こんばんは、茅野です。
最初に解説記事を書いて以降、しっかりオペラオー君を追いかけるようになってしまい、最早「いつもの人」と呼ばれるようになりました。
改めまして、「いつもの人」で御座います。オペラ鑑賞趣味のオペラオー君担当トレーナーです。
↑ これまでの『ウマ娘』関連記事はこちらから。
アニメ『Road to the Top』が終わり、アプリの方でも99世代(特にトプロちゃん)の実装が来るかと身構えれば、来ず……。じりじりと5月が過ぎ去ってゆきました。
↑ 『RttT』でのオペラトークの解説はこちらから。
では、待望のオペラオー君 SSR サポートカードはいつ……、え、今!??!?!
↑ 遅かったな……言葉は不要か……(オペラオー君のレース実況でも使われていますが、個人的にはジョシュア・オブライエンのイメージの方が強いです)。
というわけで、早速お迎えに参りましたよ、
無料チケット10連1発でした
— 茅野 (@a_mon_avis84) June 9, 2023
ついでに初手Rオペラオー君でした
対戦ありがとうございました pic.twitter.com/NNurnV68MH
+60連でもう1枚引いて、後は結晶でフル覚。
— 茅野 (@a_mon_avis84) June 9, 2023
ありがとうございました pic.twitter.com/XQ1hOF6ZU0
なんとか無事に揃いました、よかったよかった。微課金勢なので、ガチャ産 SSR をフル覚醒させるの初めてです。まあ、わたしオペラオー君専属だしな……(漸く専属称号取れました!)。
ところが、悲しいことに、全然オペラネタ無かったですね。カード名(後述)であんなに期待させておいて!? ご丁寧に賢さサポートなのに!?!
オペラ鑑賞ファンは非常に悲しい。わたしはオペラオー君とオペラが観たい。「オペラオー君によるオペラの言及」があって初めて供給が成立する特異層ゆえ……、救いはないのですか?
そもそも言及がなければ解説も書きようがないので、どうするか迷いました。
しかし予告があった昨日、記事を書こうと思って用意はしていたので、折角ですし一応、一筆やっておこうと思います。「ない」ということを明記しておくのも、大事なことだと思いますしね。
今回も、オペラに全く触れたことのない初心者を対象に、オペラについて少しずつ詳しくなれるよう書いてみましたので、肩の力を抜いてお楽しみ頂ければ幸いですね。
【注意書き】
・考察・解説記事ですので、当たり前にネタバレを含みます。
・考察なので、必ずしも正しいとは限りません。深読みもします。
・漏れ・抜けがあったらすみません。
それでは、簡単にはなりますが、お付き合いの程宜しくお願い致します!
↑ これがレースの「
カード名
『トゥーランドット』
今回のサポートカード、唯一の真っ当なオペラ要素は、なんとカード名です。こちらはイタリア語で、 « All'alba vincerò! » 。
えっっっっオペラオー君のSSRサポカの名前 « All'alba vincerò »(『誰も寝てはならぬ』の中の「私は勝つ」という部分)なんだけど!!!!!!
— 茅野 (@a_mon_avis84) June 8, 2023
↑ 昨日Twitterでも指摘していました。
元ネタは非常に非常にわかりやすいですね。ジャコモ・プッチーニの代表作『トゥーランドット』より、誰もが知る、そして何よりもオペラオー君による引用頻度の高い彼女の大好きな名アリア、『Nessun Dorma(誰も寝てはならぬ)』の一番盛り上がる箇所の歌詞です!
Dilegua, o notte! Tramontate, stelle!
Tramontate, stelle! All'alba vincerò!
Vincerò! Vincerò!過ぎ去れ、夜よ! 沈め、星よ!
星よ、沈んでしまえ! 夜明けと共に、私は勝つ!
勝利だ! 勝利するのだ!
『トゥーランドット』に関しては、過去に何度も登場していて、既に色々なところで解説済みですので、作品に関しては割愛します。
↑ 激烈にバズった最初の記事。通常育成シナリオでは、三回くらい出てきます。
↑ 『Make a new track!』の中でもしっかり登場。こちらで解説入れています。
それにしても……。
オペラオー君イチオシの『誰も寝てはならぬ』の一番盛り上がる歌詞の中に「星よ、沈んでしまえ!(Tramontate, stelle!)」があるの、毎回「アヤベさんに対して殺意高すぎだろ……」と思ってしまうのわたしだけですか?🌠
— 茅野 (@a_mon_avis84) June 8, 2023
わざとなんでしょうか。
さて、今回は、ネタも少なく解説する事柄も少ないことですし、折角なので、『誰も寝てはならぬ』の名公演・名歌唱の聴き比べをしてみましょう!
