世界観警察

架空の世界を護るために

メルクストーリア(メルスト)の話をする

 こんばんは、茅野です。

 突発的にゲームの記事を書きます。本当はレビューが凄い溜まっているんですけど、新章を読んだら書きたくなったもので……。書きたいときに書くのが一番筆が乗る!

 

 何と言って、「メルクストーリア(略称メルスト)」、サービス終了!……という悲しいお知らせを受け取ったので、一筆やっておこうと思い立ちまして……。

↑ パソコンで公式サイト開いたの初めてかも……。

 流石にこれは寂しいお知らせ……。

 

 今回は、このゲームに関する自分の体験談や、ストーリーの雑感・紹介を纏めたゆるいエッセイになります。文体もいつもより軽めにしておくので、肩の力を抜いて楽しんで貰えたら、と思います。

 プレイヤーにも、ミリしら勢にも、どちらにも伝わるように書くつもりではありますが、ネタバレ注意

 

 それでは、お付き合いの程宜しくお願い致します。

 

 

プレイ歴の話

 まずはプレイ歴の話から。一応こちら、わたしのアカウントになります。今からでも繋がりたい方がいたら繋がりましょう(?)。

↑ それなりに中堅勢と名乗れるレベル帯ではある気がする。このイケお兄さんは贔屓(後述)。背景は「邦王邸」、BGMは「望郷」にしています。

 

 実はわたくし、メルストはまあまあ古参でして……。始めた頃に「魔法1st」イベントをやっていた記憶があるので、多分配信開始から3ヶ月くらいで始めていると思います。

 当時わたしは中学生だったんですが、スマホを手に入れ、初めてダウンロードしたソシャゲがメルストでした。「スマートフォンなるものではゲームが遊べるらしい。試しになにか入れてみよう」と Google Play ストアで検索した時、当時リリースしたばかりで売り出し中だったメルストが上位にいたので、入れてみたのが始まりです。

 

 ミリしら勢にメルストとはどういうゲームかということを簡単にお伝えしておくと、「伝統的なノベルゲーム+アクション要素の薄い2Dスクロール」の二段構成になっています。一応公式は「ストーリー重視のライン型ストラテジー」を名乗っているらしい。

 わたしは中高生時代はそれなりにゲーマーだったんですが、あまりゲーム性に関心が無く、ゲームはストーリーを体験する手段だと考えていた考察勢でした。そんなわたしにとって、この伝統的なノベルゲームスタイルが結構噛み合ったんですね。

 

 メルストは、基本的に月1回、10話~20話構成のメインストーリー又は「国別イベント(通称:国イベ)」と呼ばれるストーリー兼クエストが配信されます。

1話のストーリーがかなり長く、重量感があります。話数が多い月は、ストーリーを読むだけで数時間溶けることもザラ。

しかし、月1のペースでスマホで読める読後感が良いノベルゲームということで、「何かストーリーを浴びたいけど、小説1本読むのは重たいなあ~……」っていう時にめちゃくちゃ重宝するアプリでした。ほんとに助かってた。

 

 中高生時代は、リア友にメルストプレイヤーがそれなりにいたこともあって、一緒にギルドをやったり(長年ギルマスです)、微課金したり、結構やりこんでいた時期もありましたが、一方で飽いて数ヶ月~年単位で触れないこともありました。

 それでもなんだかんだで機種変の度に「一応メルストは継いでおくか~」と思わせるところがこのゲームの凄いところ。前述のように、わたしが初めて遊んだソシャゲですから、物理的に最も長い期間遊んでいるソシャゲということになります。えっマジで終わるの? 寂しすぎるんだが……。ストーリーだけでも続けない?

 

 メルストは今年で11周年(!)ですから、もう10年も前の話になりますが、最初のガチャで出た高レアはシルビアちゃんでした。覚えているもんですねえ。

↑ やっぱり最初に出た高レアって思い入れあるよね。

 その次に来たのがフレッド君でした(新章出演おめでとう)。最初の☆5はトレノセリカで、次いでティフォネちゃんやらロレッタちゃん辺りが出たので、「神は言っている……、スラパを組めと!」(※スラパ:スラッシュパーティの略。斬撃・弓矢属性のユニットだけで組んだパーティのこと)と思い、初期の頃はスラパ愛用者でした。銃の☆5とか全然出なかった記憶あります。

 

 ルームでは全然他プレイヤーと交流していませんが、一応アイザックルーム常駐です。

選択の理由は二つあって、一つ目は、メルストのルームは人口が多いところでないと十分な恩恵が受けられないのですが、アイザックルームは常に人口が多いです。二つ目は、入室当時好きだった別ゲームの贔屓キャラクターの名前がアイザックだったからです、はい。でもメルストのアイザック先輩も良いキャラしていると思います。

