世界観警察

架空の世界を護るために

古き神々を訪ねて - 島根巡礼

 こんばんは、茅野です。

 時の流れの速さに震撼している今日この頃です。もう七月半ばだと……。

 

 さて、今回は旅日記。5月末に決行した島根+隠岐の島遠征について一筆やりたいとおもいます。長いので前後編とし、今回・前編は島根(主に出雲・松江)編です。

今回同行してくれたのは中学時代からの旧友である、通称・旦那様。いや、旦那様が居らずでは成立しない旅でした。大感謝。詳細は追々。

 旦那様と遊んでいた折、「どこか国内旅行行きたいね」という話になり、冥界下り譚の愛好者であるわたくしが『古事記』の黄泉国神話を拗らせ、「是非とも出雲に!」と我儘を垂れたところ、採用。最終的に隠岐の島遠征まで含めた5泊6日の豪華旅に。最初は「観光でそんなに長く行くなんて、島根ってそんなに沢山見るところあるの?(笑)」なんて言われていましたが、全然時間足りませんでした!!!! 恐るべし島根。早くもまた行きたい。

 というわけで、今回はそんな魅力的な島根への巡礼ログです。お付き合いの程宜しくお願い致します。

 

 

一日目

サンライズ出雲

 「5泊6日」の長期旅ですが、そうなるには訳があった。そう、行き帰りが寝台特急だったのだ!!

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↑ 人生で一度は乗ってみたい、サンライズ出雲号。

 東京を夜出発。コロナ禍の影響で、東京駅構内の店がほぼ全滅し、ほぼ食糧及びスペース難民と化しました。我々と似た状況の人々は少なくなく、そこを早く閉める必要はあるのか……と行政に対する不信感を募らせるのであった。

 

 さて、サンライズ出雲号です。お部屋はツイン個室で、かなり快適。

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↑ 俯せで死んでいる() のが旦那様。撮影しているわたくしの左側に大きな窓があります。 

 

 電車の走行音もあり、音漏れの心配なども特に無く、流れる景色を横目に快適な旅をすることができます。但し、乗り物酔いをする方は十分な注意が必要そうです。

 サンライズ出雲ですが、面白かったのはシャワーですね。シャワーカードを購入するとシャワーを浴びることができるのですが、電車内でシャワーを浴びるという経験はなかなかできない代物だとおもいます。先に旦那様が行っていたのですが、悪戯心のままにビックリするよ」とだけ聞かされており、内心ビクビクだったわけですが、シャワー自体は普通でした。強いて言えば、走行中なので、大きく揺れる際気をつける必要があります。問題はその後で……。そうですね、ビックリしますね! わたしは何だか、ドイツ映画で観るアウシュヴィッツ強制収容所か何かを想起しましたね……。別に危険なことは何もないですが、一度行けばその意味、ご理解頂けるかとおもいます。

 

二日目

到着

 シャワールームに驚いたり()、旅の興奮で何だか寝付けないまま夜を過ごすうち、出雲市に到着。

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 この旅では常にそうでしたが、大変にお天気に恵まれまして! 天照大神は我々に微笑んだ。

 

 駅前でレンタカーを借り、いざ市内へ。旦那様の運転技術が遺憾なく発揮された旅でもありました。常日頃から「わたしが車を運転しようものなら、確実に人を轢き殺す」と公言しているわたくしは、人類の平和を慮り免許の取得はしておらず、当然の如く大きなお荷物であります。そんなわたくしと好き好んで旅をしてくれる優しき友こそ、生涯大事にすべきものです。

 

出雲大社

 車という文明を手に……いや、足とした我々は、朝から観光です!

まず向かったのは神社の中でも最高クラスの知名度を誇る、出雲大社

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↑ 立派!

 一泊目の宿の方で出雲大社についてはガイドさんを配して下さり、丁寧な解説を伺うことができました。当方は旅の前に『古事記』を再履しておいたので、神話的伝承については一通り存じておりましたが、更に時代を下った歴史や建築についての説明も手厚く、有り難かったです。

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↑ 拝殿。島根の神社に特徴的な大しめ縄と大社造。

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大国主命、吾が魂に出逢う。

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↑ 第二の鳥居の内から第一の鳥居へ向かって。参道も美しい!

