世界観警察

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グラズノフ『5つのノヴェレッテ』IV. ワルツのピアノ譜を作成する

 おはようございます、茅野です。

何故か Finale (楽譜制作ソフト)を触るのは深夜、というマイルールができてしまっており、深夜にポチポチやっております。ともなると、投稿は早朝に……、寝る時間……。

 

EN:

I've put up the sheet music and the recording for " String Quartet, Op. 15. IV. Valse " in Codoc at the bottom, in pdf format and wave file, and it's available for download.

I would be very happy if you could give it a try. Thank you.

 

 前回、マックス・ブルッフの四重奏のピアノ譜を作って遊んでいました。

↑ めちゃくちゃ知名度が低いながらも、是非とも知って頂きたい名曲!

 

 この記事の中で、「ぼっちでも弾きたい四重奏」はシリーズ化できたら……という話をしているのですが、折角なので、早速もう一曲、四重奏をぼっちピアノ弾き用に編曲してみました。

 

 というわけで、アレクサンドル・グラズノフ作曲『5つのノヴェレッテ』より、第四曲「ワルツ」です。どうぞ!

↑ 前回とは打って変わって、カワイイ路線。

 

 前回のブルッフの四重奏は、作曲家が 14 歳の頃に書いたという、とんでもない一曲。今回に関しても、「Op. 15」と非常に数字が若いことからも察せられるように、グラズノフ 21 歳の頃に書いた曲です。恐るべき若き天才たち。

わたくし、初期の作品が好きなのかも知れません……。シンプルで、どういう曲想にしたいかというビジョンが明確で、いいですよね……。

 

 グラズノフの年齢といえば、彼は 1865 年生まれ。この年号は、弊ブログでは大変馴染み深いものです。

と申しますのも、わたくしが趣味で追いかけている、ロシア帝国皇太子ニコライ・アレクサンドロヴィチ殿下の没年にあたるからです。

↑ 色々記事書いて遊んでいます。非常に興味深い人物なので、宜しければ。

 つまり、同じ国で、入れ替わりになっているわけですね。殿下と面識がないとは、勿体ない……。

 

 ちなみに、グラズノフの一家は出版社であり、なんと、わたくしが蒙愛している韻文小説・オペラ・バレエでお馴染みの『エヴゲーニー・オネーギン』の版元でもあります。

↑ こちらも鬼のように記事を書いております。

 

 グラズノフは、わたくしが一番狂わされている作品・人物双方と接点(?)があり、個人的にリサーチにも熱が入りますね。

 

 さて、『5つのノヴェレッテ』です。

題の通り、短い 5 つの四重奏曲集となっています。

わたくしが普段聴いているのはこちらの CD 。オススメです。

↑ 抱き合わせは第五番。

 

 『5つのノヴェレッテ』は、前半は民族調っぽい曲(あくまでも「っぽい」)になっているのですが、第四曲のワルツはサロン風で、グラズノフらしい、非常に耳に馴染む旋律に恵まれています。

 

 「ロシアのワルツ王」といえば、我らがチャイコフスキー御大ですが、グラズノフのワルツも大変素敵なのですよね。

グラズノフの『コンサート・ワルツ』、嫌いな人、いないですよね!?

↑ 二番の方が有名ですが、一番も素敵ですよ!

 

 『5つのノヴェレッテ』のワルツは、大変愛らしい長調で、スタッカートやピチカートが多く、気分も浮き立ってくること間違いなしの名曲です。

個人的には、194 小節( Sostenuto の所)からが特に大好きで……。なんて官能的な旋律なんだ……。ピアノだと、弦楽特有の「うねり」を再現できないのが残念ですが、それでも書きたくなる艶めかしさ。

 

 アレンジは、前回同様、原曲にない音は一切入れておらず、全ての音が原曲のいずれかの音に対応しています。

序盤などは弾きやすいように書いています。中盤、第二ヴァイオリンのパートが荒ぶっておりますが、右手も使うなど工夫が必要かもしれません。厄介だったら音抜いて下さい。

 

 例によって、codoc で譜面を出しておきます。pdf 形式で、ダウンロード可能です。

今回も音源付き。wave 形式です。こちらもダウンロードできるようにしてあります。

それでは、宜しくお願い致します!

 

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