世界観警察

架空の世界を護るために

フライデーのノート解読 - 屍者の帝国考察

 こんばんは、茅野です。

先ほどまで屍者の帝国のオフ会(上映会)してたんですよ。いや~、久々に見たんですけど本当に綺麗ですねあれは。

当方は屍者の帝国は原作から入ったんですが、劇場版は「映画というメディア」として捉えたとき、適切な改変が加えられていて、これはこれで素晴らしいなと思っております。

「世界観警察」というと、原作至上主義と捉えられることも多いのですが(否定はしない)、私はそこら辺は割と寛容な方だと自認しています。というか、屍帝に関しては改変の理由とクオリティに納得したからというのが強いわけですが……。

 

はい、さて、本題行きます。

今回は「劇場版屍者の帝国のフライデーのノート解読」です。

実はこれ、去年の二月にTwitterで行ったものなんですけれども、「ブログで分かりやすく纏めてほしい!」という声があったので書きます。

古参のフォロワーさんはリアルタイムで見たことがあるかもしれませんね。

 ↑これです。「遡って頂ければ」とか言ってそんな昔の遡れるか~!というツッコミが目に見えており、全くもって配慮の足りないツイートです。

 

 してこのノート、ファンの間では別名「遺書」とか言われている代物でございます。フライデー推しの皆さんは覚悟して目を通して下さいね。皆様、バスタオルの準備は宜しいか。

あと当たり前ですが、劇場版屍者の帝国に関する重大なネタバレの塊ですので、閲覧は自己責任でお願いします。

 

フライデーのノートとは

 劇場版屍者の帝国のラスト、ワトソンが自身に疑似霊素を書き込むシーンで一瞬写る、これ。

f:id:sylphes:20170724004553j:plain

これです。

これを、読みます。

こんなん字も潰れてるし読めるかァーーッ!!!」と思ったそこのアナタ。

そ れ な 。

事実、見切れていたり不鮮明で見えないところが多い代物です。

しかしこれを読み解くのが我ら考察勢のお役目なのです。はい頑張って行きましょう。

 

 

原文

""内は解読不可部分の予想、-は不明部分です。

- spectre, that is, when the light of life has
- certain kind of cruel beauty. If living human

-an object... It is not that easily di-

-a dead body with not a scratch to be found.
-ty stands out. Beauty as a functional st-

-s shrouded in that life while alive, beauty as a human.

- which is a delicate machine of entuened, bone and
-don

 

What distinguishes the living and corpses?

The presence or absence of a sprectre.

The lost 21-gram soul.

Thought.

Language.

I wonder if words can reach a corpse.


右側

Curiously the corpse's ocular and -

the control of Necroware If I succeed in -
that acts on these parts perhaps the -
me and speak words.

Watson, I believe in the existence of the soul.

Thought precedes language. If there is language, there is a mind
and that is where the soul is I want to prove -

 

A edd numbness has began to develop in my hand. These are
the last words that I can live in real.

I will go and have an early peak at the future. If I feel a soul
there, I will send a signal.

From this point on, my words will be - of a -

分からないところが多すぎますが恐らくはこんな感じです。

 

拙訳

分からないところを補いつつ、翻訳の案を提示します。口調は劇場版フライデーに寄せてます。

同じく""内は解読不明部分の予想、-は不明部分です。

 

亡霊は一種の残酷な美しさを持つ。
もし人間”と同じような屍者を創ろうとするならば”
-それは簡単なことではない。
-傷ひとつない死体。
"屍者は"機能としての美しさが際立っている。
”傷のない死体は”生前と同じ生活を送り、
そして”機能的な美しさではなく”人間的な美しさに包まれている。

屍者は骨と"腱"の絡んだ繊細な機械だ。


何が生者と屍者を分けるのか?
鼓動の有無か、霊素の有無か。
喪われた21gの魂

思考
言語
言葉は果たして俺に届くのだろうか?


