こんばんは、茅野です。
もう9月も後半戦という時の流れの速さに戦いております。
さて、今回は久々に『ウマ娘』から。前回の『ウマ娘』の記事は大変に好評を頂き、誠にありがとうございます。
↑ アプリ『ウマ娘 プリティーダービー』に登場するテイエムオペラオー君が話すオペラネタを解説した記事です。
スターのみならず、お布施して下さった方々、実際に劇場に足を運んで下さった方々、また、劇場で愚生にお声がけ下さった方々……ここで改めて感謝をお伝えしたく存じます。ありがとうございます! 引き続き宜しくお願い致します。
『ウマ娘』はぽつぽつ続けておりまして、育成ストーリーにオペラオー君が登場しそうなキャラクターを集めております。具体的には、フジキセキ、メイショウドトウ等ですね。しかしながら、彼女らの育成ストーリーにオペラー君自体は登場するものの、オペラネタはなく……。よく「他のキャラクターも集めてオペラ解説記事の続きを書け」という旨のメッセージを頂くのですが、イヤッ、集めておりますよ!? わたくしだって記事書きたいんですよ!? でも、そもそもオペラオー君がオペラネタを喋ってくれないので、わたくしの出る幕はないわけです。ご要望はわたくしというよりウマ娘運営に仰って頂いてですね……。わたしも直談判をするか……。
従って、あれ以降更新がなかったのは、書くに書けなかったからなのです。しかし、しかしだな……出てしまった、アグネスデジタルというウマ娘がな……。
↑ いらっしゃいませ!
何を申し上げたいかはもうご理解頂けたでしょう。はい。お伝えしたいことがあります。
とはいえ、アグネスデジタルの育成ストーリーはオペラではなく、オタク用語や哲学がメインになっています。従って、今回は、「アグネスデジタルの哲学トークその他を解析する」と題しまして、哲学のネタも拾いつつ、その他小ネタを拾い、解析していこうかなと思います。
わたくし、哲学はイスラーム哲学しかご縁がなく、西洋哲学や中国哲学は範囲外なのですが……。差し出がましいことをしていると思いつつ、今回は一つどうしてもご紹介したい点があるので、一筆やることに致しました。お楽しみ頂ければ幸いです。
【注意書き】
・考察・解説記事ですので、当たり前にネタバレを含みます。
・考察なので、必ずしも正しいとは限りません。深読みもします。
・漏れ・抜けがあったらすみません。
それではお付き合いの程、宜しくお願い致します!
ストーリー第1話
アリストテレス『詩学』
―――古代の哲学者は云った。『あわれみとおそれを通じて得られる喜びこそ感情の浄化、カタルシスである』と。つまり―――。
ストーリー1話の冒頭でエピグラフ的に引用されるこの一言。ここでの「古代の哲学者」は高名なギリシアの哲学者、アリストテレスでしょう。カタルシス(浄化)についての言説があるのは『詩学』第6章です。
「あわれみとおそれ」という語からもわかるように、カタルシスについての話があるのは、「悲劇」との関連です。ギリシア悲劇といえば、三大悲劇詩人: アイスキュロス、ソフォクレス、エウリピデス。個人的にはアイスキュロスがすきなのですが、アリストテレスは後者二人を高く評価していたようです。ちなみに、ギリシア悲劇もオペラの題材として好まれ、『オイディプス王』や『メディア』などの作品が生まれています。
また、あのフリードリヒ・ニーチェの著した『悲劇の誕生』では、ギリシア悲劇について掘り下げられており、一方で読みやすく、蒙が啓ける感覚が堪らないのでオススメします! ネットに落ちている解説を読むよりも(特大ブーメラン)、こちらの方がカタルシス論の解説として優れているやもしれません。
ニーチェという哲学者は余りにも有名ですが、彼が若い頃ギリシア哲学を研究していたことを知っている方は意外と少ないのではないでしょうか。作中では、ワーグナーを芸術界の希望の光として捉えており、オペラファンとしても馴染み深い作品です。
ちなみに、デジたんが引用しているこちらの訳は松本仁助先生・岡道男先生のものだと思われるので、岩波文庫版をご紹介しておきますね。ヤバい、岩波文庫の回し者みたいになってきた……(岩波文庫様!! すきです!! いつも読んでます!!!!)。
育成
アリストテレス『ニコマコス倫理学』
古代の哲学者は云った。『愛というものは、愛されることによりも、むしろ愛することに存する』……と。
