世界観警察

架空の世界を護るために

K-Balletライブビューイング『眠れる森の美女』 - レビュー

 こんばんは、茅野です。

3月の東京で雪とは珍しいこともあるものですね、これが異常気象か……。

 

 観劇、特にバレエの観劇ラッシュ期です。三連続でバレエ鑑賞の予定です。こんなこと滅多にないぞ。

というわけで先日は、K-Ballet のライブビューイングにて、新制作バレエ『眠れる森の美女』にお邪魔しました。

↑ Kバもライブビューイング(in Cinema)とかやってるんですね。今回知りました。

 

 チャイコフスキーのことは、バレエではなくオペラ作曲家だと認識しているので、『眠り』も特別好きというわけではないのですが、「新制作」と言われたら気になりますよね。ライブビューイングなら観やすいですし。

というわけで、最終日に滑り込んで参りました。

 

 今回も、備忘がてら雑感をさっくり記して参ります。

それでは、お付き合いの程宜しくお願い致します!

 

 

キャスト

オーロラ姫:日髙世菜
デジレ王子:山本雅也
カラボス:小林美奈
リラの精:成田紗弥
フロレスタン王:グレゴワール・ランシエ
王妃:山田蘭
執事:ビャンバ・バットボルト
演出・振付・台本・音楽構成:熊川哲也
指揮:井田勝大
管弦楽:シアター・オーケストラ・トウキョウ

 

雑感

 バレエのライブビューイングは久々です。大体、ウクライナ侵攻をおっぱじめてボリショイライビュを潰したロシア連邦政府が悪いんですけど……。

 驚いたのは、席がかなり埋まっていて、満席に近いということです。やはり集客はバレエの方が見込めるのか……、東劇君……我々オペラファンは一体どうしたら……お手伝いできることがあればしたいんですが。無くなっても困るし。

 

 実は、K Ballet 鑑賞は初めてです。ここでデビューしてしまった。

わたしが日本のバレエ団で鑑賞経験があるのは新国と東バのみで、基本的には来日公演を狙い撃っています。

というのも、日本のバレエ団に偏見があるのではなく、わたしは筋金入りの演目オタクゆえ、「基本的には『オネーギン』以外の演目に関心が無い」からです。

現在、日本のバレエ団はどこも『オネーギン』を上演していないので(齋藤御大頑張れ~)、自ずと関心が薄かったわけです。

数年前に友人に「クリスマスに『くるみ』観に行こうぜ」と誘われなかったら、今でも他の演目や、日本のバレエ団は観ていなかった気がする。今でも別にそこまで頻繁にバレエを観ているわけではありませんが、以前よりは観るようになりました。

 

 従って、ダンサーは誰一人として知らない、というフラットな状態での観劇になりました。

バレエファンは、「バレエのファン」よりも「ダンサーのファン」というスタンスの方が多いので、意外と珍しい客であったかもしれない。

この立場から、今回は主に演目に着目し、野暮にもツッコミを入れて雑感を述べていきます。

 

 バレエのライブビューイングでは毎回誤植や誤訳があることでお馴染みのキャスト表。

出演者を存じ上げないので、名前の誤記はわかりませんが、少なくとも、「婚約者」が3人もいるのはバグではなかろうか。イスラームでもそんなことしないぞ。「求婚者」ね。

英語は「Princes」になっているので、誤訳なんだろうな。そんなところ間違える? という感じもしますが。校閲して。

 

第1幕

 今回のライブビューイングでは、MET のような司会役は無し。幕間はカットで、インタビューなどの特典映像も無し。

しかし、序曲の間に幕ごとのあらすじを表示してくれます。日本語表記のみです。

 

 そこで度肝を抜かれましたが、えっ、カラボスが君主、なんですか……!?

今回の新演出では、オーロラの生誕から彼女が16歳になるまで、カラボスは杖に閉じ込められているわけですが、その間はどうやって統治するというんだ……、そこまで考えて設定練りました? 大動乱時代でもやってんのか??

そもそも、一国の王が隣国の女王(?)を封じ込めているの、外交問題としても完全にアウトでは。カラボスの国の国民は何をしているんだ?

 というか、「隣国のパーティに呼ばれないからという理由だけでその国の王女を殺害しようとするメンヘラ君主」、嫌すぎるのですが。それこそ「辺境に住んでいる魔女」くらいじゃないと許されない設定じゃないか?

