「歓喜して」「狂喜して」。

 「サウンズオブアース登場!」に、音楽用語時点を買ったトレーナーが「えっと、『エザルタツィオーネ』は興奮―――」と呟く場面がある。

尚、何故か「エズルタツィオーネ」「エザルタツィオーネ」と表記揺れする誤植がある(後者はクリスマスイベントなど)。音写としては、どちらかというと前者の方が正しい。

 

Étude エチュード

全てエチュードにのせ、モノにしよう!

(育成)

 フランス語。「練習曲」。

クラシック音楽エチュードは、「練習曲」という一見初心者向けなタイトルとは裏腹に、超絶技巧なものが珍しくない。確かに、指はよく回るようになるかもしれないけど、これで「練習曲」を名乗るのは勘弁してほしいものである。

↑ 超有名なショパンエチュード、中でも12番。マゾ御用達である

 

Facilita ファーチリタ

やや静か目(メゾピアノ)で、優しい感じ(ファーチリタ)にいこうか。

(新年の抱負)

 発想記号、女性名詞。「易しく」「簡単に」。

ここでのアースちゃんの使い方は誤訳或いは誤植で、facilita は、「やさしく」は「やさしく」でも、「優しい」ではなく「易しい(簡単な)」という意味。

英語やフランス語でいう facile。

 派生として、「ファーチレ(Facile)」も登場。こちらは形容詞。

 

Fantastico ファンタスティコ

私はそのファンタスティコを祝福し、かの熱狂を引き継げるような演奏をしなければと、燃えているよ!

(新年の抱負)

 発想記号。「幻想的に」。

但し、ここでの用法は、発想記号としてというより、英語の「fantastic!(素晴らしい!)」に近い。

 

Fermata フェルマータ

フェルマータではいられないな!

(ストーリー第5話)

 頻出の演奏記号。この記号のある音符や休符を伸ばす。記号で書くときは、音符や休符の上に、中黒と下向き丸括弧を乗せるような形で、以下のように示す。

↑ 四分休符にフェルマータが乗っている。これはとあるオペラのスコア譜の弦楽パートの楽譜。上から、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの譜面。

 要は「停滞してはいられない」という用法だと思うが、フェルマータはその音や休符を強調する時に使うことも多いので、音楽用語として考えると少し違和感がある。

但し、一般名詞としての fermata は、「停留所」「停止すること」を意味するので、こちらで考えると意味は合う。

 

Felicita フェリチータ

幸せが止まらない(フェリチータ)!!

Suono in duo)

 女性名詞。「幸せ」「幸福」。

アクセントの位置は i ではなく a なので、音写は「フェリチター」が正しい。

 

Festa フェスタ

祭り(フェスタ)のように溌剌とした音を宿す、私の下の世代のウマ娘

(Un nuovo battioto)

 女性名詞。「祭典」「祝日」。

 

Fiamme フィアメ

君のフィアメに負けぬよう、私も頑張るとするよ。

(ストーリー第7話)

 女性名詞「fiamma(フィアマ)」の複数形。「炎」。

「情熱」のルビになっていることも。

 

Finale フィナーレ

最高のフィナーレだ!

(チーム競技場)

 イタリア語で「最後の」を意味する形容詞。音楽用語としては、「最終楽章」「終章」という意味になる。

 派生として、イベント「名指導」などで登場する「Fine(フィーネ)」は、反復記号を用いている中でこの記号が出てきたとき、そこで演奏を辞める、という意味。

 ちなみに、わたしも愛用している楽譜作成ソフトの名前も「フィナーレ」。楽譜制作に関心がある方には強くお勧めします。

↑ 「最終形態」「絶対的な完成版」という強い意志が感じられる命名、非常にカッコイイ。

 

Fiore フィオレ

花火(フィオレ)の音に合わせ、一緒にムジカを奏でたいんだ!

(ストーリー第7話)

 男性名詞。「花」。英語でいう flower。

本来、イタリア語で一般的な「花火」の表現は「Fuochi d'artificio(フオーキ・ダルティフィーチョ)」など。

 

Forte フォルテ

反対にフォルテを意識して!

