明けましておめでとうございます! 茅野です。
2022年初記事、所謂「書き初め」でございます。
しかし、我々は年越し年明けなどと言っている場合ではなかった!
待て待て待て待て。聞いてないぞ。
通常オペラオー君のオペラトークに感服して以来(というか正直ビジュアルも史実戦績もめちゃくちゃ好きなのである)、最早オペラオー君を追いかけているだけの専属トレーナーと化したわたくし茅野。ここ数ヶ月は供給がなく、モチベーションも低迷しておりましたが、今が課金時と見定めた! 何も考えずに速攻で引きました。
↑ そこそこ早めにお迎え成功。オペラオー君までに通常シチー、通常ライス、新春ウララをお迎えしております。サポカでは無料10連で新春フクキタルを二枚当てたので、なかなか良い引きと言えそうです。ありがたや。
大晦日は用があったため、ガチャを引くだけ引いて撤退。夜、年越し育成に勤しんでおりました。ハッピーニュー覇王……。
↑ 年越し初見育成データです。一発目から温泉を引く福娘オペラオー君。尚、このすぐ後の育成でスタミナ☆3を出すなど、絶好調の担当でありました。すき!
『ウマ娘』のイベントはあまり評価が高くなく(特に『ウマネスト』とはなんだったのか)、期待と恐怖が入り交じる気持ちでプレイしましたが、少なくともオペラ鑑賞ファンには大満足の出来で御座いました! やはりオペラオー君はオペラオー君であらせられた。キミのオペラトークからしか摂取できない栄養素がある。惚れ直しましたありがとうその調子で今後も宜しくお願い致します。
育成も楽しく行いましたが、わたくしの本分はゲームプレイにあらず、考察執筆にあり。というわけで新年早々、一筆やって参りましょう! 今回は、新たに追加されたテイエムオペラオー君の育成・イベントシナリオに於けるオペラに関する発言を考えます。
通常衣装と共通するものは、第一弾に全て纏めてありますので、こちらからご参照くださいませ。
↑ 24000字という猟奇的な長さにも関わらず、盛大にバズりました。あたたかいコメント、ご支援等ありがとうございます。お陰様で第二弾が出ました。今後とも宜しくお願い致します。
また、そのほかの『ウマ娘』記事はこちらから。アグネスデジタルの哲学トークについてなども一筆やっております。
今回取り上げるのは、[初晴・青き絢爛] テイエムオペラオー育成シナリオ及びホーム画面、イベント『瑞花繚乱! 新春かるた合戦』ストーリー、サポートカード [夜に暁、空に瑞星] アドマイヤベガ・エピソードでの発言になります。
[袖振り合えば福となる♪] マチカネフクキタル、[飛びも出でぬべき心地すれ] メイショウドトウ、及び育成キャラクター [初うらら♪ さくさくら] ハルウララのイベントは確認済みですが、こちらからは現在オペラ関係の発言を見つけておりません。見落としがあればご連絡頂けると幸いです。
季節台詞などは現在確認することができないため、オペラネタが仕込んであれば、適宜追加するかもしれません。
【注意書き】
・考察・解説記事ですので、当たり前にネタバレを含みます。
・考察なので、必ずしも正しいとは限りません。深読みもします。
・漏れ・抜けがあったらすみません。
それではお付き合いの程、宜しくお願い致します!
ホーム画面・夜
『こうもり』
寝る前に甘酒でもどうだい?
『すべて甘酒の泡のせい!』と
笑い飛ばせば愉快な明日が来るよ!
「新年にオペラオー君が来る」、それだけでこのネタだけは絶対に来るとわかっておりましたとも! 寧ろ無かったら泣きましたよ!
年末から新年に掛けて上演するオペラ演目といえば勿論これしかない! ヨハン・シュトラウス2世作曲『こうもり』です!
