こんばんは、茅野です。
今、心の底から思っていることがあります。
映画『Союз спасения』が観たい!
ということです。こちらはまだ公開されていないロシア映画で、6日ほど前に情報が公開されました。
邦題がどうなるかはわかりませんが、基本的な日本語の資料ではСоюз спасенияは「救済同盟」と訳されることが多いので、わたしは勝手にそう呼んでいます。露語、英語、日本語でも検索は掛けたんですが、当映画について日本人で話題にしているのが今のところわたしくらいだったので、わたしが日本に於ける当映画の第一人者です(迫真)
そもそも日本で公開されるかどうかが謎なんですよね。してください。
今回はその『救済同盟』について少しだけ書こうと思います。宜しくお願い致します。
映画『救済同盟』とは
まずはこちらをご覧下さい。
↑一週間前に公開された予告編。
こんなん観せられて観たくならないオタクがいます???
そういうことです。言葉は要らない。これは観なければなりません。
Instagramを眺めていてたまたまこの映画の情報が流れてきて、調べたところこの予告編じゃないですか。だめですよこれ。
当映画は、デカブリストの乱についての物語です。どこまでフィクションを織り交ぜてくるのかわかりませんが、予告編だけ見ると軍事的・歴史的考証は問題なさそうです! 時代考証もゴリゴリに詰めてくれるとわたしはとっっっても喜びます。
デカブリストの乱ですよ。1825年12月ですよ。そんなの好きに決まってるじゃないですか!!!(※筆者のメインは1820-1840年代の帝政ロシアです。)
もう楽しみで楽しみでしょうがないんですよね。なのでこうやってもうほんとうに意味も無い記事とか書いちゃってまあ恥ずかしい。
いやでもこの予告編を見て下さいよ。この記事で一人でも「これ観たい!」って思って下さった方がいたらもうそれでいいです。回し者じゃあありませんが。
ちなみにこちらが公式サイト。全ロシア語ですがレイアウトもかっこいいので是非観るだけでも!
問題
但し、問題がふたつあります。
一つは公開日。
2019年12月26日。
まあ舐めてんのかと。明日にでも公開してくれ(無茶ぶり)
まあこの日に公開したいという気持ちはよくわかって、何故かといいますと、デカブリストの蜂起があったのが12月26日(ユリウス暦で12月14日)なんですね。合わせたいんでしょうね、その日に。わかりますよ、その気持ち。わかります。胸熱ですよね。
でも我々は今すぐにでも観たいんだよなんとかしてくれ!(無茶ぶり2)
26日なら三日後にもくるから……一年寝かせなくていいから……。
二つ目。
日本で公開されるかわかりません。
しろよって話なんですけどね、ええ。わたしにはどうにも出来ません。
わたしは英語字幕がつけば最悪いいんですけど、いやでも大画面で観たいし、日本語字幕あったほうが断然嬉しいし……。というか、何にせよロシアより公開は遅れるので一年以上待たなきゃいけないのは確定しているし……。
なんとかして可及的速やかに観たい!(限界)
キャスト
『救済同盟』のここが良いその2。
キャストが良い。
わたしは映画はほぼ全く観ないのですが、ピンポイントにマニアックなオタクなので、本国ロシア製の近代ロシア文学のドラマ化作品だけは結構観るんですよね。
よって、基本的に俳優さんなどは全く詳しくないのですが、おかしいことに、わたしの知っている方が沢山出るじゃありませんか。
レオニード・ビチェーヴィン氏
『救済同盟』では、特にムラヴィヨフ=アポストルを主人公に据えるようです。そんな彼を演じるのがレオニード・ビチェーヴィン氏。名だたる俳優陣の中での主役です。つよい。
ビチェーヴィン氏は、露文映像化作品だと他にブルガーコフ原作の『モルヒネ』で主人公ポリャコフを演じていますね。
↑レビューです。よかったら。
↑ミハイル・ポリャコフ
マキシム・マトヴェーエフ氏
デカブリストの乱の色々な意味での”戦犯”とも言えるトルベツコイ公はマトヴェーエフ氏。
ドストエフスキーの『悪霊』でのニコライ・スタヴローギン役、トルストイの『アンナ・カレーニナ ヴロンスキーの物語』でのアレクセイ・ヴロンスキー役などをやっていますね。
『悪霊』については、タイミングのよいことに、ついこの間レビューを書いたばかりです。
↑よかったら是非。
↑ニコライ・スタヴローギン
↑アレクセイ・ヴロンスキー
アントン・シャギン氏
いや、上記 『悪霊』のレビューでべた褒めしたばっかりですよ!
