おはようございます、茅野です。
今週はレビューラッシュになりそうです。また記事執筆リアルタイムアタックの日々が始まる……。正念場です。
図らずも MET ライビュの雑感記事が連続。(→前回の記事)。
先日は MET ライブビューイングのオペラ『ロメオとジュリエット』にお邪魔しました。
↑ 今シーズン、古典演目では一番楽しみだった公演!
MET では「ロメオ」表記のようですね。まあ、フランス語ならそうなるか。しかし、この記事では他の記事と併せて、一応「ロミオ」表記にしておきます。
それにしても、ベルナイムさんのファーストネームを「ベンジャマン」という表記にするのは流石に気持ち悪くないですか? 英語読みの「ベンジャミン」か、フランス語読みの「バンジャマン」にして欲しい……何故中途半端に混ぜた……。
当記事ではフランス語に合わせてバンジャマン表記にしておきます。
今回も、備忘がてらこちらの雑感を記して参ります。
それでは、お付き合いの程宜しくお願い致します!
↑ 同題役が美人さんだし、演出もクラシカル寄りなので、入門者にも勧め易くて助かった。オペラガチ勢もオペラ入門者もみんな観てね。
キャスト
ロミオ:バンジャマン・ベルナイム
ジュリエット:ネイディーン・シエラ
マキューシオ:ウィル・リバーマン
ティボルト:フレデリック・バレンタイン
ローラン神父:アルフレッド・ウォーカー
ステファーノ:サマンサ・ハンキー
キャピュレット:ネイサン・バーグ
指揮:ヤニック・ネゼ=セガン
演出:バートレット・シャー
雑感
何故か今年の東京は『RJ』ラッシュのようです。わたしはこの間、マシュー・ボーン版のバレエにお邪魔したばかりです。
また、東京バレエ団もクランコ版を上演しますし、ミュージカルでもこれから『RJ』をやるのだとか。
オペラでは、MET が今回取り上げていますし、何故こんなに密集しているんでしょうか。偶然だとしても、凄い。『オネーギン』もこれくらい密集してほしいものだ( 破 産 す る )。
いつも MET ライビュには平日の夜に行くのですが、今回は日曜日の夜にお邪魔しまました。
平日と休日で、どれくらい客の入りが変わるかな、と思ったら、いつもの倍くらいはいたように思いますね。しかしその翌日に観た『ウマ娘 Road to the Top』(平日・昼)では、更にその倍くらい席が埋まっていたので、オペラももうちょっと頑張って欲しいというか、覇権コンテンツは強すぎるというか……。
グノーのオペラ『ロミオとジュリエット』は、耳馴染みの良い旋律に富んだ名作にも関わらず、上演機会が少なく、わたしも全幕を通して観たことはありません。何故だ、やはりフランスオペラはメジャーになりきれないのか。フランス語でシェイクスピアというのは流行りきれないのか。
一方で、作中で最も有名な「ジュリエットのワルツ」とは因縁も。
ここ数年、覇権コンテンツ『ウマ娘』に関連して音楽の解説を書いているのですが(ミリしら民には意味不明だと思いますが、何故か音楽に対するマニアックな言及がかなり多いのである)、そこでかなりリサーチを走らされました。
詳しくは上記の記事を確認して頂きたいのですが、Ce jour / Longtemps と、出版社や時期によって歌詞が一部違うのですよね。 謎すぎる。
この時に、今回のジュリエット役、シエラ様が Ce jour 派であることは既に確認していました。
『オネーギン』でもこういうことが度々あるし(オネーギンのアリアの中の сильней / нежней など)、版の違いについても研究したいのですが、このような調査はどのように進めたらいいですか。教えてください。
今回は、司会担当ががライアン・スピード・グリーンさん!! 嬉しい!!
彼はイチオシ新作オペラ『チャンピオン』で主演を務めていたガッツあるバスです。『チャンピオン』がめっちゃよかったので、他の作品でも再登場が望まれます。
↑ 色々な面で頭一つ抜けている名作&名上演。
地声もめちゃくちゃ良いバスバリトンですね……。それにしても、本当にハニースマイルなグッドルッキングメンすぎる。歌詞の通りだ。歯の白さがまぶしい……!
