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シュトゥットガルト・バレエ『オネーギン』第1幕リハーサル World Ballet Day 2021

 こんばんは、茅野です。

今年もやって参りました、World Ballet Day、略して WBD!!

 

 いや、記事書く予定はなかったんですけれども、ええ。全然なかったんですけれども、突発的に書いてしまいました。

と申しますのも、ご存じの方も多いかとは思いますが、わたくし、ロシアの詩聖アレクサンドル・プーシキンの雄編、ピョートル・チャイコフスキーの名作、そしてジョン・クランコの傑作でもある作品『オネーギン』を人生を賭けて推しているオタクなのです。観たら書きたくなっちゃったんですよ~! これは致し方ない。オタクの血が騒ぎましてね……。

 

 『オネーギン』を取り上げて下さったのは、勿論、本家本元シュトゥットガルト・バレエ様!

↑ 公開停止される前にお早めにどうぞ。

というわけで、今回はこの World Ballet Day 2021 に於ける、シュトゥットガルト・バレエ様の『オネーギン』第1幕のリハーサルのレビューをお届けしたいと思います!

それでは、お付き合いの程宜しくお願い致します。

 

 

キャスト

エヴゲーニー・オネーギン:フリーデマン・フォーゲル

タチヤーナ・ラーリナ:エリサ・バデネス

ヴラディーミル・レンスキー:アドナイ・ソレアス・ダ・シルヴァ

オリガ・ラーリナ:ジェシカ・ファイフ

 

 オネーギン役は、シュトゥットガルトと言うか、ドイツ、世界が誇るダンサー、フリーデマン・フォーゲル氏。なによりも本人が幼少期からオネーギン役を愛しており、今ではすっかり十八番となった当代きってのオネーギン役。素晴らしいダンサーであると同時に、オネーギンファンの同志でもあるという傑出した方ですね。

 

 オネーギン役以外は、全員2018年来日公演の千秋楽キャストとなっています(このときのオネーギン役はゲストのパリ・オペラ座エトワール、マチュー・ガニオ氏でした)。

↑ こちら、一応当時のレビュー記事ですが、レビューなるものを書き始めて日が浅かったこともあって、我ながらゴミのような事しか書いてません。

 

第一場

 芸術監督タマシュ・ディートリヒ氏のご挨拶よりスタート。芸術監督講演会でお話を伺った際、『オネーギン』に人生狂わされた同志であることが発覚したので、勝手に幾ばくかの親近感を持っています(?)。

ドイツのバレエ団なのでドイツ語で進行するのかと思えば、氏がアメリカ出身であることもあってか、英語で進みます。有り難い。

 

 リハーサルということもあって、セットは最小限、衣装は主要キャストのみ、ピアノ伴奏です。いや、ですから、そのピアノソロ版を可及的速やかに公開してほしい! と五億回言っているのですが!! 勿論有料でいいので! というか課金したいですし!!

ちなみに、クランコ版『オネーギン』の曲目リストはこちらから。↓

 

 冒頭はラーリン家のテーマこと『February』に乗せて、ターニャの名の日の祝いのドレスを縫う三人の演技から。バデネス氏、演技パートの動きが硬いような気がしました。

どうでもいいですが、フィリピエヴナ役の方の髪色……凄く良いですね……素敵です。

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↑ 鮮やかな深紅!

 

Corps de Ballet

 ポルカに乗せて、群舞が始まります。個人的にも大好きな一曲です。

冒頭から、シュトゥットガルト・バレエの舞台はすごく奥行きあるんだなあとおもっていたら、ディートリヒ氏に「実際にはベンチがあるからもっと前で」という旨を伝えられていて、「ああそうか、今は舞台上に何もないものな……」などという初歩的なことを考えるにわかの図に。

元々、クランコ版の『オネーギン』は小~中劇場用に振り付けられていて、ニューヨーク公演に向けて大劇場用に改訂されたものです。(詳しくはこの辺り)。それが今では、「もっとコンパクトに!」と指示されるようになるとは、何だか感慨深いものがあります。

 

 ディートリヒ氏の指示で、「交差する際に互いに目配せするように」という旨の指示があり、農奴の娘たちは仲が良い設定なのだなあという認識を強めました。ヒロインたるターニャは孤独を訴えているのと対象的です。演出の妙ですね。

 どうでもいいですが、 "beautiful feet!" でちょっと笑いました。間違ってはいない。

 

 それにしても、オリガ役のファイフ氏の背中の柔らかさったらない。

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↑ 美しすぎます。

 また、後方から一歩ずつ踏み出す振りでは、投げキッスを入れてくれます。ファンサが厚い! ここで投げキッスしてくれない人もいますし、回数も人によってばらつきがあります。今回は下手側に向かうときの2回に入れていました。ありがとうございます!

