世界観警察

架空の世界を護るために

ペテルブルクからのレポート2 -ロシア聖地巡礼の旅-

 こんばんは、茅野です。

引き続きペテルブルクの旅をお送りします。

 旅の前半戦、モスクワからのレポートはこちらから。↓

ペテルブルグ一日目のレポートはこちらから。↓

 

 

9/18 (月)

 午前は街を散策し、お昼から友人に会いに行きます。実はこちらがこの旅のメインイベント。

 

旧都の幻想崩壊

 朝九時起床。

昨晩、疲れてすぐ寝てしまったため、朝風呂をします。シャワールームを使ったのですが、水漏れが半端ない!!!

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↑洗面所、冠水。

幸い、バスタブのほうにもシャワーがあるので、そちらを使うことで解決したのですが、結構びっくりしました。

なるほど、「葦の街」、水回りの弱さは健在か。

 

楽譜屋再び

 さて、散策を開始。

モスクワでも楽譜屋へは行ったのですが、ペテルブルクにもあるだろうということで探してみます。

案の定、ネフスキー大通りに一店見つけたので入ってみることに。

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↑ローマ字併記のありがたさを実感するロシア聖地巡礼の旅。

 

こちらのお店は楽譜よりもCDの品揃えがよかったです。見本が並んでいて、店員さんに出して貰うシステムなのですが、異郷のコミュ障なので結構辛かった記憶があります()

取り敢えず、持っていないオネーギンのCDを確保します。(コレクター)

そして見ていると、「プーシキンが当時聞いていた曲集」というタイトルのCDを発見! なんだこの世界観警察大歓喜な代物は……。当然のようにお買い上げ。

更に、意外と日本では入手困難であるバレエ音楽のフルCDを確保していきます。目にとまった「ジゼル」「ロミオとジュリエット」を希望する旨を店員さんに伝えると、「あら、バレエ音楽が好きなの? うちにはライモンダもあるわよ。買わないの?(※ロシア語なのだが単語などで判断)」と教えてくれ、籠の中へ。

買ったものは以上になります。ほくほく!!

 

「貴族の街」の今

 さて、帝政ロシア時代、栄華を誇ったサンクト・ペテルブルクは、首都として貴族たちの社交場になっていました。

ピョートル大帝の命により、街は徹底的に清掃・美化され、オランダ風の街並みが築かれ、ゴミ収集まで法令が決まっており、当時は乞食がペテルブルグにいたら罰金が取られたとか。(街に近づいただけで悪臭がしたという)パリよ、見習ってくれ。

しかしそれは帝政時代のお話。

ソ連時代を経て、連邦となって久しい今、この街はどのようになったのでしょう。

「古都」と呼ばれるのはモスクワのほうなのですが(モスクワは12世紀あたりからの歴史を持つのに比べ、ペテルブルクは18世紀から)、今の感覚だと、日本で喩えるとモスクワが東京、ペテルブルグが京都といった感じです。

前回の記事で、モスクワの人々よりもペテルブルクの人々の方が気性が穏やかだとお伝えしました。が、それは地元人に限ったお話。

昨今問題になる移民問題。我が国日本も、そして勿論ロシアも例外ではありません。

わたしは国際政治サークルに属しているので、一般の大学生よりも当問題に対する学術的な理解はあるほうだと思います。ですが、移民・難民問題に消極的な日本に住んでいると、実感することはあまりありません。

 わたしはこの旅の間ずっと、小さな肩掛けのポシェットに貴重品を入れて散策していたのですが、ネフスキー大通りを歩いていると、見知らぬ男がわたしの鞄に指を突っ込んでいるではありませんか。

幸い、掴んでいたのはボールペンだったので、それくらいくれてやるよという気もしましたが、スリはスリなわけです。比較的旅慣れた当方でも、流石にこんなに露骨な犯罪の当事者になるのははじめて。

「おいおいマジかよ」と思い、取り敢えずペンを持った手首を押さえてみる。今思うと超・蛮勇行為です。

そのまま振り返ってみると、異国語(流石に一瞬の邂逅だったし頭に血が上っていたので何語かは特定できず)で話す西アジア系の顔立ちの男二人組。

「東アジアの観光客(しかも童顔に見えることでお馴染みの日本人・女)なんて余裕余裕w」みたいなノリでスリの対象に選んだのだと思われますが、即座に気付かれた上、逃げるでもなく手首を捕まれて黒く長い睫の生え揃った目で瞬く男。

とっさに手首を掴んでしまった当方としても、「あっ!ヤバいかなり蛮勇な行為をした!」とそのとき気付いたわけです。

取り敢えずその手を振り払って雑踏に紛れるのが一番だと気付いたのですが、さてこの手首をどうする。

「あっ失礼しました~(苦笑い)」と言うわけにもいかないので、ここはかっこよく捨て台詞を吐いて逃げるに限る!!!

