世界観警察

架空の世界を護るために

現実世界とACの未来 - ARMORED CORE4-VD考察

 こんばんは、ご無沙汰しております茅野です。

長らく空いてしまいました。申し訳ないです。大学に進学したりしてバタついておりました。

考察記事書くのって、結構疲れるんですよ。議論に発展するような内容の文章を、責任を持って書かないといけないので。いや、それが趣味なんですけれどね! また議論付き合って下さいね。

また、大学にて「このブログを知っている」という先輩がいらっしゃって、ビックリ仰天です。このブログ、そんなに有名だったんですか。記事数もないのに。お恥ずかしい限りです。これからも精進致します。

 

 どうでもいい自分語りが長引く前に、議題です。今回取り上げるのは、「現実世界とAC4-VDの関連性」になります。

 この度は胸熱な議題を持ってきたと自負していますよ! あなたはリアル・アーマードコアの目撃者になれるのか!? 一緒に考えていきましょう。

 

 

AC4-VDは我々が生きるこの世界の未来の姿である

 今回の説の前提となります。そしてこれはただの夢物語なのか? 答えは、否です。

公式設定資料集、「ARMORED CORE 4& for Answer DESIGENS」に次の説明があります。

1, 世界の破綻

現代の延長線上にある未来。世界は末期症状を呈していた。人口爆発による食料およびエネルギー資源の慢性的な不足。近視眼的な開発により無秩序に拡大する極地。南北に二極化した享楽と貧困は、救いようのない傍観と憎悪を情勢し、国民国家政府は、徐々にその統治能力を失っていた。頻発するテロと暴動により、多くの都市が廃墟と化す一方で、秩序の崩壊により重要度を増した軍隊は、高度に機械化され、幾つかの企業が強力な軍産複合体を形成、その影響力をかつてないほどに拡大させていった。

 

否定のしようがありませんね。公式の提示する、事実であります。

では、いつAC4の時代が訪れるのか?

我々はAC4の時代にまだ生きているのでしょうか? 国家解体戦争を目撃することはできるのか?

まず、公式情報を並べてみましょう。

 

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ここまでが公式情報です。ソースはA NEW ORDER of "NEXT"ACVD公式設定資料集になります。ご参照ください。

では、ここから考察していきます。今の図を見て頂ければわかるかと思いますが、これは即ち、コジマ粒子が発見された年さえ分かれば後は己ずと分かるようになっているんですよね。

仮説としてまず初めに私が考えた説を提示し、それを細かく見てみることと致しましょう。

では早速。

 

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 事の発端はコジマ粒子の発見ですが、テクノロジーならともかく、「いつ発見されるか?」というのは考察しようがありませんね。それが発見ってものです。

ですから、比較的予想しやすいテクノロジーの方から見ていきましょう。

AMS接続、これはいつ可能になるのか?

そもそもAMSとは何かというと、Allegory Manipulate Systemの略で、ネクストを操縦するために必須の機構であり、脊髄や延髄を通じて直接機械と肉体を繋げてしまうというものです。

では、AMSを実現させるために、我々には何が出来るでしょうか。調べてみました。

ポスト・ヒューマン誕生」、或いはそのエッセンス版となる、「シンギュラリティは近い」という本に、次の説明があります。

 デューク大学のミゲル・二コレリスらは、サルの脳にセンサーを埋め込んで思考だけでロボットを操作させている。実験の最初の段階では、サルに、ジョイスティックを使ってスクリーンのカーソルを操作することを教えた。次は、脳波計から信号パターンを収集し、ジョイスティックの物理的な動きではなく、脳は信号の適切なパターンにカーソルが反応するようにした。サルはすぐ、ジョイスティックはもう役に立たず、考えるだけでカーソルが操作できると学んだ。この「思考検出」システムは次にはロボットに取り付けられ、サルは、思考だけでロボットの動きを制御するやり方を学習することが出来た。ロボットの動作から視覚的なフィードバックを得て、思考によるロボット操作を完璧にマスターした。

つまり、2001年(※)の段階で、猿はAMS接続に成功していると言ってもよいわけですね。(※「ポスト・ヒューマン誕生」の発売年)

では、肝心の人間への転用です。これはいつになるでしょうか。

同じ本から引いてみましょう。これの答えとなるものは、恐らくタイトルにもある、技術的特異点(Singularity)です。

この"シンギュラリティ"とはなんでしょうか。一時期話題になったので、名前だけは知っているという方も多いのではないかと思います。

これは人工知能学者Ray Kurzweil(レイ・カーツワイル)が唱える、「ポスト・ヒューマン」ーーー新しい人類の形です。

彼の著書であり、シンギュラリティについて詳しい「ポスト・ヒューマン誕生」は難解な学術書なので、読み進めるには根気の必要かと思います。しかし、皆さんはラッキーです!

