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ペテルブルクからのレポート1 -ロシア聖地巡礼の旅-

  こんにちは、茅野です。

とうとう帝政ロシアの首都サンクト・ペテルブルクに着弾した筆者。後半戦はこの地を歩き倒します。

 

モスクワ最終日(当レポートの日の午前編)はこちらから。

 

 

9/17 (日) 後半戦

 夕刻、ペテルブルクに到着。ホテルに荷物を置き、ミハイロフスキー劇場へ行きます。

 

空港、タクシー移動

 ペテルブルク、プルコヴォ空港着!

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↑ちょっとブレてるけど気にしない。

 特筆する事項もとくになく、無事着きました。空港は近代的。

……本当は列車でペテルブルク入りする予定だったんですけどね。(予約トラブルで飛行機になったという事故はあったという報告。)

 

 某モスクワのようにえげつないタクシーの客引きに遭うこともなく、タクシー乗り場で適当に乗ります。観光客や移民はともかく、ペテルブルク地元民はモスクワ人よりも気性が穏やかな傾向にあります。

 

 タクシーでホテルまで送ってもらったのですが、またこの運転手さんが超・おしゃべり! とはいえ、日常会話・旅会話程度なので英語で困ることも特にありませんでしたが……。

曰く、彼はグルジア人で、成人してからロシアに定住したとのことで、趣味は語学学習。メモ帳に世界各国の文字が書いてあり、中には日本語も。日本の早口言葉を教えてくれというので「バスガス爆発」を教えてやり、わたし自身は当時大学で第三外国語としてアラビア語を学んでいたのでアラビア語を勧めておきました。(※専攻はフランス語)

また、頼んでもいないのにちょっと遠回りして車からでも充分に見られる観光名所の前を通り、解説を付けてくれたり。旅行慣れしている身としては、なんか裏とかあるんじゃないかと暫く疑っていたのですが、なんともなかったしフツーにいい人でした。

 

ホテル

 さて、ペテルブルク散策の拠点です。ネフスキー大通りから一本入った先にあります。

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ゴーゴリ像のある通りから近い。

 

モスクワの時同様、入り口がやたらめったら分かりづらいために何度も前を通ったのに気付かず、20分くらい探し回りました。

ただ、雰囲気がめっっっちゃいいんですよ!!!

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↑エレベーターもありますが階段がまた雰囲気ある

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↑小さいホテルの一室ですら暖炉完備。これがロシアか

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↑窓からの景色も素敵

 

ミハイロフスキー劇場

宿で荷物を出したりしているうちに夜に。

モスクワ滞在時のモスクワ音楽院通いがあまりにも楽しかった当方は、モスクワでミハイロフスキー劇場の四階席を確保しておきました。

というのも、「ロシアで一度はバレエを見なければならない」という使命感に駆られていた当方は、前々から別日にミハイロフスキー劇場でバレエの席を取っていたため、今日は下見みたいなノリだったからです。それに、四階席って中々入る機会がないじゃないですか?

 宿からミハイロフスキー劇場までは徒歩5分。ロシア都心は基本的にアクセス良いです。開始5分前に滑り込む。

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↑劇場自体が”芸術”

演目はオペラ「フィガロの結婚」でした。正直、クオリティについては……。劇場自体も、豪奢な見かけですが反響・音質に関しては響きづらいのかなと感じました。

演出が何故か日本風でなかなか謎でした。わたしが行ったせいか。(※違います)

 

 四階の安い席だったせいか、席に着いたらおばあさんがわたしの買った席におり、「外国語で口論すんの超大変なんだぞ」と思いながら抗議を入れると、まあ案の定英語が通じない。

隣の若いロシア美女がこちらに気付き、通訳してくれましたが、頑として動かないおばあさん。なんやねん。

美女曰く、そのおばあさんはチケットを買わずに劇場に入り込み(!)、空いた席に我が物顔で座る常習犯なのだそうで、わたしが来るのが遅かったので勝手に取ってしまったとのこと。劇場も困っているのだが、どうにもならんので最早放置しているとか。よ、よりによって凄いトラブルに巻き込まれたぞ……。

美女の説得により悪態を吐きながら渋々席を立つおばあさん。しかし劇場から出ることなく立ち見を始める。(おいおい……)

ロシア語はわからないのですが、恐らく「老人で足が悪いのでいたわれ」的なことを言ったのでしょう、美女と交渉を始め、美女と狭い椅子を分け合って座り始めました。(えぇ……)

衝撃的でした。少なくとも日本じゃ考えられないですね。その後も何度かそのおばあさんの妨害に遭い、わたしは落ち着いて見ることが出来ず、席自体が安かったこと、クオリティが微妙だったこともあって、3、4幕は見ることなく帰りました。

皆様、海外で劇場の席を取る際は、ケチらず、良い席を取りましょうね。

 

劇場展示

さて、ホール内ではトラブル続きでしたが、ホール外の展示がまた素敵で!

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ショスタコーヴィチだ~

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↑奥行きのある作品。こういうの、とても好きです

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↑1890年のオネーギンとタチヤーナ。

このほかにも、30分の休憩では見切れないくらいの展示があります。 

 

軽食

 お腹が空いたので、カウンターで軽食を頼んでみることに。

f:id:sylphes:20180904184725j:plain↑サーモンとイクラブルスケッタ

めちゃくちゃシンプル・イズ・ベストという味がしました。この旅日記で何回目案件ですが、ロシア、海鮮が美味しいのである。

 

オネーギンコレクション

 さてさて、そもそもこの聖地巡礼、なんの聖地巡礼なのかと申しますと、オネーギンとレールモントフなのであります。(※面倒な好みで申し訳ないのですが、「プーシキンが好き」というよりも「韻文小説のみならず、バレエ・オペラ『エヴゲーニー・オネーギン』も好き」、そして「レールモントフという作家が滅法好き」が正解なのであります。)

この旅では日程が合わず見ることが出来ませんでしたが、流石本国、大量のポスターがあるわけです。

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↑現代風でお洒落!

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↑こちらはシンプル

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↑どちらかというとイギリスのゴシック・ロマンっぽい感じのポスター

 

街中にも沢山あります。ただ、劇場の中でだけで3種類もあるとは思わず。テンション爆上がりです。

 

夜のペテルブルク

 折角途中で劇場を出る、なんて贅沢なことを決意したのです。例の台詞と共に劇場の扉を開け放ちましょう!

 「もういい。モーツァルトも鼻についた!」 (原作「エヴゲーニー・オネーギン」第一章で、ペテルブルグでオネーギンがバレエ鑑賞した際、「もういい。ディドローも鼻についた」と途中退席したことを模倣したものです。)

 この台詞一つで、気分はもう帝政ロシア青年貴族です。単純なわたしは、トラブルもあったけれどももうとても楽しくなってきてしまいました。

 

外に出ると、夜10時、夜のロシア世界。

それでもペテルブルクの夜景は美しい!

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↑こちらが堂々退出したミハイロフスキー劇場になります

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↑橋の上から。Уж как по мосту-мосточку...

 

ペテルブルクの夜風に上気した頬を打たれ、宿に戻り、ペテルブルグ一日目を終えます。

ペテルブルク二日目は、いよいよ友人に会います。しかしその前にトラブル発生……?

お楽しみに!

↑続きの記事が仕上がりました。こちらからどうぞ。