『こうもり』は精確にはオペラではなく「オペレッタ」。オペラ・オペレッタは堅苦しい古典だとお思いのあなたにこそ観て頂きたい、抱腹絶倒の喜劇です。
『こうもり』はオペレッタの中では上演機会が非常に多く、人気の作品。わたくしも大好きで、喜劇の中では断トツで一番好きです。特に第一幕でおじさん二人(アイゼンシュタインとファルケ博士)が「らんらららんら♪」とか歌いながら肩を組んで踊ったり、机の上に乗って大暴れしたりするシーンがめちゃくちゃ好きです。
↑ 頭が悪すぎる、一生好きです。これを観ないと年を越せない。
オペレッタ『こうもり』は、耳馴染みがよく華やかで美しいウィンナー・ワルツが大活躍する、夜会を中心とした作品。作中の日時設定が大晦日(12/31)のウィーンになっており、大晦日に上演されることが非常に多いのも特徴です。変装し、友人や従者を化かし合うものの、最後には全てが解決されて大団円! と実にオペレッタらしいストーリーになっています。
大団円に向け、どうしてこうなってしまったのか、という時に出て来る台詞が正にこちら。
Rosalinde, vergib deinem treuen Gabriel! Du siehst, nur der Champagner war an allem schuld!
ロザリンデ、忠実なガブリエルを許しておくれよ。ほらわかるだろう、全部シャンパンの泡のせいなんだよ!
全部お酒が悪いんだよ! というわけで全部お酒で流して忘れてしまおう、アッハッハ! - 幕 - というわけです。
オペラオー君は未成年ですし(『ウマ娘』世界の成人年齢などどうなっているのか不明ですが)、「シャンパン」を「甘酒」に変え、ノンアルコールにした上で日本っぽくアレンジしているわけですね! 「お正月」、「お酒の泡」という条件が揃うので、『こうもり』からの引用でまず間違いありません。
ちなみに、第三幕に、酔っ払い看守のフロッシュという役による寸劇があるのですが、日本での上演では飲んでいるお酒を「焼酎」にすることが多いです。テイエム歌劇団では「甘酒」というわけですね。是非上演して頂きたい!
『こうもり』は人気作なので、有名な曲も沢山あるのですが、今回聴いて頂きたいのはこちら! 『シャンパンの歌』です。なんと日本語字幕付き。楽しんで下さい!
↑ Stosst an, stosst an, stosst an!(乾杯、乾杯、乾杯!)
そして、「すべてシャンパンの泡のせい!」と歌うシーンも出しておきますので、こちらからどうぞ!
↑ オペラファンは、これを観て年を越すんです! オペラオー君担当トレーナーの皆様も、来年から一緒に如何でしょう?
尚、作中「オルロフスキー公」というロシア貴族の役が登場しますが、こちら、「ズボン役」と言って女性が男装して演じることが多いため、過去にオペラオー君に似合うのでは……と呟いていたこともありました。
まあでもオペラオー君は喜劇でズボン役(メゾ)が間違いなく一番ハマり役だとおもうから、オルロフスキー役が一番似合うでしょ……って目で見てるよ(わたしが好きなだけとも言う)🥂
— 茅野 (@a_mon_avis84) May 1, 2021
まさかの「BINGO!」……でしたね!
↑ 何故か4年も前に7500字も使って長々と考察していたことがあります。もしご興味あれば。
『トゥーランドット』
誰も寝てはならぬ……!
宵闇にたたずむ晴れ着のボクを
見逃してしまわないように……!
もう一つのホーム画面・夜台詞もオペラ関連。ソワレ公演と洒落込みましょうか!
通常衣装では最早「毎度お馴染み」な登場回数を誇った、プッチーニ作曲『トゥーランドット』。またしても『誰も寝てはならぬ』です。オペラオー君、相当好きなんでしょうね……。
↑ 「誰も寝てはならぬ、誰も寝てはならぬ……あなたもですよ、お姫様」。さて、お姫様とは一体誰?
第一回の記事で詳しくご紹介しておりますので、該当部のリンクを貼っておきます。こちらからどうぞ。
原作では、「誰も寝てはならぬ」理由は、「死刑になるから」。晴れ着姿のオペラオー君を見逃すのは死刑級というわけですね? 皆様寝る前に是非お迎えしてあげてください!
イベントストーリー第2話
『リゴレット』
(2022/2/3 追記 単純に見落としていました、再読して気付く。失礼しました!)
おやおや、これは風に舞う羽の如く移り気……。
こちらはヴェルディ作曲『リゴレット』より、『女心の歌』でしょう!