 

 今回の旅では、また神社巡りをする予定だったので、先の京都遠征で手に入れた御朱印帳を持参していました。

↑ 京都遠征ログ。

 

 しかし、こんなものを見せられてしまった日には、頂かざるを得なかろう!

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出雲大社御朱印帳。鮮やかな青い装丁に、八雲立つ金の出雲、美しすぎる。

御朱印もしっかり頂き、満足しました。

 

昼食

 昼食はそのまま参道を下って。折角なのでご当地出雲蕎麦を食べることに。

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↑ 驚きのボリューム。

 このときから察しましたが、島根、全体的に食べ物の量が多いです。当方、結構フードロスの問題なんかにも関心があるので、普段から気をつけるようにしていますが、今回の旅ではギブアップすることも幾度か……。

 推測するに、野見宿禰の伝説など、相撲文化がよく根付いていることなどが由縁なのでしょうか? どうなんだろう。

 

古代出雲歴史博物館

 昼食後は、引き返すように参道を登り、右手に逸れて古代出雲歴史博物館へ!

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↑ パンフレット。近代的な建物で、たいそう綺麗であった……。

 入り口のドアからは、東京の駅を利用していればよく耳にするサウンドが流れており、あれは一体なんだったのか気になるところ。

 

 館内は天井が広く開放的で、常設展示数もかなり多いです。写真撮影OKな点や、学芸員さんらがフレンドリーに話しかけてくれ、解説してくださったところもポイント高いですね。物凄く対応がよかった……地元でも博物館や美術館に行きますが、わたしが知る限りでは、同等に対応がよかったのはモスクワのチャイコフスキー博物館しか知りません……()。

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↑ 眩い光を放つ銅剣が壁一面ずらり! 圧巻です。

 

 又、オタクに優しいのがミュージアムショップ。勿論、グッズ類も充実していますが、何よりも論文集の多さです。手狭ながら、こんなに資料の取り扱いが揃っているミュージアムショップはそうそうありません。凄いぞ、古代出雲歴史博物館!

 庭も広く整備されていて、さながらフレデリクスボー城の庭園のようです。

 

日御碕灯台

 お次に向かったのは、日御碕灯台

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↑ 見てください、スマホ、加工無しでこの美しさ。絵はがきにできますよ。

 

 The Chinese Room さんのゲーム『Dear Esther』(※ Chapter 1 のステージが「Lighthouse (灯台)」)や、ヴァージニア・ウルフ著『灯台へ』などの影響で、実は灯台が好きなわたくし。『Dear Esther』の最後の台詞、≪From this infection, hope. From this island, flight. From this grief, love. (この伝染病からは、希望を。この島からは、脱出を。この嘆きからは、愛を。)≫ という一説は、この時期だからこそ響くものがありますね。

 日御碕灯台は登ることができるのですが、博物館をじっくりと楽しみすぎ、登れる時間を過ぎてしまいました。残念! しかし、塔の足元からでも充分に楽しむことができます。

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↑ 煌々と輝く真円の太陽と照らされる海。海猫も良い味出しています。

足元は断崖絶壁で、柵やロープも一切無し。過保護な日本でここまで何もない場所はレアだとおもいます。

 

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↑ 青々と茂る山と点在する島々。国引き神話の地であることを思い起こさせますね。

 

日御碕神社

 日も暮れてきた中、そう遠くない日御碕神社へ。

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↑ 夕日を背負い、夜を担う日沈宮。

 日御碕神社は三貴神のうちの二柱、天照大神素戔嗚尊を祭神としています。しかし、日沈宮の「夜を守る」という命を考えるならば、祭神としては月読尊の方が相応しいのでは? と邪推してしまうのですが、その辺り、何か理由があるのでしょうか。所謂「無為の神」の問題も含め、謎深き月読尊が更に気に掛かります。

 

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↑ 上宮の方から。碑にある伝説の御神砂も気になる……!