右側


不思議なことに、屍者の目と-(解読不可)
ネクロウェアの制御。もし俺が成功した場合には
俺(屍者)に話し掛けることはネクロウェアに働きかけるかもしれない。


ワトソン、俺は魂の実在を信じる。
思考は言語に先行する。言葉があるなら、そこには心がある。
そしてそれは魂の存在そのものだ。俺はそれを証明したい。
手に痺れが現れ始めた。これは
生きてるうちに書くことが出来る最後の言葉になるだろう。
俺は近々痩せ衰えて先に逝く。もし魂を感じたら
合図を送る。


ここから(合図をした瞬間から)、俺の言葉は-(以下解読不可)

 

 

細かい解説

直訳/意訳や英語の軽い解説をします。去年の2月に書いたものを加筆修正したものになります。

英語力が高いわけでは無いので、色々ミス等あるかと思いますので遠慮無く指摘してくださいませ。

1行目

- spectre, that is, when the light of life has

有難いことに結構原型を留めています。

このlight of lifeですが、「なんかここだけ抽象的だな~」と思い、調べてみたところ、新約聖書ヨハネによる福音書8:12のことばのようです。

I am the Light of the world; he who follows Me will not walk in the darkness, but will have the Light of life.

エスは、また人々に語ってこう言われた、「わたしは世の光である。わたしに従って来る者は、やみのうちを歩くことがなく、命の光をもつであろう」。

                 (新約聖書 ヨハネ福音書8:12)

ヨハネはJohnと書きますから、John Watsonと絡めて深読みしてしましますね。

そしてその「命の光」とはなんぞ?というと、曰く、内なる命の感覚によって人の内側を照らし、人を罪から救い出すものとのことです。

 

2行目

- certain kind of cruel beauty. If living human

見えない部分を一行目と関連づけて考えると、「それ(恐らく命の光)は一種の残酷な美しさを持つ。と言ったところでしょうか。

或いは、原作の12ページを引用し、「生命の灯火が消えた肉体には、ある種の残酷な美しさがある」とするのもよいかとおもいます。

 If~以降ですが、3行目に掛かっている為下記にて。

 

3行目

-an object... It is not that easily di-

「di-」ってなんやね~ん!となる三行目。見えないものは致し方ない。

2行目の「If living human...an object」の繋がりから推測して、「もし人間”と同じような屍者を創ろうとするならば”-それは簡単なことではない。」と訳してみました。

 

4行目

-a dead body with not a scratch to be found.

これは見やすいですね。直訳で、「-傷ひとつのない死体」とかそんな感じでしょうか。恐らく、原作プロローグの「傷ひとつ見あたらない遺体の場合、その美しさは際立つ。」の部分と推測されます。

 

5行目

-ty stands out. Beauty as a functional st-

最初と最後が微妙に見えずもやもやする5行目。文章が途切れているので、繋げて良いのかわかりませんが、繋げるとしたら「それは機能としての美しさが際立っている」となりましょうか。

 

6行目

-s shrouded in that life while alive, beauty as a human.

最初のsは、恐らくis、主語はThat corpseとかそんな感じかと推測されます。よって、「(傷のない死体は)生前と同じ生活、そして(機能的な美しさではなく)人間的な美しさに包まれている。」のようになるかと思います。

 

7行目

- which is a delicate machine of entuened, bone and

直訳すると「それは骨と???(解読不可)の絡んだ繊細な機械(おそらく解析機関ではなく傷のない屍者を指す)、そして」のようになります。上では、原作プロローグより解読不可部を「腱」と推測し、意訳して「屍者は骨と"腱"の絡んだ繊細な機械だ。」としました。

 

8行目

-don

勘弁して下さい。

 

9-14行目

What distinguishes the living and corpses?

始めての全文!「何が生者と屍者を分けるのか?

The presence or absence of a sprectre.

霊素の有無

The lost 21-gram soul.

喪われた21gの魂

Thought.

思考

Language.

言語
I wonder if words can reach a corpse.

言葉は果たして屍者に届くのだろうか?

全部明瞭に見えますし、短いので一気に!

14行目の「corpse」は単数形のため、「傷のない屍者=フライデー=自分」と当てはめるのが適切かと思います。

 

右側 1行目

Curiously the corpse's ocular and -

and以下が読めませんが、それ以前で見てみると「不思議なことに、屍者の目と-」になります。これは原作の「屍者の眼筋と喉頭筋は、何故かネクロウェアの制御を受け付けない奇妙な部位だと知られている。屍者は話さないのではなく、話せない。眼球は虚ろに動くが、焦点を合わせることはない。」の部分と推測されます。

 

右側 2-4行目

the control of Necroware If I succeed in - 
that acts on these parts perhaps the -
me and speak words.