ACをプレイしていれば、めちゃくちゃわかりやすい例があります。

それが、ACFD- ARMORED CORE FORGOTTEN DAYに登場するアイザックと、ACVD- ARMORED CORE VERDICT DAYに登場する財団の例です。

 

財団から見る"新人類"

 

財団は皆さんご存知、ACVD黒幕、キチ笑いでお馴染みのイカレ野郎ですね。ちなみにわたくし茅野の推しでもあります。財団めっちゃ可愛い。……それはさておき。

財団は「人間だよ、昔はね。」の発言や、ACVD公式設定資料集に何度もあるように、元は人間だったのがAIになったと考えられるキャラクターです。おさらいしましょう。

Forgotten dayのラストで、アイザックという青年が主任と共に姿を消し、彼と同じ思想を持つ「財団」が約150年後の世界であるVDに登場します。

故に、アイザックがナニカサレて、財団になったのではないか?というのがとても有力な説なのです。

では、具体的にナニヲサレたのか?

もうお気付きですね。これが、「シンギュラリティを越えること」なのです。

 考察記事たるもの、濁すことなかれ。もっとシンプルに申し上げましょう。「人間がAIになること」。これです。何も難しいことはありません。尤も、実現は難しいでしょうが!

   このことから、少なくともV世界ではシンギュラリティを超越していることがわかります。

そして、V世界の技術は、基本的に4世界のものとなっています。ですから、4世界の段階でこれは可能であった可能性が高いです。ここから、財団=首輪付き説や、財団=アブ・マーシュ説を取ることも可能であり、それを支持する人も多いです。しかしACVD公式設定資料集では、私の数えた限りだと一冊のうちに5回も財団=アイザックの可能性を示唆していましたので、公式が言うのであればこちらが有力であろうと思います。実際一番筋が通っていますしね。

しかし、例えば、4時代ではリンクス(AMS適性を持つ一部の特殊な人間)にしか行えなかったものが、ただの一般人たるアイザックにも行えるようになった、と考えることも可能ではあります。となると、財団=アイザック説しか取れなくなるわけですね。まあ、可能性は低いかと思いますが……。これは、V世界のテクノロジーが4世界に劣っているためです。

 

シンギュラリティとAMS

 

では、どうしてこのシンギュラリティがAMSと関連しているのでしょうか

それはこのシンギュラリティの手法にあります。

皆さんご存知のとおり、現段階ではシンギュラリティは超越できていません。故に、その手法に関して今世界の頭脳たちが研究している段階です。

現在考えられる手法について引用します。

 人間の脳の仕組みを理解することは、同じような生物的な特徴をもった機械を設計する際に役に立つだろう。そうした役立て方でもうひとつ重要なのは、われわれの脳とコンピュータを実際に接続することである。数十年先には、両者はますます密接に融合することになる、とわたしは確信している。

すでに国防高等研究計画局(DARPA)が、年間2400万$を投じて脳とコンピュータを直接連結する研究を行っている。MITのトマソ・ポッジョとジェームズ・ディカルロ、およびカリフォルニア工科大学のクリストフ・コッホが、資格対象の認識と、その情報の符号化の方法をモデル化しようと試みている。これらはゆくゆくは、イメージを直接脳に送り込むことに適用されるだろう。

これ、めちゃめちゃAMSじゃないですか?

