世界観警察

架空の世界を護るために

モスクワからのレポート1 -ロシア聖地巡礼の旅

 こんにちは、茅野です!

今回は考察ではなく、備忘録を兼ねて2017年9月に赴いたロシア聖地巡礼の旅を纏めようと思います。纏めるのが遅かったのは、わたしが怠惰なのと、忙しかったからです。(言い訳)

 この旅は、ペテルブルクにいる友人に会うことを目的に計画したのですが、帝政ロシア藝術が大好きな当方が「聖地巡礼したい!」と地図を拡げ、一日平均二万歩、十日間ロシアの街を練り歩くことに。飛行機と宿だけ日本で手配し、そのほかは全部自分で計画を立てて敢行しました。主なターゲットは、文学・オペラ・バレエと展開していて全て大好きな『エヴゲーニー・オネーギン』と、詩人ミハイル・レールモントフです。帝政ロシア文学黄金の時代はいいぞ。

画像の量が膨大なので、一日につき一記事を目安に書いてゆきたいと思います。

 

 

9/13 (水)

 現地時間18時頃にモスクワ、シェレメチェヴォ空港へ降り立つ。時差は6時間ほど。

降りたってすぐ、タクシーの呼び込みの大群に目をつけられる。「うーーん、海外!」とすぐに実感。なんとか追い払い、両替を済ませ、そそくさと適当なタクシーに乗り込みます。海外旅行は好きなのですが、値段交渉等は得意ではないので現地で広く使われている値段の決まっている会社を選択しました。

拠点

 モスクワでのお宿は「チャイコフスキー・ホテル(Отель «Чайковский»)」というところに致しました。もうこの時点でオタクって感じだぁ……

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↑入り口が小さくてすこぶる分かりづらい。目の前で迷った。

 

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↑玄関口。ホテルというより、「欧州のアパルトマン」というような雰囲気。

 

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↑ロビーにドーーーン!とチャイコフスキー。入るとまずこれ。結構びっくりする。

 

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↑お部屋の壁紙が楽譜柄で可愛い♡

 

 小さいし(部屋も広くない)、お値段も狭い割に張るんですけど、不便はなかったです。欧州のアパルトマンな雰囲気で、気分はさながら留学生。

そしてなにより、ここ、めちゃくちゃ立地がいい

名前からして……という感じではありますが、なんと、お向かいが、あのモスクワ音楽院なんです!!

 

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↑音楽院入り口に聳えるチャイコフスキー

 

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モスクワ音楽院

 

クレムリンまで歩いて5分くらい、っていうと更にその立地の良さも伝わりやすいでしょうか。

モスクワに限らず、パリなど、欧州の首都は徒歩圏内に重要な建物・観光名所が密集していることが多いので、クレムリンに近い=主要な場所はほぼ全て歩いて探索出来る、ということなんです!

……東京ももっとコンパクトにならないものか……

 

小散歩、余談

 初のモスクワに興奮を抑えきれない当方、早速街に繰り出します。

とはいえ、夜なので、何を見るでもなく、取り敢えずホテルの周りを散策しました。

街を歩いていて気がついたことを3つばかりお話します。

 

余談その1。

 冗談だろ、と思われそうなお話なのですが、モスクワ、街全体が物凄くよい匂いがするんです。「清潔感ある甘い香り」というのが一番近いでしょうか。

洗い立てのシャツと、甘いバニラみたいなのがほどよく混ざったような匂い。

恐らく、本当に香り高い洗剤の匂いと、あとは電子タバコの匂いなんだと思います。

ロシアは喫煙率世界一だったこともある喫煙大国(最近は後進国に抜かれている様子)。街中で歩きタバコしている人のなんと多いことか!

