こんばんは、最早ロシア語を学ばない方が学ぶよりも面倒説濃厚な茅野です!
今回は、Arzamas Academyのオネーギンに関するテストを解いてみたいと思います。ですので、考察や解説でも何でも無く、筆者の実力テスト受験です。
学校に行っている時は、「イヤ~もう勉強したくない!設問なんか要らねぇ!」と思うものですが、オネーギンに関する問題なんて日本だとロシア文学専攻しない限りは入手出来ませんから、有り難いものですね。
Arzamas Academyは、ロシアの文化に関する教育サイトで、もう、それはそれはマニアックな論文や音声や動画やらが盛りだくさん!! わたしの5000倍は面倒くさい考察勢(学者様)の方々が寄稿されています。ロシア文化でわからないことがあれば読めばすぐに答えが見つかる、夢のようなサイトなんですね!! 大好きです!
しかしながら問題は、当たり前ですが、全文ロシア語なことです。英語併記/字幕付きは激レアなので、ロシア語を習得するか、Google翻訳とお友達になるしかありません。筆者はロシア語が全く出来ないので、Google翻訳とお友達になる道を選びました。しかしロシア語は、時間が出来たら必ず学びたいと思っています、文献読めないのは面倒なので……(考察・検証班並感)
↑Arzamas Academy
そのArzamas Academyさんが、17問からなるオネーギンに関するテスト問題を出していました!
↑※ロシア語で書かれていたものを、Google翻訳を使って英語に変換しています。
早速解いてみたいと思います!いぇ~~い!楽しみ!!!
※注意※
Google翻訳を多用します。和訳は精度が大変低いため、英語に変換しました。
ルールは、原作を読み返さず、記憶だけで答えることとします。
当てずっぽうで当たったものは正解にカウントしません。
問題のみを最初に掲示するので、是非ご自分でも考えてみてください。
第1問
オネーギンはどこで生まれたか?
これは簡単ですね! In Petersburgです!
「ネヴァ川の河畔の街」ーーーペテルブルグ。
幸先よいですね!
第2問
オネーギンとレンスキーの決闘は何月に行われたか?
これは原作には書いていないので、一読しただけの読者には答えられない問題ですね。しかしわたくしは考察勢! 腕の見せ所ですね?
答えは1月、「In January」。 何故なら、タチヤーナの名の日の祝い、即ち「聖タチヤーナの日」が1月25日で、決闘はその翌々日(つまり27日)に行われたからです!
└( ・´ー・`)┘<ドヤ
ここでは「the next day」となっていますが、名の日の祝いの翌日はレンスキーはオリガに会い、日付の変わった朝の六時過ぎに決闘を行っているので、「翌々日」でもよいのではないかと推察します。
第3問
オネーギンのコートの襟に使われた動物は?
…………!?!??!!!
難易度高くないですか!??!!wwwwwww
ていうか何この質問?!wwwwwオタクか??wwwオネーギンのコートの襟?!!!?wwwwwww(あまりのマニアックな問題に笑いが止まらない筆者の図)(いつもそういうのを検証しているのに他人にやられると動揺する時代考証班の図)
選択肢は、「北極キツネ」「ビーバー」「キツネ」「タンパク質」の四つ……って最後おかしくない?!?!wwwwwどういうこと???wwwwwww
わからんから取り敢えずキツネにしとこ~(当てずっぽう)。
ですよね~\(^o^)/ というわけで、原作を確認してきました。
いつかあたりが黒ずんで、オネーギンは橇に乗り込む。
「ほい! ほい!」という御者の叫びが響き渡り、氷のほこりを浴びたように、海だぬきの毛皮の襟が銀色に耀く。
う、海だぬきじゃあ思い出せないわ……。ビーバーって文字はなかったよな、と思ってしまいました……なるほど……海だぬき……不覚……。
第4問
気を取り直して第四問。
主人公は何に熱中しようとしたか?
これは簡単です! Read books!!
先生、僕もオネーギンさんの書棚の品揃えとかどこにメモを書いたかとか見てみたいです。
第5問
エヴゲーニーの父親は、彼に何を遺したか?
はいはいはい、これ、叔父との引っかけ問題でしょ~。引っかかりませんよ~。正解は「借金のみ」のはず!
いぇ~い!
