世界観警察

架空の世界を護るために

終わりは新しいことの始まり - 『RiME』レビュー

  こんばんは、茅野です。

 『Mosaic』をクリアしたら勢いづいてしまい、そのまま長らく積んでいた『RiME』を二日でクリアしてしまいました……久々にこんな真面目にゲームやったわ……。

 

 『RiME』は発売直後に PS4 版を買ったのですが、長らく放置しておりました(すみません)。が、今ふとやる気を出してやり始めたら、思いの外面白く(失礼)、一気に終わらせてしまいました。良いゲームだった……。

 

 そういうわけで、早速ですが、サクッとレビューを書いていきたいとおもいます。お付き合いの程、宜しくお願い致します。 

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↑美しい島。

 

 

概要

  『RiME』は、スペインのデヴェロッパー、 Tequila Works さん開発の様々なプラットフォームでプレイアブルのアドベンチャーRPGです。前述の通り、わたくしは PS4 版をプレイ。謎解きがメインで、美麗なグラフィックの広いフィールドを縦横無尽に駆け巡れるのも高ポイント。

 開発段階では紆余曲折あったようですが、それを感じさせない完成度です。

 

総評

  舐めてました(正直)。めちゃ良いゲームです。

 

 嫌いな人なんていないんじゃないかとすら思いますが、わたしも当然、上田文人氏の作品(『ICO』『ワンダと巨像』『人喰いの大鷲トリコ』)が大好きです。昨今は所謂「『ICO』ライク」な作品が横溢しており、如何に差別化するか? は重要な課題となりました。

しかし、『RiME』は幕開けからこれです。↓

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↑『RiME』冒頭

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↑『ICO』ラスト

 

 完全に『ICO』ですほんとうにありがとうございました

……となって、購入当時のわたくしはやる気が失せたのでした。インスパイアされて類似のゲームを作るのはよいが、ここまで完全に一致だと……。

 

 しかし、これは重要なことですが、『RiME』、是非とも最後までやって頂きたいです最後で印象が全然変わりました、わたしは。一旦序盤で投げたわたしがこう言うのだから間違いありません。最後までやるべきです。

 

 謎解きのギミックなどはもう物凄く『ICO』ですし、橋や塔が多いのも『ICO』『トリコ』を彷彿とさせます。謎解きは、上田氏の作品をやり慣れているなら、まあまず詰むことはないかな、とおもいます。個人的には『ICO』の謎解きの方が全然難しかった。死のペナルティもないですし、操作性もバツグン、画面酔いも無し。サクサクとストレスフリーに攻略できるかとおもいます。

 

 フィールドが広く、チャプターは5つ。なかなかボリューミーです(二日で終わらせた顔)。謎解きに時間を掛けず、サクサク進めばまあ普通にそれくらいで終わらせることもできますが、「意外と長いな!」というのが感想です。インディーズゲームにして、大手に匹敵する大作の部類です。じっくりと堪能くださいませ。

 

 ネタバレになるのでここでは伏せませすが(ネタバレゾーンは下記。既プレイの方、どうかお付き合い下さい)、ストーリーもいいですねえ! 最後までやらないと堪能しきれないタイプのものなので、重ねますが、最後までやってください。宜しくお願い致します。

 

1. グラフィック

 美しいです。開発陣によれば、『DARK SOULS』などの影響も受けているそうですが、毒沼みたいなエリアや醜い敵などは一切無し。全体的にどこを取っても綺麗ですね。

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↑写実寄りではなく、アニメ、カートゥーンに近い画風です。

 

 Chapter 1 などでは、ただ広大なフィールドを歩き回っているだけで充分楽しいです!

 

2. 音楽

  今すぐにサウンドトラックを買うべし(迫真)。名曲しかないです。いやもうサントラだけでも買って欲しい領域。

  尤も、超メロディメーカー! というわけでもなく、どの曲も似ているので、サントラを聴いて「この曲、あそこの……!」とはあんまりなりませんでした。やり込みが足りないともいう(※初見プレイが終わったばかり)。

 しかし、統一感あるサウンド、大変いいですね……美しく、但し主張しすぎず、 BGM として頗る優秀です。勉強するとき流しておくと捗りそう。

 

 そしてこの『RiME』、ハミングゲーです(?)。主人公の少年のハミングがめちゃくちゃ可愛い。映画版『かいじゅうたちのいるところ』の『Igloo』みたいだ。

↑ハチャメチャ可愛い。

 

 一曲、 EDテーマの曲だけ歌があるので、考察記事の方は翻訳をやっておきたいとおもいます。

 

3. 主題

 全てがネタバレになるので何も書けません……。

が、申し上げて起きたいのは、何度も言うように、「最後までやって欲しい」ということ、そして「意味がわかると怖い話(主に二周目)」、そして「結構泣ける」の三点です。宜しくお願い致します。

 

 以下、盛大なネタバレ。↓↓

 

 

主観的感想(盛大なネタバレ)

 突然ですが、わたくしの特技は連載小説などの続きの展開を当てることです。結構正答率には自信があります。……「後出しジャンケン」って言われそうで非常にアレなんですが、正直に言うと、Chapter 1 が終わった辺りで、ストーリー自体はなんとなく読めました。

と申しますのも、わたくしは考察書きであって、その際「初見時の印象」というのは結構後ほどまで響いてくるものですから、色々考えながら進めていました(PVすら見ておらず、ネタバレは一切踏んでいませんでした)。

以下、少々推理のプロセスを。

 気が付いたのは、この『RiME』、ミスリードが非常に多いということです。声をギミックとして多く使うのに、特に意味もなかったのが不思議でしたね(→考察記事で解説致します)。

