世界観警察

架空の世界を護るために

『リバース:1999』の話をする

 おはようございます、茅野です。

今月は体内時計が狂いまくっています。ヴェルティに時間を管理してもらう他ありません。

 

 さて、今回は物凄くお久しぶりにゲームのレビューです。最近『リバース:1999』というソーシャルゲームで遊んでいるので、こちらについて一筆やりたいと思います。

↑ スマートフォンかPCでプレイできます。

 

 小難しい考察やら解説やらは今後に回すこととして、この作品を知らない方に対する布教の意味も込め、今回は単なる雑感、言い換えれば皆さんの大好きなオタクの悲鳴をお届けします

あくまで「わたしの感想」なので、弊ブログ常連さん向けの内輪話や、自分の経験や興味に絡めた自語りがちょっと多いかもしれない、と先に断っておきます。すみません。

 

 問題がなければ、お付き合いのほど宜しくお願いします!


↑ 主人公ヴェルティ。顔が良すぎる。

 

 

経緯

 『リバース』を遊ぶことにした経緯を簡単に振り返ります。

 

 11年遊んだソシャゲ、「メルスト」こと『メルクストーリア』が、先月サ終してしまいまして……。

↑ メルストの方の雑感記事はこちら。メモリアルアプリでストーリーは読めるので、気になった方はわたしのオススメを是非読んでみて欲しい。

 わたしはソシャゲはそこまでやらないんですが、丁度「ポスト・メルスト」を探していました。

 

 わたしがソシャゲに求めるのは、「月1くらいのペースで定期的に良質なストーリーが読めること。ゲーム性は乏しくても可」です。これまではその枠をメルストが担っていたんですが、後続が現れたんですよ、『リバース:1999』って言うんですけど……。

「顧客が求めているもの」が完璧な形でお出しされてときめいちゃいました。

 

 他にスマホに入れているソシャゲは『ウマ娘』だけなんですが、何故やっているかというと、オペラやバレエについて言及するキャラクターが登場するからです正直オペラオー君がいなかったら続かなかったと思う

 以前、このゲーム内に登場するオペラの解説をしたら、激烈にバズってしまい……。

↑ 一日で閲覧数8万とか行った。F5押す度に100単位で訪問者数増えるの怖かった。『ウマ娘』内の芸術用語解説はシリーズ化していて、他にも複数書いています。

 以後、「オペラの人」なんて言われて、解説員扱いされていたりします。

 

 『リバース』については、正直名前さえ聞いたこともなかったんですが、相互さんに「オペラネタが出てくるソシャゲがある」と教えてもらい、半ば使命感で(?)、今月初めにインストールしました。

 何事もフッ軽なのは良いことですね、これが大吉と出ました。推薦ありがとうございます!!

ポスト・メルストを探していた今が丁度個人的な始め時だったとはいえ、もっと早くに知りたかったな〜。間違いなく良質なゲームなのでもっと知名度上がって欲しい。

 あまり言いたくないのですが、まだ知名度が高いゲームではない……ですよね……? 実際、わたしのフォロイーでやっているの3人しかいませんでしたし(まあ元々ソシャゲをやる層とあんまり繋がっていないというのもある)

わたしはメルスト以降サ終に怯えているので、ある程度定期的に課金して末永い存続を願いたいな……と思っています。「基本プレイ無料」に甘えてたら終わりますよほんとに。皆様も積極的に支えてください、宜しくお願いします。

 まあでも大丈夫、この記事を読んだ読者さんがインストールしてくれることでしょう!!(圧)。

 

 わたしはスタートダッシュに全力なタイプなので、怒濤の勢いで進め、気合いでメインストーリー追いつかせました。一応メインは読み切ったので、今後は流石にもうちょいゆったり進めます……。


↑ わたしのアカウントです。プレイ開始日と現在地が大分バグ。3月中、徹夜しまくって体内時計が終了していた。わたしの身体の中だけリバースしたのかもしれない。

ID(フレンドコード)は 507074363 です。お気軽に申請ください。「記事から来た」って一言貰えると喜びます。

 

 一応、初めましての方向けに自己紹介しておきますが、わたくし茅野は19世紀ロシアの歴史と芸術がメインジャンルの一般オタクです。普段はオペラとバレエの批評を書いています。元国際政治の研究会員で、主に絶対君主制の地域を担当していました。

最近は『ウマ娘』くらいしか書いていませんが、以前はゲームの考察班としてよく活動していたので、『リバース』でも何か書けたらいいな、と思っています。

考察班としての得意分野は、時代考証音楽言語神話です。宜しくお願いします。

 

ゲームシステム

 わたしは基本的にアクションとかパズルとかのゲーム性には興味がなく、酔えるストーリーであればそれでいい派なんですが(ゲーム向いてないのでは……?)、それでも『リバース』のバトルは結構面白いと思います。頭を使っても遊べるし、使わなくても遊べる塩梅が素敵。

 基本的にパーティ内のキャラクターのスペルを選ぶだけの簡素なターン制バトルです。ちょっとポケモンに近いかも。シンプル・イズ・ベスト。

但し、固有の表現が無駄に多いので、効果を覚えて慣れるのに時間が掛かると思います。この辺りはもっと単純化した方がわかりやすいと思いますけど、それぞれ表現が違うのもキャラクターの味を引き立てる役割があるし、加減が難しいですね。

 

 基本的には「ストーリー付きのターン制バトルクエストをこなしていく」のがメインになりますが、それだけではなく、どうぶつの森みたいな箱庭作りもできるし、パズルもあるし、ローグライクもあるし、基本なんでもできます。最早ゲームジャンルが何かわからんまである。

 

 ソシャゲの中では比較的ガチャがゆるく、概ね狙ったキャラクターを引きやすい気がします『ウマ娘』に大金突っ込んだことがある人並感

 ガチャは取り敢えずピックアップ中だったイゾルデさんを引きました

 その後、ガチャタイトルに「白鳥」とあったので、ヴィローさんに興味を持ちました。イベストを読んで新体操のことだな、とは思いましたけど、普通に容姿と声が気に入ったので回した。

 が……、ヴィローさんガチャでまさかのイゾルデさんがすり抜けて凸る。わたしに解説を書かれたいんですね、よくわかりました。

 結局ヴィローさんは仮天井でお迎えできました。よかった。

 

 その後、この時まだ6章読めていなかったんですが、イゾルデさんの相方ポジと見定めたので、カカニアさんのピックアップも引きました。こちらはすり抜けなくて良かった。結論、バトルでもめちゃめちゃ強いですし、キャラクター的にも引いてよかったなと思っています。

 

 次のイベントでは、「クレモナの音楽家」が実装されるということで大変気になっております。狙おうとは思っています。

 他だと、ルサールカモデルらしきヴィラさんが気になっています。ロシア民話の時間だ!!