愛に纏わる有名な格言ですね。こちらも先程に続き、「古代の哲学者」とはアリストテレスを指します。出典は『ニコマコス倫理学』の第8巻3章でしょうか。『ニコマコス倫理学』は10巻からなるアリストテレスの思想を纏めた難解な書物ですが、このうち第8-9巻は「愛」についてで、よく引用されます。
アリストテレスの「愛」の哲学で重要になってくるのが、「自己愛」の要素。ここから繋がる「他者性」の議論は、トマス・アクィナスなどに繋がってゆきます。ちなみに、彼らはイスラーム哲学に於いても多大な影響力を及ぼしています。
「自己愛」というと、どうしてもデジたんの最推しでもあるオペラオー君を想起してしまうのですが、それも計算の内……なのか……?(オペラオー君担当トレーナー特有の深読み)。
デジたんの「推し活」がアリストテレス哲学を基盤としているにしても、実際には、デジたんは異様なまでに腰が低いですし、またアリストテレスが重視した「理性」も欠如しがち(?)です。従って、デジたんはこの「自己愛」の論説を脱線しているとも考えられます。それが "矯正" されていく物語とも読めることを考えると、育成中にのみ聞けるこの引用は素晴らしい効果を持っていると言えるでしょう。自己を愛してこそ、別の自己、他のウマ娘ちゃんを愛せるのだ。
デジたんが引用しているこちらの訳は恐らく高田三郎先生のものが元だと推察されるので、先程と同様岩波文庫版をご紹介しておきます。10巻……というと気が遠くなりますが、こちらは上下巻なので求めやすいはずです。
一流の条件
『さまよえるオランダ人』
ひっ……! い、いえ……。
残っています! 幽霊船フライング・ダッチマンの灯のようにッ、揺らがないものが!
オペラネタ キタ――(゚∀゚)―― !! 待っておりましたとも!!!!!!!
幽霊船、フライング・ダッチマンは西欧に伝わる伝説です。オランダ人の男が、神を呪った罰により、永遠に死ぬことができず、ひとり幽霊船に乗って彷徨い続ける―――という悲しい伝承です。
伝承自体も西欧では知名度がありますが、この伝説が有名になったのは、そう! ワーグナーがオペラ化しているからです! それこそが、『さまよえるオランダ人』!
序曲がほんっっっとうにカッコいいので、まずはこちらを聴いて頂きたく……!
↑ 何度聴いてもかっっっこいいですね、この曲が嫌いな人はいませんね(主語の大きい見解)。
オペラ『さまよえるオランダ人』は、ワーグナーの初期の作品で、ワーグナーらしさと申しますか、彼の「核」のようなものが明瞭に現れており、また凝縮されている作品です。人気も高く、ワーグナー作品にしては上演時間も短め(2時間強)なので、ワーグナーオペラの入門に大変オススメ。
後の『ワルキューレ』などを思わせる、力強いオランダ人の動機(モティーフ)! 「乙女の愛による救済」という、ワーグナーにお馴染みの主題! 正に王道の作品となっております! 観るっきゃないですね~!
まずは知識の外堀を埋めたい……という方には、リブレット(歌詞と台本)も出ているので、是非併せてご覧下さい。今日のトレーニングは賢さ Lv.2 で決まり!
「よし! じゃあ実際に観てみるぞ!」と決意を固めて下さった方。実はですね、我らが東京の新国立劇場さんが来年2022年1月に上演致しますので、お近くにお住まいの方は、是非劇場で! 生で! 堪能くださいませ。25歳、39歳以下の方はお安く観られる席が出ると思いますので、お見逃し無きよう!
↑ 勿論わたくしも参る予定です。今から楽しみ~。
「東京は遠い!!」「一月は忙しい!!」という方、勿論ワーグナーオペラですからね、日本語字幕付きの映像も沢山あります! オススメはこの辺かしら……この間の来日公演で、我らオペラ『エヴゲーニー・オネーギン』オタクたちの魂を鷲掴みにした、ファビオ・ルイージ指揮です! 如何でしょう!
うーむ、オペラオー君は『さまよえるオランダ人』に出るなら何役なんだ!? タイトルロールのオランダ人か、それとも乙女ゼンタか!? デジたん……上演の際には、共に最前列に……イヤ、オペラの場合音の響きがあるから後方の方が……!? 選べません~~~!!!
………………。
……はっ! すみません!!
調子に乗りました、すみませんんんっっ!!