最初の違和感は Chapter 2 への移行で、引っかかったのはムービーというよりも地形でした。

↑初見時のツイート。

 わたしは考察書きの中でも、特に作中の文化風俗を注視するタイプなので、地形やオブジェクトには必要以上に注意を払うのですが、 Chapter 2 に移行した段階で、『RiME』の地形は物理的に有り得ないと結論づけました。又、これはゲームシステムにも関わるので一概には言えないのですが、主人公の体力が無尽蔵であること、死のペナルティがないことなどもこれを裏付けています。即ち、この世界は架空のもの、誰かの妄想の産物、象徴世界だということです(→あってました)。

 最初は、主人公の頭冠や、「鍵穴」、Chapter 1 の王墓などから、王家に纏わる物語なのかと思いましたが、象徴世界であればそのような設定は全くもって不要です。従って、主人公が王子に見立てられているのはなにかの「象徴」であると考えました。鍵穴から、王、王妃、王子(主人公)が描写されるので、これは額面通りに受け取るのではなく、「家族」として見るのがよいのだろうと推理しました(→あってました)。

 赤フードの人物は、体型が成人男性のものであること、全く敵対的な行動をしてこないどころか、主人公を導くような存在であること、他に成人男性に纏わるヒントが鍵穴の王しかないことから、王=主人公の父だろうと見当を付けました(→部分的にあってました)。

 冒頭のムービーの段階では、海難事故の描写自体はあるものの、船といえば移動手段ですし、それ自体がメインテーマであるとまでは考えなかったのですが、チャプター移行のムービー、そして Chapter 2 にこれでもかという程繰り返される船のモティーフから、海難事故がテーマだということは見て取れました。船、海難事故、見知らぬ場所に漂流、象徴世界、という条件が重なれば、寧ろここが生死の狭間、或いは死後の世界であると考えない方が不自然です。わたしはここで音楽ゲームの『Deemo』を連想していました。ここから演繹して、赤フードの人物か、主人公が亡くなったのではないか、と推理しました(→あってました)。

 ……という具合に、 Chapter 2 に入った辺りでこれくらいは推理を終えていて、あとはどうオチを持ってくるかな~とあまり期待せずに進めていました。

Chapter 5 に入った段階で、推理が正しいことを確信。「ただ地形がバグっているだけで、茅野にはこの程度の推理が可能です。如何でしょうか、皆様方……?!」という気持ちでした(※『うみねこく頃に』のパロディです)。

 

 が、Chapter 5 でプレイヤーキャラクターが主人公の父に切り替わったときは流石に驚きましたし、「そう来るか……!」と大変ワクワク致しました。ストーリー自体はシンプルですし、推理も難しくないので、購入当時のわたしのように早々に見切りを付けてしまう方もいるのではないかと思いますが、実際に Chapter 5 をプレイしたときの高揚感はなかなかどうして、刺さるものがあるので、是非最後までやっていただきたいのですよね……。いや、良いゲームだ……。

 いや、しかし、 溺死したと推定される主人公にガンガン水中ステージを進ませる鬼畜さよ。水中の冒険は『ABZU』でいいよ……もう……。

 

 二点目。多くの方が指摘されているように、この作品のベースにはキューブラー・ロス女史の『死ぬ瞬間』があります。流石に初見でそこまで推理することは適いませんでしたが、しかし、キューブラー・ロスねえ……。

 そうなんです。既読なんですよ。ですので、解釈も速攻で終わりました。ほんと、わたしを誰と心得る? って話なんですよ。わたしは自殺文学で卒業論文を書いた女ですよ。もうバチバチに専攻内容ですわ。ありがとうございます。

 しかも、ついでに言えば、前日に書いていたフランス文学(バルザックの『娼婦たちの栄光と悲惨』について)のレポートに正にキューブラー・ロスを使っていて、運命さえ感じましたよ。

 ↑日付にご注目ください。

 まあ、そんなわけでして……、こう……、びっくりしてしまいました。ゴチゴチに守備範囲内だった……。

というわけで、最初は「う~ん、そこそこ良いゲームだったな。テキトーにレビュー1本書いて終わろ~」くらいの気持ちだったのが、気が変わりました。ガッツリ考察を書きます。わたしのやる気スイッチを押した罪は重い。どうぞ、今後もお付き合いを宜しくお願い致します。次の記事は考察記事です。

 

 三点目。前記事の『Mosaic』というゲームのレビューで、以下のように書きました。

わたしはインディーズゲームの多くが投身自殺オチだとおもっています(ド偏見)。と、申しますのも、インディーズゲームでは「『ICO』ライク」作品や「『Dear Esther』ライク」作品が多いわけですが、この大元となった2作品では、どちらも物語後盤で主人公が高所から落下する描写が見られるからです。

そして、ライク作品では、ここもリスペクトしているのか、とにかく物語の後盤で主人公が落っこちる!

まさかと思いましたが、『Mosaic』も然りであった……なんということだ……。

A Vucchella - 『Mosaic 1% Edition』レビューと解釈 - 世界観警察

お ま え も か 。

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どんどん補強されていく我が説…………。

 

最後に

  通読ありがとうございました。5000字強。

「主観的感想」にも書きましたが、ヘンに焚きつけられてしまったので、もうガッツリ考察を書く気満々です。一説には、「やり尽くした」と考えられている『RiME』考察ですが、わたしに言わせれば全くそんなことはありません。ほんとうの「やり尽くし」ってやつを見せてやるよ(強気)。そんなわけで、今後もお付き合い頂ければ幸いで御座います。

 それでは、一旦お開きとさせて頂きます。次記事でお会いしましょう。

 

↑ 考察記事第一弾、上がりました。こちらからどうぞ。