世界観警察

架空の世界を護るために

映画『新時代の扉』その他のオペラトークを解析する - 『ウマ娘』考察

 こんばんは、茅野です。

今月は『ウマ娘』の供給が多いですね。まさか長文記事を一ヶ月に3つも書かされることになるとは思いませんでした。

 

 そんなわけで、わたしでございます。オペラ鑑賞ファンのテイエムオペラオー君トレーナーですが、先月よりサウンズオブアースちゃん兼任トレーナーになりました茅野と申します。宜しくお願いします。

↑ 計5万1000字にアモーレを込めて。

 また、これまでの『ウマ娘』関連の記事はこちらから。主にオペラや音楽の解説を書いています。

↑ 気が付いたら結構書いている……。

 

 アースちゃんと戯れているうちに、映画『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』が公開。昨日、お邪魔して参りました!

↑ プリティー……、プリティー……??

映画化、誠におめでとうございます、ありがとうございます。こちらには大本命オペラオー君が出走しておりますのでね、わたしも行かざるを得なかった。

 

 その直前には、我らが99世代クラシック期を描いた『Road to the Top(以下 RttT)』も劇場で公開されていました。

既に YouTube での無料公開期間にオペラに関する記事を書いていましたが、無論、劇場にも参りましたとも。「ちゃんと『ウマ娘』のオタクやってて偉い」と褒められて笑いました。わたしのことを「サブカルにご高説垂れるハイカルオタク」だと思って貰ったら困るよ

↑ 『RttT』のオペラネタ解説はこちらから。

 わたしはアニメとは基本縁がないので、これ以前に最後に映画館でアニメを観たのがいつなのか全く思い出せないのですが……、入門ということでここはひとつ。

↑ 劇場用再編集版になるにあたって、覚えている範囲で追加シーンなどをメモしたので、そちらもご関心があれば。

 

 というわけで今回の記事は、ここ最近の細々としたテイエムオペラオー君のオペラネタを拾っていく記事になります。映画だけではネタが少なすぎますしね。

対象となるのは、育成シナリオ「U. A. F. Ready Go!雑誌『Number』1096号ウマ娘特集、映画『新時代の扉の3つになります。

最後に映画の雑感なども記しておきます。

 「まだ映画は未視聴!」という方はまずは前半だけお楽しみください

 

【注意書き】

・考察・解説記事ですので、当たり前にネタバレを含みます。

・考察なので、必ずしも正しいとは限りません。深読みもします。

・漏れ・抜けがあったらすみません。

 

 それでは、お付き合いのほど宜しくお願いいたします!

↑ 「ボクが!」の時の顔が良すぎ問題。走るときに指先が伸びているオペラオー君の美しいフォームが好き。

 

 

U. A. F. Ready Go! 『皆それぞれの冴えたやりかた』

『夏の夜の夢』

ボクも同じだね。まるで夏の夜のニンフのように、この白黒のチビちゃんはいたずら者だ。

 まずは育成シナリオから。読者さんに教えて貰ってこのイベントの存在自体は最初期から知っていたものの、試行回数大分積んでいるのに自分でこのイベントを引けたのは今月になってからという。流石に遅すぎん?

 

 最早『トゥーランドット』と登場回数が並びそうなまであるこちらの作品、元ネタは『夏の夜の夢』です。引用しやすいんでしょうね。

シェイクスピア原作の戯曲(劇の台本)ですが、イギリスの作曲家ベンジャミン・ブリテンがオペラ化しています。

 過去には、トプロちゃん育成シナリオや、2.5th Anniversary ストーリーなどで登場しました。

↑ どちらもこちらで解説しています。

 

 あらすじなどについては先ほどの記事を参照して頂きたいのですが、文脈的に、ここでの「ニンフ」は妖精パックを指すと思われます。

しかし何故か、『夏の夜の夢』に於いて、「ニンフ」と呼ばれているのは人間の女性ヘレナなのですよね……。

 

 ブリテンのオペラアリアでも「ニンフ」という語は登場します。デメトリアスのアリア『おおヘレン(ヘレナ)、女神よ、ニンフよ』です。「ニンフ」と呼んで、女性の美しさを讃えているわけですね。

↑ 何故かサムネ非表示に設定されていますがちゃんと観られます。目力がすごい。これがディクタスアイですか

 英語での歌唱なので、最初の部分は聞き取れると思います!