(「”推し”みない愛を推しに!」より)
いやしかし、しかしですよ、こんなにオペラオー君が登場しているのに、オペラネタがオペラオー君ではなくデジたんの口から発されるとは……。想定の範囲外です。
公式が最王手すぐる件
『ローエングリン』
(同日追記)
テイエムオペラオー: アグネスタキオンさん! 君に決闘を申し込む!
アグネスデジタル: ヒョワァアアア~~~ッ!? 決闘の手袋!? 激燃えシチュキターーッ! オペラオーさんとタキオンさんの決闘!! フォオオッ、全ヲタクの妄想が現実にッ!! (中略) そう……この決闘は例えるなら、騎士団長と魔法師団長の決闘!! んは~~ッ、萌え要素しかないですわ~!
(中略)
テイエムオペラオー: ……おや? デジタル君は浮かない顔だね?
アグネスデジタル: 決闘……ギリィィ! 見たかったッッッ!!
テイエムオペラオー: はっはっは! なるほど、ボクの勇姿を見られなくて落胆しているのか! ならば歌劇『ハオーエングリン』を上演する際は、必ず君を招待しよう!
アグネスデジタル: ヒョオオ! ありがたき幸せ!! 涙拭く用のバスタオルを用意して参加します!
見逃していたところ、フォロワーさんに教えて頂きました。ありがとうございます!
こちら、明らかに前回のオペラオー君の記事でご紹介した、ワーグナー作曲『ローエングリン』に引っかけていますね……。それにしても、ハオーエングリンて。
『ローエングリン』は前回の記事で解説しているので、詳しくはそちらをご覧頂きたいのですが、少しお浚いすると、確かに作中で決闘するシーンがあります。剣による決闘です。オペラオー君の育成ストーリーでは、『ローエングリン』の話が2回登場するため、オペラオー君が特に愛好しているオペラと捉えることもできます。
又、「騎士団長」というのも、前回の記事でお話しておりますが、恐らくモーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』からでしょう。
『エヴゲーニー・オネーギン』
いやしかし、オペラで決闘で手袋を投げつけるといえば、それはもう勿論、わたくしの人生狂わせているロシアオペラの最高傑作、チャイコフスキー作曲『エヴゲーニー・オネーギン』ですよ!!! 『ローエングリン』では原則手袋投げありませんからね。『オネーギン』の方でも、リブレットに指定があるわけではありませんが、決闘を申し込むシーンで手袋を投げつける演出が慣習となっています。わたしのようにこの作品に狂っているわけではなくとも、「オペラ」「決闘」「手袋」という条件が揃えば、『オネーギン』だ! となるのではないでしょうか?
こちらのオペラ映画版、映像も美しいので取り敢えず3分間だけでもご覧頂いて宜しいでしょうか?? 手袋投げるので……。何ならその後の第二場で銃による決闘を行うので、良ければそこまで観てください……。甘美な音楽と素晴らしいドラマ性に酔いしれましょう……!!
↑ やっぱりこの作品が最高なんですよ。そうなんです。この映像、俳優さんがみんな解釈一致すぎてすごい。お時間あればこの動画全部観てほしいですね……。
あぁぁぁ~~~っっ『オネーギン』をご紹介できて大変嬉しい……(※筆者は『オネーギン』を人生を賭けて推しています)。今度は絶対に、オペラオー君の口からハッキリと! この作品のネタを喋って貰うからな……!!!!!
↑ 『オネーギン』、もし興味を抱いて頂けましたら、解説を書いているので参考にしてください。併せてご覧頂くと、上記の動画で何を話しているかなど何となく見えてくるかと思います。
今回だけはどうしても
フランシス・ベーコン『ノヴム・オルガヌム』
―――中世の哲学者は云った。
『周囲の声に惑わされるな。”偶像”に共感することなく進め』と。
学がないので完全にドンピシャなものを見つけることができなかったのですが、恐らくは、イギリスの哲学者フランシス・ベーコンのイドラ論が元ではないかと推測されます。
「イドラ」とは「idola」と綴りまして、勿論「idol(アイドル)」の語源となっています。ベーコンの「イドラ」は、「アイドル」や「偶像」というより、「先入観」や「偏見」と解されます。こう訳した方が、デジたんの言葉の意味も捉えやすいような気が致しますね。
しかし、ベーコンは「中世」ではなく「近世」の哲学者、という点がネックです。彼は16-7世紀に活躍した哲学者で、これは一般的なヨーロッパ史の区分だと「近世」に入ります。一方で、例えばフジキセキの育成ストーリーでは、明らかにマリー・アントワネットがモデルになっている物語についても「中世」と言っているなど、アプリ『ウマ娘』全体が歴史区分の認識が甘いという推測もできます。わたしは普段「近代」(主にフランス大革命から第一次世界大戦まで)を好んでいる身で、時代がズレるからまだよいのですが(?)、中世ファン・近世ファンをあまりヒリつかせない方がよいのでは……と余計な心配をしています。
閑話休題。ベーコンのイドラ論が展開されるのは、『ノヴム・オルガヌム』という、何だか発音しづらい書です。ここまできたら、全て岩波(青)で揃えます! というわけで、ご興味を抱いて下さった方はこちらからどうぞ!