 

 もう一つ指摘したいのが、手首の回し方です。かなり特徴的で、凝っているなと感じました。ぐるっと360°回転が見られます。

 

レンスキーのVariation

 レンスキーの登場。走り方からして快活そうです。タイトルロールのオネーギンが影のある人物像なので忘れがちですが、レンスキーもドイツ留学帰りの詩人で、ドイツ・ロマン主義(要はゲーテとか)の洗礼を受けた、謂わば「厨二病」っぽい人物でもあるので、無邪気すぎるのは原作からズレるような気も致しますが、オネーギンの対となる人物として、舞台上の演出として天真爛漫さを前面に押し出すのはよいと思います。

 

 細かいですが、オネーギン登場時の『Impromptu(即興曲)』の伴奏(というより装飾音)が原曲と異なるような。尤も、キーもテンポも違うんですけれどもね。ピアノ譜公開して……(二回目)。

それにしても、フォーゲル氏の背の高さ! 「鏡のPDD」の、特に開脚したターニャを抱き上げたまま走る振りなんかでは、身長差が非常に重要になるので(あまり差がないとターニャの脚が地面に着きそうで見ていてちょっとヒヤヒヤする)、これくらいの身長差、この役を踊る上では大変よいとおもいます。

 

 レンスキーの Va.。元気いっぱいです。前回の来日時でも思いましたが、技術的に非常に安定しているので、見ていて安心感があります。軸がしっかりしていますし、アラベスクのキープも抜群、指先の開き方も丁寧です。強いて言えば、アン・オーの時の両手の高さに少し差があることが多いのが気になる程度でしょうか。なんだか『ジゼル』っぽいです。レンスキー君、君はまだ死んでいないぞ。

 

 第一主題の繰り返しの直前、普通ならアン・ナヴァンでピルエット→右手だけゆっくり開いて、ア・ラ・スゴンを経由→アン・オーという形を取るのですが、ダ・シルヴァ氏は最初から所謂第4ポジションでポーズを決め、固定。

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↑ そういうやり方、結構レアだと思います!

 

 途中からオリガが参加。オリガの背を優しく押し出すの、非常によいですね~。次にレンスキーがオリガの背を押すのは、第二幕でオネーギンと揉めた際、「そんなにあいつの方がいいなら行っちゃえよ!」とばかりにオネーギンの方へ押し出す時なんです。素晴らしい対比ですね~~。第二幕も観たい……。

 

オリガとレンスキーのPas de Deux

 良い……(語彙力)。オリガがクペなどの時にビタッと止まるのが安定感あって素晴らしいですね。終始笑顔なのもよいです。

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↑ 目線を合わせているのも滅茶苦茶良い~~~。

 

 言いたいことは大体芸術監督様が代弁して下さったので、そちらを見てゆきたいと思います。初っぱなネクタイの指摘めっちゃ笑いました。確かに気になる。そうか、リハーサルだから、問題だと思った点は修正できるんだな……と当たり前なことに感心してみたり。

 

 また、オリガの脚を滑らせてポーズを取るところ、初回はガガガっと突っ掛かっていて不安でしたが、案の定ツッコまれていました。そうですよね、ここは個人的にも『オネーギン』を観る上で事故らないか不安な振りランキングの上位に入ります。 "Quite dangerous.(極めて危険です)" と言われて、滅茶苦茶頷きましたよ。そこで、サポートのやり方に指示を入れていて、なるほど、そうやって修正していくのか~! と感心しました。最後にはなだらかになり、ディートリヒ様の指導力と、臨機応変に変更を加えるダンサー達に改めて尊敬の念を抱きました。

 

フィナーレ

 オネーギンの Va. はカット。劇場で観てね! ってことなんでしょうね。はい!! 観ます!!!

 

 フィナーレ、群舞からです。一言でいうと、えぐい。なんすかこの跳躍。これでコール・ドなんですか。シュトゥットガルト・バレエ、どうなってるんですか。

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↑ ????。この後のロンダートもハンパじゃなかった。

 

 男性群舞の大活躍は続きます。リーダー格の水色シャツの方もえげつない。

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↑ いや、ここ、普通両脚叩いたりしないから! 急に離れ業するのやめてください!! どうでもいいですが、青のパンツが地面に着く長さで、踏んだりしないかちょっと不安でした。

 本家シュトゥットガルトの『オネーギン』の群舞の特徴として、とてもコミカルに演じる、というものがあります。リハーサルでもその演技力は健在でした。演技もよくて、上記の技巧ですからね。ほんとどうなってるんだ……。