今回の上演では、切れ目が1幕・2幕・3幕1場と、3幕2場、4幕、5幕の間というのも物凄いですね。流石フランスオペラ、堂々の5幕構成である。
しかし、『RJ』は比較的短めの演目なので、観易くていいですよね。ストーリーも全人類知っているので予習要らないですしね。
今回は、今シーズンの古典演目では最も期待していました!
まずもって、あまり上演されない隠れた名作『ロミオとジュリエット』でしょ、表題役がベルナイムさんにシエラ様、指揮がネゼ=セガン御大。演出も古典寄り。
もうこれ負ける要素ないでしょ。これでダメだったらわたしはもうキャスト表見てオペラの席買うの辞めます。……みたいな配置ですよこれは。
ロミオ役のベルナイムさんは、「わたしのレンスキー」候補として名前を挙げているくらい、以前から注目していた名テノールです。
自分で言いますが、わたしがテノール歌手に対して言うことができる最大の賛辞が「わたしのレンスキー」だと思っています。そう思いませんか。
↑ 歌は 2:36~ から。声質と解釈は現役トップクラスに合っていると思う。
この動画が上がってすぐに観て(日々「オネーギン」でサーチしている限界オタクであるため瞬時に捕捉した)、「こ、これは!!」と思い、速攻 Twitter をフォローしまして、早3年くらい。
わたしは「存命の人間を推さない主義」なので(自分の性格上、マジモンのネトストになることは目に見えているので)、そこまで熱心に追い掛けてはいませんが、ある程度動向は追っていて、「贔屓テノール」として名前を挙げるくらいには注目していました。
実際、信頼している音楽評論家の相互さん複数名も彼を熱心に推していて(フランスまで追い掛けた人もいれば、アメリカでこの『RJ』公演を生で観た猛者も。流石すぎる)、界隈でも大注目株なのです。ベルナイム氏はいいぞ。
彼はフランス人で、基本的にはパリ・オペラ座などを活動拠点としているので、「遂にあの MET に! タイトルロールとして登場! しかもライブビューイング!!」ということで、感動的でさえありましたね。嬉しい!!
絵に描いたようなTHE・リリコで、パワーで押し切らないのでヴェルディの一部やワーグナーなどには不向きなものの、ロマンティックな詩人役(レンスキーだけじゃなく、ウェルテルとかロドルフォとか)などをお任せすると大層輝きます。意外と詩人の役って多いんだなと今思いました。
しかし、中でも真価を発揮するのは母語・フランス語。何と言うか、彼のフランス語は輪郭がハッキリしているとでも申しましょうか、物凄く発音が明瞭なのです。歌には好みがありますが、「フランス語のディクション」という点に於いては間違いなく全オペラ歌手の中でも歴代最高峰です。
ベルナイムさんがフランス語を歌うと、「えっ、もしかして、わたしフランス語のディクテ100点……!?」と錯覚するので大変危険です。DELF(フランス語学力資格試験)のリスニング、どうにか彼の歌にならんか(?)。
事実、『RJ』はリブレットも読んだことがありませんでしたが、日本語字幕も見ればほぼ完璧に聞き取れるまである。怖い。冠詞までクッキリ。頭で考えなくても耳に馴染みます。「今、なんて言った?」は絶対に発生しません。
本人も、フランス語のディクションには力を入れていると自認していましたが、それでもインタビューで「イタリア語、ロシア語、ドイツ語も好きです」と仰ってくれまして! ロシア語も! そこでロシア語も挙げちゃう! イタリア語とドイツ語だけじゃなくて! ありがとう! ロシアオペラのレパートリーは今のところレンスキーだけだから、これは実質レンスキーが好きと言って貰えたも同然、確かに今のところロシア語は怪しいんで、フランス語ばりにディクション仕上げて貰えたらもう現役最強です宜しくお願いします(ここまで一息)。
フランスオペラは全般十八番みたいなもんですから、勿論フランス語で歌われるこのロミオ役もハマります。声質的にも丁度良いと思いますし。
ロミオのアリアは、CD アルバムにも収録されているので、予習済みです。
↑ ちなみにレンスキーのアリアも入っていますが(だから買った)、この頃よりも上記の動画の方がよい。こうやって曲集になると、やっぱり『冷たい手を』の強さを痛感させられますね。