シャギン氏も『悪霊』に出演していて、ピョートル・ヴェルホヴェンスキー役を務められています。いや、ほんとうに最高。お陰様で『救済同盟』の予告編観てもピョートルにしか見えないですもん。
5人組のルイレーエフです。確かに軍人役はちょっと似合わなそうだしいい配役(偏見)。
↑ピョートル・ヴェルホヴェンスキー
そしてこの表情である。
イーゴリ・ペトレンコ氏
彼が好きですね(突然の告白)
ペトレンコ氏はレールモントフ原作の『現代の英雄』で主人公グリゴーリー・ペチョーリン役を務めています。
実は、わたしは数多ある小説のなかで『現代の英雄』が一番好きで、ドラマ版も当然大好きなのです。『現代の英雄』でのペトレンコ氏は、外見などは原作の描写と離れるのですが、とんでもない説得力があります、これがグリゴーリー・ペチョーリンか!と。本国でも非常に評価が高かったようです。
『現代の英雄』はロシアでの国民的古典ですし、主人公ペチョーリンは変わった男なので演じるのも相当大変だったろうと思いますが、あのクオリティは凄い。『現代の英雄』のほうも是非ご覧下さい。
擲弾兵の役のようです。ペトレンコ氏は軍人役が十八番なので全く心配ないですね。
↑グリゴーリー・ペチョーリン
顔がよい。
ヴィタリー・キシュチェンコ氏
何連続でお目にかかるでしょう、キシュチェンコ氏。
『アンナ・カレーニナ ヴロンスキーの物語』でのカレーニン役、『マチルダ 禁断の恋』にも出演されていましたね。今をときめいている感じですかね!
マチルダのレビューも書いてます。よかったら。
まさかのアレクサンドル一世役! えっ、似て…なくないですか……? まあキシュチェンコ氏の演技力なら…(?)あっでもこの横顔の画像は割と似ているかも……?
↑アレクセイ・カレーニン
いや、『アンナ・カレーニナ ヴロンスキーの物語』めちゃくちゃよかったんですよ。好きです。
というわけでなんと、中の人的な意味でいえば、ニコライ・スタヴローギン(悪霊)、アレクセイ・ヴロンスキー(アンナ・カレーニナ)、ピョートル・ヴェルホヴェンスキー(悪霊)、グリゴーリー・ペチョーリン(現代の英雄)、アレクセイ・カレーニン(アンナ・カレーニナ)が大集結というわけです。
……文学大戦でもおっぱじめるつもりか……???
豪華すぎる。
「救済同盟」とはなにか
さて、デカブリストの乱のお話だということはいいとして、タイトルの「救済同盟」とはなんなのか、というところですよね。少しだけ解説します。
「救済同盟」は帝政ロシアに於ける秘密結社で、1816年に結成されました。後の蜂起に繋がる最初の秘密結社と言われています。
しかし翌年には「福祉同盟(Союз благоденствия)」に改められ、1821年になると内部分裂しイギリス風の立憲君主制を志す「北方結社」と、フランス風の革命志向・共和制を志す「南方結社」へと分裂します。
つまり、「救済同盟」というのは、ごく最初期の力の無い秘密結社の名なのです。
「デカブリスト」とかではなく、敢えてのタイトル「救済同盟」。もうそういうところにも惹かれちゃいますよね。
予告編だけではわかりませんが、「救済同盟」というからには、1816年あたりから物語が始まるのでしょうか!? もうワクワクと妄想が止まりません!
デカブリストの乱は、一言で申し上げて、カオスです。
帝位継承者の即位辞退、予想外の新皇帝の即位でバタバタするツァーリ政府と、準備が不十分のまま蜂起したデカブリストたち。情報の錯綜、意味の無い諍い、思想の対立、勘違い、もうカオスの塊です。
そこが面白いんですが、複雑すぎるのであまり大衆的ではないんじゃないかともおもうのですが、わたしはオタクなのでそういうことはもうどうだっていいんです。ええ。勉強すればいいだけの話なんだ。
楽しみすぎて論文の類い読みあさってます。一年もあるのだからそれまでにいっぱい勉強をしておこうという魂胆です。ある意味公開が遅くてよかったかもしれません!(ポジティブ)
↓ある程度資料は作りました(追記)。参考にしてください。
終わりに
限界オタク記事にお付き合い頂きありがとうございました!
「観たくなっちゃったぜ!」という方はわたくしと共に一年間やきもきウズウズしましょうね!!()
それでは、日本で早期に公開されることを願って!