世界観警察

架空の世界を護るために

グランド・ツアー2025 - 旅日記⑤

 おはようございます、茅野です。

書きたいネタが盛大に溜まっております。ゴリゴリ書いていかないと溜まる一方な気がしています。頑張って頭と指を動かしていきたいと思います。

 

 前回のレビューに続き、今回は旅日記シリーズ「グランド・ツアー2025」の第5回目となります!

↑ シリーズ概要はこちらから!

 

 5回目となる今回は、早くもロンドン最終日、そしてミラノへの移動日となります。移動もあるので、簡単に纏めておきたいと思います。

 それでは、お付き合いのほど、宜しくお願い致します!

 

 

朝ごはん

 この日はロンドン最終日、ミラノへ発つ日でしたが、飛行機に乗るのは夜なので、夕方に空港に着けばよかろうということで、昼過ぎまで余裕がありました。

Jamilaちゃんが「私はもう何度もロンドン来てるし、茅野ちゃんの行きたいところに行こう! どこがいい?」と訊いてくれたので(聖人?)、迷った末、バッキンガム宮殿方面を提案しました。

 

 今更すぎますが、正直に言って、わたしはイギリスにあまり興味を持てたことがありません。

研究会ではパレスチナとかイラクとか、旧イギリス領で現在も厳しい状況にある国や地域を担当することが多かったし研究会員は「こンのブリカス~~!」と発狂したことが一度はあるはずだ。たぶんJamilaちゃんもある、専攻だったフランスや、趣味のロシアともよく敵対しているので、なんかうっすらイギリスのことが苦手なんでしょうね、わたしは。研究対象の持つイデオロギーに影響されるのはあんまり良くないですけどね、はい。

親愛なる我らが殿下も「イギリスのことを好きになるのなんてイギリス人だけかと思っていましたよ」と直截に仰っているし……。幼少期にクリミア戦争でイギリスと交戦したので、殿下は基本的に反英なんですよね。

相変わらず早熟と言うべきか、弟サーシャ大公に政治を教えるため、戦時中(10~12歳)には持ち前の画力と皮肉っぽさを以てイギリスの政治家の風刺画とか描いたりしていたらしいです。何それめっちゃ見たい。そして小学校高学年くらいの少年がやることではない。

一方で、「イギリスの政治が進歩的なのは認めざるを得ない」とも仰っているし、イギリスの代表団とも極めて紳士的に接していて、感情と現実を切り離して捉えられているのが流石ですよね。好きです(息をするように告白)

 まあそんなわけで、あまり「行きたい観光地」が無かったのでした。なにかイギリスものにもハマりたいものです。

 

 そんなこんなで、朝起きたら荷物をパッキングし、チェックアウトして、フロントにスーツケースを預かって貰います。

その後は地下鉄に乗り、バッキンガム方面へ向かいました。この日も晴天に恵まれましてね! ロンドン、基本的に晴れてるな??

 

 このエリアは高級住宅街という感じ。国旗が掛かっていて、如何にもイギリスという雰囲気です。


↑ 英国の国旗ってやっぱりデザインの由来がお洒落ですよね。日の丸ではこうはならん。

 

 少し散歩した後、目星を付けておいたレストランへ。

最後のダメ押し! ということで再びイングリッシュ・ブレックファストです。

↑ こうやって見ると結構映えてる気がしてきた。窓際のお席だったので、窓から入る光が良い味を出しています。

 地元民にも観光客にも人気のお店のようで、わたしたちは運良くすぐに入れたのですが、わたしたちが店を出る頃には少し並んでいました。

店内も活気ある雰囲気で素敵でした。

 

日本大使館

 お腹を満たし、表通りに戻ってくると、ひときわ立派な建物が。看板を見てみると、なんと日本大使館だと言うではないですか!