(ファン感謝際)

 頻出の強弱記号。「強く」。略して書くときは「f」。

 

Fortissimo フォルテッシモ

想像するだけで―――フォルテッッッシモ!!!!

(福引チャンス!)

 頻出の強弱記号。「とても強く」。forte(強く)+最上級接尾辞 -issimo。略して書くときは「ff」。

 

Forza フォルツァ

Forza, iniziamo la sessione !!!

(ストーリー第3話)

 イタリア語。「夏合宿(2年目)スタート!」では、「さあ、セッションを始めよう!」のルビになっている。意味はそのまま。

カタカナにするなら、「フォールツァ、イニツィアーモ・ラ・セッシオーネ」。

 

Forzato フォルツァート

感じる、フォルツァートな私の躍動!

(リトモ・デッラ・テッラ / サポート強化)

 頻出の強弱記号。「その音を特に強く」。略して書くときは「fz」。

「フォルテ(f)」との違いは、フォルテは次の強弱記号があるまでの範囲を強くするのに対し、フォルツァートは指定された一音のみを強く弾く。

 また、似た強弱記号に「スフォルツァート(sforzato)」「スフォルツァンド(sforzando)」がある(略すときは sf 或いは sfz)。sfz は fz よりも更に強調して演奏される。

 

Garbata ガルバータ

なんて上品な人(ガルバータ)なんだ!

(Provare)

 形容詞。「丁寧な」「上品な」。

女性形が garbata 、男性形が garbato。

 

Gioia ジョーイア

煌びやかなドレスを着た嬉しさ(ジョーイア)、

(Suonare in duo)

 女性名詞。「喜び」。英語でいう joy。

 

Giovinezza ジョヴィネッツァ

これぞ青春(ジョヴィネッツァ)の音楽(ムジカ)!

(並び立つアニマ)

 女性名詞。「青春」「若さ」。

 

Grandioso グランディオーソ

そびえ立つにんじんからはグランディオーソな雰囲気も感じられる……。

(福引チャンス!)

 発想記号。「壮大に」「堂々と」。

ここも本来は「グランディオー」が正しい。

 

Gratitudine グラティテゥディネ

受け取ろう、君たちのグラティテゥディネ。

(友情のアンサンブル)

 女性名詞。「感謝の気持ち」。

 

Grave グラーヴェ

―――ふふっ、重々しい空気(グラーヴェ)だね。

日経賞にむけて)

 速度記号、又は発想記号。「重々しく」「荘重に」。

また、「なんて由々しき事態」のルビとして、「Grave situazione(グラーヴェ・スィテゥアツィオーネ)」が登場する。

 

Grazie グラッツェ

ああ、グラッツェグラッツェインフィニーテ!!

(リトモ・デッラ・テッラ / レース)

 言わずと知れたイタリア語の「ありがとう」。

 GIレース勝利時に言う「グラッツェインフィニーテ(Grazie infinite)」は、「無限の感謝を」を意味する。

 他にも、「バレンタイン」などでは「皆さんありがとう(Grazie a tutti」などの使われ方も。ちなみに、音楽用語における「トゥッティ(tutti)」は、合奏において「全員で弾くこと」を意味する。

 「ストーリー第7話」では、「グラッツィエミーレ(Grazie mille)」が登場する。これは直訳すれば「1000回のありがとう」で、このような表現は多くの言語に存在する。

 

Grazioso グラツィオーソ

奏でているのは緊張や熱意。グラツィオーソだね。

(ストーリー第2話)

 発想記号。「優美に」「優雅に」。

ここからもわかるように、誤用であるように感じられる。また、音写は「グラツィオ」が正確。

 

Guida del corniolo グイダ・デル・コルニオーロ

 イベント名。イタリア語で「ハナミズキの導き」か。

 

Harmonics ハーモニクス

ハーモニクスを鳴らすように……軽く。

(神社でお祈り!)