これ、理由説明まで合っていたら加点とかないんですか?(ないです)
第6問
エヴゲーニーが継いだ屋敷の壁には、なんの絵が描かれていたか?
……またマニアックなのが来たな!?wwww
選択肢は、「祖先たち」「ロシアのツァーリたち」「叔父が描いた風景画」「フランスとナポレオンの風刺画」。
最初と最後はないな。うーん、自信はないんですが……叔父に対する描写は少なかった気がするので、消去法でツァーリで……!
始まったわ└( ・´ー・`)┘
原作を確認したところ、
広い館は、地主屋敷の例にもれず、聡明な昔の趣味をそのままに堅牢無比に建てられていた。
いたる所に天井の高い部屋が立ち並び、客間にはどんすの壁布が貼りめぐらされ、歴代の皇帝の肖像を掛け並べ、暖炉は色とりどりの煉瓦で畳まれていた。
と、ありました!
第7問
ヴラジーミル・レンスキーはどこで学んだか?
これは楽勝ですわ~。彼はゲッチンゲン精神を携えて帰ってきたんですよ。
解答も「Of course」と申しております。
第8問
レンスキーは……。見た目に関する問題ですねえ。
確か「長い黒の縮れ毛の美男子」とか書いてありましたよね?
よって、「Curly Brunette」で!
正確な文言は「肩まで届く~」でしたか……。
第9問
オリガとタチヤーナの母(つまりラーリナ夫人)は若い頃、彼女らの父(つまりラーリン氏)を愛していなかった。では、誰を愛していたか?
選択肢は「ラーリン氏の隣人且つ友人であるヴラジーミル・レンスキーの父親」「彼女よりもずっと年上のオネーギンの叔父」「彼女に感傷的な小説を薦めたにモスクワにいる従兄弟」「カード賭博が好きな衛兵」の四つ。
最初の二つはまずないとして(あったらそれはそれでロマンティックではある)、後2つですが、これは引っかけ問題ですね!
確かにラーリナ夫人は感傷的な小説が好きと言明しており、特にリチャードソンを挙げていますが、本を紹介したのは「従姉」のはずです。また、彼女が恋したのは本を好むレンスキーのような男ではなく、軽薄で、都会的な、オネーギンのような男だったはずです!
つまり、「衛兵」!
めっちゃ正答率高くないですか?(ドヤ)(高くないと考察・解説記事の筆者としてまずいです)
一応原作だと、
妻がリチャードソンを好いたのは、彼の本を読んだからでも、グランディソンがロヴラスよりも気に入ったからでもさらさらなく、昔モスクワの従姉である公爵令嬢アリーナが、しきりにその名を口にしていたからである。そのころ、夫はまだ婚約者だったが、彼女には不本意な相手だった。彼女は知恵も心もずっと気に入っていた別の青年を、心ひそかに慕っていた。このグランディソンは大変な洒落者で、賭博者で、近衛の軍曹だったのである。
となっています。
第10問
タチヤーナとオリガの乳母である老フィリピエヴナの夫の名前は?
これまたマニアックなのが来たぞ~。でもオペラの第一幕第二場で撃退できますよ。
この場面で、彼女はタチヤーナに乞われて、己の恋愛・結婚について話します。この時に彼女が言うのは、「13歳の時、自分よりも年下の彼と結婚することになり、お下げ髪を解かれ、父が祝福してくれた」ということ。その時述べられる年下の彼の名は……そう、ワーニャです!
ワーニャ、つまりそれは正式に言うと……「Ivan」!
ありがとう、チャイコフスキー!!!
第11問
タチヤーナの書いたあの有名な手紙(オネーギンへ宛てた恋文を指す)は、何語で書かれたか?
これも余裕ですね。高名なロシア文学だから、「Of course, in Russian」?
そんなわけがない!当時の貴族の公用語は? 肝心の手紙の前に語り部プーシキンが述べた言葉は? 愛を語るための言葉とは!
Of course,「In French」!!
Je vous écris; voilà. C'est tout.
Et je n'ai plus rien à vous dire...
第12問
オネーギンの到着を知ると、タチヤーナは興奮して逃げ出すが、彼女の母の指示で歌を歌っている少女たちに出会う。しかし、何のために?