↑ カッコイイ。いつから建っている建物なんだろう。

 Jamilaちゃんと「日本大使館!? これが!?」「日本のくせにデカくてカッコイイな……やるじゃねえか日本のことなんだと思ってるの?」などと驚いて写真を撮ってきました。

用はなかったので、中には入っていませんが(基本的には中に入る用がない方がよいだろう)、純粋に内装は気になりましたね。

 

ウェリントン・アーチ

 日本大使館の近くには、凱旋門ウェリントン・アーチがあります。


↑ 遠くからでも目立ちますが、そこまで大きくはないです。近くには現代的な建物も。

ナポレオン戦争時に英仏が争った時の凱旋門なので、フランスとの方が縁が深い我々からすると(※茅野:フランス語学科卒、Jamilaちゃん:1年間フランス留学していた)、なんとなく微妙な気持ちになったりしなくもなかったり。イギリスに親しみを持ちたい。

 

 凱旋門を抜けると、近代のアクティヴな乗馬好きが喜びそうな通りに出ます。

 知ってるんだ、こういう長くて平坦な一本道では、近代人は乗馬でレースをするんだ。それで大体片方が途中で気分が悪くなって、もう片方が支える形で恋が進展するんだ。お姫もペチョーリンもそうしてたんだ。

↑ 乗馬中に殿下の具合が悪いことに気付いたお姫。殿下が病弱儚い系ヒロインすぎる。恋人の異変を察知して支えられるお姫は超イケメン。

↑ 乗馬と恋愛と言えば勿論『現代の英雄』メリー編。『現代の英雄』はいいぞ。わたしの一番好きな散文小説です。オール・タイム・ベスト。

 

バッキンガム宮殿

 そんな恋が実る乗馬ロード(?)を延々進むと見えてくるのが、バーティさんの実家です!


↑ 観光客で賑わうバッキンガム宮殿。

 バッキンガム宮殿ってお名前はめちゃくちゃ有名ですけど、意外と造りはシンプルで、思ったよりは大きくないかな……という印象です※オタクはロシアの化け物みたいなサイズ感のキンキラキン宮殿に感覚を毒されています。まあでも、だからこそ、殿下はご自身のことを「宮殿の囚人」って仰ってるんですよね。ものには限度がある。

 

 弊ブログでは、散々バーティさんのこと「椅子クラッシャー」とか言ってネタにしていますけど、あの方バッキンガム宮殿生まれの国王陛下なんですよね。ビビりますわ。

 

 基本的には中には入れませんが、夏の間だけ開放されているそうです。その辺り、デンマークのフレデンスボー城と同じですね。遠征時はバリバリ2月の真冬ですので、残念ながら中には入れません。

 

 宮殿のお向かいにはモニュメントが。バーティさんの母、ヴィクトリア女王の像もあります。


↑ ヴィクトリア女王像。こちらはかなり巨大。似てる。

 

 宮殿の先にも暫く大通りが続き、今度は反対側から抜けることとします。

宮殿エリアを抜けると、大きな交差点の先にナショナル・ギャラリーがあります。


↑ こうやって並べてみると、白を基調とした建物が宮殿とも統一感があって良いかも。

 前の広場は遊園地のように賑わっていました。

 

 その後、特に行くべきところもないし、時間も丁度よさそうだし、折角晴れているし、ということで、スーツケースを置いてあるお宿まで徒歩で街歩きをすることにしました。

わたしは単なる街歩きが大好きなので、Jamilaちゃんと雑談しながら初めてのロンドンを沢山歩けて大変楽しかったです。

 

ミラノへ

 スーツケースを回収したら、セント・パンクラス駅からロンドン・ガトウィック空港へ向かいます。

券売機もあるのですが、上手く望んでいるものが選択できなかったので、昔ながらの「みどりの窓口」的な有人カウンターでチケットを買いました。こちらで買う方が確実かと思います。

 

 エクスプレスに1時間弱揺られ、ちょっとウトウトしたりしつつ。

アルバム見返して気付いたのですが、スーツケースで手が塞がっていたこともあり、わたしもJamilaちゃんも空港の写真を一枚も撮っていませんでした。そんなことある?

 ガトウィック空港は、非常にこぢんまりした空港で、「これで国際空港なんだ!」とさえ思えるほどです。出発ロビー近辺には、小さいスーパー(成城石井的な)と、薬局しかないようなレベルです。だから写真撮らなかったのかも。

 

 無事にチェックインを済ませ、搭乗口近くのカフェ Pret a Manger で時間を潰しました。これでロンドンの著名なカフェチェーンは両方行ったことに。

これから再び噛みしめることになるのですが、ロンドンはどこへ行ってもたっぷりサイズの紅茶が飲めるのが素晴らしいですよね……。まあ、物価とお料理はもっとなんとかなってほしいけど……。

 

 それではいざ、ミラノへ! さらばロンドン!! さらば愛しの我がオリガ!!