 

音楽や背景の話

 メルスト、BGMと背景も大変素敵です。「世界観警察」を名乗り、その世界の雰囲気に酔うことが何よりも好きなわたしにとっては、この二つが担保されていることは非常に重要です。

 

 BGMは、「ステキな魔法」、「回旋の街路」、「荒野に生きる者」、「黒鉄の円舞」、「砂上の栄華」、「夢架幻吊」、「水底」、「秋殻」、「蓮華宝土」あたりの各国の特色がよく出ているものが特に好きですね。

プレイ開始当時 Ethno World ユーザーだったので、民族音楽系は大好物です。

 

 背景に関しては、ホームを「ニライカナイの体内」、「庵」にしていた時期が長かったです。

他に、「水棲生物研究所」、「気象学者の研究室」あたりが好きです。はい、水中と研究所が好きだということが丸バレですね。

↑ こちらは「水棲生物研究所」。素敵すぎる。

 尤も、「悪夢の世界」はもう完全に『Bloodborne』だし、「深海の旧い都市」は『ABZU』だし……、運営が何に影響を受けているのか結構わかりやすくもあります。

 

好きな国やキャラクターの話

 メルストは、「メフテルハーネ」という架空の大陸を舞台に話が進むのですが、この中で、18の国家に分かたれています。それぞれに特色があって興味深いです。

↑ 公式サイトより。皆さんの贔屓国家は?

モデルの特定は容易で、スチームパンクで議会制の「機械の国」はイギリス、侍のいる島「和の国」は日本、先住民と移民のガンマンの集う「西部の国」はアメリカ……というように、文化やキャラクターの名前から推理することができます。

 

 プレイヤーはそれぞれ、なんとなく~強固に「贔屓国家」が存在していると思いますが、結論から言うと、わたしは常夏の国と少数民族の国が好きですね。同郷パーティを組むのも好きです。


少数民族パーティ。武器種も属性も揃ってないけど、高レアの暴力でそれなりに回せるよ!

 ロシア~北欧系がモデルの「雪の国」、サウジアラビアやエジプトなどの中東をモデルとしている「砂漠の国」もある中で、カリブ海オセアニアなどがモデルの「常夏」、中央~東南アジアをモデルとした「少数民族」!? と驚かれるかもしれませんが、メルスト内ではそういうことになりますね。

 

 前述のように、わたしは「世界観警察」であり、町や地域、世界そのものを愛好するタイプのオタクです。従って、あまり「贔屓キャラ」は作らない派閥なのですが、メルストでは、ホーム画面・リーダーとして、ユニットを一人設定する必要があります。

 で、誰にしているかというと、先程もちょっと出ていましたが、邦王ハルサルヒです。普段、君主制の研究をやっていることもあって、君主組はみんな好きですけどね。彼が一番「王としての葛藤」が描かれていたから好きみたいなところある。名君万歳!

 

 ハルサルヒはメインストーリー第2部中盤での登場だったので、登場が遅かったキャラクターです。それまでは誰にしていたかというと、テンライです。

最初出てきた時「すんごいキャラデザだな……」と思いましたが、性格が表面上あんまりメルストっぽくないキャラクター性で(後述)、意外性に心惹かれました。あと武器の天球儀みたいなのが可愛くて好きです。


↑ これ。天球儀の上にトライアタックみたいな玉がついている。かわいい。

 リーダーはテンライにしていた時期が一番長いと思います。スキル進化実装も最初期ですし、思い入れありますね。

 

 これもあまりにわかりやすくて恥ずかしいんですが、ビジュアルだけで言うなら、女性はメルセディア姉様、男性はネームレス君が好きです。知っている人には傾向が一発でバレたと思うもしかして:カラーリングが一緒

↑ お上品でミステリアスな美女ながら、鐘というクソデカ鈍器で物理アタックしてくる前衛。めちゃめちゃかわいい。

 皆様は誰がお好きですか?

 

ストーリーの話

 さて、核となるストーリーの話をします。

これはある種ネタバレになりますが、メルストのストーリーの特徴は、「絶対にハッピーエンドで終わる」ということです。

無理がなく綺麗に纏めたものから、「それはちょっとご都合主義的すぎるだろ~!」みたいな強引なものまで幅がありますが、最後にはキャラクターと読者全員絶対に笑顔にするぞという強固な意志を感じます。お疲れの現代人にはこの要素も推せるポイント。

 一方、最新の国イベ最終回で、「平行世界ではバッドエンドになったものも数多あるが、読者が観測していたのが成功した世界線だっただけ」ということが明かされます。このバッドエンド救済ストーリー、どうにかスペ4章でもやって欲しいんだけどなんとかならない?