作曲者ジュゼッペ・ヴェルディは、イタリアオペラを代表する作曲家です。前述の『トゥーランドット』を作曲したジャコモ・プッチーニと二強のような扱いになっており、イタリアオペラといえばこの二人の作品の名がまず挙がることでしょう。
しかしながら、それにも関わらず、今までオペラオー君はヴェルディオペラの話を一切してきませんでした。オペラファンの間で、「オペラオー君はヴェルディが嫌いなのか……!?」と噂までした程です。そして、この度漸く! オペラオー君がヴェルディオペラの話をしてくれました! めでたい! 聖杯に甘酒を注ぎ、祝杯と致しましょう!
『女心の歌』の歌い出しはこうです。
La donna è mobile
Qual piuma al vento,Muta d'accento - e di pensiero.
女ってのは気紛れさ
風になびく羽根のように
意見も考えも変わっちまう
ここから引用されていることがわかります。いや、しかし、仕込み方が余りにもナチュラルすぎる……初見ではわたくしも完全に見逃したほどに……素晴らしいの一言に尽きます。わたくしまたオペラオー君に負けてますね!?! 精進します!!
このアリアは、題からも察せられるように、好色なマントヴァ公爵という登場人物が歌います。物凄く覚えやすい旋律で、作曲者ヴェルディ自身も気に入っていたと言います。有名な一曲なので、聴いたことがある方も多いことでしょう!
↑ 「太陽のテノール」パヴァロッティ様で。いつ聴いても素晴らしいですね……。
こんなに陽気な『女心の歌』が歌われることから、さぞ楽しい喜劇なのかと思えば、実は『リゴレット』はかなり精神が抉られる悲劇です。
タイトルロールのリゴレットは、「せむし」の醜男で、職業は道化師。彼の娘ジルダは大変な美女なのですが、この『女心の歌』を歌う好色なマントヴァ公爵に恋をしてしまいます。ジルダはマントヴァ公爵の好色な一面を知るも、彼を嫌いになれません。娘を溺愛するリゴレットはこれに激怒、公爵を殺そうとするのですが、ジルダは公爵を庇って死んでしまいます。リゴレットは終幕でこれに気が付き、絶望に暮れる……という、滅茶苦茶重たい物語です。
音楽的には美しいですが、精神が疲弊している時にはオススメできない作品でもあります。特に第三幕は辛い……。あっでも、『女心の歌』も第三幕で歌われるのです! 情緒が滅茶苦茶になりそうだ……。
オペラオー君! ドン・ジョヴァンニにもなっちゃダメですが、マントヴァ公爵にもなっちゃダメだよ!!
『ナブッコ』
よおし、行こうかドトウ、黄金の翼に乗ってっ!
目指すは南方、セコンド・ダ・デストラ!
間違いなく、ヴェルディ作曲のオペラ『ナブッコ』の中の名曲『行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って』です! なんだ……? イベントストーリー第2話、ヴェルディイベントなのか……? 好きすぎる……。
「ヴェルディの作品といえば?」と問えば、大抵はまず『椿姫』『アイーダ』が挙がり、『リゴレット』『イル・トロヴァトーレ』『運命の力』『ドン・カルロ』辺りが続き、『ナブッコ』は5本の指に入るかどうかはその人次第……というような立ち位置に収まっている印象です。勿論マイナーとは言いませんが、「真っ先に名が挙がる!」という作品ではありません。
しかしながら、初演から大成功を収めた作品でもあり、中でもオペラオー君が引用している合唱曲『行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って』は非常に有名で、今でも「イタリア第二の国歌」とも呼ばれるほど愛されています。
『ナブッコ』は旧約聖書を題材とした物語で、異教を排し唯一神を称える内容は正しくと言ったところ。バビロニアの王位を巡る物語ですので、オペラ「王」君にもよく合う作品と言えそうです。
バビロニアの王ナブコドノゾール(ナブッコ)は、傲慢さゆえに神の怒りに触れ、実権を剥奪されてしまいます。その間に、バアル神を信仰する娘アビガイッレが暴政を行いますが、ユダヤ教に改心した王ナブッコは「奇跡」を起こし、ヘブライ人たちを釈放し、王権に返り咲きます。彼は「王の中の王」と讃えられて幕を下ろします。