まあ、我らがお姫様も「隣国が自分の婚約者の死に際して弔意を示さなかったので、その国の皇太子が亡くなったときに嘲笑する皇后 」なので、あんまり人のこと言えないのですが……。

いや、ちょっとビックリですね。新制作なのに、整合性がガバガバすぎるぞ!

 

 それから、もう一つあらすじで驚いたのは、「フロレスタン王国」という国名。

えっ、「フロレスタン」って国の名前ではなく、王様(オーロラ姫の父)のお名前ですよね……? 英語表記も King Florestan だし、元々そういう設定ですよね。

これも誤訳……? いやでも日本製だしな……? 「フロレスタン王の国」と、助詞「の」が入るだけで解決される問題ではあると思うのですが。キャスト表だけではなかったか……。

かなり重要なところミスっていないか……?

 

 オケの話。

シアター・オーケストラ・トウキョウさんは個人的には初めましてですが、全~然大丈夫でした。ちょっと、シティ・フィル君???

K-Ballet が常にこのクオリティの演奏に支えられているのならそれは誇るべきことです。

 演奏に関して言えば、面白味がないと言えば無いとも言えますが、凄くテンポが正確で、真面目な棒だな〜と思いました。普段は踊らせる気が無いやつばっかり聴いているので……。

↑ 親分はいつも容赦ない。

 

 美術の話。

オペラも観る方なら皆同じことを思ったはずですが、メイヤー演出のオペラ『椿姫』のパk……オマージュ? ってくらい、そっくりです。

 参考画像を幾つか貼ります。

まず、中幕に花(『眠り』はバラ、『椿姫』は椿なんだろうけど)があるのが一緒。

↑ ここに関しては、もう完全に一致レベルでは。

 次に、舞台セットも青緑系で、植物モティーフなのも一緒。

↑ 柱の形状も似ています。このセットめっちゃ綺麗ですよね~。

 そして、特に1幕での王族の方々のお衣装がそっくり。

↑ 常日頃から「オペラのお衣装で一番着たい」と言っているジャケット。植物文様の金刺繍が可愛すぎる。

 確かに美しいですし、事実わたしはメイヤー演出が『椿姫』史上最も美しい美術だと思っていますが、余りにも既視感満載だし、普通にパクリ認定入りかねないレベルの領域なんですよ。権利大丈夫そう?

 こちらの『眠り』でも、そっくりなお衣装を着てシャンパンで乾杯しているし、もう全然ここから『乾杯の歌』始まるが? と思いました。Libiam ne' lieti calici che la bellezza infiora ~♪ ……、王様、高級娼婦に溺れちゃダメだよ!?

 また、話は前後しますが、オーロラ姫がデジレ王子に胸元の花を一輪プレゼントしますが、それも完全に『椿姫』じゃないですか、これはバレエの方でもやっているでしょ。

 お衣装のデザインも完全に近代風なので、時代は近代に移ったのだろうか? それもあり、特に1幕は『眠り』を観てるんだか『椿姫』を観てるんだかわからなくなりました。混乱する……。


 執事さんの主張がかなり強い今作。初っぱなから、歩き方が「あっバレエの人だ……」になりました。腰から足が動いているのがわかるのが良いですね。

 

 騎士組は、高身長で見栄えがする人選。所謂「スパニッシュ・ボーイズ」であろうか(※主にグリゴローヴィチ版『白鳥の湖』に於いて、「スペインの踊り」を担当する男性四人はその後出世することが多いことから生まれた俗称)

 

 妖精組は、勿論リラの精が一番良いのですが、それ以外だと青妖精さん(お名前と顔が一致しない)が一番音感が良かったと思います。

リラの精は、コーダで軽々とえげつないフェッテをしていましたが……、なんだあれは……。

ところで、守護妖精とは……、まあ「守護精霊」という語なら近代文学でもよくお目に掛かりますけどね。あと勿論、守護天使。Кто ты, мой ангел ли хранитель?