他にもロシアの詩人(ズィマー)がいるのいいよね……、そう、ロシアの芸術といえばまず詩、韻文ですから!!! わかっておられる。握手しよう。

 メインヒロインのソネットが名前からしても詩に関連しているのも刺さったポイントです。うちいっぱいロシア詩あるんよね……興味ない……?(新手のナンパ)。

 

 芸術家(特に音楽、舞台芸術)系、帝政ロシア系、政治的リーダー系のキャラが実装されたら嬉々としてガチャぶん回すと思うので魅力的な人物像を宜しくお願いします!!

 

中国語音声布教委員会

 このゲーム、凄いことに、ストーリーがフルボイスです。ストーリーかなり長いのに……。わたしはシステム言語・日本語、音声・中国語で遊んでいます。言語は中国語、日本語、英語、韓国語から、ゲーム内表記と音声を自由に組み合わせて選択できます。皆様は何語で遊んでいますか?

 

 ここでわたしは中国語音声を全力で推したいと思います。勿論、キャラによって「○○語版が一番良い」という差はあるのですが、やはり原語というだけあって、中国語版は解釈が一致するキャラクターが多いです。

 音声に関してはわたしは特にヴィローさんが好き。戦闘ボイスめ~ちゃくちゃ良いので倾听我的祷词してください。

 中国語はイントネーションの高低が激しいので、よく「怒っているように聞こえる」などと言われますが、それを思えば意外にも、ダウナー系ウィスパーボイスとの相性が抜群であるという事実を見い出しました。嬉しい発見です。

 個人的にはダウナー系のキャラクターってそこまで好みではないんですが、中国語音声聞くの楽しいかも。

 

 先月、高雄に行く機会があったのですが、そこで初めて中国語圏に足を踏み入れ、英語が全く通じず、結構苦労しました。「中国語ミリしらで中国語圏に行くべきではないな……」と悟り、それで初めて中国語に興味を持ったのですが、帰ってきてすぐにこんなにも中国語を聞くことになるとは、流石にこの時思いもしませんでしたね。

 

 中国語については、誇張抜きに「ニーハオ」以外の表現を知らなかったのですが、日本語字幕をつけてフルボイスの中国語音声を聞いているうちに耳が慣れてきて、調べもせず学びもしていないのに、頻出の表現が段々聞き取れるようになってきました。

 「はい」が Shì de で「もちろん」が Dāngrán、「なに」が Shénme で「なんで」が Wèishéme、「王国」が Wángguó、「未来」が Wèilái、「苦痛」が Tòngkǔ だな……。

「わかりました」が Wǒ míngbáile、「わかりません」が Wǒ bù míngbái ってことは bù が否定形で文末の le が完了形か……(漢字は「不」「了」だったので納得した)などなどとやっているうちに、「中国語リスニング、いけるんでは?」と錯覚し始めた

 中国語って日本語話者にとっては読み書きよりリスニング・スピーキングが難しい印象ですが、ミリしらでもそれなりに聞き取って意味を推測できるな……というのが意外でした。まあ、舐めているとすぐ返り討ちに遭うと思いますけど。

 

 基礎的な文法構造がわかればもっと聞き取れるようになるはずだ、と思い、勢いで「ニューエクスプレス中国語」を買ってしまいました

 デンマーク語に入門してからというもの、新しい言語を学び始めるハードルがめちゃくちゃ下がっちゃったんだよな……、いや良いことなんですけど……。

 

 全然知らないことを知れるの、凄い楽しいです。正直、日本語音声で遊んでたらこんなにハマらなかったと思う。

 みんなも一緒に『リバース』で中国語学ぼうぜ!!

 いずれはシステム言語(字幕)も中国語で遊べるようになったら更に上達するだろうけど……、流石にそれは大変かな?

 

 ただ、豪華フルボイスなこともあってか、このゲームの数少ないデメリットですが、恐ろしく充電を食い、恐ろしくスマホが発熱します。わたしは充電機に繋ぎつつ保冷剤の上に置いて遊ぶプレイスタイルを確立した。

 

ストーリー

 「ストーリーが売り」というだけあり、ストーリーが一番良いです。ソシャゲにストーリーを求める人、今期は『リバース』で決まり!!

ただ、特にメルスト民に注意喚起しておくと、ゲームシステム自体は近いものの、ハッピーエンド至上主義のメルストとは対照的に、こちらは鬱展開が非常に多いので、ダークな展開が苦手な人には辛いかも。最初は普通に人が死ぬレギュレーションに驚いていました。

 

 降ると時間が逆行する雨「ストーム」という超常現象を用いて、時空を自在に行き来できる便利設定を作ったの、賢いですね~。これで実質、地球上の全ての土地・時間を舞台にできます。

また、敵の組織が「大きく歴史が動く瞬間を狙ってくる」という都合上、世界史上の最もドラマティックな時代を描き放題になりました。賢いですね~!(2回目)。

 

 作中では、「神秘学家(アルカニスト)」という人間とは異なる種族が登場しますが(まあザックリ魔法使いの類いと思っておけばOK)、それ以外は現実の世界史に依拠します。

従って、かなり教養を試されます。ライト向けではなく、リサーチが好きなコアなオタク向けです。つまり我々がメインターゲットです。ありがとう。

個人的には1860年代前半のペテルブルクに飛んで欲しいけど、農奴解放令程度じゃ「激動」判定食らわないだろうし無理かな~。『リバース』界の殿下を観測したいけど、でも彼が統治するとWWIが勃発しなくなる可能性があるのでヴェンデッタからめっちゃ嫌われてそう