世界のオールラウンダー
孔子『論語』里仁篇
子曰く、吾が道は己を貫き……。
こちらは大変わかりやすいですね。孔子とその弟子になる『論語』です。小学校で、「子曰く……」と暗誦させられた記憶がある方も多いのではないでしょうか、わたくしも小学4年生くらいの頃にやらされた気が致します。
こちらはデジたんの方が読み下し文の方で言ってくれているので、意味はわかりやすいですね。白文(原文)は、「子曰、參乎、吾道一以貫之。」になっています。
こちらの格言があるのは『論語』の中でも「里仁篇」と呼ばれる第4章。第一文が「子曰、里仁爲美。(子曰く、仁に里るを美しと為す)」である所から来ています。この一節の解釈には幅がありますが、「徳に基づいて行動するのは善いことだ」とか、「徳のある人々が多く住む里は美しい」のように解釈されます。
里仁篇は、全体的に「徳(仁)」に纏わる言説が多く、「徳を積む」ことを重視しているデジたんとの相性はバッチリ! というわけです。
これを期に『論語』を再履! よきですなぁ~。
その他
ついでなので、アグネスデジタル育成ストーリー以外で出てきたオペラネタを2篇、纏めておこうとおもいます。
『ロミオとジュリエット』
いつか大舞台で相まみえる日も来るだろう。
おお、アヤベさん! 君はなぜアドベじゃないんだい?
メイショウドトウ育成ストーリー、「出現! 孤高の新星」より、オペラオー君の台詞です。
わかりやすいですが、恐らくシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』より ≪O Romeo, Romeo! Wherefore art thou Romeo?(おお、ロミオ、ロミオ! あなたはどうしてロミオなの?)≫ を引っかけているのでしょう。
こちらは、勿論元はシェイクスピア演劇ですから、演劇として著名な作品。次点で、バレエでしょうか。プロコフィエフによる音楽が非常に有名です。こちらの曲、耳にしたことがあるはずです。
↑ 個人的にはグリゴローヴィチ版が好きなのですが、今回ご紹介するのはマクミラン版。サムネのギャリー・エイヴィス様がイケメンすぎる……。
一方で、オペラ化も一応はされているものの、著名ではなく……。従って、オペラオー君が「オペラネタとして喋っている」とは少々解しづらいのが寂しいポイントです。
オペラは、フランスの作曲家シャルル・グノーにより作曲されました。散々知名度がないとか言ってしまいましたが、実はすっごく綺麗な作品なのですよ!! 特にこの第四幕の愛の二重唱なんか、すっごく綺麗じゃないですか!?
↑ ロミオ役のロベルト・アラーニャが凄く若くてちょっと面白い(1994年の映像です)。
Toi, toi, toi...
Toi, toi, toi...―――
(中略)
……両親から教わった、ドイツのおまじないです。
机を3回叩きながら、『toi, toi, toi……』と繰り返す。その音で魔を祓い、幸運を守ってくれるそうです。
エイシンフラッシュのストーリー第2話です。この『toi, toi, toi』というおまじない、本人が説明してくれているように、確かにドイツのおまじないなのですが、実はこれ、現代ではほぼ舞台用語と化しているほどに、舞台関係者の間で使われている言葉なのです。出演者に向かって「toi, toi, toi!」。舞台袖からよくこのように声を掛けますし、現代であればTwitterなんかで伝えることも多いです。ドイツ発祥ですが、国籍を問わず用いられます。特にオペラでは多いと思いますね。
完全に余談ですが、エイシンフラッシュの言う「マイスター」といえば、オペラ界では勿論! ワーグナーの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』!
↑ ゲームファンの間ではイントロが「ドラ○エっぽい」でお馴染みの序曲。
ドイツ繋がりということで、オペラオー君とエイシンフラッシュの共演……アリでは……?