 英語。弦楽器の奏法の一つ。記号で書く時は「○」。

簡単に言うと、弦の長さの半分の箇所を軽く押さえることによって、1オクターヴ上の音を出す技法。詳しい原理などについては長くなるので割愛。

 ヴァイオリンでのハーモニクスのやり方を解説してくれている動画↓。

↑ 弦の半分の位置を押さえると、1オクターヴ上の音が出る! この動画では、更に上の音も出していきます。ヴィルティオーゾは、この技法を使ってわけわからんほど高い音を出します。こわい。

 

Il mio valore イル・ミーオ・ヴァローレ

 イベント名。

イタリア語で「私の価値」。英語にするなら my value

 

Impromptu アンプロンプテュ

粗削りな即興曲(アンプロンプテュ)だが、許して欲しい。

(バレンタイン)

 フランス語で「即興曲」。何故かここだけフランス語。イタリア語では improvisare(インプロヴィザーレ)。

 折角なので、わたしが個人的に一番好きなアンプロンプテュをご紹介。フォーレの『即興曲 Op.84, No. 5』です。簡素で短いながらも信じがたいほど優美なピアノ曲です。これぞ正にフォーレ。どうぞ↓。

わたしのTwitterの ID の末尾の数字 84 は、この曲から取っています。それくらい好き。というかこの演奏、めちゃくちゃ良いのでは!? 解釈一致する。

 

Impetuoso インペトゥオーソ

彼女たち2人のような鮮烈な存在が、同じ時の舞台に立ち、インペトゥオーソな音色を響かせあったのは。

(新年の抱負)

 発想記号。「激しく」。音写は「インペトゥオー」が正しい。

 

Importante インポルタンテ

君とのアンサンブルもまた、私にとってインポルタンテだよ。

(いずれグランディオーソなセッションへ)

 形容詞。「重要な」。英語と同じ。

 

Intermezzo インテルメッツォ

ここはまだ、静かなインテルメッツォに過ぎない。

(今度こそ負けない!)

 男性名詞。「間奏曲」「幕間劇」などの意味。ここからもわかるように、オペラやバレエで登場する。

「メッゾ」と「メッツォ」で表記揺れしているので、統一して欲しいが、慣用として採用されているのだろうか。

 最も有名な「間奏曲」といえば、トプロちゃん育成シナリオでオペラオー君が言及していた、マスカーニ作曲のオペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』のもの。復習しておきましょう↓。

↑ 今回は舞台に掛けられたものを見てみましょう。上演するときはこんな感じ。『カヴァレリア』の間奏曲は、「うっかり深夜に一人で聴くと、美しい旋律に酔って泣きそうになるクラシック音楽ランキング」トップ5入り(茅野調べ)。

 

Intonare イントナーレ

 イベント名。他動詞「調律する」の不定詞(英語でいう動詞の原形)。

 

Giocoso ジョコーソ

よし、君がジョコーソになれる場所へと案内しよう。

(ストーリー第1話)

 発想記号。「楽しげに」。音写は「ジョコー」が正しい。

 

Lamentabile ラメンタービレ

……ラメンタービレなメロディーア。

(ストーリー第1話)

 発想記号。「哀れに」「悲しそうに」。

 

Largo ラルゴ

ラルゴ……緩やかに、五線譜を埋めてゆこう。

(ストーリー第4話)

 頻出の速度記号。「緩やかに」。

 

La tua musica travolge il mio mondo

La tua musica travolge il mio mondo ♪ Cantano i fiori, il vento e il sole giocondo ♪

(クリスマス)

 イタリア語の歌詞と思われるが、特に元ネタは無さそう。

直訳すると、「あなたの音楽は私の世界を圧倒する。花も、風も、陽気な太陽も歌い出す」。

 

Legato レガート

柔らかく花をゆらすそよ風のような優しいレガート。

(バレンタイン)

 頻出の発想記号。「なめらかに」。二つ以上の音を繋げるように演奏すること。

 

Libertà リベルタ

自由(リベルタ)に舞う鳥たちを受け入れ、いざない、未知なる世界を夢見させてくれる!
(クリスマス)

 女性名詞「自由」。

使用例(『ドン・カルロ』の「友情のデュエット」)。grido estremo sarà: Libertà!