 

『椿姫』

『乾杯、美しさで飾られた喜びの杯で~♪』

 とうとうオペラオー君が作中でオペラを歌うようになりました!!!! これ以上の朗報があるでしょうか。

これはわかりやすいですね! ヴェルディ作曲のオペラ『椿姫』より、とても有名な「乾杯の歌」です!

 

 最近のオペラオー君は『椿姫』がお気に入りなのか、『RttT』でも言及されていました。

↑ こちらで解説を入れています。

 初期の頃のヴェルディ嫌い疑惑は完全に払拭された模様。「オペラ王」同士、仲良くしてください(※ヴェルディの二つ名は「イタリアのオペラ王」です)

 

 さて、改めまして、ここでオペラオー君が歌っているのは、作中で最も有名な「乾杯の歌」です。

 この部分は、椿姫に恋する男主人公アルフレードテノール)が歌うパートです。相変わらず、オペラオー君の声帯はテノールらしい(?)。わかるよ、わたしも声域ソプラノだけどバリトンのアリアとか歌いたいもんな

 

 これはイタリア語の歌なので、アースちゃん同様、オペラオー君もイタリア語で歌っていると思われます。

イタリア語では、この部分は Libiamo, ne' lieti calici che la bellezza infiora, と綴り、意味はオペラオー君が歌っている通りです。

 折角なので、いつでもオペラオー君と乾杯できるように、この部分を歌える、少なくとも口ずさめるようになってみませんか?

オペラの歌唱は、確かにポップスなどとは異なります。しかし、同じ人間が歌っているのですから、我々にも全く不可能というわけではありません!

 

 イタリア語は、概ねアルファベットを見た通りに発音しますし、母音が多く、日本人には発音しやすい言語です。

原語、カタカナ表記、意味が同時に表示される動画を貼っておくので、是非とも冒頭だけでもチャレンジしてみてください! それではご一緒に!

↑ 後半にこのメロディを継ぐ白いドレスの女性が「椿姫」ことヴィオレッタですよ!

 歌詞に慣れてきたら、楽譜を見ながら挑戦してみてください!

↑ こちらはアースちゃんの記事でご紹介した「スコア譜」というものです。オペラオー君が歌っているのは Alfredo (A. )というラインで示された箇所ですよ!

 歌いながらリフティングができるようになれば尚よし!! それは流石にわたしもできない!!

 

 

 また、このイベントでは「コレペティトゥア」という語が登場します。

ボクもさっそく精進するとしよう! 何せ我らがコレペティトゥアの助言だからね!

 こちらに関しては、わたしが解説を書く前に、マシュマロでご質問を頂き、そこで回答を行いました。そちらをご確認ください。

 コレペティとプロンプターは、オペラファンなら一度は憧れる職業ですよねえ……。

 

『Number』1096号

ドン・カルロ

わかるよ……アリアで熱き友情を燃やす、ドン・カルロのようだ。ボクらはまさに、カルロとロドリーゴ

 続きまして、雑誌『Number』でのウマ娘対談企画の中から。

雑誌の方はノーマークだったのですが、こちらも読者さんにマシュマロで教えて頂きました。ありがとうございます! 良ければマシュマロも適宜ご活用くださいませ。

↑ アースちゃんのスタミナサポカ、あと1枚で完凸なのですが、今天上まで回すべきですか!? 教えて有識者

 

 さて、「カルロとロドリーゴ」て誰やねん、という話なのですが、こちらもヴェルディ作曲のオペラ『ドン・カルロ』から、主要登場人物二人の名前になります。

過去には、「Make a new track!!」のイベント内で言及がありました。

↑ こちらの記事で解説を入れています。

 重複するので、あらすじなどに関してはこちらの記事をご確認ください。

 

 「Make a new track!!」のイベントでは、ドトウちゃんをカルロに、アヤベさんをロドリーゴに喩えています。

作中では、二人は有名な「友情のデュエット」を歌い、「共に生き、共に死のう!」と誓い合います。「友情のデュエット」は、先ほどの記事に動画や歌詞を掲載しているので、是非改めてご覧くださいね。

……これは「デュエット(二重唱)」なので、「アリア(独唱)で熱き友情を燃やす」という発言は少しおかしいですね。うーむ。

 