 

 郡舞は、前後2列に並び、側面に足を交互に出す(デガジェ→クペ)振りが相当好きなんだな~と思いました。

そして、手持ち無沙汰(?)な男性組に、取り敢えずアラベスクでポーズを取らせるのがとにかく好きらしい。それはそれでいいのですが、流石にワンパターンすぎやしないか。

 

 ストーリーの話再び。

生誕時から既に、配偶者候補が4人もいるって凄いですよね。みんな同じ時期に子供産んでいるのか……。

それに、全部が「隣国」というのがまた恐ろしいところですよね。というのも、皆様も地図を見ればすぐに気が付くと思いますが、大体隣国同士というのは領土問題を抱えていて、関係が悪いのである。

従って、王族間で結婚をするのは、同盟関係の締結が目的なのに、そんなにもそれに積極的であるとは、フロレスタンさんの王国はこの世界でどのような地位にあるのであろうか。怖い。

 カラボスが呼ばれなかったのは、彼女に息子がいなかったからなのだろうか。王女を呪うほど激怒することを考えると、例えば、彼女の息子は死産或いは夭折しているとか? それで、デジレ王子を自分のものとして乗っ取っちゃう。あ、その説よくない?(?)。

 

 王妃様は出産直後であるというのに、トウシューズで踊ります。凄い。産後疲れどころか、一瞬で体型まで戻しているのは狂気(そういうところを突っ込んだら負けである)。

王侯貴族が沢山出てきますが、先日『カルメル会修道女の対話』を観てきたので、王侯貴族は首を刎ねられないといいですね……と余計なことを考えました。

↑ 『カルメル会』はいいぞ。Salve Regina, mater misericordiae...

 

 カラボスさん。

この演出では、ガッツリ女性が演じます。上半身は近世代デザインなのに、下半身はダメージ系の露出があって艶めかしいお衣装です。女児が好きそうな悪役だ(?)。

『眠り』って、命の危機にさらされる儚いお姫様に、紫色の頼れるオトナな妖精、特にこの演出ではカッコイイ女性の悪役と、世間一般がイメージする女児の好みではなく、「本物の女児」が好みそうな要素揃ってますよね、ってわたしの心の中の女児が告げている。

 カラボスは本当にキャラクターダンスが上手いです。動きが自然すぎる。「こういう台本だからこう動いています」というのを全く感じず、動きの一つ一つに新鮮さを感じました。これは本当に上手い証です。凄い。

 

 ライブビューイングだと、細かい点もよく見えますから、見えなくてもいいものも見えてしまいますね。

 赤子オーロラ姫がめちゃくちゃお人形なこととか、トウシューズがかなり使い込まれていて汚れが目立つこととか。それが難しい注文であることは重々承知なのですが、特に王侯貴族組は綺麗な履物を召していて欲しい。

 

第2幕

 カエルという設定はどこから出てきたんだ。動物たちに好かれる、所謂「ディズニー・プリンセス」感はありますが、両生類も拒まずとは、やりおる。

手を広げて、キャラクターダンス風なのは良いのですが、「何故カエル……」というのが最後まで拭えず。「花」と対応させるなら、蝶とか蜂とかでは……、既に他に妖精いるけど……。

 話は前後しますが、四匹のカエルが曳ける棺、どんだけ軽いのか。お姫様はキティちゃんよりも軽いのかもしれない。

 

 みんな大好き「花のワルツ」を、ブルーバードやオーロラ姫が中心となって踊ります。ブルーバードがもう出てきた!?

群舞の見せ場、なくならない? と思ったら、一応夢の場で踊る機会がありました。良かった。

 『眠り』で一番有名なのは勿論「花のワルツ」だと思いますが、こちら主役級ではなく群舞ですからね。『RJ』の「モンタギュー家とキャピュレット家」が群舞なのと同様、意外とこういうことはある。

新演出では、このような最もポピュラーな曲を、いっそのこと主役に充ててしまうというのはアリかもしれません。お相手がブルーバードなのは謎だけど。

 

 オーロラ姫。

手足がスラッと長く、バレリーナの中でも大層美しい体躯をしておられます。胴も折れそうなほど細く、レオタードのような、あまり布の厚みを感じないピタッとしたお衣装がよくお似合いでした。

これはどちらかというと、舞台の広さやパートナーとの相性に起因するような気もしますし、メソッドに依るのかもしれませんが、この長い四肢を最大限見せるというより、コンパクトに纏めてきているな、という印象を受けました。お姫様というキャラクター性も理由かもしれませんね。

 

 ブルーバードは、ROH のものがとんでもなかったからな……、どうしても物足りなさを覚えました。

サポートよりもソロがお得意派とお見受けします(バレエ通に言わせると、やはりKバはそういうタイプの男性ダンサーが多いとの由。そうかもしれない)