オペラの人気演目の楽しみ方の一つが聴き比べです。特に、余りオペラに親しみのない方は、「お気に入りの歌手」を見つけるのにも丁度よいのではないでしょうか。
今回は、わたしのようなオペラにわかだけではなく、我がフォロイーの精鋭オペラガチ勢諸賢にもご協力頂き、皆様にお気に入りの映像を選んで貰いました。
オペラは芸術ですから、「質の善し悪し」と「好み」という二つの評価基準があります。後者に関しては、文字通り個人の嗜好に依りますから、誰が何を好きであろうと全く問題がありません。
しかし、折角ならば質の高い演奏を浴びたいもの。声楽との縁がないと、「そもそもどのような演奏が優れているとされるのか」ということがわからないことも多いかと存じます。
そこで、取り敢えず質に関してはガチ勢お墨付きの映像を5種類用意しましたので、是非お気に入りの歌唱、歌手、演出などを見つけてみて下さい!
それではどうぞ。
↑ トップバッターは、「三大テノール」の一角、プラシド・ドミンゴ先生の歌唱でどうぞ。声質が重めで、力強い歌声が魅力の歌手です。
「演出」「字幕」「初心者に勧める」という観点も併せて考えると、ガチ勢の中でも最も評価が高かったのがこちらです。↑で歌詞を出した部分は 2:17~。
↑ 「三大テノール」最年少のホセ・カレーラス先生の歌唱です。従来の、柔らかく甘い伸びやかな声に加え、今回は力強さも加わって、隙がありません。
今回のカード名にもなっている該当部は 2:33~。
↑ 世界で最も有名なテノール歌手、ルチアーノ・パヴァロッティ様の圧巻の歌唱です。「太陽のテノール」と称される、とにかく底抜けに明るい、唯一無二の歌声。
古い映像なので少し音質が悪いことが玉に瑕ですが、それにしたってやはり圧倒的すぎる!! 納得のアンコールです。該当部は 2:14~。
↑ 最初のオペラトーク解説記事でも掲載しましたが、個人的にマルチェッロ・ジョルダーニ氏が好きなので! わたしのオススメです。一度生で聴いて惚れました。
プッチーニ作品の主人公に最適な声質、表現の幅の広いイタリアンテノールです。該当部は 0:40~。
↑ 北京の紫禁城での公演で、ロケーション・演出が最強な公演です。中国の城で『トゥーランドット』とか、没入感エグすぎて脳溶けますよ。実質聖地。
カラフ役はセルゲイ・ラーリン氏。ラーリンさんですよ、ヤバくないですか?(※一部にしか伝わらない)。該当部は1:52~。
同じ曲、同じ声域(テノール)でも、歌手や、その時々の歌唱によって、結構違うものでしょう?
お気に入りは見つかったでしょうか。是非とも感想を教えて下さい。
↑ コメント欄とか DM とか是非活用して欲しいのですが、こちらは匿名がいい人向け。
しかし、カード名に入っているのに、カード内での言及がないとはこれは如何に。寂しい!!
ちなみに、イラストの方の楽譜ですが、調も拍も見切れていてわからないので、何とも言えないですね。大方、元ネタはないと思われますが……。
イベント内でのオペラ引用はゼロなのですが、折角なのでこじつけて、2作品ご紹介してから終わろうと思います。
開幕は突然に
イベント1、『開幕は突然に』では、謎のミュージカルが勃発していますが、その冒頭はこのような台詞。
やぁ、それにしてもよい時に来てくれた!
ちょうど今から、姫の手を取り海賊たちと戦うシーンだったんだ!
名の知られた作曲家の作品では、『海賊』と題されたオペラ作品が二つあります(※但し原語では «Il Corsaro» «Il Pirata» で、違う単語が使われています)。
ところが、どちらもこの台詞と合致するシチュエーションにはならないので、引用ではないことがわかります。そもそも、どちらにも姫なんぞ出て来ないんだよな……。
しかし折角なので、少し一緒に観て参りましょうか。
ヴェルディの『海賊』
1つ目は、「イタリアの歌劇王」ことジュゼッペ・ヴェルディの『海賊』です。
実はこちら、自他共に認める駄作で、数多くの名作を生み出したヴェルディのオペラ作品の中で最も上演回数が少なく、最も人気の無い作品です。ヴェルディ自身、全然気に入らなかったので、自分の作品を上演していても一度も劇場に行かなかったとさえ言われています。どんだけだよ。
そんな調子なので、わたしも全然観たことないです。ありがとうオペラオー君……引用ではないにせよ、間接的に知識が増えたよ……。
とはいえ、腐ってもヴェルディですので(?)、音楽は凄く綺麗なのですよ。今回は、ヒロインのメドーラのアリア(聴かせどころのソロ歌唱のこと)をご紹介します。
↑ このアリアはオペラ・アリア集に入っていることも稀にありますね。
これで駄作扱いっていうのが怖いです。流石イタリアの歌劇王、格が違った……。
バイロン卿の『海賊』をベースにしたものですと、オペラよりもバレエの方がずっと有名ですよね。
↑ サレンコ様、お美しい~! 実はオペラと同じくらいバレエも観るので、バレエネタが来ても対応できます。バレエネタもお待ちしております。
こちらは女奴隷ギュリナーラのヴァリエーション(魅せ場となるソロ舞踏のこと、オペラでいうアリア)です。