 

 更に、単なるキャラ萌えに終始せず、メッセージ性が強いことも挙げられます。その「メッセージ」というのもとにかく善良で、「健やかに生きろ!」と力強く叫ばれます。全年齢です。

 

 また、これは現代のライト文芸では珍しいと思いますが、例えば「AになればBになる」と言いたいとき、「Aになれば……」までしか発言されないことが多いです。つまり、「Bになる」の部分は読者が脳内で補ってやる必要があります。

一から百まで解説せず、読者が一度立ち止まって自分で考えなければならない作風は結構好き嫌いが分かれ、忙しい現代人にはあまり好まれない傾向があるので、2025年の需要とマッチしていなかったのかな……と考えてしまいます。

 尤も、メルストは前述のようにストーリーが長いので、このくらいの文量を好んで読む層にとっては、このような投げっぱなし感や余白が好まれるように思いますけどね。

 

 大体月1で行われる「国イベ」は、主人公が旅する国の先々で起こるストーリーですが、イベント毎にかなり質と方向性に差があります。シンプルに面白いもの、説明不足だったりスベったりしているものの指標もあれば、「好み」「Not for me」の指標もあると思います。

 ストーリーは、ラブコメ調、ミステリ調、ギャグ調、ホラー調……など、色々ジャンルがあり、作風に合わせて文体も大きく変化します。

 

 国イベは4周しているのに加え、外伝もあるため、恐らく80くらい(!)あるので、きっとお好みの話が見つかると思います。

しかし、「そんなに沢山は読めないよ!」というお声も尤もだと思いますので(わたしも食指が動かなくて読んでいないものが幾つかあるレベル)国イベから10個、公開順でわたしの好みのものを紹介したいと思います。

 サ終後、ストーリーが読める別アプリを配信してくれるそうなので、「ゲームプレイが間に合わない!」という方にも参考になれば幸いです。ただし、ネタバレ注意。既読の方は、「コイツ好みわかりやすすぎだろ!」と思ってください。

 では始めます。

 

動物2nd 歌楽壇の王と鳥籠のディーヴァ

 めちゃくちゃザックリ言うと、最強のオペラ歌手を目指すストーリーです。……のサクセスストーリーの裏に、愛の物語と救出劇があります。動物の国・歌を愛し糧とする鳥族の物語です。

今でこそ、一部で「オペラの人」なんて呼ばれるわたしですが、当時はまだオペラに興味がなかったんですよ。今思うとそんな時代もあったんですね、って感じですが……。メルストの歴史が長いとも言う。でも当時からこのイベントは好きでしたね。

 

 当時は演出がめっちゃ凝っていることで話題になったこちらのイベント。BGM差分が大量にあり、同じ曲でもソロだったりデュエットだったりします。クエストの開始時に暗転ではなく緞帳が用いられたりと、凄く手が込んでいました。そういうのいいよね。

 

 『ウマ娘』のオペラオー君のように、現実のオペラの話題が出るわけではないのですが、BGMがしっかり歌の入ったオペラ調になっています。ソシャゲのBGMが創作オペラって強くない?

作中で描写はないですが、この歌を聴く感じだと、セレナさんは軽めのソプラノ、アンテルさんは軽めのバリトンですかね。めっちゃテノール・リリコって顔してるけどな。

 フォルナちゃんは装飾の少ないシンプルな歌い方になっていて、ディーヴァ組はもっとヴィブラートを効かせてオペラ的です。男性だったらディーヴァじゃなくてディーヴォだけどな

フォルナちゃんにヅェルリーナ歌って欲しいな~。ディーヴァ組がイタリア語っぽいのに対し、フォルナちゃんの歌はスペイン語風に聞こえるのは、声が VocaloidMaika に似ているせいか……。

 このストーリーを読むときは、音量上げて読んでくださいね!

 

 キャラクターも、メイン4人がみんなキャラ立っていてバランスがいいですね。当時めっちゃアンテルガチャ回した記憶ある。当時は1体多段全盛期でしたしね。出なかったけど(※数年後に出ました)。当時からオペラ好きだったら贔屓にしていた気配があります。

 

 ストーリー自体も凝っていて、意図的に時系列が乱されているのが特徴です。従って、最初は読んでいて少し違和感があると思いますが、謎が解けたときのカタルシス結構あります。構成がしっかりしている計算されたストーリー、大好きです。好みにかかわらず、良質なイベントであったと記憶しています。

 

死者2nd 少年マドモワゼルと卵の中で見る夢

 神学校寄宿舎ものです。つまり、英文学・フランス文学・ドイツ文学で育ったオタク全員に特攻が入ります。

多少「なんで?」という感じもしますが、しかし切ない死ネタを得意とする教会国家「死者の国」のモデルはフランスです。まあ、イギリスの男子学園ものはパブリック・スクール、ドイツはギムナジウム、そしてフランスは神学校、というのは鉄板ですからね。