 

 またどうでもいい細かいことを言うと、上手後方のオリガとレンスキーが座っている椅子の向きがそっぽを向いていて、何故そうなった? 感が。普通に舞台中央を向くように、或いは正面を向くようにセットしたらよいのに。

 

 一つ思わぬ収穫がありました。コール・ドは衣装を着用せず、練習着だったお陰で、幕間の演技のときに、どのポジションの人がどの役なのか、というのが非常にわかりやすかったのです。これも WBD ならでは。有り難いです。

 

 いや、しかし、リハーサルで皆髪型をセットしていないこともあって、特にオネーギン役のフォーゲル氏は前髪を下ろしており(※オネーギン役の髪型は原則前髪をガッツリ上げます)、顔に陰できるぶん、逆にオネーギンらしい影のある表情を生んでおり、これはこれでとてもよいと思いました。

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↑ 恐ろしく顔が良い。

 

第二場

 場面変わって、第二場へ。椅子を鏡代わりに、長椅子をベッド代わりにしています。長椅子はまあわかるとしても(大変窮屈そうでしたが)、椅子を鏡にするのは無茶なのでは!?

 

 しかし、更に思わぬ収穫。鏡のセットがなかったことで、鏡の演技をしっかり観ることができました。これはわたくしとしても初めてで興奮しましたね。

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↑ 背格好の近い人が鏡の枠の裏側に入って、同じ動きをして鏡があるように見せかけるのです。

 ジョン・クランコの『オネーギン』は様々な創意工夫に富んだ傑作ですが、中でもこの鏡の演出は何度観ても関心してしまいます。

 

鏡のPas de Deux

 皆大好き鏡のPDD!! ここでは指示はなく、一回通し稽古が行われて終了しました。フルで観られるとは~。有り難いの極み。

 

 二人とも、三年前に観たときよりも格段によくなっていました。素晴らしいの一言に尽きます。いやほんとに手に汗握ると申しますか、興奮しましたね。

特に顔を合わせるシーンで、時が止まったかのように一瞬制止するのが、「夢」という時空を越えたものであることを表しているかのようで……。

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↑ 画になりすぎるので、スクリーンショットが止まらないんじゃ。

 

 細かく見てゆきましょう。

ジュリエットの主題がはじまった辺りで、倒れ込んでくるターニャを支えるのが続く振りがありますが、フォーゲル氏はターニャを支える時は後ろ脚に重心を掛け、彼女を直立に戻すときに前脚に重心を移すという、体重移動によって余計なステップを省き、スマートに美しく魅せています。天才か。

 

 バデネス氏は技術力に富み、また程よい身長差も相俟って、ダイナミックな動きを魅せてくれます。

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↑ 特にここで顕著ですが、躍動感ハンパない。

 

 下手後方よりタチヤーナのピルエット→足先滑らして→アラベスクと進むところでは、オネーギンのサポートは片手のみになるので大変難易度が高いポイントの一つですが、両手を使う人も多い中で、フォーゲル氏は器用に片手でバデネス氏の腹部に手を回してサポートします。保険のために右手を用意しておくとかそんなことすらしません。バデネス氏の物凄い安定感、長年二人で築き上げたパートナーシップゆえに成り立った御業です。技巧的でほんとうに凄い。素晴らしい。

 

 幾度かターニャが走ってきて飛び込んでくる場では、先にオネーギンがジュテで進み、彼女を待ち構えることになりますが、そこでの待機ポーズがより華やかに変化しました。

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↑ THEバレエ! って感じで最高。

 

 終盤のサポート付きグラン・ジュテ二回もハンパないです。バデネス氏、更に技巧的になったな~! と成長を感じます。

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↑ 壁紙にしたいレベル。

 

 最後の大リフトの直前では、サポートのオネーギンが手を離しますが、大分アティテュードの形を保っていました。

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↑ 凄まじい安定感だ。

 

 最後、オネーギンが鏡の奥に消える直前、段々と彼はターニャから身を離してゆき、後方へと下がりますが、その際サポートしていた右手を、少し名残惜しそうに、床に崩れるターニャの顎から頬へと滑らせてゆき、ターニャはそれに縋るように手を握ろうとしますがオネーギンは離れてゆき―――。

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↑ もうね!! ちょっと官能的がすぎますよ!!!! めっちゃいい!!!! この演技全世界で流行らせて欲しい!!

