こんばんは、茅野です。
先日は新国立劇場のダブルビル公演『夜鳴きうぐいす / イオランタ』にお邪魔していました。いや、ロシアオペラ取り上げて頂いて嬉しいですね。充分嬉しいのですが、来期ラインナップに1つもないのが寂しい欲張りだったりもします。何故ないんだ……飢えるぞ…………。
お伺いしていたのは初日と千秋楽で、千秋楽では人身事故による電車の運休により冒頭を観そびれるというアクシデントがあったものの、愉しむことができました。わたしがロシアオペラ好きであることは広く知られている(……?)ので、「ロシアオペラだよ!! 行こうよ!!」と声を掛けたところ、7人ほどが付き合ってくれました。感謝の極みです。一方で、それでも席ががら空きで、大変悲しくなりました。「ロシアオペラをやってくれ~~!」と叫んでいる身で、劇場側が上演してくれているのだから、我々観客側が劇場の期待に応えねば……とおもうのですが、なかなか難しい。余り役に立てずスミマセン。でもロシアオペラやって欲しいですね。
公演の感想としては、Twitterでは軽く述べたのですが、何よりもタイトルロールのお二人が素晴らしい! こんなに優れた歌手がいるのだから、どんどん登用すれば良いのに……という気持ちが強まりました。一方で、「普段はイタリアオペラばかり歌っているんだろうなあ……」と思わせる方が何名かいらっしゃったのが多少気になったことと、ヴォデモンはもう少し頑張れたのでは……とおもってしまいました。ロベルトはとてもよかったです。それから、オケ、特に金管が絶好調で、よく鳴っていました。時には鳴りすぎて歌を掻き消すぐらいによく鳴っていました()。その前の『ワルキューレ』ではオケが弱く、特に『騎行』の辺りは残念に思っていたので、そちらの方でこれくらい鳴らして欲しかったなぁ……とおもいつつ。
こんな感じでしょうか。大方の観客と同じ感想だとおもいます。詳しくは三島先生の記事に素晴らしいレビューがあるので、是非ご覧になってください。↓
さて、7人ほどの勧誘に成功した、と書きましたが、その際、「オネーギン公演の時みたいに解説付けてくれるんなら行く」と抜かしてきた後輩がいたので()、似たような解説スライドを作っていました。
↑ オネーギンの時に作成した解説スライド。
わたしはロシアオペラには好きな作品が多いですが、特にオネーギンが滅法好きなのであり、 他の作品ではそんなに凝った物できないよ、と告げていたのですが、そんなものでもなんとかお喜び頂けたようです。よかった。
低クオリティなのでこちらに上げるつもりはないのですが、こちらで解説したなかで、二点書いておこうとおもい、記事にしております。
まず一点目がこちら。『イオランタ』の解説の中で、チャイコフスキーの11のオペラ作品と、3のバレエ作品を簡単な年表にした一枚を作成しました。
チャイコフスキーの年表なんて、巷に溢れかえっておりますが(研究者の皆様ありがとうございます)、意外と視認性に優れた、且つ、舞台作品に絞ったものは見かけないよな……とおもい、作ってみました。
そして、それを深夜テンションのままTwitterに投稿したところ、謎のプチバズ。
めちゃくちゃわかりやすい図を作ってしまった…… pic.twitter.com/CirGaAHgkz
— 茅野 (@a_mon_avis84) April 9, 2021
こんなに!! ふぁぼが付くのに!! 何故!! こんなに!! 客入ってなかったんだ!!!!! 皆様ほんとはチャイコフスキーのオペラ興味ないんでしょ……知ってますよ……(いじけ)。
チャイコフスキーが数多くのオペラ作品を手掛けていることは、残念ながらあまり知られていません。正直なところ、わたし自身『チャロデイカ』などは全然詳しくないです。しかしながら、だからこそ、上演の機会が増えれば良いな……と思う次第です。特にオネーギンやってください。宜しくお願い致します。
二点目。パンフレットなどでも記載がありましたが、『夜鳴き鶯』を作曲したストラヴィンスキーはリムスキー=コルサコフに師事していました。そのことから、同時期の二人の作品には類似点を見つけることができます。
『夜鳴き鶯』の鶯のアリアを最初に聴いたとき、「あれ? この旋律……どこかで……」とデジャヴュ感が。まずはこちらを聴いてみて下さい。
こちらが鶯のアリア。サビーヌ・ドゥヴィエルの歌唱はやはり素晴らしい……。役にも合っているとおもいます。
そしてこちらを続けてお聴き下さい。どうぞ。
こちらはリムスキー=コルサコフ『金鶏』の『太陽への賛歌(シェマハの女王のアリア)』。アイーダ・ガリフッリーナによる歌唱です。わたしがはじめて『太陽への賛歌』を聴いたのが彼女の歌唱で、一目惚れならぬ一聴惚れ。いいですよね……。
……冒頭部が、ほぼ同じであることにお気づきでしょうか!?
↑ 鶯のアリアと……。
↑ 『太陽への賛歌』……。
ごく簡単に調べた程度だと、指摘している人を見かけなかったので……。作曲時期もほぼ同時ですし、意図的にオマージュした可能性も高いのではないかとおもいますが、この辺り詳しい方がいらっしゃったら、是非ともご教授頂きたいです。何かわかり次第、追記させて頂きますね。
最後に
以上になります。通読ありがとうございました。今回は珍しく短く、2000字強。元々書くつもりがなかったもので……。
いやしかし、ロシアオペラはやはり良いものですね~! 無限に浴びたい。次は是非リムスキー=コルサコフ作品を……。『夜鳴き鶯』ときたら次は『金鶏』でしょう! 現実的ではないことは重々承知していますが、それでも願わずにはいられない……!!
では、一旦締めさせて頂きます。ありがとうございました。