2行目は「ネクロウェアの制御。もし俺が成功した場合には-」になります。最初の「the」が小文字なので、1行目と繋がっているのは確定していますが、1行目の最後も読めないのでどうしようもないです。

3行目は「それらの部位、部品(文脈的にネクロウェア?)に働きかけるかもしれない」となりますが、 重要な「何が」の部分は読み取れず。

4行目は明らかに3行目と繋がっている上に短いので、補填する必要があります。「俺(屍者)に話し掛けることはネクロウェアに働きかけるかもしれない」、つまり、「"全ての言葉と行動を書き記せ"と命じろ」と取ることも出来ますし、

主語が見えない以上何とも言えないので 「(自分が)言葉を話せるようになるだろう」っていうことかもしれません。

又、2行目から繋げて考えると、もし「If I succeed~」が屍者になってからだった場合、「自身でネクロウェアを解析して言葉によって働きかけ、屍者たる自分がネクロウェアを動かす」……といった風にも取れなくはないです。ここが最難関。

 

5行目

Watson, I believe in the existence of the soul.

ワトソン、俺は魂の実在を信じる。」 そのままです。

 

6-7行目

Thought precedes language. If there is language, there is a mind
and that is where the soul is I want to prove -

作中何度も似たセリフが出てきますね。「思考は言語に先行する。言葉があるなら、そこには心がある。そしてそれは魂の存在そのものだ。俺はそれを証明したい。

 

8行目

A edd numbness has began to develop in my hand. These are
the last words that I can live in real.

この「A edd」というのが謎です。見るとcddかeddにしか見えないのですが、そんな単語はないし本当に謎です。もしかしたらaddかもしれませんが、可算名詞或いは形容詞のはずで、文法的におかしいので違うような気もします。

それを抜きにして考えると、numbnessというのが「麻痺」ですから、「手に痺れが現れ始めた。これは生きてるうちに書くことが出来る最後の言葉になるだろう。」になるかと思います。

はぁ~~~~……つらい……。

 

9-10行目

I will go and have an early peak at the future. If I feel a soul
there, I will send a signal.

peakが見辛くて苦戦した一行です。peakは名詞だとご存じ「先端、頂上」といった意味になりますが、意味不明なので意訳の必要があります。動詞だと「痩せ衰える」という意味になります。つまり意訳をするとなると……やっぱり遺書じゃないか(憤慨)。

後半は生前様の回想の言葉を織り交ぜ、「俺は近々痩せ衰えて先に逝く。もし魂を感じたら合図を送る。」とするのがよいでしょう。

 

11行目

From this point on, my words will be - of a -

ここから(合図をした瞬間から)、俺の言葉は-(以下解読不可)

な、なんて意味深なところで……。「この続きが聞きたい」、それがワトソンの願いなのでしょう。

 

最後に

 お疲れ様でした!!! いや、内容が辛い。ウッってなりますよね。

屍者の帝国に関する考察ネタはまだまだあるのですが、未だに未来のイヴなど関連図書も読破しきれていないにわかですので、屍帝に関する考察はゆっくり時間を掛けて行っていこうと思います。お付き合い宜しくお願い致します。

では、あなたに善き魂のあらんことを。

 

余談追記

どうも、外国語学部の茅野ですよ。「旅路」でフライデーが翻訳をするシーンがあると思いますが、そこもちょっと見てみました。

1パラグラフ目が逆さから書いたアラビア語、2パラグラフ目が正面から書いたアラビア語、3パラグラフ目が英語でした。

しかし、1と2パラグラフでは上から文字が重ねて書いてあり、ぐちゃぐちゃになってしまっています。よって、アラビア語履修者の私も気付くのに遅れてしまったのでした。

そして、アラビア語は文字を繋げて書くのですが、ここでは文字が全く繋がっていません。これは表記的なミスです。しっかりしてくれ~。でも、「屍者が書いた」ということで、わざとなのかもしれません。そう考えるとそれはそれでアリなのかもしれませんね。

肝心の内容ですが、2パラグラフの明瞭なところを見てみると、「دنامب اخنىا ىتدم」とあります。しかしこれ、全くもって意味を為さない字面です。適当なのかもしれません。しょぼーん(´・ω・`)。

以上、アラビア語履修者でした。