 

 これはメルストと同様ですが、ストーリー中にバトルを挟むために、小競り合いなどの描写が適宜入りますが、これ違和感なく挿入するのライターさん大変だろうな~といつも思います。この辺りも自然で、流石です。

 『リバース』はガチャシステムがあるものの、基本的に「キャラゲー」というより群像劇的な物語を見せてくれるゲームです。しかし割とちゃんとヘイトコントロールはやってくれます。

 

 以下、章ごとの雑感を書きます。この先ネタバレに注意

5~7章の話が主になります。どうぞ。

 

第1-2章

 個人的には、1・2章はチュートリアル感が強い印象を受けました。

 ストーリー自体は面白いのだけど、全ての設定を開示しないまま進むので、感情的には割と置いて行かれました。これ初見のまま殴り書きしているので、再読したら意見変わるかも。

 主人公のヴェルティがまず何者なのか、ストームなどについてどこまで知っているのかもよくわからないし、財団本部ってどこにあるんだろう、ロンドン近く? 生き物はストームの影響を受けるけど、建物も巻き戻るのか? とか、頭が疑問でいっぱいになっているうちに佳境を迎えて終わった感じが否めなかった(疑問も多くは解消しなかった)。

 長い目で見ればこれくらい投げっぱなしでも全然良いんですが、その分、この段階で感想ひねり出すものじゃないかな~とも感じ、結局この記事を書くまでにメインストーリーは全部読みました。

 

 これ大事なことなので先に言っておくのですが、ソネットがヴェルティを呼びかける「司辰(Sī chén)」がほんまに可愛い。何と言うか、恋愛的ではなく包括的な愛を感じます。ヴェルティを労り慈しむ心が漏れ出すぎている。聞けばわかる。媚びのない、嫌味のない愛がそこにはあります。

 中国語の「司辰」の響きが可愛すぎて、「流石原語……、響きで選んだ側面もあるんだろうな」と感じました。中国語音声勢としては、日本語や英語の「タイムキーパー」って長くね?と感じちゃうんですが、慣れたらそうでもないのかな?

 あとボイスに関して言えば、喋るリンゴが博識でイケボすぎる。り、リンゴなのに……? 声帯どこだよ……。

 

 レグルスやシュナイダーは、いつの間にかヴェルティと大親友みたいになっていて、「いつの間にそんなに仲良くなったんでしたっけ……?」とちょっと困惑。まあ、知人をほぼ全員消し飛ばされた状態なら、結束も強くなると、そういうことなのかな、と無理矢理納得した。

 シュナイダーは一般的に人気があるようだけど、個人的にはあんまり感情移入できず、もうちょっと尺が欲しかったかな~と感じました。ていうかその幼い顔でその服と設定ヤバ過ぎんか? が勝った序盤ということもあって、かなりテンポ早いですよね。

3章で過去編が描かれますが、ヴェルティにとっての最前線学校脱走事件の心理的役割を、プレイヤーにとってのシュナイダーの喪失が果たすんだと思います。

 

 いきなり世界恐慌を物語の舞台に選んだのも良いですよね。徐々に遡るのだとしたら、いきなり1966年から1929年までぶっ飛ばすの結構期間空けたな、という気がしましたが。やり残したことがでてきたら、ストームで未来に戻ったりするのかな。

 金融危機は、リーマン・ショックについては『リーマン・トリロジー』でお世話になりましたけど、1929年の方をこういった作品で触れるのは初めてで、新鮮でした。

↑ 『リーマン・トリロジー』はガチの大傑作です。世界一良質な演劇と信じて疑っていません。機会があったら必ず観てください。

 そういえば、ストームが起こらなければ作中の時系列は2007年なわけですよね。翌年リーマン・ショック来るのかあ……、いや、来るのか?

 

第3-4章

 3-4章は聖パブロフ財団編です。パブロフだとロシア名風ですけど、命名の由来は如何に。

 

 メインストーリーでも、ずーっとヴェルティを追い掛け続けるわけではないことがここでわかります。3章では彼女は昏睡状態にあり、4章では上司レディ・Zが活躍します。この命名の由来も知りたい。

 

 3章は過去編で、オタクの好きな寄宿学校が描かれます。ちびちゃんなヴェルティやソネットがめちゃめちゃ可愛いです。でもヴェルティは幼くてもヴェルティだった。

3章は「予測可能・回避不可能」を体現した鬱展開で、財団のブラックさがこれ以上無く開示されます。これ財団辞めて第三勢力始めた方がよいのでは? VERDICT WAR?

 映画ポスター風の章の表紙はどれもお洒落ですが、特に3章は構図が凄く綺麗ですよね。

 

 4章は財団内の派閥争いが描かれます。これメルストの時も書いたんですが、政治パートってわたしは大好きだけど、みんなも楽しんでくれているのかちょっと不安になります。

わたしは普段君主制を追っていることが多いですが、こういう党内政治もめちゃくちゃ面白いよな……ということを再認識しました。

 それにしても、チェスや囲碁のアニメーション洒落ていて良かったな~。卓球もよかった。

 

 「コンスタンティン」って男性名ですけど、彼女も偽名なんでしょうか。わたしはこの名前を聞くと、イスタンブルと憲法が脳裏をよぎります。

 

 リーリャはソ連の軍人さんです。ヴォトカが大好きでちょっと粗野なステレオタイプ的モスクワっ子です。よく пока って言います(字幕には反映されていないけど言ってるよね?)。ロシア語で「じゃあね」みたいな意味です。

 「リーリャ(Лиля)」は女性名リーリヤ(Лилия)の愛称形です。日本語にするなら「百合ちゃん」です。愛称形だからもしかしたら「ゆりりん」とかかもしれないかわいいですね。

 これまでの舞台がロンドンやシカゴであったので、基本は英語で喋っている設定なのかな、と思いますが、彼女のような他地域出身のキャラはどうなんでしょうね。やはり英語で喋っているのかな? こう見えて空軍パイロットという超絶エリートなリーリャはともかく、ファヴェーラのモブとか絶対英語喋れない気がするけど……。

 ところで、このスクショは8章のものですが、キリル文字は半角で書いてくれ~!