さて、そのアリアですが、最後の parais! のロングトーンの途中、床から立ち上がるときに一瞬音がブレてしまったのがちょっと勿体なかったですね~! 折角の見せ場なので。
それから、アリアではないところでも一箇所声が掠れてしまったところがあり、まだ上を目指せると感じましたね。伸びしろがあると、追い甲斐があります。
意外だったのが、ロングトーンの後半になると上唇が上がって歯が見えるようになることで、これは声楽的にはどうなんだろうと思いました。求む有識者。
基本的には、リサイタルの映像や CD を聴いていたので、全幕に出演しているのを観るのは初めてでした(まだ若手の部類で、出演作があんまり映像化されていないので)。
幕物だとどうかな、と思いましたが、演技も良いですね。安心。ジュリエットとラブラブではあるものの、ベタベタしすぎない良い塩梅のカップルを好演。
シエラ様が美女ですし、ベルナイムさんも容姿が良いので、観ていて気持ちいいですね。舞台芸術とは、美男美女が出逢って恋して死ぬ、つまり全くそれでよいのだ。
↑ ちなみに、前回、「素でも仲いいのは良いけどちょっとはカメラ見て!!」って言っていたインタビューはこちらです。前回行かなかった人の為に貼っておきます。
シエラ様はもう、MET 常連、歌唱も演技も安定感があり、現代を代表するオペラの歌姫筆頭格です。今回ももう、楽しんで演じています! という余裕さえ感じましたね。流石すぎる。
「ジュリエットのワルツ」こと、作中で最も有名なアリア『私は夢に生きたい』は、従来通り、Ce jour で歌っていましたね。
予告の動画では、随分崩して歌うな! と思いましたが、上演ではそこまで崩していなかった印象です。
最後のアジリタもバッチリ。安定感の鬼。
ジュリエットは、設定上、14歳(!)の少女。現代で言ったら厨二病真っ盛りな中学二年生とかですよ。
そんなに幼い子どもが政治闘争に巻き込まれた挙げ句、恋に生き心中までするというのだから、近世ヴェローナ、恐ろしいところだ……という話になるわけですが。
この演出では、ジュリエットのそんな幼さを意識してか、無邪気さを強調する役作りになっています。露骨にパリスを嫌がったり、乳母に甘えたり。それでも初対面の時にロミオを少し突き放すように接するのは、良家のお嬢さん故か。
シエラ様は自然に、表情豊かに演じてらして、こちらも好演。ただ、表情豊かすぎてちょっとコミカルでアメリカ的すぎる面や(彼女はアメリカ人だし)、無邪気な籠の鳥というよりギャルっぽい側面は無いでもないです。
仮死の薬を飲む前のアリア『愛よ私を勇気づけて』も、長い衣装を引きずりながら、文句なしの演唱。
特にこういうアリアを歌っていると、シエラ様はオペラ歌手の中でも口が大きく、よく開くなあと思いますね。表情筋凄そう。ライブビューイングだと、喉の奥の奥まで見えそうだもん。
ただ、これはシエラ様が悪いというより……という話なのですが、こうやって聴くと「イタオペの人」だなあと思ってしまいましたね。
敬愛するオペラ評論家の我らが三島先生は、よく「歌詞をこちらから聞き取りにいかなければいけないのは宜しくない」というような表現をされます。ニュアンスはよく伝わるものの、自分が語学弱者すぎるのもあってこのような実感は今まで特になかったのですが、意外にも今回それがよくわかってしまいました。
フランスオペラがあんまり流行らないのは(※『カルメン』を除く)、フランス語で歌うのがとにかく難しいからなんだろうな、ということを改めて痛感しましたね。
特に、今回はあのベルナイム氏が相方なので、彼以外の発音の不明瞭さが否応なく際立ってしまいます。前述のように、今までソロ・リサイタルでの映像などしか観てこなかったので気付きませんでしたが、これ共演者は超いやだろうな~!! とか思ってしまいました。ちょっと可哀想だけど……。
マキューシオ役のウィル・リバーマンさんは、MET では新作オペラの常連さん。漸く古典作品でも出会えましたね!
↑ これまでは『Fire Shut Up in My Bones』と『マルコムX』で主演を務めていました。
そういえば、司会のグリーン氏も『Fire Shut Up~』の主演デビューを控えているそうで……。えー! それは観たすぎるのでは!?
