こんにちは、茅野です。
この度も続けて『ABZU』、「ZEN MASTER」シリーズになります。
↑ 第一弾はこちらから。
第四弾となる今回は、心も冷える深海エリア、 Chapter 4 をお届けします。それでは、早速参りましょう!
Movie
Chapter 4 に突入すると、シロナガスクジラが次なる海域へと案内してくれます。音楽も美しく、カメラ操作などは可能ではあるものの自動で進むため、さながら水族館にいるようでとても素敵なムービーです。
さて、ここで登場するシロナガスクジラとザトウクジラは非常に生息域が広く、海域を特定することは叶いません。しかし、このムービーで重要なのは潜水です。
前記事で申し上げました通り、「深海」の定義は水深200m以深を指します。そして、シロナガスクジラ、ザトウクジラ共、生息可能領域は水深200mまで。従って、クジラたちは我々を深海へと誘ってくれますが、ここで彼らとお別れになるのは Chapter 4 が水深200m以深の深海であるためです。
1st Area
アメリカオオアカイカ
英名Humboldt squid。Red devil とも。イカやタコを見ると暢気に「美味しそう」と思ってしまう日本人ですが、やはり海外の民にとっては恐怖の対象のよう。
クジラウオ
英名Flabby whalefish。鮮やかな赤! 水深1000m以上ではよく見られる種なのだそうです。
ハダカイワシ
英名Lanternfish。大きな瞳が輝きます。小さいながらも水深100m~1500mまで自在に行き来するスーパー小魚。
ブロブフィッシュ
英名blobfish。垂れ鼻の圧倒的「ブサかわ」で一世を風靡した深海魚です。しかし実は、ゲーム画面でもわかるように、水中に在るときは別にそんなに「ブサかわ」ではありません。
ヌタウナギ
英名Hagfish。尋常では無い量の粘液を放出します。次世代『海女と蛸』を狙うポテンシャルがありますね。
ギンザメ
英名Silver chimaera。「キマイラ」とはよく言ったもので、フランケンシュタインも斯くやと思われる筋や大きな胸ビレなどが特徴。
★オヨギゴカイ
英名Tomopteris。『ABZU』のディレクター、Matt Nava 氏も在籍していた thatgame company さんの『flOw』を思わせる姿です。
★アンコウ
英名Anglerfish。深海魚の代名詞的存在(?)なチョウチンアンコウですね。非常にどうでもいいですが、筆者はあんこう鍋が好きなのですが、あんこう鍋に使われるアンコウは提灯のない手ぶらのアンコウです。
★ミツクリザメ
英名Goblin shark。なるほど「ゴブリン」。上から見るとカッコいいシュッとしたフォルムですが、鼻と口の形状がかなり特徴的です。
分布図
それでは分布を確認して参ります。活動域が広い種が多く、全ての種が重なり合う海域が存在しました。そこはなんと……。
我らが沖縄近海です!
深海で近寄りがたい見た目の種が多く生息し、三角体に攻撃される Chapter 4, 1st Area ですが、もし沖縄近海とあれば少し親近感が湧くかもしれません。しかし、そうですね、沖縄の海に沈む兵器……、三角体は WW2 時代の機雷のオマージュか……!? などと、『ABZU』都市伝説が生まれそうな予感。信じるか信じないかは貴方次第です。(個人的にはそういうのあんまり好きじゃないんですが、ネタの一つとしては面白そうです)。
さて、海域の他、 Chapter 4 で重要なのが水深。ということで、水深も調べていきます。
これらの種の中で、最も潜水能力に劣るのがギンザメで、凡そ540mまでしか潜れません。一方、最も潜水能力に優れるのがクジラウオで、3000m近く潜ります。しかし、クジラウオも200m近くまで浮上するため、生息域は重なり合います。従って、Chapter 4, 1st Area の水深は540m前後とみるのがよさそうです。
では、沖縄近海で水深540m前後の場所を探してみましょう。
陸から近い地点でも水深5000m近い断崖になっていることがわかります。従って、1st Area はかなり陸地に近い場所である可能性が高いです。
2nd Area ~ 神殿エリア
ホウライエソ
英名Viperfishes。「深海のギャング」と呼ばれる獰猛な種です。ところでこのスクショ、主人公と目が合っていてよくないですか?
ツキクラゲ
英名Moon jelly。クラゲは種類が多すぎてちょっと特定しきれません。半透明のランプシェードのような形状が美しいです。
ハチェットフィッシュ
英名hatchetfish。手斧のような形状からその名が付いたとか。淡水・海面付近で生活する種もいるそうです。
クロタチモドキ
英名Black scabbardfish。その名の通り真っ黒です。お写真が可哀想なことになっていますが、深海魚は生きたままの姿を捉えるのは難しいのだ……。
マッコウクジラ
英名Sperm whale。脳油や竜涎香など、面白い特徴を沢山持つクジラで、最も潜水能力に長けたクジラでもあります。
★アカマンボウ
英名Opah。その名に反して、マンボウではないそうです。
★ダイオウイカ
英名 Giant squid は、この『ABZU』の制作会社の名前にもなっています! というわけで沢山一緒に泳いで感謝の気持ちを伝えましょう。
分布図
さて、分布を確認します。……が、Chapter 4, 2nd Area から神殿エリアまでにかけてに登場する種は、どれも非常に生息域が広く、ほぼどこにでもいるため、特定が全く不可能でした。
水深に関しては、アカマンボウが500m以浅に住まうのに対し、ダイオウイカは650~900m辺りを好むそうです。エリアも広いですし、場所により大体500m~1000m程度と考えるのがよいでしょう。
次なる Chapter 5, 及び6 は、どんどん現実的な海から遠ざかっていくため、その布石とも言えるような構成です。参りました。
最後に
通読お疲れ様でございました。2500字強です。
次回は、「瞑想」ポイントがなく、どのような海洋生物さえも避ける汚染された海、 Chapter 5 を飛ばし、浪漫溢れる太古の海、 Chapter 6 へと進みます。お楽しみに。
それでは次の記事でお目にかかれれば幸いです。ありがとうございました!
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