 99%のロシア語学習者・話者は「顔文字以外での全角キリル文字を許さないの会」に所属していると推算しています。当然わたしも然りです。ロシア語を学べばわかります、全角キリル文字を許してはならないということが……。

 島編でのギリシャ文字も然りです。多少ダサフォントになっても、半角であることを優先させるべきです。

『リバース』のプレイヤーのメイン層は、わたしのような面倒くさいオタクだと思いますので、こういうところで好感度を稼いでいこう。宜しくお願いします。

 ちなみに、中国語版では普通にロシア語の発音は綺麗で違和感ないです。というか、レグルスやリーリャなどの粗野寄りギャルっ子はみんな演技が自然で上手いです。この二人は特に中国語音声オススメかも。

 

 最後の投票に関しては、元国際政治研究員としては、投票画面が初めて見るのに既視感が凄かった。


↑ ストーム改革決議投票結果。


↑ 国連総会の投票行動表。研究会ではこういうの毎日見ていた。極まってくると、投票行動表だけで議題を当てられるようになってくる。これはわかりやすいですね。

 実は国連の会議って票が割れることは珍しくて、基本的には全会一致になるんですが、票が割れる会議ってドキドキして見ている分には面白いんですよね。まあ、国際社会の一員であるわたしたちにとって、票が割れることは大体悪いことなんですけど。

 財団も一枚岩ではないんだな、ということがわかります。自分がこういった会議に出る側だと、ほんと投票の瞬間は無宗教のくせに神に祈りますからね。

3章で子ども達を描いたので、4章で大人の世界を描いていて、バランスがいいですね。

 

 最後に、「ミス・ゴミ袋」は流石に草。

 

第5章

 まず、「うわ!!! す、数学!!!!」と狼狽えた。わたしは数学が嫌い兼苦手すぎるあまり、高校は普通科に行かず国際高校英語科に進んだほどの数字嫌いである(※英語科では一日に英語の授業が2-4時間ある代わりに理数系科目が必修にならない)。筋金入りの数字アレルギーである。5桁以上の数列を見ると目眩がしてきます。

……けども、個人の好みはさておき、物語の完成度は島編が圧倒的に一番高いと思う

 

 話が前後しますが、正直5章の時点では島編もそこまで刺さりきっていなかったんだけど(「絶海の孤島に未知の宗教団体」ってアガサ・クリスティが5億書いていそうな設定には凄いテンション上がったけど)、7章で評価が大きく変わりました。やっぱり尺の長さが大事なのかもしれない。

個人的には6章でもかなりお腹いっぱいになりましたけど、7章はその印象が吹っ飛ぶくらい良かった。人気があるのも頷けます。めちゃめちゃ好き。

 

 わたしはファンタジー世界に於ける「信仰が実際の力になる」システムが好きで……、『DARK SOULS』でも信仰に振るのが好きです。こちらは「神が行った奇跡に纏わる聖典を詠唱することによって、それを小規模に再現する」システムで、このシステムが続く限りわたしは信仰に振ると思う。

 『リバース』では、島を守っていたものが、神(真理)そのものじゃなくて、信仰だったというオチがめちゃくちゃ好きでした。わたしはどこかで信仰心というものが報われて欲しいと思っているのかもしれない。

 

 37登場時の電波っぷりが凄い。我らが冷静沈着なヴェルティを困惑させるほどの意思疎通のできなさ。凄い。

割と典型的な「俗世に関心が無く、凡才の気持ちが理解できない天才少女」タイプです。ソフィアとの関係がオタクの好きな「天才と秀才のコンビ」で、これは……と思ったらやっぱり7章でやってくれました! 好き。

 37については、今後の記事でちょっと触れたいなと思っているので、ここではこのくらいで。

 

 待って、なんかディオニュソス神出てきたんだけど……。


↑ 左:210。右:『HADES』の葡萄酒の神ディオニュソス。並べてみるとマジでカラーリング以外大体一緒だな……。

 これ教団の人全員に言えますけど、このビジュで一般人且つ現代人なことあるんだ。人外が沢山出てくるゲームなのに、これでまさかの一般信者という。ていうか、明らかにディオニュソスモデルなのに「整数」なことある? バッコイ/バッカイなんて「無理数」確定では??

 ちなみに『HADES』はご覧の通りギリシャ神話をベースにしたローグライクゲームで、過去に我ながらかなり力を入れた考察を書いたことがあります。神話考証が非常にしっかりしているので、『リバース』プレイヤーは『HADES』好きだと思う。

↑ 特にアペイロン教団クラスタには触れて欲しい!

 わたしはディベートや議論が大好きで、学生時代はこれらに打ち込んでいたので、210に妙な親近感と同族嫌悪を抱いたのが運の尽きだった

 

 7章を読んだ後、補完が欲しくて液缶を使い、「洞窟の囚人」の復刻を開けました。

そこで6と37のエピソードを読んできたんですが、皆様これ読みましたか? 弊ブログの常連さんは絶対読んだ方がいいよ

 なんか猛烈に見覚えしかない表現が見えた気がするんだけど……、気のせいか……?

そしてこちらが210のセリフなんですが……、

えっこれ何、推し語りしてる時のわたしのTwitter???