 

隠ヶ丘の方には、「異世界への扉」と言わんばかりの鳥居が……。

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↑ 何か出そう。

 登った先には稲荷神社が。鬱蒼と茂る緑で空気もひんやりと冷え、妖気なるものがあるのならば斯様なものだろうと感じました。朽ちかけた鳥居群には趣きを感じたものの、そろそろ修繕の必要があるでしょう。

 

夕食

 「異世界」探索をしているうちに日が暮れてきて、宿へ。最後迷子になりかけ、宿の方に助けて頂く() というハプニングもあったものの、無事到着することができました。

宿に着いてからは、すぐ夕食へ。豪華・和フルコースを堪能しました!

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↑ 日本酒「やまたのおろち」。当然、名前に惹かれて……。『古事記』の伝説でかの大蛇が飲まされるは超強力な酒ですが、こちらはさほどでもありません(度数15%)。辛口とありますが、少々危険なくらい飲みやすく、それだけに美味でした!

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↑ のどぐろの炙り。雲の器が可愛い!

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↑ 真薯。ふんわりと温かくやさしい味。

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↑ 宝楽盛り。目にも楽しい……。

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↑ 天麩羅と最中揚げ。こちらもまた雲の器!

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↑ 桜葉蒸し。桜の塩漬け特有の香りが全体に拡がります。

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↑ 土鍋ご飯。めちゃくちゃ美味しいのですが、また土鍋丸ごととえげつない量出現し、胃と緊急特別会議が開催されました。

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酒粕のアイスクリーム。これぞ和洋折衷!

素晴らしかった……。

 

お宿

 夕食もよければ当然お部屋も良い。というわけでお部屋の紹介です。

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和な造りになっていて、写真では伝わりづらいとおもいますが大層広いです!

洗面所は打って変わってシックでモダンなデザイン。最新設備も整っております。

 ちなみに、敷き布団は敷き布団とは思えないふかふかふわふわぶりで、枕を強奪して帰りたいくらいであった(※してません)。

 暗いですが、写真右に見えるベランダからは個室事の露天風呂に繋がっており、お部屋で玉造温泉の湯を楽しむこともできます。

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↑ 朝、足湯してました。鳥の鳴き声と緑のさわやかな香りも相俟って、大層風雅な朝でした。

 

 お部屋にこのようなお風呂もありましたが、夜は大浴場へ。折角の温泉街ですからね。なんと貸し切りでした。浴槽に檜のボール(?)が浮いていたのですが、貸し切りなことを良いことに、二人で(良識の範囲内で)遊び倒してました。あのボール、ちょっと欲しい。

 

 お風呂上がりにはもう十二時を回っていたのですが、再びの湯上がりアイスクリームを頂きながら窓の外を眺めていると、煌々と輝く立待月が。プラネタリウムであってもこうは輝かんだろうというほどの光量に圧倒されました。天照大神のみならず、月読尊も我々の旅を祝福してくださったようで……。残るは末弟神、海上は如何に―――?

 

三日目

朝食

 何度も申しております通り、島根、お食事の量が多い! ……それは朝食に於いても変わらない!

なんと、神饌料理を頂くことができました。

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↑ 凄い(語彙力消失)。三宝、ちょっと欲しいですね。使い道はないですが……。それにしても、今見ても苺の大きさにビビる。

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↑ からの、ガッツリ朝ご飯。寝坊常習犯・朝ご飯食いっぱぐれ芸人なので、こんなにしっかりした和の朝食は久しぶり。相変わらずの量でしたが、美味でした!

 

須佐神社

 名残惜しくも宿に別れを告げ、温泉街を暫く散策した後、今日の観光を開始します。

まずは少々離れた雲南市に位置する須佐神社へGO.

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↑ 昨日の出雲大社とは打って変わって大分歴史を感じさせる碑ですが、これもまた味があってよい。

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↑ 鳥居。

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↑ こちらも大社造りになっています。

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↑ 大杉。人間というのは巨木に圧倒されるいきものなのだ。

 

 国内で唯一素戔嗚尊の御魂をお祀りしているという当社ですが、日本神話に於いてトリックスター的活躍をする同神にしてはこぢんまりとしており、日本的な奥ゆかしさの顕れなのか、それともよく論ぜられるように、出雲神話の成立の謎に掛かっているのか……?