とはいえ、ヤニくさい、と感じたことはありませんでした。電子タバコが流行っているようで、ニコチンやタールを配合せず、甘いアロマを吸うようなタイプのものが主だったからだと思います。本当に香水のような、バニラやらベリーやら、みたいな香りがします。

ただ、その電子タバコ、紙巻きのタバコなどよりも煙を吐く量が段違いに多いので、最初は見たときびっくりします。雲吐いてんのかってかんじですね。

街を歩いていて、すれ違い様に思いっきり顔面に煙を吐きかけられて、タバコをそんなに気にしない当方も流石に「うおおおお!!!」となったのですが、「あれ……くさくない……というかめっちゃ甘くて良いにおい……なんだったんだ今の……」と思って、三回くらい振り返りました。(※非喫煙者

 昨今の世の中は進んでいて、自宅のパソコンで動画を見ただけで旅行したような気分を味わえますが、匂いや、空気のかんじというのは現地に行かないと味わえないものです。是非この素晴らしい空気感を多くの人に楽しんで貰いたいですね。

 

 余談その2。

ご覧下さい。

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どこにでもありそうな自動販売機……。

しかし、所在地はモスクワ!「いや、めっちゃ日本語じゃん。大丈夫かよ」と思ったのですが、普通に買っているロシア人たち。いいんか、それで。

そういえば、これ「世界ふれあい街歩き」で見たな、とか思い出したり。

↑テレビをほぼ全く見ない当方が小学生の頃から毎週欠かさず録画して見ている神番組。

 

 余談その3。

モスクワ中心部を走る車は超高級車ばかり。車は全く詳しくないのですが、もう一目瞭然という感じ。

又、タクシーも適当に呼び止めたのがベンツで、「は?」ってかんじでしたね。ベンツのタクシーってなんだよ日本じゃ考えらんな。

 そして、もうびっくりするくらい運転が荒っぽい。マジでカーチェイス。映画みたい。車間距離ゼロ。完全にマリオカートの世界。ロシアカート。何も知らない日本人がレンタカーでも借りようものなら、数メートルで吹っ飛ばされるんじゃないでしょうか。

 しかも制限速度の概念はないんか、ってくらいすっ飛ばす。タクシーに乗っているだけでジェットコースター気分が味わえる! ロシアでもシートベルトは義務化されていますが(尚守っている人は…)、本当につけないと死にますよ。本当に。

そして運転手が超怒りっぽい。すぐキレます。中東みたいに窓開けて怒鳴り散らすようなことは滅多にありませんが()、クラクション連打。騒音半端ないです。大通りとか、大合唱が始まります。すっ飛ばしているのに渋滞はしょっちゅう。どうなっているんだ、ロシアの道路。

 ちなみにペテルブルグではもう少しおとなしいです。流石貴族の街というべきか……。

 

晩ご飯

 練り歩いているとお腹が空いてきたので、ホテル付近でレストランを探すことに。

結局入ったのは、モスクワ音楽院の中にある「Кофемания」というカフェ兼レストランみたいなところ。チェーン店で、各地に存在します。英語のメニューもあります。というかモスクワの都心部は基本的に英語のメニューがあるので安心してください。

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↑お洒落。

 

飲み物にマンゴー&ジャスミンなるものを頼んでみたら、めちゃくちゃ美味しくて焦るなど。

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見た目完全にカボチャのスープなんですけど、最初マンゴースムージーみたいな感じなのに後味がジャスミンティーですっきりするからしつこくない……っていう。

前菜にサラダと……

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メインにはジェノベーゼのパスタを頂きました。美味でした。

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ロシア、ご飯美味しいです。ロシア料理だけではなく、普通にイタリアンとか、中華とか高水準です。あと流石はロシアというべきか、シーフードが凄い美味しいです。シーフード系のものを頼むと、これでもか!というほど乗ってたりします。すごい。

但し、物価は高い。

 

 席はテラス席にしたのですが、時折モスクワ音楽院から音楽が響いてくるわけですよ。なんと豪華な。

それで、なんとですね、オペラ『エヴゲーニー・オネーギン』の第二幕『トリケのクプレ』が聞こえてきて、ですね……!!!!

当方はエヴゲーニー・オネーギンの大ファンなので("聖地巡礼"と題打っているっていうるのも大半はこれである)、もう大興奮です。しかも流石はモスクワ音楽院から聞こえてくるわけで、めちゃくちゃ美しい。「え、その声でレンスキーじゃないんですか……」という感じでした!!!

 ロシアに着いたその日からこんな出会いがあるとは!と、感動致しました……。

 

そんなわけで、わたしの十日間のロシア生活が幕を開けたわけです。

二日目となる14日はいよいよ「聖地巡礼」がスタート。お楽しみに。

 

↑二日目の記事が仕上がりました。こちらからどうぞ。