合唱曲『行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って』は、第三幕にて、ヘブライの囚人たちが祖国を想って歌う曲です。身体は捕らえられようとも、せめて想いだけは、破壊されゆく美しい祖国へと……という切なる想いが込められた一曲になっています。
↑ 歌が始まるのは1:16~。静かな曲なので、音量を上げてお楽しみ下さい。
ちなみに、「セコンド・ダ・デストラ(secondo da destra)」は、イタリア語で「右から二番目」の意。イタリアオペラの引用の後なので、揃えてイタリア語になっていますね。
『行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って』では、「暖かくそよ風の吹く肥沃な大地」である祖国を謳いますが、連行先バビロンから祖国エルサレムを見れば、南というより西に位置します。しかし、彼らは北部を通って迂回する形でバビロンを目指したのであり、この歌が歌われるユーフラテス川沿いの道中から見ればそれは南となります。
え、そこまで計算して「南方」……なんですか……賢さ1200すぎる……。
イベントストーリー第6話
『ヘンゼルとグレーテル』
おや……? どうやらこの会場には、
眠りの魔法をかけるいたずらな森の妖精がいるようだ。
ボクたちの実力が "まぐれ" かどうか……
目を覚ましてあげないといけないようだね!
カッコいいオペラオー君が殊更カッコいいストーリー第6話から。
オペラに準えて考えるとするならば、第一回の記事でもご紹介したフンパーディンク作曲『ヘンゼルとグレーテル』でしょう。
「敵」が眠りの精ならば、眠りを覚ますオペラオー君の役どころは、「太陽と共にある」暁の精でしょう。オペラオー君がよく用いる太陽のモティーフにピッタリ合致します。
↑ オペラオー君これ歌って欲しい……目覚ましにする。
イベントストーリー第7話
『ニーベルングの指環』
そんなことはないさ!
君が望むのなら、ボクが黄金の指環の力を使うからね!
黄金の指環、ダメ絶対。というわけで、通常衣装と共通の育成シナリオ・クリスマス編などでも登場したワーグナー作曲『ニーベルングの指環』です。
こちらも第一回の記事にて解説しておりますので、こちらからどうぞ。
第一回でも指摘しているのですが、「指環」という漢字を使っているところがミソです。ここの使い分けの拘り、とても共感できます……。
実はここ、育成シナリオと併せて読むと非常に深い台詞となっています。
オペラオー君の言う「黄金の指環」は、楽劇『ニーベルングの指環』に登場するもので、この指環を持つ者は溢れる財宝と無限の権力を手に入れられるとされます。しかし、この指環を持つことができるのは、「愛を断念した者だけ」。『ラインの黄金』第一幕では、このように歌われます。
Nur wer der Minne Macht entsagt,
nur wer der Liebe Lust verjagt,
nur der erzielt sich den Zauber,
zum Reif zu zwingen das Gold.愛の力を放棄した者だけ
愛の欲望を追い払った者だけが
黄金を指環に作り替える
力を有するのよ!
一方、ここでオペラオー君が語りかけているのはアヤベさんです。オペラオー君の育成イベント「皐月賞へ向けて」を今一度振り返ってみましょう。
どうしたんだい、アヤベさん? 浮かない顔をして……。
はっ!? まさか君の名はアヤベさんではないのか?
そうか、君の名は―――『愛』! 『愛』そのものだというのか?
みんな、この者の名は『愛』だー!!
つまり、『トゥーランドット』に準え、「愛」と呼ばれたアヤベさんをチームに引き入れていないオペラオー君が「指環」を持ち、その「愛」が望むのなら「指環の力を使う」と言っているわけです。それってつまり、指環を放棄することになりませんか。アヤベさんの為に? 「愛」だ……。
サポカ新春アドマイヤベガ・エピソード
『ドン・ジョヴァンニ』
おお、なんてことだ!
ボクに迫らんとする美しさ!
君はボクのレポレッロかもしれない!