 

 こちら、一般にも人気が高いイベントストーリーであったと記憶しています。

「少年マドモワゼル」という矛盾したタイトルからもわかるように、自己のアイデンティティジェンダーロール、親子関係に纏わるテーマを扱います。メルストの良いところは、単に「キャラクターがカワイイでしょ?」みたいな娯楽性を求めるのではなく、善のメッセージ性が強いところが挙げられますよね。読み甲斐があります。

 異形の怪物レテネーブル君ちゃんさんが、「おや」であるリュシアン君のために幼い少女の姿を取るのが切なかわいいです。イケメンフォルムはこれまた顔が良く、大変お得。1体いれば3変化できます。ゲームの性能的にも強い。これは無敵。

 メルストのライターさんって、恐竜3rd然り、幼い子に親代わりさせたいヘキの人いますよね?

 

 教会音楽風やゴスペル風のBGM、教会や夢の中の幻想的な世界などの背景も素敵で、ミステリアスでダークな雰囲気も素晴らしいです。

↑ 背景「悪夢の世界」。前述のように、ちょっと『Bloodborne』すぎるが、綺麗

雰囲気にどっぷり浸かって酔いたい時は凄く良いストーリーだと思います。但し、夢の世界に溺れすぎないように注意。

 

 どうでもいいですが、わたしはリュシアン君の両親がヘキの予感があります。エレオノールさんみたいな感じでマルスリーヌさんの夫が生えてこないかなと思っていたことが一時期あります。でもこういうのは公式がお出ししてくるより二次創作で補完するほうが良いタイプだとは心得ている。皆さんのリュシアン君パパ(幻覚100%)が見たいです! 宜しくお願いします。

 

常夏2nd ボトルとバケツとなんでもない話

 ショートショート風です。わたしはこの常夏2ndで常夏の国が好きになった。「好きな国は常夏と少数」と前述しましたが、少数には好きなキャラクターが多いのに対し、常夏は国の文化や成り立ちが好き、という違いがあります。

 

 こちらも構成がお洒落でね! お気づきかと思いますが、わたしは凝った構成のストーリーに滅法弱いのである。このお話は、ボトルメールの送り主と受け取り手が数珠つなぎになっているんですね。メールは本当に届けたかった相手には届かないが、旅をするメインキャラクターたちを通じて全ては繋がっている。お洒落だ。

 メイン2人・イワンさんとカナカエイアさんの関係も、最後に種明かしされるのが面白いです。最初は初級英会話のスキットの翻訳みたいな会話が続いて驚くかもしれませんが、これもギミックの一つです。

 BGMも、ゆったりした南国のリラックス音楽みたいで落ち着きます。

 

 それで、このイベントでどうして常夏の国に関心を持ったかというと、このストーリーに登場する「古い水」、これってアブズのことですよね? ということに気付いてしまったからです。シュメール・アッカド神話だ!!

 別ゲームの考察ですが、この「古い水」の元ネタに関しては色々解説したことがあり、すぐにピンときました。

↑ 『ABZU』はいいぞ。このシナリオのライターさん、『ABZU』プレイヤーだと思う。

 

 また、モンスターの名前ニライカナイ」は、琉球神話の理想郷のことです。

↑ ルオマさんを呑み込んでいたモンスター。元ネタは『ピノッキオ』だと思いますが、住み心地良さそう。

 

 他にも、「常夏4rd(神様のいる休暇と水平線上のマリアージュ)」のメインキャラクターである「カナロア」は、ポリネシア神話の海神です。

↑ メルスト界ではめっちゃ強いチャラお兄さんになった。カナヴィル、幸せになれ……。

 

 このように、常夏の国には神話モティーフが非常に多く散見され、比較神話学クラスタとしては好まざるを得ませんでした。単にビキニのえっちなお姉さんが大量発生している国じゃなかったぜ!

 

恐竜2nd 黒骨の誇厳と彩豊の御膳

 黒骨族の村、ここをジェンダーロール反転CPクラスタの聖地とする

わたしはね……強い女×インテリ男のCPに弱いんです(自己申告)。あと有能君主も好きなんです。聞いていますか? サキュフロが好きだと申し上げています。

 

 伝説の「床ドン」スチルは、黄色い声が上がる一方、「レ○プやDVみたい」という声もあり賛否両論でしたが、個人的には、現実世界の風刺として捉えると興味深い展開だったな、と思います。性別がどうあれ、相手の同意なく押し倒したらあかんよ!