そこで出てきた言葉が「PISS OFF.」だったわけです。言ったこちらもびっくりしているし、言われた相手方もびっくりしています。

その隙に大混雑のネフスキー大通りを歩き出します。振り返らず、走らず。心臓バクバクです。幸い、蛮勇行為のおかげで何も盗られず。

スリに気付いた時の対処法としては微妙だったかもしれませんが、中々カッコよく決まったんじゃないでしょうか(?) 今となってはネタ話。

テレビ取材につぎ、また新たなる武勇伝を生み出してしまいました。

……とはいえ、我ながら凄い蛮勇行為をした自覚はあったので、ちょっと怖くなって近くのレストランにそそくさと入って気持ちを落ち着けることに。

軽食を摂ったのですが、正直何を食べたのか覚えていません。

貴族、お金持ちの街ということは、同時に物乞いの街でもあるということ。

皆様もペテルブルクへ、というより海外へ赴くとなったら、リュック等背中に荷物が来るものは控え、必ず手荷物に気を配るようにしましょう。あと、そいつらを罵るくらいの勇気を持てば満点です。

 

秋のペテルブルク・オネーギンコレクション

 あたたかい紅茶で一息吐くと、またあの戦場(と認識された)ネフスキー通りを歩こうという気概が沸いてきます。モスクワでもぼったくりに遭ったのだ。こんなの日常茶飯事である。ビビってはおれぬ!

というわけで、食休みも兼ねて歩きます。

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↑美しい並木道。赤いコートのお姉さんがまた良い感じ

 

この通りにオネーギンのポスターをまた新しく見つけました。

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↑燕尾服にロルネット。お洒落~!

 

メイン・イベント

 さて、約束の時間が近いので、友人に会いにゆきます。

個人情報ダダ漏れするので特に書くことはしません。

日本に三ヶ月ほど滞在していて仲良くなったのですが、超・ナイスガイです。

訛りのない綺麗な英語を話すので意思疎通が簡単だし(ロシア語訛りの英語は聞けたものではないのである)、常に超ハイテンションで飽きません。

あとは、男性なのですが、尻の造形が非常によいことが特徴で、日本滞在時に覚えた日本語は「おはようございます」「こんにちは」「ありがとうございます」「かわいいお尻」の四種らしく、いや最後どうなってんだ。意味分かってるんだろうか。

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↑カフェオレとエクレアと共に。

 

本当は超甲斐甲斐しく、「ペテルブルク着いたら迎えに行くよ~!」とか、「うち泊まる?」とか言って貰っていたのですが、前の記事で書いた通り、列車で行く予定だったのが飛行機での移動になるトラブルがあったり、流石に家族もいるので、家に上がり込むのは申し訳ないなどの理由から、会える時間が極端に短くなってしまったのでした。

いや、でもとても楽しかったです!!!!!!!

挙動や笑顔が一々可愛い人で、つい日本語で一々「可愛い~~~~」とか言ってしまうのですが、成人男性なのでまさか自分が言われているとは思わず、毎度キョトンとするのが尚更可愛かったりするわけです。日本のオタクは語彙がないのだ……。

 別れ際、今度はまた日本に来るように誘ってみました。このレポートを書いている現在、「ワンチャン行く」みたいなメールを貰っています。わくわく。

 

晩ご飯

 ホテル方面への帰り、道が非常に混雑していてかなり時間が掛かりました。モスクワより穏やかですが、ロシアの道路はクラクションの大合唱。

予定よりも大分帰りが遅れたので、すっかりお腹が減ってしまい、ホテルから徒歩二分のロシアングリルへ直行。

店に入ると美女店員が待ち構えています。もう一点の曇りもなく、アナウンサーかという明朗で流暢な英語で話し始めます。流石観光地です。

レストランというより家庭料理の食堂といった趣きで、ビュッフェ形式ではあるのですが料理毎に値段が決まっていて皿に取った料理を見せてお会計する、というちょっと変わったシステムのお店でした。

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ラタトゥイユ、サーモン、クラムチャウダー、レモンパイ、紅茶

おぼんの感じとか、ちょっと給食とかを思い出して楽しかったです。

 

ホテルに戻り、ベッドへダイブして二日目を終えます。

明日からはペテルブルクの聖地巡礼を開始!お楽しみに!

↑続きの記事が仕上がりました。こちらからどうぞ。