一つ、『ウマ娘』以外の記事も追って下さっている当ブログの熱心な読者の皆様に豆知識。実はこの曲、作曲者がピョートル・ゲオルゲヴィチ・オリデンブルクスキー公爵という人物です。
何か苗字に聞き覚えがないでしょうか。そう、この方、なんと彼女のお父様です。お父様も殿下と仲いいですよ。そんなことある? 世界が狭すぎる……。
この件に関しては、また別記事で詳しく解説したいと思っております。お楽しみに(?)。
ベッリーニの『海賊』
閑話休題。もう一つの『海賊』に迫ります。
2つ目は、ヴィンチェンツォ・ベッリーニの作品です。こちらの作品も全然有名ではないです。上演回数は非常に少ないです。
というのも、こちらは駄作というより、歌唱難易度が狂っているからです。そもそも、歌える歌手が少ないのです。
端から歌えない歌を書くなという話なのですが、極稀に歌えてしまう化け物が発生するせいで、こういう作品もままあるのです。恐ろしいですね。
最近わたしが鑑賞したものだと、ケルビーニ作曲の『メデア』なんかもこの類いで、「歌える歌手がいないので上演されないオペラ」シリーズでした。
ベッリーニの作品は、オペラ用語では「ベルカント(直訳すると「美しい歌」という直球の意味になります)」と呼ばれるジャンルに分類されるのですが、ベルカントの歌手は「ベルカントの歌手である」というだけで評価されるというくらい、高難易度なものです。
ちなみに、オペラオー君も大好きな、ワーグナー歌いも同じような扱いですよ。
尚、「ベルカント」という言葉自体は、SR の方のオペラオー君のサポートカードに登場しています。
嗚呼、ベルカントのように麗しき友情!
ボクもこの身を賭して、ドトウを救おう!
オペラオー君、ベルカントにワーグナーとは……鬼畜すぎる……。
今回は、そんな『海賊』から、ヒロイン・イモージェネの「狂乱の場」を観て頂こうかと思います。
↑ いや、そもそも一人舞台で19分っていうのが完全に頭おかしいから。歌唱は世界の歌姫、ソニア・ヨンチェヴァ様です! 化け物だ!(※とても褒めています)。
「狂乱の場」というのは、オペラには結構あるのですが、要は発狂シーンです。冷静に考えると、「発狂シーンが見所」ってそれこそ狂っていると思うのですが、それはさておき。
最も有名な「狂乱の場」は、ドニゼッティ作曲のオペラ『ランメルモールのルチア』のもので、発狂したヒロインが血塗れのドレスを着て延々と超絶技巧で歌い続ける、文字通り狂ったシーンがあります。ほんとどうかしてるんですが、名曲です。オペラは定期的に倫理観が飛ぶ。
↑ 白のウェディングドレスに血の赤が映えるんですよね~!
『ルチア』は有名でこそありますが、血腥いので、今後も引用は流石に来ないんじゃないかな……と思いますが……。機会があればきちんとご紹介したいですね!
イヌさんウサギさん、あとオペラオー
まずイベントタイトルからして凄いんですが、この演劇、勿論オペラネタではありません。『RttT』視聴者向けのボーナスイベントですね。
イヌとウサギが登場するオペラは、そもそも(少なくとも有名どころでは)存在しません。
「この犬畜生が!」みたいな物騒な台詞なら幾つか思い浮かびますが、そういうことではないしな……。ウサギに関して言えば、たまにお料理として作中で食べられたりしていますね。
……はい、こじつけることすらちょっと厳しいですね。
待望のオペラオー君の初の SSR サポートカードでしたが、オペラファンには物足りぬ内容であったことは否めません。SR の方では、オペラ用語くらいは出てきたのに!
ライターさん、オペラオー君育成ではなくドトウちゃん育成シナリオと同じ人だろうか……。個人的な意見では、ドトウちゃん育成シナリオ登場時のオペラオー君は、本当に育成シナリオや新春イベントと同じキャラクターなのか? というくらい言動に差があるように感じます。少なくとも賢さステータスが800くらい違う。
オペラオー君の発するオペラネタが大好物という特異なファン層なので、今後の彼女の活躍に期待したいと思います!
最後に
通読ありがとうございました! 6000字ほど。
前述のように、ゲームの方はガッツリやり込み勢でもないのですが、折角 SSR 完凸したので、一応現時点の名刺を貼っておきますね。
「ID: 957024677」です。良ければゲーム上でも仲良くして下さい。
↑ 専属なのでね! 一色です。
宜しくお願いします。
このような記事を書いていることからもわかるように、当方、オペラオー君からのオペラ参入を全力で支援します。入門の手引きも書いたので、良ければ参考にしてください。
わからないことがあれば、お気軽にお尋ね下さいませ。
歌劇場でお待ち申し上げております。
さて、次は今度こそ(?)トプロちゃん実装成るでしょうか。そこでのオペラオー君の活躍、オペラへの言及に期待したいですね。
今回のサポートカード、絶対トプロちゃんの育成にピッタリですよね。オペラオー君の育成にオペラオー君のサポカが使えないバグはいつ修正されるんですか。
トプロちゃん難民救済を、こちらもオペラオー君沼から祈っております。
それでは、今回はここでお開きとします。また別の記事でお目に掛かれれば幸いです!