(2022/1/4 追記)
サポートカードのエピソード、毎度見忘れるんですよね……。ご指摘大変ありがとうございます! 新規サポカ・新春アヤベさんの「エピソード」欄のオペラオー君の台詞からです。
レポレッロは、モーツァルト作曲『ドン・ジョヴァンニ』の登場キャラクター。『ドン・ジョヴァンニ』らしきネタは、既に育成ストーリーでも登場しているので、第一弾にてご紹介しております。
育成ストーリーでは、ドトウを騎士団長だと言ったオペラオー君。勿論主人公ドン・ジョヴァンニがオペラオー君だとして、アヤベさんはレポレッロなのですね。うーん、素晴らしい配役です。上演待ったなし。
ドン・ジョヴァンニはオペラ界最強の女タラシの貴族です。年齢や身分、容姿の良し悪しを問わず相手を虜にして関係を持ちます。そのせいでトラブル大続出なのですが、誰でも虜にしてしまうところはオペラオー君と共通します。
レポレッロはそんなドン・ジョヴァンニの従者。彼のそんなだらしない「痴情のもつれ」に心底辟易としているのですが、お給料がよくて辞めるに辞められず、腐れ縁的にドン・ジョヴァンニに付き従います。関わり合いになりたくなくとも、オペラオー君に巻き込まれまくるアヤベさんに似ていますね! 非常によい喩えだと思います!
オペラオー君は危機感(?)を持って、彼女をレポレッロに喩えますが、それは何故かというと、恐らくは『ドン・ジョヴァンニ』では、従者レポレッロの方の見せ場も多く、場合によっては主人公を食ってしまうからでしょう。主人公の立場を脅かされるが故の危機感なのだと推測できます。
そんなレポレッロの歌う最も有名な曲が『カタログの歌』。なんのカタログ?と言って、なんと女性の名前。「ご主人のジョヴァンニ様はイタリアでは640人、ドイツでは231人、フランスでは100人、トルコでは91人、スペインではなんと1003人と関係を持ちましてね!」「大きな女性は威厳がある、小さい女性はいつでもチャーミングだって口説くんです」、とドン・ジョヴァンニの放蕩っぷりを歌ったコミカルな歌です。どうぞ!
↑ 前回と同じくオペラ映画版から。カタログなっっがーーい!!!
オペラオー君、自身の魅力を振りまくのは構わないけれど、痴情のもつれで地獄行きにならないように気をつけて下さいね。
その他
固有スキル
あまりにもトンチキな面白い演出で話題を呼んだ新春オペラオー君の固有スキル、「恵福バルカローレ」。「バルカローレ」は音楽用語で、「舟歌」を指します。七福神(七福オペラオー君)の搭乗する宝船が出て来ることからの「舟歌」なのでしょう。
フランス語で「バルカロール」と言う方が一般的な気がしますが、舟歌はヴェネツィアのゴンドラの船頭が歌い始めたのが起源と言われており、またオペラオー君の用いる音楽用語は概ねイタリア語で統一されているため、イタリア語風に「バルカローレ」となっています。
「バルカローレ」は櫂を返す規則的な動作を模してシンプルな拍を取ったり、水面の揺らめきを表現するような細かい装飾音の多い旋律が多く、従って必然的にゆったりした曲調のシンプルなピアノソロ曲が多いので、あのオペラオー君の煌びやかな演出には正直似ても似つかないのですが、それはさておき、幾つか紹介致しましょう。
一番有名なのはショパンのものでしょうか。
↑ どこかしらで一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか? 名曲です。
わたくしが最も愛好している「舟歌」はフォーレの第一番。一時期ほんとうにこれしか聴いたり弾いたりしていなかった時期がありました。
↑ この曲凄く好きなんです……。左手と右手でメロディラインが交錯するのが面白く、弾くのもとっても楽しいですよ!
円弧のマエストロ
アプリ『ウマ娘』で優良スキルの筆頭格として知られる「円弧のマエストロ」。今回の新春オペラオー君は覚醒 Lv. 3 に引っ提げての登場です。
今までスキルが不遇だ不遇だと言われていたオペラオー君を案じて、優良スキルを充ててくれたのでしょうが、「オペラ」と「マエストロ」といえば、少し意味合いが変わってきます。
クラシック音楽用語では、指揮者のことを「マエストロ(Maestro)」と言います。元々イタリア語の一般名詞で、「芸術の大家」や「巨匠」を表すことから、オペラオー君に紐付けられたのだろうと推測できます。オペラオー君、キミがレースの総指揮者(マエストロ)だ!