見せ場は「マブの歌」。どうでもいいですが、マブの歌の最中でマキューシオがロミオを指した時、ロミオが明らかに "Moi?(僕が?)" って口の動きしていたのがハッキリわかって面白かったです。 ベルナイム氏、最早歌わず口パクだけでもフランス語聞き取れる説。
パワフルで、バリトンにしては明るめです。聞き比べると、やはり母語英語の方が歌いやすそうだなあとは感じました。
驚いたのは演出面で、マキューシオとティボルト(ティボルトもここでは「ティバルト」表記。アメリカ風にタイボルトと書いたろか)の殺陣! めちゃめちゃクオリティ高いです! オペラでここまでの殺陣は初めて観ました。上手い!
この二人の剣捌きが自然すぎて、ロミオが下手くそみたいになってる(これも先ほどのフランス語の話と同じで、悪くはないのですが、比較してしまうと……という話)。この公演、各所クオリティお化けが紛れ込んでいるせいで、共演者がみんな大変そうだな!?
刺剣とはいえ、刃の部分を持ったら手切れないか? とは思いつつ。どうなんでしょうか、考証班の皆様教えてください。
プロコフィエフのバレエでは、「マキューシオなかなか死なない」でお馴染みですが(刺されてから数分踊り続ける。とてもしぶとい)、グノーのオペラでは物凄くあっさり死にます。あっさり死にすぎて逆にビックリしてしまいました。マキューシオが即死……!? カルチャーショックだ……。
ロミオのお小姓のステファーノは、ズボン役界のスター、サマンサ・ハンキー様。もう今日も超イケメンでした。モンタギュー陣営で、いやこの公演で一番イケメンだったほんとに。
今回の公演、ビジュアルが良いのも素晴らしいんですよね。
『RJ』は、少し意外なことに、主要登場人物はジュリエットの紅一点。グノーのオペラでは、ズボン役を足すことによって、タイプの違う女声を比べて楽しめるようになっており、ニクい配慮ですね。良いと思う。
ところで、主に1幕でのモンタギュー陣営は仲よさそうで可愛いですね。つまり、ロミオ、マキューシオ、ステファーノ、ベンヴォーリオのカルテットです。
主従関係ではあるのですが、いつメン男子高校生みたいなテンションでなんだか愛らしいです。たぶん現パロしたら学校帰りにマ○ク行ってる。
一方、キャピュレットさん(ジュリエットの父)も、モンタギュー家との対立という状況が状況なだけで、「親ばかをお許しください」って言ったりとか、本来は凄く良いパパなんだろうな、という感じがして可愛かったです。
演出は、18世紀に読み替えられており、数百年時が進んでいます。近世→近世なので、そこまで違和感はないのですが、『RJ』ガチ勢や近世ガチ勢はこの読み替えも嫌だったりするのであろうか。
モノトーンカラーの町のセットは美しく、わたしは好きです。バルコニーもちゃんとありますし。懸垂はありませんので悪しからず。筋トレしながら歌うのは変態的なごく一部だけです。
それから、血糊を使わないのもいいですね。前回が前回だったのでね。要らん要らん。それでいいよ。
お衣装は素敵ですが、ジュリエットの裾は躓きトラップらしい。でしょうね……。ウェディングドレスもびっくりの長さですからね。
ところで、お衣装といえば、ロミオとマキューシオは胸元を開けすぎて胸毛丸見えなんですが、これはよいのでしょうか。何故そんなに胸毛をアピールしようと思った。確かにあの革のコートは無駄に暑そうだなと思いましたが、そこまで開ける?
(余談:大昔、Twitter で一時期ルスラン・スクヴォルツォフ氏というバレエダンサーさんの胸毛の話ばかりしていたせいで(ほんとに面白いので、誤解を解くためにも(?)機会があればその話もしたいですね)、旧アカウント時代からの古参のフォロワーには半ばネタで茅野は胸毛フェチだと勘違いされているという鉄板ネタがあります。)
わたしは胸毛フェチではありませんが、今回の見所はロミオとマキューシオの胸毛です。宜しくお願いします(??)。
わたしはシェイクスピアガチ勢ではないので、『RJ』受容史はわかりませんが、いつからバルコニーシーンが最も有名なシーンとして受容されるようになったのでしょうか。
『RJ』を題材に音楽を書いた作曲家は多いですが、彼らの大半はバルコニーよりも、Before parting を重要視しているように思います。グノーもその一人です。
ちなみに、我らがチャイコフスキーも、この Before parting を題材に、二重唱を書いています。
こちらはバレエ『オネーギン』ラヴァーにはお馴染みの曲です。何故なら、「鏡のPDD」の冒頭の旋律がこの曲であるからです(詳しくは解説記事をどうぞ)。
チャイコフスキーも、グノーも、当たり前にシェイクスピアの同じ戯曲を元にしているわけですから、言語は違えど、歌詞は完全に一致。
わたしは、この二重唱について一筆認めたことがあり、ロシア語版の歌詞を暗記していたので、「おお!? フランス語だけど丸っきり同じだ!!」と謎に感動。
↑ こちらの記事。日本語訳も自分で書きました。参考にしてください。
この「ヒバリだ」「ナイチンゲールだ」という掛け合いが、繰り返される時には話者が逆になるというのはシェイクスピアによくある技法で、洒落ていますよね。
まあ、正直、曲としてはチャイコフスキーの方がカッコイイなと思いますね、わたしは。『オネーギン』バイアスを抜きにしても。皆様はどちらがお好きですか?