 あっぶな……もうちょっと描写が濃ければエルマ叔母さんが『リバース』最贔屓キャラになるところだった……。プレイアブルではないマイナー故人キャラを好きになると予後が悪いとされていますからね。でもエルマ叔母さんと77とヒューの親世代組の話はもっと供給があってもよいと思います。

 210のエルマ叔母さんへの態度がわたしの「推し」に対する態度すぎるし、アティクス君に対する態度がアレクサンドル3世或いはニコライ2世に対する態度すぎる(後者は偶然にも甥というのも一致する)。身に覚えしかないぞ。

↑ 茅野の「推し」は実在したロシアの皇太子で、「完璧の極致」の異名を持つ、天才的な頭脳とリーダーシップと善性を兼ね備えた美人さん。病で早逝してしまい即位しなかったものの、彼がロシアを導けば世界史はよりよい方向に大きく変わっただろうと言われている。

読んでいる途中で「やっ辞めろーッ! 誰かこのマッチョ黙らせろ!」って叫んだ。5章の時点で「似ている……短所が!」と思っていたのに、マジでわたしみたいなこと言い始めて声出た。37、私、魂の数字がわかったわ。

 そんな……210にこんなに感情移入して悶えているの絶対世界でもわたしだけなんだけど……、い、嫌すぎる~!(210推しの人ごめん悪意はない)。 致し方ない……わたしもバッカナールの準備をするか……。


↑ オペラ『サムソンとデリラ』のバッカナール(ディオニュソス神に捧げる狂乱の踊り)。

 推しのせいで「完璧な政治的リーダー」という属性が完全にヘキになってしまっている哀れなオタクは、イベントエピソードを読んで「6」の王位継承システムがめちゃめちゃ好きになってしまった……。ちくしょう、数字アレルギーゆえに島編は刺さらない自信があったのに(?)。参りました、わたしの負けです。即オチ2コマみたいになってしまった。ほんと、こういう設定やキャラクター造形に致命的に弱くなってしまったんですよね、どうしてくれる、責任とって統治してください。

 甥っ子、ピックアップが来たら狙いたいと思います。

 

 ところで、島の公用語って何語なんでしょうね。スペル詠唱がギリシャ語だからギリシャ語なのかな。500年前に訪れたアラブ人や、ヴェルティ一行とはどのように意思疎通しているんだろう。

 

 続きが気になるところで5章は終了です。

 

第6章

 6章が近代ウィーン編だということは聞いていたので、6章を楽しみにしていたのですが、普通に島編の続きが読みたくもあった。これリアルタイムでプレイしていた人は相当やきもきしたんじゃなかろうか。

 

 もう章題からして『星は光りぬ』ですからね、プッチーニやる気満々ですよ。

6章の諸々については、後でじっくり考察やら考証やら解説やらを書いた方が良いと思うので、ここでは簡単な雑感に留めます。

 

 初っぱなから「ロシア帝国のスパイが~」みたいな話が出てきて近代オタクは興奮したいいぞ、もっとやれ

でも、これは別の記事で詳しく述べますが、BGMは帝政ロシア産でしたね? いいのか? 芸術は争いを超越する判定?

 

 『リバース』の中国語音声は、「このビジュや設定でこの声は無いだろ〜」みたいなキャラはいなくて、みんな違和感なくクオリティ高いんですが、その上でマーカスちゃんは頭1つ抜けてると思いました。

気弱な少女キャラとか基本あんまり好きにならないんですが、狼狽えたり泣いたりする演技があまりに上手すぎて危うく何かに目覚めそうになった。勘弁して欲しい。

 中国では有名な声優さんみたいです。やっぱり? だよね。これで売れてなかったら嘘だよ。

 彼女自身の背景についてはこの段階では開示が少なくてよくわからないので、もうちょっと情報が欲しいですね。マーカスちゃんもピックアップが来たら狙ってみたいと思います! 個人的に灯台が好きなので、洞察絵好きです。


↑ \カワイイ/。今更ですけど『リバース』、めちゃめちゃ絵綺麗ですよね。お陰様で絵師の旧友への布教に成功しました。

 

 ところで……思ったよりイゾルデさんヤベー奴だったな??

精神状態が不安定なのはそう……なんだけど、それ以外には特にエクスキューズもなく発砲しまくっていて流石にビックリした。

 わたしはオペラの批評書きですから、オペラ歌手の知り合いも何人かいますけど、みんな大らかで明るくてとてもいい人たちですよ、と念を押しておく。あんな狂ってないから! 安心してください。

 前述のように、『リバース』はヘイトコントロールをある程度やってくれていますが、イゾルデさんに関しては割と微妙かもしれませんね。制御不可になってない? このキャラクター苦手、って人は結構いそう。イベントエピソードを読めばまた印象が変わるかもしれないので、復刻して欲しいところ。でも顔は良い。

 

 それにしても、ソシャゲの中でほんとにオペラをやるとは

『ウマ娘』の大量のオペラ言及の時点でも驚いていましたが、これは流石に凄いですね。ありがとうございます!!!

『トスカ』やイゾルデさんの歌に関しては、後ほどみっちりやりますので、お楽しみに。

 

 イゾルデさんの演説の最後の「建立一个不再有压抑的,自由的,属于我们自己的独立王国!」の言い方が好きすぎてボイスボタン連打した(漢字だからこれだけでも割と意味わかるな……)。イゾルデさんの音声で一番良いのは圧倒的にここだと思います。

 マーカスちゃん引きたいと書いたばかりなんですが、彼女と同じPTに入れていいんだろうか? うちのヴェルティは(ガチャ的に)イゾルデさんに好かれていそうなので、マーカスちゃん天井割りそうな予感してきた。こわい。

 

 オペラクラスタとしてはイゾルデさんばかりマークしていて、カカニア嬢はノーマークだったんですが……、なんという典型的な「青眼鏡のインテリゲントカ」!! ライターさん、ロシア文学好き??

 わたしは主にロシア語圏のオタクなので、ウィーンの詳しい事情はわかりませんが、1870~80年代くらいの帝政ロシアには、カカニアさんみたいな志の女性が沢山いました。それがイゾルデさんのような有名な貴族の女性と親密な関係になったら……、なるほど! 物語が始まるのも必然です!

カカニアさんが好きな人はトゥルゲーネフとかチェルヌィシェフスキーを読むと幸せになれると思う。オススメです。

 また、どうにもわたしは「メンヘラホイホイ」の気があるらしく、他人からよくお悩みの相談を受け、実質的に「藪医者」化することが多いので、感情移入したりもしました。わたしはカカニアさんみたいに優秀じゃないけども(イゾルデ患者は流石に外れ値)。まあ現代の視点からみたら、フロイトを盲信するのもちょっとな、という気もする。でもメスメル家も闇深いしな……。「救い」はないのですか?