故に、このシンギュラリティとAMSが同時期に生まれた技術である、と言えることが出来るのです。

そして、この「ポスト・ヒューマン誕生」では、2045年にはシンギュラリティは越えられるのではないか、と予想されています。他にも、最近の新書では2030年であるとか、2050年であると大分揺れがあるのですが、シンギュラリティ神話の初出であり、一番ポピュラーであるこの2045という数字を今回は使用しました。

 勿論これが完全に正しいとは思いませんし、そもそもこれはAMSに限った話でありコジマに関しては何も言えないので妄想に近い数字なのですが、具体的な数字を提示することでACにより現実味を感じて頂けたら嬉しいです。

 

 また、AMS接続は元々軍事利用ではなく、医療目的で開発されていました。特に、障害者の社会復帰を目的とした技術への転用が考えられていました。

その点でもこのシンギュラリティは一致していて、曰く、

この研究は、体が麻痺した人に、四肢と環境を制御できるような同様のシステムを提供することを目指している。2014年にブラジルで行われたサッカー・ワールドカップの開会式で、この技術と外骨格スーツを組み合わせたニコレリス開発の装置を身につけた障害者が、サッカーボールを蹴ることに成功した。

 とあります。これは最終的にAMSに進化するとみてもよいのではないでしょうか。

 

メルツェルとAI

 

 上記から、V世界ではシンギュラリティを越えたAIが存在することが確定しました。

では、4世界でシンギュラリティを越えたAIはいないのでしょうか

AC4シリーズは、ARMORED COREシリーズで唯一AIキャラクターの出てこない作品です。この違和感から生まれた説がメルツェルAI説です。

勿論、戦闘AIは登場しているのですが、この場合は人格や思想を持ち、人間と違わず会話することが可能なAIを指します。

私個人はこのメルツェルAI説を支持していないのですが、よい機会ですので紹介させて頂きます。

 

その名の通り、ACfAに登場するORCA旅団副団長 メルツェルはAIなのではないか?という説です。

根拠として挙げられるのは以下の通り。

まず、撃破時にノイズが乗っていること4シリーズで音声にノイズが乗るのはメルツェルのみとなっていることから、AI説を推す人が多いようです。

第二に、ウィン・D・ファンションが彼を「自動人形」と呼ぶことが挙げられるかと思います。「メルツェルの機械人形」を揶揄してのこととは思いますが、もっと直接的に受け取ることも勿論可能です。

 「メルツェルの機械人形」の元ネタに関してはこちらを参照してください。

sylphes.hatenablog.com

又、先程も申し上げた通り、4シリーズにはAIキャラクターが登場しないこと。上記から、AIである可能性が一番高いと考えられるメルツェルがAIなのではないか、というメタな根拠です。

 

私はこれだけでは根拠が弱いのではないかと考えているのですが、否定することの不可能な立派な説です。

もしこの説を取ると、fAの段階で人格を持つ根からのAI、或いはシンギュラリティを越えたAIが存在していた可能性が高まります。

 

 

主任・キャロルは何者か

 

 他にAIキャラというと、主任がいますね。確定はされていませんが彼の秘書キャロル・ドーリーもAIであると考えられます。(※ACFDにてAIであることが示唆されていました。確認不足でした。申し訳御座いません。 2017/6/25 加筆)

彼らについては特に情報が少ないので半分妄想になってしまいますが、シンギュラリティ型のAIではなく、根からのAIであるという説を支持する方が多いようです。これに具体的な根拠はありません。よく言われているのは、財団らに比べて「思想が元人間らしくない、管理者らしい」ことでしょうか。他に何かありましたらコメントをお願いします。

又、作られた時代は4-fA世界ではないか、という説が有力です。何故なら、上記の通り、V世界ではそれを開発する技術がないからです。

もしそうだとすると、4世界の段階で根からの個性豊かなAIを作ることが出来たのではないか、と考えることが出来るというわけです。これは現実世界でいうと、Siriとかそういう系譜なのではないかと思います。

ただ、これはあまりにも根拠不足なので、各自信奉する説に委ねます。

 

最後に

 通読お疲れ様でした。また長くなってしまいました。

AC4-VDが現実になる。めちゃめちゃ浪漫がありますよね。V世界を生きたいか、と言われればあまりそうは思いませんが、国家解体戦争、リンクス戦争が見られるとしたら胸熱ではないでしょうか。クレイドルに乗れる、或いはそれこそネクストに乗れる日が来るかもしれませんよ。

さて、今後のAC考察記事についてですが、4-VDにおける勢力の変異と、北米版のVoWのテキスト書き出しを行おうと考えています。時間が掛かるかも知れませんが、その時またお目にかかれれば幸いです。

では、戦場にあなたの魂のあらんことを。