 

 ストーリーとしては、生き延びるのに必死な限界集落・発展途上村に、文明国から主人公がやってくることによって、生活水準の向上を目指す物語です。もうちょっと硬派寄りにしたら諸星大二郎先生とかが描いていそう。

 その中で、プリミティヴな食糧しか知らない彼らに、主人公がお洒落なお料理を教えるシーンがアニメーションとして登場し、これまた演出が凝っていることで話題になりました。

↑ お料理アニメ。こちらは画像ですが、ゲームではちゃんと動きます。是非確かめてみて欲しい。

普通に美味しそうなごはんのイラストやアニメが沢山登場するので、飯テロ注意です。

 確かに、お料理や衣服など、「必需だが過剰な装飾も可能なもの」には生活水準が如実に反映されるので、お料理を介して格差を伝えるという手法は賢いな、と思いました。

 

 恐竜2ndに関しては、質というより個人の好みという方が強いかも。でもヘキを共有する同志は確定で好きなので、読んできてください。

 

妖精2nd 雨落ちる秋の殻と月の雫でできた翅

 女学校寄宿舎もの×ミステリーです。女学校のシスターフッドもののツラをしたクオリティの高いミステリーです。

個人的・読後の余韻が良かった国イベランキングは、こちらが1位(次いで少数3rd。既読の方にはあまりにも好みがわかりやすいと思われていると思う……)。

 

 今回はミステリー調で、もう1話目からドキドキしますよね。タイトル通り、秋の雨を感じるような冷たさ、湿度の高い重たい空気を感じます。

↑ このお手紙執筆スチル素敵すぎるし、文面がもう不穏。

 明らかに、主人公が読者に全ての情報を開示していないというのもミステリアスさを助長させています。常に主人公と共にいたメルクがいない寂しさもあるかも。

 

 メインの少女たちもちょっと癖があって、嘘を吐いていたり、見栄を張ったり、言葉選びが下手だったりで、読者を混乱させてきます。

でもキャラクターみんな可愛いですよね。キャラデザ完全勝利。キーリ、シャルメ、エトラージュ、全員好きですね。一時期リーダーはキーリにしていました。

↑ シャルメ(左)、キーリ(右)。メルストでは、喋っている方の立ち絵にスポットライトが当たる。全員ちょっと改造している制服も可愛い。

 終始靄が掛かったようなミステリー調のストーリーも素敵なんですが、このお年頃の少女たちの関係性が妙にリアルでね……。キャッキャウフフでも凄惨なイジメでもなく、この厨二病と独占欲と青さ、描写が極めて正確です。

中学・高校時代での人間関係や自己の振る舞いに何かしらトラウマがある、特に女性はのたうち回る危険があるので、そこだけ気をつけてください。

 

 音楽も背景も好きです。含みのあるオチも好き。割と全部好きかもしれない。総合点トップ説ある。あんまり「国イベは妖精2nd推し!」って人を見ないんですが、同志いますか? 連絡ください。

 

少数2nd 希陽の禍龍と万籟の祝楽

 少数民族の国の規模デカストーリーです。既存ユニットが大量に出てきます。

少数民族の国は、中央アジア~東南アジアをモデルとする巨大なエリアです。作中でも「少数民族の国はデカい」という話がでてきます。国として一つに纏まっているわけではなく、規模に応じて村~國と呼ばれる共同体に分かれています。

しかし、基本的には中国をモデルとする場所が多く描かれます。

 

 少数2ndに関しては、ストーリーが好きというより、メインキャラクターのテンライが好きと言った方が正しいかもしれません。

彼女は、絶対ハッピーエンドにするマンなメルストには珍しく、当初「復讐を目的とする怨霊」みたいな立ち位置で登場します。

↑ いつ見てもキャラデザが複雑すぎてよくわからん。

今ではメンスト2部で敵意マシマシなキャラクターが多数登場しますが、メルスト、こういうキャラも描けるんだ! と当時驚いた記憶があります。まあ、そんな彼女もいつも通り、最後はハッピーエンドの炎に灼かれて含みのない笑顔になるのでご安心ください。

あの硬めの口調が好きだし、桃が好きだけど苦手で(読めばわかる)、無理してでも食べちゃうのも可愛い。

 お兄さんのテイシュウも良い味出してますよね。古の星読みの里エピソードはなんぼあっても良いとされています。エメラルドキッズとしては、ラティ兄妹を想起しますもっと描いてくれてもいいのよ。

 

 少数2ndは、国イベにしては話のスケールが大きく、これメンストでもいけるんじゃ……と思った記憶があります。実際、第2部の先駆けになったように感じますね。

 

常夏3rd 嵐の名前と飛鷲の将星

 これはね、オタクのお子様ランチです。ボーイミーツガールがあり、逃避行があり、宝探し冒険譚があり、ブロマンスがあり、主従があり、身を呈して庇い、トラウマが生まれ、秘めたる力が覚醒し、古の奇跡が目を覚まし、クソデカ感情が押し寄せ、背中を預けて最終迎撃戦で共闘します。

