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「火の中を垣間見て」で辿る東アラビア数字の歴史 - 『リバース:1999』考察

 おはようございます、茅野です。

今回は予告通り、『リバース:1999』の考察・解説記事になります。↑ これまでの記事はこちらから。レビューや、6章でのオペラの解説を書いています。

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 現在『リバース:1999』では、ディスカバリー・チャンネルとのコラボコスチュームが販売されています。

このシリーズは、世界遺産などをモティーフにデザインが組まれていて、どれも大変素敵なんですが(ちなみにこの間すり抜けてトゥースフェアリーが出たので、彼女のお衣装も買いました)、問題はこちらですよ。

↑ 中国語音声プレイヤー、日本語音声に初めて触れ声優が豪華すぎてビビるの巻。でも6も中国語音声凄くいいぞ!(布教)。

ULTの演出をよく見てみると、これ……ペルシア数字ではなく……これ東アラビア数字だな? 読めるぞ??

 実は当方、大学での第三外国語はアラビア語履修でしたし、レビュー記事でもチラッと仄めかしましたが、アラビア語圏の政治研究を担当していました。そんなわけでアラブ文化が大好きです。急なアラビア語の供給にテンション上がりまくりました。古代エジプトや、ベリーダンスのようなお衣装とかはよくあっても、このようなソシャゲでアラビア語がそのまま使われるケースってほとんど無いですからね。初めて見ました。

 ペルシア語はミリしらなので、何も読めないだろうと思っていたら、読める表記で逆に驚き、そこで考えました。「何故東アラビア数字なのだろうか?」と。『リバース:1999』という衒学的なゲームが、ペルシア語とアラビア語の混同という初歩的なミスを犯すだろうか? そこには何か重大な秘密が隠されているのでは?……。

 

 というわけで今回は、6の新規コスチューム「火の中を垣間見て」に絡めながら、東アラビア数字の起源と歴史を紐解きます

 章立ては次の通りです。最初に、お衣装のモティーフとなっている古代ペルシアの文化や数字について触れ、教団や6との繋がりについて考えます。

次に、6が用いている東アラビア数字の起源を概説します。通常お衣装でのエフェクトの数字についても纏めています。

最後に、実際に中世~近代のアラブの数学写本を確認しながら、東アラビア数字とペルシア数字の分裂についての考察を行います。

 

 いつも通り、中東の歴史や文化についてミリしらな人にも楽しんで頂けるよう、可能な限り平易に書きますので、ご安心ください。共に楽しく中東世界を探索しましょう!

 

【注意書き】
・考察・解説記事ですので、当たり前にネタバレを含みます。
・数字の歴史についてはまだわかっていないことも多く、今後有力な学説が変わる可能性があります。当記事では、現在の主要な、或いは興味深い学説を幾つか紹介します。

・考察は、必ずしも正しいとは限りません。深読みもします。

 

 それでは、お付き合いの程、宜しくお願い致します!


↑ 図らずしてイゾルデさんのサロメと連続で中東風のお衣装。よくお似合いになります。正直通常版よりずっと好き。

 

 

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