 オペラの終盤では、「共に生き、共に死のう」と誓ったのにも関わらず、結局ロドリーゴはカルロを守るために自ら濡れ衣を着て、身代わりとなってカルロの面前で死んでしまう、という悲劇的結末を迎えます。この辺りの事情から、ロドリーゴは「オペラ界1のイケメンキャラクター」の呼び声も高い人気キャラだったりします。闇のオタクはこういうキャラ好きだよね。わかるよ、わたしも好きだから

悲劇的ながら、格好良くて人気の役柄をアヤベさんに充てるオペラオー君の配役采配の良さよ。

 

 先ほどの記事で貼った「友情のデュエット」と同じ公演での、ロドリーゴの死のシーンの動画を貼っておきます! 死を目前に歌うロドリーゴのアリアがまた美しくて! わたしはヴェルディのアリアの中でも特に大好きです。そんなに長くないので、是非最後までどうぞ!

↑ なんでその姿勢でアリア歌えるねん……普通それは無理。演技も上手いし……。キーンリーサイド様怖……。

 ロドリーゴのアリア(動画では 2:10~)の歌詞を出しておきますね。

Io morrò, ma lieto in core, 私は死にます、しかし心の中では幸せです
ché potei così serbar 私は成し遂げたのですから
alla Spagna un salvatore! スペインの救世主をお救いすることを!
Ah! di me non ti scordar! ああ! 私のことを忘れないでください!
Regnare tu dovevi, ed io morir per te. あなたは統治してください、私はそのために死ぬのですから
Ah! la terra mi manca… ああ! 意識が遠のく……
la mano a me, a me… 手を握っていてください……
Ah! salva la Fiandra… ああ! フランドルをお救いください……
Carlo, addio,…ah! ah! カルロ様、永遠にお別れです……ああ、ああ!

泣ける~~~

 『ドン・カルロ』、音楽的にも美しくて名作なので、是非ともご覧くださいませ。

…………、ところで、「肉まん」には何かモデルがあるんですか? 教えて競馬有識者

 

 

 さて、わたしは個人的に『ドン・カルロ』が好きですが、しかし「使い回しのネタが来たな……」と思ってしまったことは正直否めません。ネタ切れ……なのでしょうか?

「他には友情を歌うオペラってないの?」、あります。ありますとも。ご紹介させてください。

 

 「友情のデュエット」は『ドン・カルロ』のみにあらず!

ビゼー作曲のフランスオペラ『真珠採り』から、ナディールとズルガの二重唱『聖なる神殿の奥深く』をご紹介しましょう!

ビゼーは、『カルメン』で有名ですが、他にも名作オペラを書いているんですよ!

カルメン』はサウンズオブアースちゃんは引用していましたが、オペラオー君はまだしていませんし、ビゼーのオペラを開拓してゆくというのは如何でしょうか?

↑ ナディール役(テノール)はマシュー・ポレンザー二様、ズルガ役(バリトン)はマリウシュ・クヴィエチェン氏。後者はよく我らがオネーギン役も歌ってくれます。どちらも人気の歌手です、豪華!

 

 ナディールとズルガは、かつて美貌の女性レイラを巡って対立した恋敵同士。しかし今や和解し、永遠の友として生きようと誓い合う名デュエットです。

動画でいうと 6:35- にあたる部分の歌詞を訳しておいたので、是非読みながら聴いてみてくださいね!

Jurons de rester amis! 友であり続けると誓おう!
Oh oui, jurons de rester amis! ああ、友であり続けると誓おう!
Oui, c'est elle! C'est la déesse! そう、彼女だ! 女神だ!
En ce jour qui vient nous unir, この日私たちを結びつけてくれたのは
Et fidèle à ma promesse, そして自分の約束に忠実に
Comme un frère je veux te chérir! 君を兄弟のように深く愛そう!
C'est elle, c'est la déesse 彼女だ、女神だ!
Qui vient en ce jour nous unir! この日私たちを結びつけてくれたのは!
Oui, partageons le même sort, そうだ、同じ運命を分かち合おう、
Soyons unis jusqu'à la mort! 死ぬまでずっと一緒だ!