 

 最終盤、尺が足りなそうだったのが少しだけ気になりましたが、素晴らしいパフォーマンスでした。流石の一言に尽きます。お陰様でこんな単発記事まで書いてしまいましたよ。本当に有り難いイベントです。

 

WBD - その他

 さて、WBD は様々なカンパニーの舞台裏を観られるのが魅力。別のカンパニーについても一言書いておこうと思います。

個人的にはボリショイ劇場が贔屓なので、まずは同劇場を飛ばし飛ばし確認しました。まあ、ボリショイの WBD と言えば、名物がありますね。

もちろん、今年もやってくれました

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↑ すんごいドヤ顔だ。

これを観ないことには WBD を観たことにはならないのでね、ええ。胸筋を見せつけるのがロヂキン先生のトレンド。彼はたぶん乳首が隠れてればOKだと思っているのだとおもいます(?)。来年も期待。

 

 また、ボリショイは今までロシア語音声字幕無しがデフォルトでしたが、前回よりアナ・トラザシヴィリ様の英語通訳付きでのインタビューが行われたり、今回からはレッスン風景に英語字幕が付くなど、漸く非ロシア語話者にも有り難くなってきました。ロシア語初学者としては、字幕を見ずにどこまで聞き取れるかの戦いです。

今年はアキーモフ先生の「おっぱいコール(※空耳。どう頑張ってもおっぱいと言っているように聞こえない恐ろしい罠)」はありませんでした。残念。割と本気で何て言っているのか気になっていました。だってそうとしか聞こえないんだもの……。

 

 インタビューは今年も健在。昨年は司会が前述のトラザシヴィリ氏と、プリンシパルのヴラディスラフ・ラントラートフ氏でしたが、今回は彼女と同プリンシパルのアルチョム・オフチャレンコ氏に変更。しかしファーストゲストがラントラートフ氏でした。

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↑ トラザシヴィリ氏がインテリ美女すぎて惚れそう。

 

 弊ブログを頻繁に覗いて下さる方はご存じかもしれませんが、わたくしをこんなにも『オネーギン』沼に沈めたのがラントラートフ氏のオネーギンで、彼のパフォーマンスにべた惚れしたことがこの作品に墜ちる切っ掛けの一つとなったことも疑いようのない事実です。なんでしょう……他の方のオネーギン役も素晴らしいですし、ラントラートフ氏が別の役を踊るのも素晴らしいのですが、オネーギン役×ラントラートフ氏っていうのが個人的にはなんかもう革命で……機会があれば絶対に観て頂きたいですね。

以来、「好きなダンサーは誰ですか」と訊かれれば名を挙げるようになり、有り体に言えば応援している次第ですが、今回は『ドン・キホーテ』のバジル役のリハーサルがありました。有り難い~~!!!

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↑ beautiful position 、わかりみが深い。

 丁度この同じバジルの Va. のリハーサルで、かなり古い動画を拝見したことがあり、見比べる楽しみもあって個人的にめちゃくちゃ満足しました。昔の機敏な動きもよいし、現在の成熟した感じも大変よい……。

 

 まだ他劇場の情報を追い切れていないので、ぽつぽつ確認したいと思っています!! 予定があって新国立劇場のものを見損ねましたが、来月の『白鳥の湖』は席取ってあるのでそちらも楽しみです!

 

最後に

 通読お疲れ様でございました! 突発記事ですし、第一幕しかないのに何故か7500字書いている。何故だ。

 シュトゥットガルト・バレエと言えば、来年3月の来日公演の演目が再び『オネーギン』と決まりました! 個人的には『Mayerling』も大好きな演目で、非常に骨折りだった楽曲解説まで執筆している次第なので、悲しくもあるのですが、でもやっぱり一番好きなのは『オネーギン』なので、とても嬉しいです。

↑ 『Mayerling』解説記事。

 キャストも昨今の来日公演と代わり映えしないですし、最近は『オネーギン』公演ラッシュが続いているので、「またか……」という声が聞こえることも。しかしながらですね、わたくしがこの演目にハマった頃(6年半前)はほんっっっとに上演機会がなくて、文字通りの難民だったので、『オネーギン』ファンが漸く救済されたのだと、温かく理解して頂けると嬉しいです。公演の度にアンケートに涙ながらに「『オネーギン』やって下さい」と圧を掛け書いてきたのが実ったのかもしれません。非常に楽しみです!!

 

 しかし、第一幕だけで7500字とは、先が思いやられますね。今回はスクリーンショットを貼れたので、振りの説明を簡易化できたのが有り難かったです。いつも、「これ伝わってるのか……?」と思いながら書いているので……。

WBD ならではの舞台裏も沢山観られて、収穫盛りだくさんで大満足致しました! 来年も楽しみです。

 それではお開きとしたいと思います。ありがとうございました!