英語での問題文の意味が取りづらいのですが、つまりこういうことでしょう。
これはオペラでいう第一幕第三場冒頭ですね~。このとき彼女らは何をしているのか?収穫です。つまり、歌を歌うことで何を阻止しているかを推論するかなんて、とても簡単なんですよ。
では、答えを……「To not eat berries from the owner's garden」!
かわいい女の子たち 大好きな仲良しさん!
さあ遊びましょ、女の子たち さあ始めましょ 仲良しさん!
歌を歌うの 大切なあの歌を
すてきな若者を誘いましょう 私たちの踊りに!
若者が誘われてきたら 遠くから近付いてきたら
逃げだすのよ、かわいい子たち
彼にサクランボを投げましょう サクランボに、ラズベリー 赤いスグリの実を!
盗み聞きにこないでよ 大切なこの歌を
盗み見にこないでよ 私たち女の子の遊びを!(オペラ対訳プロジェクト訳)
第13問
ザレツキーとは誰か?
レンスキー側の決闘の介添人ですね~。つまり、「Onegin's neighbor, who gave him Lensky's call(決闘の知らせを指す)」!
オペラ版での「人殺しを許すからには厳格なルールに従わなくては……」とか語り出す、妙に型にこだわるザレツキー氏のキャラクターは嫌いじゃないです。
第14問
レンスキーの死後、オリガはどうしたか?
これは原作にのみ描写がありますね。右下の選択肢ように、本物の川に流されてしまったならなんとロマンティックだったことか? しかし現実は厳しく、レンスキーが辞世の句で詠うように、彼は忘却の川に流されてしまった。
つまり、「She quickly became comforted, married an ulan and went with him to the regiment」が正解です!
薄情な女ですよ、オリガは……( ˘ω˘ )
第15問
タチヤーナがモスクワへ行くとき、彼女はどんな鳥を共に連れて行ったか?
…………んん???
選択肢は、「鸚鵡」「カナリア」「雄鳥」「雉」。
うーむ、ラーリン家は地主(農家)であることを踏まえると、「雄鳥」ですかね。自信はあまりないです。
そんな描写あったなぁ!!それにしても、マニアックな問題ばかりですね(今更)
第16問
タチヤーナは地元からモスクワへ行ったが、その時通った道は今日ではなんと呼ばれているか?
えっなんですかこの外国人殺しの問題は!?wwwロシアの現代地理分かってないと詰みますよね!?wwww
……えーー、詰みました、降参です。
わからないので、最初の「Riga Highway」を選びたいと思います(当てずっぽうで正解したとしても不正解扱いになります)
正解は「レニングラード高速道路」。いや、わかるか!www
Googleマップ大先生曰く、ここらしいです。↓
第17問
ラストです!
長い旅の後、オネーギンが見たタチヤーナは頭に何を乗せていたか?
これは簡単です。オネーギンはグレーミン公爵に訊きます。「あの真っ赤な帽子を被った、スペイン大使と会話している女性は誰なんだ?」
つまり、答えは「Ruspberry Beret」!
ここの会話、凄く良いですよね……すきです……。
結果発表
あのArzamas Academy様に、「あなたは間違いなくプーシキンが好きです」と言われてしまいました。仰る通りです!!
いやあ、なかなかの正答率じゃないですか!?(自画自賛) 皆様、当ブログ「世界観警察」と、筆者のわたくしを少しは信頼してくださってもよいですよ!? あ、ロシア語は読めないので所詮その程度ですけど……。
しかし、第3問は悔しいですね。海だぬき=ビーバーにならない脳が恨めしいです。でも現代ロシア地理はわからないので全問正解は出来そうもなかったですね……悲しい……。又、第6問や第15問は自信がなかったので、これからも読み込んでいく必要性を感じました。
皆様はどれくらい答えられましたか??
小ネタ
Google翻訳をEnglishではなく日本語にしてみたところ、凄い誤訳が見えたのでネタとして掲載します。
結婚?(困惑)
Googleはどうやらオネーギン×レンスキーがお好きなようで……
最後に
通読お疲れ様でした!
いや~~!!楽しかったです!!オネーギン、やっぱり好きですね!これを機に、細かい所もしっかり読み込み直したいな~と思いましたね。
そしてArzamas Academyさんの講義やテストは本当に面白いです!いつかは原語で読めるようになりたいと、今回更に強く思いました。
それでは、オネーギンファンが増えることを願って。