 でもナディールとズルガなら、わたしならナディール=オペラオー君、ズルガ=ドトウちゃんとして引用するかも……(主に2000年時点に於いてならば)。

敢えて『真珠採り』のストーリーは解説しないでおくので、ここまで読んで気になった方は、是非調べてみてくださいね。

 

 

 他にもあります、「友情のデュエット」! 今度は女性二人のものをご紹介しましょう。

わたしのお気に入りの二重唱、ベッリーニ作曲のオペラ『ノルマ』より、ノルマとアダルジーザの二重唱『最後の時まで』。

↑ コンサートの映像から。シエラ様、美人過ぎるんだよなあ……。こういう曲では、繰り返しの2回目は1回目とは違った歌い方をするのがお約束です。

 歌詞を出しておきます! こちらはイタリア語。どうぞ。

Sì, fino all'ore estreme ええ、最後の時まで
Compagna tua m'avrai. 私たちは盟友よ
Per ricovrarci insieme 共に身を隠せるほどには
Ampia è la terra assai. この世界は広い
Teco del fato all'onte 惨い運命にも決然と
Ferma opporrò la fronte, 共に立ち向かいましょう
Finchè il tuo core a battere あなたの胸の鼓動が
Io senta sul mio cor, sì. 私の近くで鳴り続ける限り

 良い歌詞すぎる~~~~。

 

 『ノルマ』はめちゃめちゃ良いオペラなのですが、タイトルロールのノルマ役の難易度が狂っている為に、あまり上演されない演目でもあります。観られたらラッキー! ノルマ役を歌うソプラノを讃えてください。

↑ 「METの最終兵器」、鋼鉄の喉を持つラドヴァノフスキー様がノルマ役を演じたときのレビュー。ラドヴァノフスキー様、好きだ……(告白)。

 

 大抵の場合、喩えたいシチュエーションに合致したオペラは存在するものです。ネタ切れを起こしている場合では御座いません。

 公式でも二次創作でも、じゃんじゃんオペラを引用して欲しいですね! 『真珠採り』も『ノルマ』も使って良いよ!!(二次創作の民は使ったら報告頂けると嬉しいです、わたしが読みたいので)。

 

『新時代の扉』

『ウェルテル』

騎士たちよ! 黄金を打ち砕かんとする若きウェルテルよ!

誇りたまえ! 覇道の軌跡の1ページとなることを。

(※一応メモ取りながら聞きましたが、細部違っていたらすみません)。

 

 さてさて、お待たせしました。映画『新時代の扉』に関してです。

広報に反し、オペラオー君の出番はかなり控えめであり、従ってオペラネタも多くは望めませんでした。


 明確に言及されているのは、こちらも2回目の登場、ゲーテの名作『若きウェルテルの悩み』。マスネの手により、フランス語のオペラ『ウェルテル』にもなっています。

 ワンダーアキュートちゃんの育成シナリオでも登場し、その際に結構しっかり解説は入れました。

↑ こちらからご確認ください。

 

 重複するので解説は割愛しますが、原作未読の方は是非ともご一読ください。(※必ず精神が健康な時に読み進めてください)。

 

 折角なので、オペラの方は追加でちょっとご紹介しておきましょう。

先ほどの記事では、わたしのお気に入り、2幕のアリア『子供が予定より早く旅から帰ってきたら』をご紹介しましたが、最も有名なウェルテルのアリアは「オシアンの歌」こと『春風よ、何故私を目覚めさせるのか』。

個人的にも今最も注目している贔屓テノールのベルナイム氏の歌唱でどうぞ!

↑ 導入があざとすぎる。最後の解説もとても良いです。今オペラ界で最も美しくフランス語を歌う人間です、フランスオペラを歌わせたら無敵。

 この動画で歌われている前半部分の歌詞と訳を書いておきますね。

Pourquoi me réveiller, ô souffle du printemps, 何故私を目覚めさせるのか、春風よ
pourquoi me réveiller? 何故私を目覚めさせるのか?
Sur mon front je sens tes caresses, 額に君の息吹を感じる
Et pourtant bien proche est le temps 時が近づいているというのに
Des orages et des tristesses! 雷雨と悲嘆の時が!
Pourquoi me réveiller, ô souffle du printemps? 何故私を目覚めさせるのか、春風よ

 お昼寝しているオペラオー君をヤマニンゼファーちゃんが起こして、オペラオー君がこの歌を歌うところまでわたしには「視え」ているんですが、現実にはいつ実装されます?