「オタクの好きなやつ」が矢継ぎ早に押し寄せてくるヤベーやつです。そんなんオタクはみんな好きです。わたしも好きです。

 

 国イベの中でも特に人気が高い作品だと思います。展開も王道寄りですし、納得。そりゃ人気出るよ! 運営からも優遇されていると感じます。

 

 この常夏3rdは、2ndや4thとは異なり、海軍の物語で神話要素がありません。新キャラクターたちの名前も、星の名前で統一されています。というか常夏の国、公式に「海軍の治める軍事国家」って書かれてるの凄いですよね。ハイファンタジーとはいえ、今どき軍事国家って。

 

 メインキャラクターの一人の名前がほぼ最終話まで「???」だった珍しいストーリーです。徹頭徹尾隠されています。レアメダル衣装でも、なんとお名前は「ネームレス」。そう来たか。

 ただ、これは国イベ3rdの特徴でもありますが、「国別」と言いつつ国境を越えた繋がりがあって、描写から、元々孤児であったネームレス君は少数民族の国の生まれだと推測することができます。

個人的には、「実質的に贔屓地域が繋がったぞ!」と嬉しかったです。彼の本名は中国とかモンゴル系なんだろうか。みんなで妄想しよう。

 妖精4thも然りですが、メルストのライターさんってイケメン昏睡フェチの人いるよね?

 

 ちなみにわたしはネムレ君の方が好きで、外見の変化は結構悲しかった派閥(レアメすぐに取った)。まあそれもストーリー上必要なギミックなので、不満はないけども。

↑ 先日のスキル進化でまさかのモーションを獲得。めでたい。

致し方なし、プレイヤード兄さんと懐古厨をやります。ユニットストーリーが後日談になっているのも良いですよね。

 

少数3rd 桃源郷の月光と永遠楽土の夢

 こちらは恐らくメルスト国イベで最も硬派な作品となっております。ソシャゲのライトさが苦手な人にお勧めしたい作品。文学です。常夏2ndとか妖精2ndとライターさん同じな気がする。

 巨大な少数民族の国の中でも、こちらは明確に中国モデルの物語ですね。中国文学に近しい作品があったりするんだろうか中国文学、『黄泥街』くらいしか読んだこと無いのでオススメが知りたい

 

 静謐で、実に雰囲気の良い作品です。いつも通り、BGMと背景も美麗で好き。

ザックリ言うと、手負いの寡黙な剣士が桃源郷を目指す旅物語です。

既存のキャラクターも名前ではなく「女」「童」「行商」などと一般名詞で示されることで距離感を感じさせ、またそもそもノベルゲームとしてト書きがなく台詞のみで構成されていることもあり、戯曲のような味わいがあります。

 暗転が長いのも、普段ならイラつきポイントですが、このストーリーには合っていると思います。

 

 掴み所がなく、終始静かで派手さに欠け、言い回しも独特なので、もしかしたら特に好き嫌いが分かれるストーリーかもしれません。キャラクターを前面に押さないので、一番ソシャゲのストーリーっぽくないように感じます。

わたしは好きです。

 

外伝 レネとアミャダ紅茶店

 外伝ですが、妖精の国での物語です。あれ、わたし意外と妖精の国も好きかも……? ストーリーの打率が高い。

これまでの国イベに登場したキャラクターが多く活躍し、後日譚の側面もあるので、過去作を色々読んでいる方が楽しめるストーリーです。

 

 今回は、クエスト画面がめちゃくちゃ凝ってましてね! 非常にかわいい!!

↑ 感性が女児ゆえ、ミニチュアとかジオラマとかドールハウスとか食品サンプルとか眺めているのが割と好きなので、テンション上がる。

 サ終後もストーリーは読めるようですが、「レネとアミャダ紅茶店」だけはゲームができるうちに遊んでおいた方が良いです。是非とも。まだ間に合う!

 

 あと普通に紅茶も好きです。妖精さんの紅茶屋さんてあざとすぎるやろ。

↑ 二人の紅茶飲みたい。

 

 この外伝では、基本的に妖精の国・春の丘の子どもの日常を描きます。優しい世界です。『どうぶつの森』とか好きな人はきっと好きだと思う。でもモデルは『ごちうさ』とかか?