 

 この演出で大出世を遂げたのが、赤ずきんちゃん改め「黒ずきん」。

所謂地雷系ファッションで、ダンサーさんもそのお衣装・お化粧がよく似合っています。可愛いですが、第一印象:ライトノベルの表紙。絶対彼女が表紙のラノベが実在するはずだ。「ラノベちゃん」と呼びます。

 ラノベちゃんは、本来の設定では15-6歳のオーロラ姫よりも幼いはずですし、仮に年上だったとして、5歳は離れていないはず。それなのにも関わらず、どうして15-6年間杖に捕らえられているカラボスの手下になることができたのでしょうか。矛盾しませんか?

杖からでも人を洗脳することが可能なのだろうか、だとしたら、杖に封じ込める意味、そしてわざわざ王子に杖を破壊して貰う意義とは……。わからない。

 それにしても、カラボスとラノベちゃんの関係性はとても良いです。断言してもよいですが、これはオタク君が好きな百合です、とわたしの心の中のオタク君が申しております。オタク君は今すぐ熊川版カラボス×ラノベちゃんの二次創作を描こう(?)。

 いやしかし、それにしても、彼女を闇堕ちさせる意味はどこにあるのでしょうか。話は前後しますが、2幕冒頭にブルーバードや赤ずきんを登場させることで、冗長なディベルティスマンを削ろうというなら理解できたのですが、別にそういうわけでもないですし。熊川先生のヘキですか?

 

 バレエなので、完全に再現していられない、という事情もよくわかるのですが、短剣1本で4匹もの狼を追っ払えるデジレ王子、ヤバくないですか? ダクソの世界から来た?

現実ですと、当時の王侯貴族はかなりのサイズのものを帯剣しています。

↑ 参考。彼らはリアル王子様で、左はデンマークのフレディ王太子(後のフレゼリク8世)、右はイギリスのバーティ皇太子(後のエドワード7世)。以前 Twitterで、フレディ王太子の剣が余りにも低い位置にあって邪魔そうだ、という話をしていたもので……。

 

 王子の闇落ち。これをやる意義は本当に不明ですが、わたしは「『白鳥の湖』のオデット / オディールのように、王子側が闇落ちするパターンもやってみたかった」という動機なのかな、と推理しました。それにしても、それをわざわざ『眠り』でやる意義は不明です。

 求婚者の王子が一人欠け、デジレ王子がローズ・アダージオに参加するということは、デジレ王子は最初に出てきた少年王子たちの一人ってことなんですかね。それはそれで面白いかも。一方、そうなると必然的に、「100年の眠り」というこの作品をこの作品たらしめる事件が起きなくなりますが……。

 黒いお衣装でダークサイドに落ちるのは確かに厨二病チックで宜しいのですが、ここでは「洗脳闇落ち」という設定上、オディールのようにダンサーごとの解釈が生まれづらく、感情表現が乏しくなりがちなのが勿体ないな、と思いました。

 

 ローズ・アダージオ。

最大の見せ場であるアティテュードでのバランスは、余りに時間が掛かったり、ぷるぷるしていると、こっちが「がんばれ、がんばれ~……っ」と力んでしまいます。しかしここはこんな鬼畜振付を始めたプティパが悪いのであり、バランス時間自体は平均的であったかと。バランスお化け・ヌニェス様やロホ様に慣れすぎてはいかんのである

 王子が入れ替わる時に、毎回姫が王子と目を合わせて微笑んでくれるのがとても愛らしかったです。ライブビューイングだとバッチリ見える!

特に青色の王子も、「大丈夫だよ」とばかりにアイコンタクトを入れてくれていて良かったです。デジレ君は前述のように、洗脳されている設定だからか、無反応でしたが。

 最後のバランスは大健闘。流石です。

 

 『眠り』の「眠り」。

棺の中であんなにスモークを焚いちゃって大丈夫なんでしょうか。まあ一応大丈夫ではあるんでしょうけど、舞台芸術は見栄えのために安全性を疎かにしがちな傾向があるので怖いです。舞台上で火を使うのとかも辞めて欲しい。