 

 さて、『ウェルテル』はいいとして、問題なのは言い回しです。

というのも、本来「若きウェルテル」の目的は「黄金を打ち砕く」ことではなく、文脈として繋がりが悪いためです。

 

 「黄金を打ち砕く」という文言に、的確に合致するオペラは特に思い当たりません。

しかしまあ、「オペラ」で「黄金」といえば、勿論ワーグナー作曲の楽劇『ニーベルングの指環』です。

 従って、例えば、「黄金の指環を求めしアルベリヒよ!」などであれば、文脈的にはしっくりきます。

 

 勿論、「オペラオー君はポッケちゃんが一人悩んでいたことを察し、彼女を「若きウェルテル」と呼んだ」というのはわかります。

であれば、『ウェルテル』の比喩を貫き、例えば、「己を破らんとする若きウェルテルよ!」のように、全面的に『ウェルテル』の文脈に合わせた方がよかったのではないか、と思います。

 言いたいことはわからなくもないですが、ちょっとちぐはぐな印象をうけたことは事実です。

 

 

   また、レース中、ポッケちゃんが追いついて来た時にオペラオー君が「ブラーヴァ!(Brava!)」と言いますが、この記事群で何度も確認しているように、こちらは女性・単数形。つまり、これはポッケちゃん1人に語りかけていることになります。

格変化は面倒くさいですが、こういう時に意味が明確化できるので、便利でもあるんですよね。

 

『また星は巡る』

 今回は入場者特典で短編小説がついています。『RttT』から『新時代の扉』の間の99世代を描いたものです。

 ここでもオペラオー君は登場しているものの、特にオペラネタはありません。

 

 強いて言うなら、

『 "盾" の舞台に次いでグランプリの舞台でも高らかに謳うはオペラオーです!』

は、意味的にも、またオペラオー君というキャラクター性を考えても、「謳う」より「歌う」の方が良かったのではないか、と思います。

「謳う」だと「褒め讃える」という意味になってしまい、言い換えるなら「高らかに褒め讃えるはオペラオーです」になります。オペラオー君は本来讃えられる対象なのに、これだと主体になってしまいます。

 

 また、最近は表記揺れで英語読み「ライバル」も使っていたものの、原点(育成シナリオ)に立ち返り、「好敵手」をフランス語読みで「リヴァル」と読ませていますね。

アースちゃんは「リヴァーリ」とイタリア語読みしているので、ここで差別化しているわけですね。

個人的にはフランス語の方が得意なのでこちらの方が助かる。

 

 映画では、99世代の描写は少なかったので、このように補足するのは良い試みであると思います。

 

『新時代の扉』雑感

 最後に、映画の雑感をごく簡単に書いて締めたいと思います。

 

 映画『新時代の扉』は、最初に広報があった時、「01世代は贔屓キャラ不在だしそんなにモチベーションないなあ……ワンチャンオペラオー君がラスボス枠なら……えっマジでオペラオー君ラスボス枠やるの!?」という、盛大な手のひら返しな心境でモチベーションを上げていました。

結果として、逆に、メインストーリーには贔屓がいないぶん、フラットな心境で観ることができて、楽しめました。

 特典小説は読みたかったので、枯れる前に観に行けて良かったです。

 

 先にオペラオー君関連の雑感だけ纏めておきます。

・冒頭の新聞、ポッケちゃんのデビューが書かれる中、一面は写真付きで見出しは「覇王の~」。いきなりテンション上がりました。覇王のなんなんですか!? 続きを読ませてくれ。

・全人類が観たかった00有マ記念、映像化おめでとうございます、ありがとうございます。これは紛うこと無き世紀末覇王。

・夏祭りでは、アヤベさんの側にいたのは確認しました。

・「最強を、讃えろ。」というデジタルサイネージ、とても良いですね。欲しい(?)。はい、頌歌なら任せて!!!!

・JCスタート時、一人だけ低姿勢なのが強そう(実際強い)でした。

・「ボクが!」「勝つ!」の時の顔の良さ(サムネ参照)。

・最後オペラオー君踊らんのかい!!!! ライブはJC時のじゃないんですね!??!