 読み終わった後、マジでガチャ引いといて良かったな……と思いました。

それにしても、すっっごいイゾニアだった…………。この円満になりきれない絶妙な距離感が滋養強壮に良いとされています。

 

 ハインリヒはオペラオー君語録の使い手で笑ってしまった。ベルリンでグランドスラムしてきた?

 

第7章

 ルーシーさんへ。プレイヤーに向かってなんだそのロケットおっぱいは? 

 キャラデザ凄くない? 絵師のヘキがモロバレすぎる……個人的に、今のところルーシーさんとトゥースフェアリーが二大キャラデザ凄すぎるで賞です。

 『リバース』は最近のソシャゲにしては珍しく、露骨で露悪的なエロ要素がほとんどないのが魅力で、女性にも勧めやすいのが利点なんですが、ルーシーさんはなんかもう、振り切ってきました。ここまで来ると清々しい。いいとおもう。

 ルーシーさんは知性あるロボットということで、一瞬不穏な描写もありましたし、GLaDOSみたいなタイプかと思って身構えたら、普通にめちゃめちゃ善良なロボットだった。

 

 プレイアブルキャラクターの男女比は、統計を取ったわけではないですけど(というかまだ全キャラ知らない)、体感的に女性7:男性1:人外2くらいで、圧倒的に女性が多いように感じるので、やはりプレイヤーは男性が多いのかな?

魅力的な女性キャラが多いのは良いことなのですが、多分男女比はストームが起きてもそんなに変わらないと思うので、もう少しバランスが取れても良いかな、という気がしないでもない。それとも戦争で男性めっちゃ減ってんのかな?

 

 こういう言い方はあんまり良くないんですが、エニグマはオタク用語で言うところの「未亡人顔」すぎる……、と思ったら、グレタさんの弟ということもあってマジでキャラクター造形もその路線だった。

 しかし思ったより熱血漢でしたね。医療ドラマとかにこういうタイプのキャラクター多そう(偏見)。

 

 メインキャラクターの死は、物語に於いては見せ場になるので好ましいんですが、モブキャラの予期せぬ犠牲の方が鬱展開な気がします。いきなり消し飛ばされた伝達員や泥人形になっちゃった研究員、可哀想すぎる……。こういう描写のほうが胃に来ます。

 

 7章は、5章で描かれた島編と6章で描かれたウィーン編の続き、そして新たに計算科学研究センターの物語が平行して描かれます。5章は島編がクライマックスに入ったところで止まっていましたし、タイムミットがある中での物語なので、終始緊迫感があります。手に汗握る。

 また、これまでの章の中で7章が圧倒的に一番長いです。ストーリーは面白いし、個人的にはボリューミィなのは嬉しいんですが、それはそれとして「あれ……まだ終わらない……」ってなっていた。3月の間、『リバース』を徹夜で進めまくってたんですけど、7章読み終わったら昼になっていた。

 続きが気になるのはわかりますが、適宜休憩を入れながら読むことをオススメします。マジで長いです。

 

 なんか急にメガイラさん出てきたんだけど……。


↑ 左:888。右:『HADES』の復讐の女神メガイラ。人外女傑枠。

 もしかして運営、『HADES』好き?

何の説明もなくぬるっ……と登場しましたけど、特に説明なかったですよね……? 見逃している……? 後に多少本人が来歴語ってましたけど……。最初は驚きましたが、「黄昏の旋律」で吸血鬼とか普通に出てくるしな……というかリンゴが浮いて喋っている時点で今更か……と思い直した。

 逆に、彼女の出自についてほとんど説明がないことで、アペイロン教団は信仰する整数ならば分け隔て無く受け入れるという懐の深さを表しているのかもしれない。

でも888の背景、もっと知りたかったです。このビジュでゴリゴリの敬語使ってくるの、訳者センスある。これ『リバース』全体に言えますけど、魅力的なキャラを出しておいて、退場させるの早すぎない? 勿体ないみたいな感情ないんか?

 

 ルーシーさんの口癖は「很好(Hěn hǎo、Very good の意)」です。エニグマとウルリッヒに対する第一声、大体これ。他のキャラクターと比べ、相槌でこれを使う率が圧倒的に高いので流石に覚えた。

ルーシーさんは中国語音声だと適度に機械音声っぽくて、物凄く聞き取りやすく喋ってくれます。ルーシーさん、わたしに中国語を教えてください。

 音声で言うと、37の「不, 不, 不!(No, no, no!)」も好きです。頭ブンブン振りながら言ってるんだろうな……というのが目に浮かぶ。

 

 『リバース』は文章量が多いので大変なのはわかるのですが、割と誤植や誤訳が多いです。だからこそ原語でやってみたいというのもある。体感的に、誤植は1章に2箇所くらいはある気がします。運営に報告した方がよいのかな?

中国語音声聞いていても、「あ、ここかなり意訳したんだな」とわかることも結構あります。

 わたしは中国語にまだ不案内なので、誤訳の検証はできませんが、特に読んでいて引っ掛かったのが「局外の知恵か、局内の苦痛か」という台詞で、皆様これ意味わかりましたか?

わたしは「知恵を得たら同時に苦痛も得るんだから、実質一択では?」と思ったのですが、他言語で照らし合わせたら、要は「それに関わらないという知恵か、それに関わることによる苦痛か」という意味みたいです。なるほど、それなら意味が通りますね。

わたしの読解力が雑魚なだけかもしれませんが、この辺りはちょっと不親切に感じたなあ……。お洒落な言い回しなのは良いんだけど、意味が伝わっていなかったら元も子もないので……。

 

 アペイロンの試練はこのわたしでも暗算で解けるレベルの算数で本当に助かった。試練が始まったとき、わたしの旅は詰んでここでゲームオーバーなんだと思った。難しい部分は全部37が解いた。ありがとう37!!

 

 全タイムキーパーの意見を代弁します。闇墜ちソフィアちゃんキャラデザ良すぎんか???