余談。今回は解説やインタビューなどでは触れられていませんが、グノーの『RJ』は初演が1867年。草案を書いたのは1865年4月、南フランスにて、ということで、もう読者さんはわたしが何が言いたいのかわかったかと思うので割愛します。
殿下はオペラ好きなのに、名作オペラを見逃しすぎている。せめて『オネーギン』観てから死んでくれ(+14年)。……えっ、わたしは1865年と1879年が14年も離れているという当たり前の事実に今更ながら衝撃を受けています怖い。
グノーのオペラでは、最初にグリーンさんが紹介してくださったように、「ロミオとジュリエット」の二人に焦点が当てられており、その他は大幅に割愛されています。
最後のパリスの死などもないし、モンタギュー家サイドもあまり描かれません。
また、この話はあまりにも有名すぎるせいか、冒頭からコーラスが思い切りネタバレ。いや、まあ、いいけど! ちょっと興ざめじゃない!?
終幕、タイトルロール二人の死。
ジュリエットが蘇生し、二人で廟を出ようとしたその瞬間になってロミオが崩れ落ちてしまう『RJ』のプロットは、なんというか、ここだけ見るとヴェルディオペラっぽいですよね。正にぬか喜びシステムっていうか。
いや~~~、語彙力なくて恐縮なんですが、普通にグッと来ました。としか言い様がない。普通にグッときた。ストーリーは百も承知ですが、それでも感動できるからオペラって凄いよなと思いますよね。
久々に王道作品っていいな……と実感しました。王道で勝負して、王道で優勝できるのは素晴らしいことです。興奮して電車乗らずに6駅歩いた。
こんなところでしょうか! わたしは満足です!!
まだあと二演目ありますし、行っていない演目もありますが、これはもう今シーズン No. 1 でいいのではないでしょうか。
この記事で挙げた通り、細々と気になる点はあるのですが、総合点は非常に高いのではないかと思います。
初心者にも勧め易く、オペラ入門にも大変向いていると思います。みんな、ここから入って。推奨します。
普通に2回目・おかわり行きたいです。
最後に
通読ありがとうございました。しっかり書いて9000字ほど。
今回はとても良かったですね~。観に行った方がいたら感想教えてくださいね。
↑ 匿名がいい恥ずかしがり屋さんはこちらから。
さて、MET の次の演目は『つばめ』! プッチーニ御大の作品ながら、こちらも上演頻度があまりないので、実は初見です。主演はエンジェル・ブルーさんですし、普通に楽しみ。
今回はインタビューの途中で尺が来ちゃって可哀想でしたね……。こういうパターンは初めて観ました。生放送だから致し方ないのか。そう思うと、歴代の出演者は本当に凄いなと改めて思いますね。みんな英語上手いし……。
こちらには伺おうと思っています!
そして、今回のインタビューですが、何故か次の次の上演なのにも関わらず『蝶々夫人』(というよりその主演を務めるグリゴリアンさん)の話も長くしていました。
こんなに名の売れた大歌手なのに、MET デビューしていなかったんですか!? 意外すぎる。
そんなグリゴリアンさんは、現在なんと来日中。
↑ 来日やった~。
行きます。曲目見てください。無論行きますとも。『オネーギン』があるところに茅野がいます。
そして、その公演が今日というね。もう日付変わってますからね。
というわけで、次の記事はこちらのグリゴリアンさんのリサイタルのレビューになる予定です。続けて宜しくお願い致します。
それでは、今回はここでお開きと致します。次の記事でもお目に掛かることができましたら幸いです!