結局、昏睡状態に陥るのはオーロラ姫一人だけだし、それも恐らく数日間程度、という設定になっているのでしょうか、この演出では。それで『眠り』を名乗るか。

それなのに棺に入れてしまうのか……、ベッドでよくない? 白雪姫や暗黒姫辺りのフェチズムを感じます。周りの人が起きているなら、褥瘡などができないようにケアしてあげた方が宜しいのでは? と余計なことを考える考証班の図。

 

第3幕

 上演自体は然程長くはないですが、休憩が欲しいですね。メモを取りたいし。

 

 前述のように、第3幕でのディベルティスマンを省くために物語弄ってるのかと思ったら、そんなことはなく、「では何故このような設定に……」という気持ちを強めました。

 

 宝石と貴金属が、女性二人・男性一人のトリオに。男性は『バヤ』の金の仏像のような、かなり奇抜なデザインのお衣装。やはり金を表しているのかな。素材によってはめっちゃ汗かきそう宝石はエメラルドとルビーであろうか。

 

 猫組は別に長靴を履かず、2匹とも白猫です。では単なる白猫が宮殿に招かれる意義とはなんであろうか。エルミタージュスタイル?(※ロマノフ王朝の冬宮殿・エルミタージュでは、ネズミ駆除の為に猫が飼われていた。ちなみに、現エルミタージュ美術館にもまだいるらしい)

 

 闇落ちから復帰したラノベちゃん改め赤ずきんちゃん&狼組も参戦。ラノベちゃんはずっとカラボスに仕えていて欲しかった、と心の中のオタク君が言っていますが捨て置きましょう。狼も闇落ち設定だったのか……。

ラノベちゃん時代にせよ、従来通りの赤ずきんになっても、フードの質感がかなり薄く、これだと Red-hood というより Red-veil ですな。七つのヴェールの踊りも踊ろう

 

 主役級の PDD。

身長差があまりないこともあって、見せ場のリプカは王子の表情に毎度少し焦りが見えました。ライブビューイングだとその辺りもバッチリ見えてしまう。

このリフト、「フィッシュ・ダイブ」とも言いますが、普段フランス語なのにどうして急に英語になるんでしょうか。プロンジェ・ド・ポワッソン(Plongée de poisson)とかじゃダメだったのか。

それでは「リプカ」ってなんぞ……と思ったら、ロシア語の рыбка なんですね! カタカナだとわからん。で、なんでロシア語になると「ダイブ」の部分が消えるんでしょうか。Нырок рыбы とか?

 

 オーロラ姫はアン・ナヴァンが特別美しいですね。Va. のシェネなどに顕著です。とても可憐な感じがする。

王子は、「オケはオレに合わせろ!」タイプでしたね。まあ、プリンシパルたるものそれくらい我が強くてもいいのかもしれない。

 

 最後は、何故かドセンターが執事さん(!)。確かに歩き方は綺麗だけど! 「あれっあなた主人公でしたっけ!?」ってなりました。その後方にリラの精。

フロレスタンさんの国は、女性も王位継承が可能なタイプでしょうか。デジレ王子が王になるのではなく、オーロラ姫が女王になるのかな。良い統治になるといいですね!

 

 音楽の継ぎ接ぎの検証に関しては、『眠り』有識者にお任せします。チャイコフスキーだからお前がやれって? 宜しくお願いします(圧)。

 

 こんなところでしょうか。

新制作ということで、色々ツッコミを入れてしまいました。考察・考証班のサガなものでして……、わたしこれでも一応日常では主にボケ担当なのですが……。

K-Ballet は初めましてだったので、色々と新鮮で面白かったです。また面白そうなライブビューイングがあったら行きたいなと思います。

 以上です!!

 

最後に

 通読ありがとうございました。8500字ほど。

こちらは賛否が分かれそうですね。わたしの周囲だと割と否が強かった印象悪いとは思いませんでしたが、「何故そうした? そうする意義は?」という結論は出ず。色々な方のご意見を伺いたいところです。

 

 次回も一応バレエのレビューの予定です。スミルノワ様の『ジゼル』を観る予定です。それにしても、なんですかあの上演時間は。渋谷の近くにお住まいではない方(自分含む)は、下手したら通勤ラッシュにブチ当たるのでは。夜にやってくれ夜に。

……と思いつつ、出撃予定です。絶起と寝落ちが怖すぎる。期待せずお待ちください。

 

 それでは、今回はここでお開きと致します。また次の記事でもお目に掛かることができましたら幸いです。