 

 どうでもいいですが、駐車場奥にあるお手洗いが綺麗です。雲南市、道路標識などは少ないのに公共のお手洗いが綺麗なことが多く、インフラはどこに投資しているのか一目瞭然で面白かったです。

 

須我神社

 お次に参りましたのが、須我神社。名前は似ていても別の神社です。

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↑ 抜けるような青空に、青々と茂る緑、鳥居と社の茶が素晴らしいコントラスト。

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↑ 「日本初之宮」。つよい、つよすぎる。

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↑ かの有名な「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠めに 八重垣つくる その八重垣を」の碑。

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↑ 恒例・御手洗チェーック! とさか(?)のようなものが特徴的な龍でした。

 

 日本最初の和歌が詠まれた地ということで、文才の向上が御利益として見込めるそう。ううむ、それは是非とも素戔嗚尊のお力を賜りたいですね……!

御朱印も頂くことができました。

 

 そして、散策していると、奥に見えてきたのが……。

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↑ 「異世界への扉」 vol. 2。

 ガチ登山の始まりです。この旅で、最も苛酷であったと確信しています。正直かなり大変であった。

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↑ 細い道を征きます。右側は断崖絶壁で手摺りもないので、結構スリルあり。

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↑ 崖ゾーンを越えると辿り着くのがこちら。ゴールが見えない……!!

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↑ 終着点がこちら。ここから更に奥に進めるようでしたが、流石に疲労困憊、引き返しました。

 

 皆様、須我神社踏破を目指されるなら、水分と体力を十二分に持ち、歩きやすい靴でお越し下さいませ。

 

熊野大社

 疲れ果てた我々は、須我神社を後にし、熊野大社へ。

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↑ これまた立派な碑! そして朱の美しい橋。

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↑ 鳥居。聖と俗の境であることを悟らせる凜とした佇まい。

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↑ 奥に見えるが本殿です。全ての建築が重厚感あります。

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↑ 陽光に照らされた神楽殿

 

 お土産には、かの「奇稲田姫の櫛」を頂きました!

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↑ か、可愛い……。二色展開で、黄色ベースのものもあります。

 

 熊野大社の御由緒について、記紀神話からのみのアプローチをしていると不思議に思うこと多々。帰ってアフターリサーチを詰めていると、歴史と神話と面白さを感じました。複数書籍にあたりましたが、個人的には鳥越先生の説が信憑性や論理性の点で優れているのでは無いかと思ったので、紹介しておきます。

 

 

黄泉比良坂

 ある意味この旅の目的地を目指していると、街中にさも当たり前のように……。

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↑ !?

 そんな堂々と「黄泉の国への入口」とか看板出しちゃっていいものなんですかね!? 遊園地の案内じゃないんだから、そんな……。と衝撃を受けつつ、300メートル前進。

 

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↑ 短い坂が出現。

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↑ 濁った淵が雰囲気あります。

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↑ プリミティヴな鳥居!!

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↑ 地獄の蓋を塞ぐ塞の石。

 全体的に大変プリミティヴで、社もなく、しかしだからこそ趣きがあります。豪奢な社を持つ大社とはまた違った神聖さに満ちています。我々の他に訪れている人は皆無で、葉の擦れる音だけが響くのもそうした雰囲気に一役買っているとおもいます。

 

 淵の脇から伸びるのが、黄泉比良坂こと、伊賦夜坂。早速行ってみましょう!

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伊弉諾尊が投げたという桃の花でしょうか。しかし、またしても先が見えない……!

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↑ 森っていうか、山っていうか……。

 終始こんな感じで、足元には注意が必要です。

黄泉比良坂は、地下の冥界に繋がる道ということで、現世からしたら下り道なのかとおもっていました。しかし、伊賦夜坂は謂わば小高い丘のようになっており、どの道から入っても登り→下りとなるようになっています。道の途中には塞の神が祀られており、石を積んでから進むのですが、意外と難しくて三段くらいでギブアップしました()。

 近く人が踏み入った痕跡が全く感じられない道に迷い込んで見ると、「古来使われていた道で、現在は危険なため立ち入り禁止」の標識が。先が気になりましたが、素直に引き返しました。

 

 社務所は坂の下にあるのですが、ギリギリ時間が足りずクローズド。御朱印もあったそうで、サンプルだけ確認できたのですが、ガッツリ「黄泉比良坂」と書いてあり、くそぅ、流石にちょっと欲しかった……!! と悔しがりつつ。もう地名ながらにパワーワード感が酷いのよ。

 冥界下り譚クラスタとしては、よい経験になりました! 楽しかったです!!