余談
ここからは完全に余談になります。4月の時点(前回のオペラオー君の記事を書いた時)では衣装を変えての「二周目」という概念がなかったので書けなかったのですが、これは近々オペラオー君の衣装替えが来るという認識で宜しいのですよね……?! そう思ったとき、「是非オペラネタも拾って欲しい!」と思い、オペラオー君と相性が良さそうなオペラの役を二つご紹介したいのです。最後にもう少しだけお付き合い下さい。
『ドン・カルロ』よりエボリ公女
わたくしが一推ししたいのがジュゼッペ・ヴェルディ作曲『ドン・カルロ』よりエボリ公女。『ドン・カルロ』は近世スペインを舞台にした物語で、史実の人物などが登場する歴史劇。
エボリ公女は実在の人物で、知性溢れる才能豊かな絶世の美女として高名だったのですが、フェンシングで右目を突かれ失明してしまい、以後黒い眼帯をしていた……といわれる女性です。
↑ 肖像画。
右目に眼帯。もうおわかりですね。オペラオー君の史実の有馬記念です。「オペラ」「才能溢れる美女」「右目を負傷」……と、非常に共通点が多いので、とても相性がよいのではないかとおもうのですが、如何でしょうか!
エボリ公女といえば、『美しきサラセンの庭で』という、メゾ・ソプラノ界屈指の超絶技巧を必要とする一曲。個人的に大好きな一曲で、メゾ・ソプラノの曲で一番好きかもレベルです。是非……。
↑ タチヤーナ・トロヤノスがまた最高なんだわ……。
『ばらの騎士』よりオクタヴィアン
わたくしはオペラオー君を「限界オペラファンの同志」であると思い担当させて頂いているわけですが、恐らくは大半のオペラオー君担当トレーナーさんが、彼女の中性的な魅力に惹かれているのだろうということは流石に弁えているつもりです。
オペラ作品では、女性が男装をして演じる役(所謂「ズボン役」)が幾つもあります。その中でも特にキャラクター人気が高いのが、リヒャルト・シュトラウス作曲『ばらの騎士』より主人公オクタヴィアン。
↑ 右がオクタヴィアンです。イケメン。
「オペラ」で「ばら」で「騎士」で「男装」ですよ。これもう完璧でしょ(確信)。
『ばらの騎士』は20世紀の作品でありながら、古典的なモーツァルト作品を意識して書かれた宮廷恋愛劇です。騎士オクタヴィアンと、元帥夫人マリー・テレーズ、若き令嬢ゾフィーの三人を巡る三角関係が中心となりますが、オクタヴィアンを女性が演じることからも、何と申しますかこう、「百合百合しい」匂いが立ち籠めるちょっと官能的な演目です。というわけで、最後の美しい三重唱をどうぞ。
ちなみに、官能的といえば、この演目、いきなりオクタヴィアンと元帥夫人のベッドシーンから始まるんですよ(完全な下ネタという感じではなく、官能の匂いがする程度です)。ヤバいですよね。オペラ、意外と「そういうの」もあるので、是非色々な演目に触れて楽しんで頂きたいです!
最後に
通読ありがとうございました。最後、手が滑って全く関係ない話をしてしまった……。スミマセン。今回は控えめ(?)で9500字です。
前述のように、わたくし哲学は専門外ですし、3時間ぐらいでガーッと書いた走り書きなので、内容に不備等ありましたらお詫び申し上げます。後は専門家の方にお任せします。
いやー、オペラオー君のオペラネタからしか摂取できない栄養素があるので、是非今後オペラオー君にオペラネタもっと喋って貰いたいですね……。待ってます……。
今後、オペラオー君が出てきそうなのはアドマイヤベガ、マンハッタンカフェ、エアシャカールの育成ストーリー辺りでしょうか……。結局課金することになると思うので、お布施↓ を検討して頂けると、わたくしが記事を書きやすくなります()。もし宜しければお願い致します。
アグネスデジタルのストーリーは、先行配信されていたメイショウドトウのストーリーを読んでからだとより楽しめる作りとなっており、オペラオー君~デジタル世代ファンにはたまらない展開だったのではないでしょうか。わたくしも久々に『ウマ娘』記事が書けて満足致しました!
また何かありましたらコメント、TwitterのDM、メール等幅広く門戸を開いておりますので、お気軽にお寄せ下さいませ。それではお開きとしたいと思います。お付き合いありがとうございました。