 勿論有料でいいので、「オペラオー君登場シーンまとめ」をいつでも観られるようにしてください、宜しくお願いします。

確かに想像の数倍登場シーンが短く寂しかったですし、オペラネタももっと多く美しく仕込んで貰えたら嬉しかったですが、カッコよく描いて貰えてその点満足しました。

 

 備忘のため、その他の事項についても簡単に。

・レース名の表示、レース中の重低音がカッコイイです。

ホープフルステークスのラブリアスなんとかちゃんが「ガブリアス」にしか聞こえない呪いに掛かったので皆さんにもこの呪いに掛かってもらいます。

・レース中の BGM は控えめなものの、どれもカッコよかったです。

タキオンちゃんの眼球の動きが怖いけど素敵です。目だけ動いているのがよい。

・ダービーの時に実況が詰まったのがリアルでした。

・ダービー勝利時のフジ先輩の囁くような「やったね。」が刺さります。

・その後に流れるのはアプリでお馴染みの BGM 。まさかの映画版進出。

・ふわふわ狂アヤベさんと「早く寝ましょ」と諭すカレンチャン

・ポッケちゃんは三つ編み部分を下ろすとその二房だけ髪が長いんですね。

・夏祭りでの消えかけの提灯、ラムネのカバーの動きなど、印象的で凝っていました。タキカフェ部屋の照明や、心理的葛藤が晴れた後の青空なども含め、この辺り凄く力を入れていましたね。

菊花賞での雷がカッコイイです。

・わたしはフォーマルファッション同好会員なので、フォーマルファッションを着崩されるのが嫌いなため、どうしてもフジ先輩の勝負服は好きになれないです。何故開けた。ポッケちゃんも「その格好、なんで」て言うてましたよ。

・でもフジ先輩は目の色が美しいと思います。映画でも映える。

・前に進めない表現として、幻の自分が実際の自分の頭を押さえつけている描写、とても良いと感じました。語彙力無くて申し訳ないけどめちゃくちゃ良い。

・トレーニング中、トレーナーと話すモブたちの気怠げな「はぁ~い」って声がリアル。作っていない感じ。声優さんが上手い。

・レースを観ている時にいつもタキオンちゃんの足が動くのはつまりそういうことですよね。

・RttTでは車を使っていたトレーナー、こちらではバイク。こうやって併走されると、ウマ娘の速さをリアルに感じて、変な怖さがありますね。

・結局あのペンダントはなんなんだ問題。「最強の可能性」の象徴……?

・絶対同姓同名の別の方だと思うのですが、『RttT』でもクレジットされていた某バンドネオン奏者と同じ名前の方がこちらにもいて、一人でクレジットロール三度見してウケてました。しかも、格上げされている……?

 こんなところでしょうか。

 

 逆に気になった点としては、菊花賞の描写が極端に少ないことは(特にカフェちゃんファンにとって)勿体ないかなあ、と思いました。ポッケちゃんにとって、所謂「DIEジェスト」枠に入ってしまっていて。

 それから、『RttT』では劇場再編集版でわざわざレースの戦略的な話を足していたのに、『新時代の扉』では逆に戦略的な話がほぼ全くなく、抽象的且つ精神論的で、「どうして強いのか」「どうして勝てたのか」という話がないと、感情が乗りづらい側面があるのではないかと感じました。

 

 総評としては、演出が凝っていてレースの後半はほぼバトル漫画化していましたが、まあカッコイイのでヨシ!、画も綺麗で、オペラオー君もカッコイイし、初の映画化としてとてもよかったと思います。

というわけで、短編でもいいので、「世紀末覇王伝説(本編=2000年フル)」も、オペラネタ盛り盛りで映像化を宜しくお願いします!!!

 

最後に

 通読ありがとうございました。1万1000字ほど。大体半日で書きましたが、結局五桁は乗る。

 

 いつも通り、些細なものでも、感想・ご意見・ご指摘等お待ちしておりますので宜しくお願いします。オペラに関する質問や、観劇レビューを送って頂いても結構です。

コメント欄やリプライなども開けていますが、匿名がよい方はマシュマロをご活用ください。

 それから、記事の最後にある投げ銭箱もご利用頂けると、わたしが Cygames に課金しやすくなるので、宜しくお願いします!

 

 また、「オペラを実際に観てみたくなった! ……でも初めてで何もわからないぞ!?」という方の為に、入門の手引きも書いています。適宜ご参照ください。

↑ 入門はどこからでもいいんです! オペラオー君が繋いでくれた歌劇場への縁、実らせてみませんか。

 

 次回の『ウマ娘』関連記事は、映画関連のキャラクター実装時にオペラオー君から言及があれば……ということになるでしょうか。ポッケちゃんらの実装、待ち遠しいですね。

というか、オペラオー君3着目はそろそろ来てもよくないですか!? カッコイイ(可愛いでも可)覇王様を頼むよ!

 

 それでは、今回はここでお開きと致します。また次の記事でもお目にかかれれば幸いです!