 

揖夜神社

 さて、黄泉比良坂から更に下ったところにありますのが、揖夜神社です。

f:id:sylphes:20210717040218j:plain↑ 鳥居と道路が近すぎて入りきらず。

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↑ 御手洗チェーック。なかなか胴の細いスリムな龍でした。

 

 揖夜神社は、黄泉国神話の主要登場人物である伊弉冉尊を祀る神社。黄泉比良坂まで行くならば確実に参拝すべき場所です。

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↑ 拝殿。

 坂とは違い、境内も広く、豪奢な社が建ちます。天地開闢神話の重要な大神を祀りますが、夕方、人気がなかったこともあり、背筋が伸びるような、涼しい風が吹いていました。それはそれで神秘的です。

裏手にはまた野山とも言うべき緑生い茂る丘があり、相変わらずの登山です。膝丈まで伸びる草を掻き分けて進むと、巨大な碑が。かすれていてほぼ読めず……(恐らく戦没慰霊の碑)。その後、道は分かれていましたが、また森めいていて人の痕跡が認められず、行き先も不明だったので、退散しました。

 

八重垣神社

 登山続きでいい加減足に疲労を覚えつつ、次に向かったのが八重垣神社!

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↑ 日が沈む出雲国、美しいです。

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↑ 閉まっていますが、拝殿。

 記紀神話、八岐大蛇退治で有名な八重垣です。素戔嗚尊奇稲田姫を娶ったことから、恋愛や安産などに縁があります。中にはちょっと衝撃的な像もあったりとか。

 

 中でも有名なのは、鏡の池。

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↑ 入り口がもう素敵。

 この辺り、なんというか、「森の良い香り」が凄くしました。フィトンチッドというやつでしょうか。この空間の香水欲しい。

 

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↑ 鏡の池。

 姫が自身の姿を映したという、 鏡の池。写真だとわかりづらいですが、澄み渡っていて、なるほど鏡にもなろうと思いました。青緑の水が神秘的で、大層美しいです! 但し、柵などがないので、落ちないように注意。

 

神魂神社

 神社巡りもラストスパート、神魂神社へ!

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↑ 落とし物のペンがこんにちはしていますが、豪奢な第一の鳥居です。

 第一の鳥居からしてもう雰囲気抜群。ゆるやかな坂になっている直線の参道に覆い被さる青々とした並木。

 

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↑ 第二の鳥居。碑もありますね。ここから階段続きです!

 朱の鳥居も美しいですが、この木の色がそのまま使われた鳥居と純白の紙垂、緑のコントラストも落ち着いていて大層よいものです。

 

 神魂神社は、出雲国造家が火継の神事を行う由緒正しき神社です。

日本の魂の概念はつくづく面白いなと思うのですが、神にも魂があって、しかも四つに分かたれているなんて、数少ない考えだと思います。しっかし、ゲームするのもすきなので、「神魂」「火継ぎ」とくると、『DARK SOULS』を想起してしまうな……。

 

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↑ ちなみにこれは「異世界への扉」vol. 3 です。

 

夕食

 レンタカーを返却し、次なる宿に向けて歩いている途中、夕食を摂ることに。

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宍道湖に近いこともあり、名物しじみラーメンです。麺類、つよい。

 わたくしは醤油、旦那様は味噌。最近は色々盛ったラーメンが流行っていますが、個人的にはシンプルな醤油isベストだとおもっています。

 

賣布神社

 さて、今日の探索はもう終わり、と思っていたのですが、宿への道すがら、見つけてしまった賣布神社!

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↑ もう夜中で、画像ガビガビですみません。

 時間も遅かったですし、ササッと手を合わせて退散してしまったのですが、夜中の神社というのもまた趣きがあって最高ですよね……。

 御由緒を拝見したところ、穢れ・清めにつよい神社で、生命力や蘇りに縁があるそうで、一瞬とはいえお伺いできてよかったなとおもっています!(冥界下り譚クラスタ)。

 

最後に

 お付き合いありがとうございました、8000字強です。しかしまだまだ旅もログも続く……! 後編・隠岐の島編も宜しくお願いします! それでは。