↑ 単に可愛いだけではなく、ヴェンデッタの意匠のデザインが良すぎる。『リバース』は魅力的なキャラが多いけど、ビジュだけで言ったら一番好きかも。

 ソフィアちゃんの魂の数字は、結構予測しやすいと思います。5章での描写から、彼女の数字が無理数であることは予測できますし、無理数でありながら「簡潔に紙に書く方法がある数字」であることもわかります。

 7章では、冒頭から37と77が無理数について語っていますし、直前には6が平方根の歴史についてリマインドしてくれます。

わたしは基本的に物語の行く先を予想しながら読むタイプの読者ですが、あまりにも数字アレルギーを拗らせているため、「数学を根底から覆した+簡単に書き表せる無理数=√2」の式まで辿りつけず、思考停止して読んでいたので、彼女の数字がわかった時のカタルシスがエグかったです。人生で初めて「数学できないバカでよかったーー!」と思ったそんなこと思う瞬間あるんだ

 予想できていたら、「あー、やっぱり」としか思えなかった気がするんですよね。この記事を読んでいる皆さんはもう遅いかもしれませんが、予測を立てずに読んだ方が圧倒的に気持ちよくなれると思う。同志数字アレルギー諸君、騙されたと思って島編も逃げずに読もうね。

 ストーリー内のムービーは、全章を通してここのメッセージボトルを開けるものが一番好きです。

 

 ちなみに、ソフィアちゃんは「黄昏の旋律」で難易度を上げると「背教者」として登場します。めっちゃ強敵です。

わたしは「黄昏の旋律」で7章を読むより先に闇墜ちソフィアちゃんに出逢ってしまったので、「黄昏の旋律」にはネタバレ注意って書いておいて欲しい……。だってコンテンツ開放されたら取り敢えず気になって遊んじゃうじゃんか……。

 

 わたしは国際政治研究をやっていた名残で、名君が大好きで暗君が嫌いなのですが(あまりにもわかりやすい好み)、ルーシーさんや6を「無能」扱いするのは流石に可哀想なのでは……と思う。あれは最早リーダーの素質だけでどうにかなる問題ではない気がする。逆にスーパー名君だったらここどうやって切り抜けるんだろ。

しかもルーシーさんは一部の記憶が欠落している状態で、6は物理的にお腹裂けてるのに、罵詈雑言浴びせられていて流石に同情した。モブがあまりにも容赦無さすぎる。指導者って大変だ。それでも頑張る指導者は美しい。導いて欲しいけど、わたしは科学も数学もできないから無理かも。ド文系も救って!

 

 888の演説の最後、「步入“流溢”,以身证道!」がめっちゃ好きです。これもボイスボタン連打した。最後の「证道(zhèng dào)」が右肩下がりなのが凄く迫力ある。この辺りも、音を重視してセリフ作りしているのかもな〜と思いました。

中国語にダウナー系ウィスパーボイスが合うことに気付いた、と前述しましたが、こういう力強い演説もやっぱり合うと思います。

 「信仰」に纏わる物語を扱うにあたって、「殉教者」を描くのも良いな~~と思いました。倫理的に良くはないけど、物語としてはめっちゃ好き。

 

 中国語版のキャラクターの名前は、二種類に分けられます。一つはそのまま音写するタイプ。二つ目は中国語独自の読み方をするタイプです。

主要キャラクターで言えば、音写組は、ヴェルティ、サザビーなど。独自読みは、レグルス、ドルーヴィスなどです。原則的には音写され、独自読みの方が圧倒的に少数派です。

この差が気になっていたのですが、恐らくある程度法則性を見つけました。というのは何かというと、独自読みをするタイプは中国語での名前そのものが日本語や英語版とは異なっており、発音よりも意味が優先されたり、一般名詞などが使われている、ということです。

実際、レグルスの中国語表記は「星锑(Xīng tī)」で、星という字が使われていますし、ドルーヴィスは「槲寄生(Hú jìshēng)」で、これはヤドリギを指す一般名詞のようです。

 これで名前問題は解決……と思ったのですが、6の本名が「亚齐(Yà qí)」になるのはなんでだ? 他キャラと比べても音写なら音が離れすぎているように思うし、意味としても、「亚齐」は中国語でインドネシアの地名を指すらしい。い、インドネシア……??

 37が6の名前を呼ぶのはめっちゃ良いシーンなのに、「規則性を……外れた……!?」と思って集中できなかったのは内緒だ。中国語も紊乱してるのかもしれない。中国語有識者、解説宜しくお願いします(丸投げ)。

 

 最後にエニグマが使った家電の喩えが回収されて、綺麗なオチでした。ルーシーさんお疲れ! 限定キャラなので引けないのが寂しい!

 

第8章

 今月から『リバース』を始めたプレイヤーは思った。ミス・キンバリーって誰? モーテル・チューズデーとは??

8章は過去のイベントの知識が必須の様子。それなら全部復刻しておいてくれよ~~! 新規にも救済措置を下さい。ちょっとお話について行き切れず、寂しかったです。あと公式的に読む順番の推奨があるならゲーム内に表示して欲しい

 

 イゴール元帥。一言言わせてくれ。その名前(Игорь)は、「イゴール」じゃなくて「イーゴリ」って読むんや……。ウダレーニエ(アクセント)は前……!!

中国語音声でも「イーゴリ」て言うてるじゃないですか。ロシアの有名な叙事詩である『イーゴリ遠征物語』とかご存じない? 

 このオペラ『イーゴリ公』のアリアは、戦に敗れ捕虜となったイーゴリ公が、自軍の兵士の死や、自分が祖国の恥となったことを嘆き苦しむ歌詞なので、今後の展開によっては全然引用されそうだとすら思うけど……。なんなら割と普通に彼の造形のモデルはイーゴリ公じゃないかと思っている

 ていうか、お前も闇墜ちするんかーい。前章の登場シーンあんなにカッコよかったのに、それ以外に武勲を立てず感情移入しきれないまま離脱してしまった……。

 

 アンジョナナはマタ・ハリの双子の妹という設定らしい。あっ実在の人物をアルカニストという設定にして架空の家族を生やしてもいい感じのレギュレーションなんですね!? まあスプートニクが喋っている時点で今更か……?