↑ 再び自分でハシゴ登って搭乗するスタイル。

 

 機内では、Jamilaちゃんと空港からお宿への経路を確認したりして過ごしました。

Jamilaちゃんと雑談していて、何故か話の流れでロシア語の数詞の話になったのでちょっと解説したら、わたしの反対隣の女性がロシア人だったようで、なんか微妙に気まずくなったりしました。その方は英語もイタリア語もできるマルチリンガルのインテリだった模様。これフラグなのですが、ミラノ、ロシア人めちゃくちゃ多いです。

 

 そんなこんなで、ミラノ・マルペンサ空港へ到着! 西欧間の移動なので、近いですね。でも時差は一時間あります。


↑ 初めて目に入ったイタリア語の看板だったので写真撮った。

 

 今回は無事わたしもJamilaちゃんも「すりすり」に成功しました。イタリアでは、EU圏以外の人は入出国スタンプが必要なようで、スタンプも貰うことができました。地名が異なるだけで、スペインやデンマークとデザイン一緒だったけど。

 

 到着ロビーはガトウィック同様、こぢんまりしていました。夜遅いこともあってか、他に到着した便はなかった模様。ほぼ貸し切り状態でした。

 

 マルペンサ・エクスプレスでミラノ中心街へ向かいます。もう夜遅かったのですが、初めてのイタリアに、わたしもJamilaちゃんもかなり興奮。

いきなり道に迷って、通行人に駅の場所訊いたりしました。英語が通じなかったのでジェスチャーゲームで乗り切りました。これもフラグでして、ミラノ、ほとんど英語が通じませんでした。

 

 駅の切符売り場が美術館のホールみたいでめっちゃくちゃ綺麗だったのですが、スーツケース持っていたのでまた写真を取り損ねました。すみません。

 

 エクスプレスの中で、お夕飯としてガトウィック空港で買っておいたピタパンサンドとチョコレートを食べました。


↑ わたしはアラブ風のものをチョイス!

ファラーフェルとコリアンダーのサンドなんですけど、下の方に敷き詰めてある葉っぱが、レタスかキャベツに見せかけて全部コリアンダー(パクチー)で流石にビビりました。いや確かに「ファラーフェルとコリアンダー」とは書いてあったけど、そんなことある?? こんなに一気にコリアンダー食べたの流石に初めてなんですけど……。こちらがロンドン料理の最後っ屁となりました。

 

 チョコレートは、我々もよく知るキットカットです。シオニスト政権支援企業ネスレのものを買うのは抵抗がありましたが、旅先だったこともあり「イギリス限定新商品・ヘーゼルナッツフレイヴァー」がちょっと気になってしまい……すまない……。


↑ ていうか、デカい。

 食レポですが、普通のキットカットの後味に多少香ばしい風味がある……かも? くらいで、ヘーゼルナッツ感はあんまりありませんでした。かなり注意深く味わわなかったらわからないレベル。

日本だったら別に流行らないかな……という気がしますが、イギリスのことなのでわかりません。

 というのも、イギリス人ってヘーゼルナッツ好きが多いんですよね。『チョコレートの帝国』でも、ピーナッツ好きのアメリカ人、ヘーゼルナッツ好きのイギリス人が対比されています。

↑ ドラマ『ザ・フード』を観た後、ハーシーさんとマースさんのことをもっと知りたくて読みました。ドラマを観て、「チョコレート・タイクーン」ミルトン・ハーシーさん(異名もカッコよすぎ)のことが好きになってしまった。推せる。

 これを読んでいたおかげで、「イギリスのお菓子といえばヘーゼルナッツ」というイメージがあったので、イギリスでヘーゼルナッツのお菓子を食べてみたいとちょっと思っていたんですよね。ギリギリになって達成できてよかったです!

 

夜のミラノ市街

 ごはんを食べ終え、暫くすると、ミラノ市街へ到着!

この頃にはもう夜11時半になっていたので、外は真っ暗で、エクスプレスの窓からは何も見えない状態でした。エクスプレスを降りて、初めて目に飛び込んできたのが……。


↑ 路面電車! レトロでカッケー!!