起承転結がハッキリした活劇も素敵ですが、メルストは折角世界設定が凝っているのだから、それを活かして単に日常を追うだけで絶対楽しいですよね。

 ただ、起伏のない日常の物語は描写するには単調になりがちなので、「過去に活躍したキャラクターをお客さんとして招く」という構成にしたのは非常に優れていると感じました。

 

 そして、メインキャラクターのレネちゃんがめっかわであります。

↑ 無愛想寄りの幼女とか普段は全然好みの域から外れるのですが、これは流石に可愛すぎる。背景もめちゃくちゃ可愛い。

 冷静で有能な少女ですが、実はお父さん大好きな一面も子どもらしさがあって超可愛いです。「パパ」呼びじゃなくて「お父さん」呼びなのがガチでポイント高い(伝われ)。

 

 こういうタイプのイベント、またやって欲しいな~と思っていたのに、サ終だと。なんてこった……。

 

砂漠4rd 渇寞に伏す彊縁の遺祈と神望の到りし祝福

 最後にご紹介するのは砂漠4thです。国イベのタイトルは難解なのも多いですが、こちらはトップレベル。旧字変換できなかった……。

 砂漠4thの登場キャラクターは、「シャペルルルの魔法絵本」という別イベントで配布になった5人をメインとします。彼らの掘り下げを行うような形のストーリーになりました。人助けの為、砂漠の国を巡る王子ご一行の物語です。

 

 今回選んだ理由も、ストーリーというよりキャラクターかもしれません。

弊ブログの読者さんなら何故このストーリーをここに挙げたのか瞬時に理解できると思いますが、なんでもできるスーパー王子と、彼に焦がれる限界ブラコンという組み合わせに、有り得ないほど既視感を覚えまして……。なんかそれ、ほぼ毎日見ている気がするんだけど……。

↑ わたしのメインジャンルの推し。実在した「なんでもできるスーパー皇太子」です。弟はメルストと同じく限界ブラコン。

 殿下とブラコン大公、メルストフィルターが掛かるとこうなるのか~……なるほど~……と終始唸りながら読んでいました。

↑ メルスト界のスーパー王子、イルハーレ。凄まじい既視感を覚えながら読んだ。

 砂漠4thのライターさん、同担ですか?? そうでないなら今から同担になろう。イルハーレ王子とハーメディ君が好きな人、絶対殿下兄弟のこと好きだから。沼底でお待ちしております。

 

 メインストーリー2部の「砂漠の国編」では、彼らは登場しません。成長物語を描く上で、有能キャラは邪魔になるので排除されたのは大変よくわかるのですが(従者たちもキャラ濃すぎだし)、彼らが参加していたIFではどうなっていたのか、非常に興味があります。ネメトケスさんからの評価聞きたいし。シェンルゥ、その世界の可能性を教えてくれ~。

 

 メインテーマとしては、絶対君主制VS共和制みたいなことをやんわり濁しながら意見を戦わせていて、政治クラスタは絶対好きです。最近のメルスト政治(特に君主制クラスタに優しい。

 

 

 好みの国イベについて、ザッとご紹介して参りましたが、ご興味惹かれるものは見つかりましたでしょうか。

こうやって見直すと、驚異の2nd率。まあ、2nd配信当時一番やりこんでいたというのもあるんですけど。

 

 他に人気なのは、「死者1st」「空1st」とかですかね~。初期の作品ですが、非常に根強い人気があります。

 皆様の好きなイベントがどれなのか、是非とも教えてください。

 

メインストーリー第二部

 最後にメインストーリーの話を軽くして締めます。そう、国イベはあくまでサブストーリー。メインは別にあるのです。ボリューミイすぎないか、メルスト?

 

 正直に言って、第1部はハマれず斜め読み状態で、「やっぱメルストは国イベっしょ」と思っていたのですが、第2部、面白いです。第1部で脱落した人は、騙されたと思って第2部で戻ってきて欲しい。純粋に質も上がったと思うし、個人的にわたしの好みの展開になった……。

 第2部では話のスケールが上がり、未曾有の危機に対抗すべく主人公たちは各国を巡り、国家元首たちを説得して、世界会議(国連的なもの)の開催を目指すストーリーになります。国連の研究をやっていた当方、大歓喜。既視感満載ですし、そういう政治の物語がわたしは大好きです。ライターさん、同窓か?

 

 第2部は初期から面白いんですが、前半は多少冗長なところもあります。丁寧なのは良いけど、もう少し削れそうだな……みたいな。後半は尺が足りなさそうで、展開が速いので、余計にそう感じるのかもしれません。

 「動物の国編」や「常夏の国編」など、少し毛色の違う短めのストーリーを挟みつつも、基本は前後編でボリューム満点なシリアス展開を描きます。最終的にはハッピーエンドになるという確信があるのにハラハラさせられるのが凄い。

 

 特に政治色が強いのが「少数民族の国(激動)編」で、この国はメインストーリーでも面白かった。隙が無いな!