育成台詞
正月の勢いを忘れずに、
エネルジコにいきたいものだね!
新春オペラオー君の育成台詞の一つです。「エネルジコ(Energico)」も音楽用語(発想記号)で、発音から察しが付くかとはおもいますが、「力強く」という意味になります。
発想記号が「エネルジコ」の名曲といえば、そうですね、ブラームスの交響曲第4番第4楽章なんて如何でしょうか? 発想記号は «Allegro energico e passionato(力強く情熱的に、速く)» です。
↑ 一分後あたりのうねるようなストリングスのアンサンブルが脳味噌溶けるくらい好きなんです……。是非!
ホーム画面・昼
餅か伊勢海老か……それが問題だ。
ランチも今のボクにふさわしい
華やかなメニューでなければね!
こちらはわかりやすいですが、一応。シェイクスピアの戯曲『ハムレット』の非常に有名な台詞、«To be, or not to be, that is the question.» のオマージュですね。非常に使いやすいので引用したくなる気持ちはとてもよくわかります。
ちなみに、勿論『ハムレット』もオペラ化を果たしております。フランスの作曲家トマの手によるものです。如何にもオペラらしいドラマティックな音楽が堪りません。
↑ 件の台詞の第三幕冒頭から。
ちなみに、『ハムレット』にも「乾杯の歌」があります。是非、先程の『シャンパンの歌』と聴き比べてみてください! 歌詞は大体同じと言っても過言ではありませんが、力強いバリトンソロで趣きは大分異なります。
新たな魅力を……
うむ! 協力に感謝するよ。
では日を改めて、ファントムのように
陰から眺めさせてもらおう!
ああ……ボクは覇王座のファントム……!
天使を装い、密やかに君を見つめる……!
新春オペラオー君専用のイベントの一つ、「新たな魅力を……」。こちらはオペラではありませんが、ミュージカルにもなっている『オペラ座の怪人』からでしょう。
完全に指摘し忘れていたのですが、通常オペラオー君こと [オー・ソレ・スーオ!] テイエムオペラオーの固有スキル、「ヴィットーリアに捧ぐ舞踏」の背景のモデルはパリ・オペラ座ガルニエ宮で間違いないでしょう。
↑ 有名な大階段。
「パリ・オペラ座」といえば、基本はこのガルニエ宮を指します。「宮殿」とありますが、勿論オペラを上演する歌劇場です。従って、『オペラ座の怪人』の舞台となっているのもこのガルニエ宮。それを引っかけているのでしょう。
取り敢えず確認できているものは以上となります! 漏れ・抜け・間違い等ありましたら教えて頂けますと幸いです!
最後に
通読お疲れ様でございました! 今回は追加部分だけでしたので、1万字強。
いや、改めてオペラオー君には驚かされますね……、素晴らしい。ネタの仕込み方も自然ですし、もうずっとオペラトーク展開させて欲しいです。オペラオー君のオペラトークからしか得られない栄養素が生存に不可欠なので、彼女がオペラの話をする限り、わたくしは考察記事を書き続けるであろうと思います。今後とも宜しくお願い致します。
しかし、和装が来るとは! オペラオー君本人も仰っているように、「和」よりも「洋」が映えるキャラなので、本当に意外でしたね。しっかし、袴姿の可愛いこと、そして走りづらそうなこと……。
更に、日本が舞台となっている超有名作・プッチーニの『蝶々夫人』のネタが無かったのも意外でした(わたくしが見落としているだけの可能性も大いにあります)。最も有名なアリアの定訳『ある晴れた日に』なんて七音節なので、かるたにも仕込めそうな気がしたのですが……。
それにしても、元旦に投稿することができて何よりです! なんとか間に合った!(記事を書くスピードだけは定評があるわたくし茅野)。楽しい「書き初め」となりました。
またオペラオー君の記事を書きたいので、出番を増やして貰えることを祈りつつ、今回はお開きとしたいと思います。また別記事、或いは劇場でお目にかかれれば幸いです。それでは!