 

Linguaggio リングアッジョ

音楽(ムジカ)は世界共通の言葉(リングアッジョ)なのだから!

(未知とのコンチェルト)

 男性名詞。「言語」「言葉」。

 

Liscio リッショ

靴先までリッショ!

(ホーム会話)

 形容詞。「なめらかな」「平らな」「すべすべの」。

 

Liszt リスト

リストの曲は美しいが、理解させる努力はしなければね。

(ストーリー第1話)

 恐らく、作曲家・ピアニストのフランツ・リストのこと。

↑ 超イケメンで、当時はアイドル的存在だったことでも有名。ストーカー的女性ファンのヤバいエピソードもいっぱいあります。

 リストの曲は、初心者にもわかりやすく超絶技巧で美しいので、何故ここで選ばれたのかわかりません。

わたしがこの文脈で作曲家の名前を出すなら……そうだなあ、メシアンブーレーズなんかを挙げるでしょうか(※現代クラシック音楽で、難解な音楽を書く有名な作曲家たち)

 過去に、リストの曲を大量にご紹介する記事を書いたことがあるので、よかったら色々聴いてみてください。全部リストの曲です。

↑ 5億回言っているけど、『葬送』から『夕べの調べ』の流れで毎回昇天してる。好きすぎる。

 

Loco ローコ

いや、クインディチェージマからローコのよう。

(クインディチェージマからローコ……でも)

 指示記号。「一時的に1-2オクターヴ上げ/下げしていたところから元に戻して」。記譜上では、特に「loco」とは書かず、縦書きのカギ括弧のような記号で表されることが多い。

「8va」「15ma」という記号と共に用いられる。これらの指示が終了したことを示す。

↑ 図解。ちなみにこの譜面はわたし自身が書いたもの。実は特技は耳コピです。よかったら聴いてください

 

L'orchestra ロルケストラ

このロルケストラは、いつも心を打つメロディーアを奏でてくれるんだ。

(ストーリー第6話)

 女性名詞「オーケストラ」に定冠詞 L' が着いている形。英語で言えば、the orchestra。

オルケストラ」と定冠詞抜きで登場することも。

 

Lo sapevo ロ・サペーヴォ

ロ・サペーヴォ……靴屋へ行こうか。

(Provare)

 イタリア語の慣用表現。「やっぱり」というニュアンス。直訳すると、「私はそれを知っていた」。

 

Luce ルーチェ

越えてみせよう……あの輝くルーチェを!

(夏合宿(2年目)にて)

 「光」を意味する女性名詞。

 

Luna ルーナ

月(ルーナ)が美しいね。

(未知とのコンチェルト)

 女性名詞。「月」。

ちなみに、ヴェルディのオペラ『イル・トロヴァトーレ』の主要登場人物には「ルーナ伯爵(Conte di Luna)」というキャラクターがいる。

 

Lunga ルンガ

この先もずっとルンガで―――君が望む限り奏でていこう。

(育成)

 指示記号。「(その音や休符を)かなり長く伸ばして」。「フェルマータ」に近い。

英語でいう long。

 

……後半に続く!

 

最後に

 通読ありがとうございました! めちゃめちゃ長くて2万6000字。一生終わらないかと思いました。後半も同じくらいありますので、お楽しみに……。

 

 役に立てていれば、↓の投げ銭箱を利用して貰えると、別衣装実装時に助かります。

 

 総括などは後半に回すこととし、前編はここで切り上げたいと思います。

後半もあまり間を置かず投稿したいと思っています。最後まで宜しくお願い致します。

↑ 後半も仕上がりました! こちらからどうぞ。

 

 それでは、今回の記事はここでお開きと致します。また次の記事でお目にかかれれば幸いです!