 めちゃくちゃザックリ言うと、「防ぎようのない災害で亡国になった小国の賢君が、国を取り戻すために隣の強国の君主と巧みに駆け引きしながら国の再建を目指す話」です。わたしの性癖には合致していますね。合致しすぎて初見の時動揺した。そんなん好きに決まっているが、万人受けするのかとても心配になった。でもうちの読者さんは絶対好きでしょう。

 その「小国の賢君」というのが、前述の邦王ハルサルヒなわけですね。

 「全ての人と共存し生きていきたい主人公」と、「自国民を最優先で考え、国民とそれ以外の扱いに差が生まれてしまう王」の対比の描写も良かったですね。

 民を守るためならばと隣国に忠誠を誓って属国化を受け入れることを検討したり、王自ら捕虜に近い扱いを受けることを許諾したり、様々な交渉や葛藤が描かれます。最高。

↑ 夢邦民量産機。私と私の国を統治してください。

 ちなみに「ハルサルヒ(хар салхи)」はモンゴル語で「台風」を意味するので、彼は中国系ではなくモンゴル系だということがわかります。(ちなみに何故か弊ブログには一本モンゴル語翻訳記事がある)。腹出しに気を取られがちですが上着もよく見るとモンゴルの民族衣装デールです。

「モンゴルの名君」といえば某大帝国のハンが思い浮かびますが、ハルサルヒたちは遊牧せず、小さいながらも肥沃な「邦」を治め定住しています。

 いやしかし、「國」のモデルが明確に中国であることを考えると、これってイマジナリーモンゴルとイマジナリー中国が敵対したり共同戦線張ったりする話なわけですよね。激アツ!

 

 対する「國」のトップであるファルゥン様も、底の見えない性格で良いキャラしています。可愛い顔をして、老獪な狸のようにすっとぼけたりしながら相手を翻弄します。

↑ この人も夢國民製造機。彼女はメルスト界の中国の長。

 いやはや、流石ハッピーエンド至上主義のメルスト、君主・政治家キャラがみんな国民思いで賢くてカリスマ性があって、羨ましいことこの上ないぜ。

 前述のように、第2部は各国の国家元首を説得して回る話というだけであって、各国の君主や政治家がお目見えします。皆タイプは違いますが、それぞれ名君で、見ていて気持ちが良いです。

名君たちが相手の腹を探り合いながら議論を進めていく様子は、個人的にはめちゃくちゃ面白いのですが、派手なアクションなどが読みたい層にとっては物足りないのかもしれない。わたしと好みが似ている層は絶対好きだと思います。

 皆さんの推し君主は誰ですか? 一番ベタなところ選んじゃって申し訳ないけども、でもゲームシステム的にも「自国の旗を武器に一番前に立つ王」とかいうの、流石にアツすぎて……。

 

 

 勿論、他の国編も面白いですよ。第2部の主人公パーティはみんなキャラが立っていて、離ればなれになりスピンオフ状態になっても話がダレません。おテオちゃんかわいい。

 原点回帰して「旅」を描く旅情編も好きでした。

 ゼロ総統は、「寿命の短い天才」枠ということで、色々思うところがあるし……。機関(恐竜の国)編で一応の解決が図られてよかった。

 最新章ではエクシ君が浄化され、普通に泣いた。彼はさ、普段の口調を「~ッス」にしたことによって、シンプルな敬語の破壊力が高すぎるんだよ。エルピスに敬語使ってるのなんか滅茶苦茶刺さった。これからは仲良くしてください。

最近はもう大団円に向けて直進していて、寂しいです。え、マジで終わるの? 第3部やってもいいよ。

 

 一旦、こんなところでしょうか。月末に最終章が来るのが怖すぎます。

皆で見届けましょう!

 

最後に

 通読ありがとうございました。1万5000字ほど……。えっ、書きすぎでは!?

まあ、11年もお世話になったゲームともなれば、それくらい書くことはあるか……、書こうと思えばもっと書けるけど……。これでも削りました。

 

 Twitter のアカウントを変えてからメルストプレイヤーであることを公言していませんでしたし(旧垢では多少考察とか書いていた気がする)、記事でも触れたことがなかったので、意外に思われた方もいるかもしれません。が、この記事を読んで「うわ~~茅野が好きそう~~」になったかと思われます。はい。ちょっと恥ずかしいね。

 

 是非とも感想をください。この記事に関してでも、ゲームのストーリーそのものに関してでも結構です。匿名が良い方はマシュマロから。

 

 残念ながらメルストは来月にサ終を迎えますが、それまでは遊べますので、今からでも遅くないので関心を持った方は遊んでみてくださいね。今は初心者にもすこぶる優しくなっていますので。

わたしは離脱していた時期も長い中堅ですが、わからないことがあったらお尋ねください。

 

 それでは、今回はここでお開きと致します。また次の記事でお目にかかれれば幸いです!