うーん、こういう実在人物に紐付く改変は、史実厨としてはあんまり受け入れ難いけど……、でも歴史上のあんな人やこんな人がアルカニストだったらIFが気にならないと言えば嘘になるけど……、葛藤。いやだって推しがどんなアルカナム使うか知りたいでしょオタクは全員

 

 サントスさんはボス戦第2形態で急に荒ぶりだして、驚きと共にちょっと笑っちゃいましたが、ビジュアル的にこれモデルはコヨーテですかね。神性が一致しないのでなんともですけど……。或いはテペヨロトルかなあ? 南米の神話はそんなに詳しくないので自信ないです。これを機にリサーチしてみようかなあ。

 

 8章、何と言って、音楽が良すぎます。踊った。わたしは実はオペラが好きになる前はワールドミュージックが一番好きだったのだ。

8章に限っては寧ろストーリーより戦闘が待ち遠しいまでありました。

 でもこれ、歌詞がポルトガル語ではなくスペイン語ですよね? サンパウロじゃなかったん? とは思いました。最近惚れたバレエダンサーがサンパウロのご出身なので、ポルトガル語にも触れてみたかったのだけど。それにしても、作中でサンパウロdisられすぎでは?

 

 そうそう、オペラといえば、「ロペラ」って L'opéra と綴ればフランス語で「オペラ」ですよね。愛称だけど、良い名前だなと思いました。

 ホワイトラムも良いキャラとデザインしていて素敵でした。帆船も好きなので活躍するシーンがあって嬉しいです。急にミニゲームで「ぷよぷよ」始まってビックリしたけど。

 

 話が進むと面白いんですが、物語の核心が少しずつ見えてきて、終わりに近づいていくのがもう怖い(※サ終恐怖症発症中。末永く続いて欲しい……。

 

イベント「イーストエンドの曙」

 開催期間が限られているので、「早く読まなくちゃ!」と思って、実はメインストーリーよりも先に読んじゃいました。ストーリーの続きが気になるのに「霧の独り舞」がクリアできなくて、育成素材掘りまくっていたらいつの間にかプレイヤーLv.が初心者を名乗れないところまで行っていた。黒い霧が全部わるい。いつの間にかクライシスを難なくクリアできるようになっていた。怖い。

 

 イベントストーリーは、ヴェルティが出て来ず、ハッピーエンドになるものだと思っていたら、どうやらそうではないっぽい。今回は偶然そういうスタイルだっただけのようですね。

現在、これ以外のイベントストーリーを読んでいないので比較などができませんが、今回のイベスト、良かったですね……。質が高い。

 まあ、あの表紙の絵ではオリンピック的なもののストーリーだとは思いもしませんでしたが!

 

 ところで、実は先月ロンドンにいたんですけど、すっっごい晴れてたんですよね……。

 多分ヴィローさんが踊っていたんだと思う。ありがとうヴィローさん。

 「新体操とケルトの祭祀の融合」って、よく考えましたね。その発想はなかった。面白い組み合わせですよね。

ドルーヴィスもヴィローさんもアイルランド系ケルトみたいですが、個人的にはブルターニュ・ケルトの方が馴染み深いので、機会があれば言及が欲しいですね。そういえばこの二人、絡みはないんだろうか?

 

 それにしても、ヴィローさんの床祭祀のパフォーマンス、体勢と音楽が美しすぎる。あれはバレエ的にも高評価ですよね。あのアニメーション目当てに19話いっぱい観た。良すぎ。

 

 最終的にみんなの頑張りが報われてよかったです。キャラゲーだとキャラクターを活かしきれないことが多々ありますが、流石そこは『リバース』、物語を進行する上で「無駄」になるキャラが出ずに、全員が物語の本筋に関わって活躍しているのが見事でした。

構成が丁寧な物語は何よりも好きです。

 

 コラム曰く、ヴィローさんの祖母は1866年に床祭祀で銅メダルを取ったらしい。1866年かあ……。『リバース』世界の1866年、是非とも見たいところですね。メインストーリーが更新されれば来るかな?

 

 ヴィローさんのイベントエピソードは、自身を師としての物凄いスパルタ特訓が描かれましたが、中国雑技団などを見るに、色々と察するところがあります。ちなみにロシアのバレエ団とかも未だにこんな感じです

 パタパタちゃんのイベントエピソードもよかったです。ほんのり切ないのが涙を誘う。彼女は『ピーター・パン』がモデルになっていて、現代の英国児童文学という感じで大変楽しめました。ビジュアル的に、トゥースフェアリーがティンカー・ベル枠すぎた。

キャンベルさんは過去のイベントから登場しているキャラクターのようですが、パタパタちゃんの造形を想定してキャラデザされたのかな? どこまでが想定されていたんだろう……。

 めちゃめちゃ楽しめました。

 

 取り敢えず、こんなところでしょうか? 皆様の感想も気になりますので、是非とも教えてくださいませ。

 明日からのイベントも楽しみたいと思います!

 

最後に

 通読ありがとうございました。なんと2万字。書くのに2日掛かったもんな。

書きすぎでは? と思うと同時に、この1ヶ月で溜め込んだ意見を一挙に放出できて気持ちよくもありました。わたしに記事を分けるという概念はない。

 

 皆様も『リバース』の感想、是非とも教えてくださいね!!!

コメント欄でも、Twitterでも、マシュマロも開けていますので、宜しくお願いします。

 一緒に遊んでくれるプレイヤーが増えると書いた甲斐があります。

 

 次回ですが、『リバース』関連では、6章の考証か何かをやろうかな、と思っています。一応、普段から近代とオペラばっかり観ている身としては、お力になれる気がしないでもないので。

 ブログ全体としては、旅日記シリーズのオペラのレビューを先に書くかもしれません。

 いずれにせよ、気長にお待ちください。

 

 それでは、今回はここでお開きと致します。また次の記事でもお目にかかれれば幸いです!

↑ まずはオペラの解説を書きました! こちらからどうぞ。