↑ サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会。ライトアップで映えすぎ!!

 わたしもJamilaちゃんも初めてのミラノ、いきなりの絶景、時間も相俟って完全に深夜テンションになっており、街にほぼ人っ子一人いない状態なのを良いことに「うほ~! かっけええ!!」とか奇声を発していました。野蛮なツーリストですいません。

 

 なんかもうね、街の雰囲気が完全に『rain』の世界だもんね。雨降ってないけど。わたしたち二人だし。あのゲーム好きだったので、Switch辺りでリマスターしないかな、と思っているんですがダメですか。

 遊んでいたの中学生とか高校生の頃の古い『ICO』ライクなゲームなんですけど、グラフィックとBGMが凄く好きでね……。PS3のホーム着せ替えずっと『rain』にしていましたし、BGMも耳コピして遊んだりしていました。

↑ 当時は採譜する技術がなかったので、耳コピしたら自分で弾いていたんですよね。

 当時はまだブログを開設していなかったこともあり、考察は成文化していないのですが、メインテーマが『月の光』だからフランスにイメージを引っ張られつつ、ポスターや看板にイタリア語が多いため舞台はイタリアなのではないか、という推測をしていたので、もう正に!! という気持ちでした。

 

お宿

 お宿は、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会のすぐ側のホテルを取りました。

夜遅かったこともあり門は閉ざされていて、インターホンで係員さんを呼び出して開けて貰うタイプで、いきなりちょっと緊張しつつ、なんとか突破します。

 

 内装がすっごく綺麗でね!


↑ 営業時間外のホテルの朝ごはんどころ。


↑ 同じくカフェ。

 元から深夜テンションだったし興奮冷めやらずであります。

 

 フロントのおじちゃまがこれまた親切な方で! すっっっんごいニッコニコなおじちゃまで、少し訛りのある英語で「ミラノへようこそ! こんな夜遅くに大変だったね! 疲れたよね? ゆっくり休んでね! わからないことがあったらなんでも訊くんだよ! スーツケースは部屋まで運んであげるからね!」と捲し立てるように親切な言葉を浴びせかけてきて、「ヤバい、早くもミラノ好きかもしれん」という気持ちになります。

 

 というのも、わたしは個人的に今回の遠征で最も楽しみにしていたのはミラノでした。

何故なら、今回の滞在地で唯一我らが殿下が滞在したことがあるのがミラノだからです。しかも、イタリアでは悪天候に交通不良、体調が悪く2回も倒れてしまったりと不運に見舞われまくり、イタリアに良い想い出がない可哀想な殿下が、唯一褒めたイタリアの都市がミラノだからです。

そう、聖地巡礼ができるのです!!! 「オタクも殿下が褒めた街を好きになりたい!!」という心構えで来たので、もう早くも目的達成の予感。

イギリスの時と温度感が違いすぎる? すみません、弁解の余地が御座いません。

 

 お部屋は2階でした。レトロなエレベーターと、それを取り囲むように素敵な螺旋階段があり……。


↑ 黄緑で統一された内装。かわいい。

 そしてこちらがお部屋です。


↑ シンプルで綺麗。

 しかし、白眉はベランダでね!


↑ 窓開けたらこれ。

 イタリアでこんなバルコニーがあったらもう、『ロミオとジュリエット』ごっこするしかないんだよな! 夜11時半じゃなかったら、 О, милый мой, ты песни соловьиной так испугался!?! と熱唱しているところだった※ここでロシア語版が最初に出てくるところがオタクである


↑ 『オネーギン』クラスタなら絶対ピンと来るはず!! 世界で一番好きな歌の一つ。

 

 大興奮のまま熱いシャワーを浴びて、騒ぎすぎて疲れて爆睡しました。

この日は以上です!

 

最後に

 通読ありがとうございました。単なる移動日なのに7000字書いている謎。いつも「こんなはずでは」と思います。学習しません。

 

 次回の旅日記シリーズは、ミラノ観光1日目編となります。遂に我らが殿下の聖地巡礼がスタート! しかし同時に重大なトラブル発生!? どうなるミラノ編! お楽しみに。

 

 それでは、今回はここでお開きと致します。また次の記事でお目にかかれれば幸いです!